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なでしこジャパン E-1サッカー選手権ヒストリー<後編/2010‐2015>
2017年12月01日
12月8日(金)~16日(土)、東アジアサッカーの頂点を決める「EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会」が、男子は味の素スタジアム、女子は千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)で開催される。本大会は、2003年に「東アジアサッカー選手権」として産声を上げ、今回で男子は6回目、女子は5回目の開催となる。本大会が日本で開催されるのは、2003年、2010年に続き今回が3度目。2017年大会の開幕を前に、これまで日本が繰り広げてきた戦いの歴史を振り返る。
東アジア女子サッカー選手権2010決勝大会
2010年2月6日~13日/日本開催(味の素スタジアム、国立霞ヶ丘競技場)
vs 中国 2-0(前半1-0、後半1-0)
【得点者】宮間あや、近賀ゆかり
vs チャイニーズ・タイペイ 3-0(前半1-0、後半2-0)
【得点者】岩渕真奈(2得点)、髙瀬愛実
vs 韓国 2-1(前半2-0、後半0-1)
【得点者】大野忍、山口麻美
※得点者は日本のみ記載
若手と中堅・ベテランが融合して連覇を達成
大会連覇を目指して、日本初開催の東アジア女子サッカー選手権2010決勝大会に臨んだなでしこジャパン(日本女子代表)。若手選手の台頭など多くの収穫を得ながら3連勝を飾り、目標としていた連覇を成し遂げた。
なでしこジャパンを率いて2年目の佐々木則夫監督は、前年のAFC U-19女子選手権大会中国2009に出場したU-19日本女子代表の監督も兼任し、その大会で優勝に貢献した熊谷紗希選手や岩渕真奈選手を今回の大会メンバーにも加えた。
そして、日本選手が持つ高いスキルが世界中で認められ始め、中堅、ベテラン選手は、海外クラブでプレーする選手が多くなった。澤穂希選手がワシントン・フリーダム(アメリカ)、安藤梢選手がデュイスブルク(ドイツ)、宮間あや選手がロサンゼルス・ソル(アメリカ)、永里優季選手が1.FFCトゥルビーネ・ポツダム(ドイツ)など、海外で積んだ経験をなでしこジャパンに還元する一方、より一層チームが成長するために、国内と海外でプレーする選手の融合という新たな課題が生まれつつあった。
味の素スタジアムで行われた第1戦・中国戦は、宮間選手と近賀ゆかり選手の得点によって、なでしこジャパンが2-0の勝利を収めた。この試合で当時16歳の岩渕選手が国際Aマッチデビューを果たすと、国立競技場で行われたチャイニーズ・タイペイとの第2戦では、岩渕選手が2得点、国際Aマッチ出場4試合目の髙瀬愛実選手が1得点を決め、3-0で快勝した。
そして澤穂希選手の国際Aマッチ150試合目の出場となった第3戦の韓国戦では、大野忍選手と山口麻美選手が得点を決めて、2-1の勝利を収め、なでしこジャパンは大会連覇を達成した。
大会を終えたなでしこジャパンは、3カ月後のAFC女子アジアカップ中国2010で3位となり、翌年のFIFA女子ワールドカップドイツ2011への出場権を獲得。その女子ワールドカップでは、日本がFIFA主催大会で初めて頂点に立ったことで、日本の女子サッカーが国内外で広く認知される大きなきっかけとなった。
EAFF女子東アジアカップ2013決勝大会
2013年7月20日~28日/韓国開催(ソウル、華城)
vs 中国 2-0(前半1-0、後半1-0)
【得点者】安藤梢、中島依美
vs 朝鮮民主主義人民共和国 0-0(前半0-0、後半0-0)
vs 韓国 1-2(前半0-1、後半1-1)
【得点者】大儀見優季
※得点者は日本のみ記載
3連覇ならずも悔しさがバネに
ロンドンオリンピック2012を準優勝で終えたなでしこジャパンは、それから約1年後、韓国で行われたEAFF女子東アジアカップ2013決勝大会に臨んだ。なでしこジャパンは世界の強豪国の仲間入りを果たし、3連覇を目指してこの大会を戦ったが2位となり、優勝したSAMURAI BLUE(日本代表)との男女ダブル優勝を惜しくも逃した。
第1戦の中国戦は、安藤選手が前半に先制点、後半に途中出場の中島依美選手がAマッチ初得点をいずれも大儀見優季選手のアシストによってマーク。2-0で開幕戦白星を飾った。
しかし、第2戦の朝鮮民主主義人民共和国戦では、前半に相手の猛攻を受け、後半は大儀見選手が5本のシュートを放つなど、なでしこジャパンも反撃したが、0-0で引き分けに。
ホスト国の韓国と対峙した第3戦は、INAC神戸レオネッサでプレーしていたチ・ソヨン選手に直接FKを含む2得点を決められて2-0に。なでしこジャパンは73分に大儀見選手が1点を返し、その後も次々とシュートを放つも、同点ゴールを奪えないまま時間は経過していく。結局90分間で相手の3倍以上のシュートを放ったが、1-2のままタイムアップを迎えた。
特に第2戦、第3戦では勝ち切るための決定力を発揮できず、なでしこジャパンにとって、東アジア勢との戦いの厳しさを痛感させられた大会となった。しかし、翌年のAFC女子アジアカップベトナム2014では、その点を改善し5試合で16得点を挙げ安定した得点力で大会初優勝を飾り、EAFF女子東アジアカップ2013決勝大会での悔しさを最高の結果に昇華させることに成功した。
EAFF女子東アジアカップ2015決勝大会
2015年8月1日~9日/中国開催(重慶)
vs 朝鮮民主主義人民共和国 2-4(前半0-1、後半2-3)
【得点者】増矢理花、杉田亜未
vs 韓国 1-2(前半1-0、後半0-2)
【得点者】中島依美
vs 中国 2-0(前半0-0、後半2-0)
【得点者】横山久美、杉田亜未
※得点者は日本のみ記載
収穫と課題の両面が見えた前回大会
FIFA女子ワールドカップカナダ2015で準優勝を収めたなでしこジャパンは、約1カ月後に中国で行われたEAFF女子東アジアカップ2015決勝大会に臨んだ。
この大会は国内でプレーする選手のみで出場。キャプテンは女子ワールドカップに参加した川村優理選手が務めた。試合ごとに新しいヒロインが生まれたが、1勝2敗の3位で終わった。
第1戦の朝鮮民主主義人民共和国戦は、得点の奪い合いとなり、なでしこジャパンは増矢理花選手と杉田亜未選手が得点を挙げるが、前半に1失点、後半に3失点を喫し、2-4の敗戦。GK山根恵里奈選手が前半に相手のPKをストップし、杉田選手は代表初得点をマークするなど気を吐いたが、白星発進とはならなかった。
第2戦の韓国戦では、GK山下杏也加選手、村松智子選手、柴田華絵選手が代表デビューを飾った。日本は30分に猶本光選手が放ったシュートのこぼれ球を中島選手が決めて先制に成功する。しかし、後半韓国に2得点を許して2連敗となり優勝の可能性はこの時点でなくなった。
3位の座を争って戦うこととなった中国戦は、前半からなでしこジャパンが優勢に試合を進める。26分には杉田選手が直接FKからシュートを放つも、相手GKにセーブされ、ゴールポストに嫌われる。さらに61分には、川村選手のヘディングシュートが再びポストに当たるなど、0-0のまま終盤へ。しかし、途中出場の横山久美選手のゴールでようやく先制すると、後半アディショナルタイムにも杉田選手が追加点を挙げ、2-0で今大会初勝利を収めた。
これにより、なでしこジャパンは3位に順位を上げて大会終了。優勝に手は届かなかったが、初出場や初得点した選手が多く、新戦力発掘という面で収穫の多い大会となった。
EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会
男女ともに、中国、日本、朝鮮民主主義人民共和国、韓国の4チーム総当りによるリーグ戦で東アジアサッカーの頂点を競います。12月8日(金)から16日(土)まで、男子は味の素スタジアム(東京)、女子は千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ/千葉)で行われます。
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