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SAMURAI BLUE森保監督、ブラジル代表戦へ勝利を目指し「限界を超えるトライを」

2022年06月06日

SAMURAI BLUE森保監督、ブラジル代表戦へ勝利を目指し「限界を超えるトライを」

SAMURAI BLUE(日本代表)の森保一監督は6月5日(日)、キリンチャレンジカップ2022第2戦のブラジル代表戦を翌日に控えて試合会場の国立競技場で公式会見に臨み、「全てを発揮して勝利を目指して戦いたい」と述べて、世界トップとの勝負が選手とチームの飛躍につながることへ強い期待を示しました。

11月のFIFAワールドカップ本大会へレベルアップを図る強化試合4連戦の第2戦で今回日本代表が対戦するのは、FIFAワールドカップ過去5大会を制して現在FIFAランキング1位のブラジル代表です。チームの現在地を図る上でまたとない機会になることは言うまでもありません。

森保監督はFIFAワールドカップでの戦いを念頭に、「選手たちにはこれまでのレベルではなく、全ての部分において、いままでの自分たちの限界を超えるトライをしてほしい」と語り、選手とチームの飛躍につながる一戦にしたいと大きな期待を寄せています。

ブラジルはネイマール選手(パリ・サンジェルマン)やビニシウス・ジュニオール選手(レアル・マドリード)をはじめ、カゼミロ選手(レアル・マドリード)、チアゴ・シウバ選手(チェルシーFC)らタレントを揃えており、ワールドカップ南米予選でも17試合で総得点40に失点は5という圧倒的な成績を残して突破を決めています。

森保監督は、「攻撃も守備もアグレッシブに仕掛けること、試合の入りのところで勇気を持ってアグレッシブにプレーしてほしい」と述べています。

日本が守備に回る時間が長くなると予想されますが、日本代表指揮官は「いかに相手のハイプレッシャーをかいくぐって速攻へつなげるか、ボール保持につなげられるか」をポイントに挙げ、「どれだけ速い判断で全員が連係連動できるかを見たい」と語りました。

ブラジルは、1930年の第1回大会から欠かさずにFIFAワールドカップへ出場している唯一の国で、今回の南米予選も早々に突破。延期になったアルゼンチンとの1試合を残して、17戦14勝3分で負けはありません。

2002年日韓大会以来20年ぶりの優勝を目指すカタール大会へ向けて、強化試合の数は日本同様に限られており、ブラジルにとっても今回の日本戦は貴重な実戦の機会です。

来日前にソウルで対戦した韓国代表には5-1で快勝。開始7分でリシャルリソン選手(エバートン)が先制。前半半ばに1-1とされたものの、ハーフタイムを挟んでネイマール選手がPKを2本決めて突き放し、終盤にはフィリップ・コウチーニョ選手(アストン・ビラ)、ガブリエル・ジェズス選手(マンチェスター・シティ)が加点しました。

2016年夏から指揮を執るブラジルのチッチ監督は公式会見で、「2018年大会で日本がベルギーに勝っていたら、ブラジルと対戦するはずだった。ワールドカップにふさわしいレベルの2チームの対戦だ」とロシア大会を振り返りながら、日本へのリスペクトを示しました。

ブラジル代表コーチにはJリーグや代表MFで活躍したセザール・サンパイオ氏が就いており、会見に同席した元横浜フリューゲルスMFは、「日本代表はバランスがとれていてDFが強固で、攻撃陣にクリエイティブで想像力のある選手が揃っている」という分析を披露。その一方で、ブラジル代表は「経験のある選手に東京オリンピックで優勝したオリンピック世代、特にスピードと想像力で際立った特長を持つFW陣が加わっている」と述べて、選手層の充実に自信を示しています。

両チームはこの日、試合会場で冒頭15分を報道陣に公開して公式練習に臨み、日本代表はランニングやアジリティアップのトレーニングでウォームアップ。パス&コントロールやロングキックなどでボールタッチを確認し、それ以降は非公開にしてゲーム形式などで最終調整を行いました。

日本はブラジルとは過去12回対戦して2分け10敗と勝星がありません。前回2017年11月にフランスでの親善試合で対戦した時も1-3で敗れました。

吉田麻也選手(サンプドリア)は、過去の対戦で早い時間帯で得点を奪われていることに言及して、「まず、立ち上がりに失点しないこと。本大会もそうだが、どれだけ0-0の時間を長くするか。踏ん張ってなんとか1点もぎ取るサッカーをしないとならない。粘り強さが大事になる」と話しています。

また、日本代表キャプテンは、「どれくらい自分たちができるか。やれることとやれないことを明確にして、ワールドカップへ向けて準備をするために非常に重要な一戦になる」と語りました。

日本のブラジル戦は6日(月)、東京の国立競技場にて19:20キックオフの予定です。

監督・選手コメント

森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
世界王者と言えるブラジルとの対戦を楽しみにしています。相手の強さは選手もスタッフも認識していますし、これまでの対戦でも勝利していませんが、ホームで我々が持っている力を全て発揮して、トライすべきところは勇気を持ってトライして、勝利を目指して戦いたいと思います。
世界で勝っていくことを見据えてやってきています。いい守備からいい攻撃に移るというところで、相手のハイプレッシャーをかいくぐって速攻へつなげる、ボール保持につなげることができるかに、選手にはチャレンジしてほしい。どれだけ速い判断で全員が連係連動できるかを見たいと思っています。組織で戦うことはもちろん、個々でマッチアップするときに相手をどれだけ上回れるかにチャレンジしてほしいです。ワールドカップで結果を残すために、これまでの我々や個々のレベルではなく、いままでの自分たちの限界を超えるトライをしていかなくてはなりません。すべての部分において、明日の試合で選手たちにはトライしてほしいです。
ブラジルはいろんなことができるチームです。ただ華麗なだけでなく、泥臭く我慢強くやるべきときにはやり、全員でハードワークしながら持っている力を最大限に発揮します。我々が学ぶべきところはたくさんあると思います。選手にはいろんなことを感じながら、同じ目線で自分たちもできるという思いを持って戦ってほしい。
また、国立競技場は日本サッカーの歴史が詰まっている「サッカーの聖地」だと思っています。新しくなって初めての試合で、日本サッカーの発展を感じてもらえるような結果を求めて全力を尽くしたいですし、この国立でブラジルに勝って歴史を繋げていけるようにしたいと願っています。

DF #5 長友佑都 選手(FC東京)
レギュラー争いでもワールドカップでメンバーに入るところでも、自分はギリギリの戦いで首の皮一枚でつながっている状況だと思っています。左サイドバック、右サイドバック、左ウイングバックができるのは、ワールドカップのメンバー入りするためにも非常に大事な要素になってくると思うので、右で出たら「右もできるぞ」と、新しい長友を見せられるように頑張りたい。これまでも数々の逆境を乗り越えてきましたし、自分の強さを発揮できると思っています。ビニシウス選手はバロンドールを取ってもおかしくない選手です。その選手と対峙できるのはすごく楽しみであり、その選手を止めないと厳しくなるという危機感があります。寄せて前に向かせない守備や、スペースを潰しながらいつ勝負するのか、味方のフォローを待ちながらどこでボールを奪うのか。自分は世界トップの選手と戦ってきた肌感覚が残っているので、その経験を生かして戦いたいと思います。

DF #22 吉田麻也 選手(サンプドリア/イタリア)
パラグアイと試合をしたことで、より良い状態で試合に臨めます。僕自身も、リズムを取り戻して、体は仕上がってきていると思うので、より良いパフォーマンスを出せると思っています。ブラジルも韓国とやったことで、時差も解けて疲れも癒えていると思うので、お互いに良い状態で試合をできると思います。そのなかで、より正確にスピーディに質を上げていかないとならないですし、細かいことにこだわってチームづくりをしていかなければなりません。個々のパフォーマンスでも最後まで注意深くプレーしないといけない相手なので、非常にタフな試合になると思います。どれくらい自分たちができるか。やれることとやれないことを明確にして、次につなげて、ワールドカップへ向けて準備をするために、非常に大事な一戦になります。強豪国との対戦では勇気と謙虚さのバランスが大事で、無鉄砲に前に行くだけでは交わされますし、引いてずるずると下がっているだけでも、もちろんダメなので、そのバランスが大事になります。

MF/FW #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
パラグアイ戦では(所属クラブが同じ)伊藤選手とプレーしましたが、彼の特長も分かっているので、彼が普段やっているイメージに合わせるように意識はしましたが、代表に入ればやれると僕は思っていたので、心配はしていませんでした。ブラジル戦ではある程度前からいくことはビビらずにやっていきたい。本大会で強豪国とやっていくなかで、前からいくオプションはある方がいいですし、それはブラジル相手にも見せたいところです。攻撃で自分が間で受けて、いかにビルドアップに関われるか。僕のところでうまく関わることができればブラジル相手にもある程度ボールを持てる展開に持ち込めるとイメージしているので、そこはトライする部分です。ボールを奪うチャンスがあれば、そこの判断は積極的にしていきたいですし、特にボールを失ったサイドや、サイドに出た時には、積極的に中でコースを限定しながら奪いにいく姿勢はみせたいと思っています。

MF/FW #18 浅野拓磨 選手(VfLボーフム/ドイツ)
ブラジル戦は試合に出るつもりで準備しています。足の違和感も良くなりました。ブラジル戦はすごく注目されていますが、僕自身はどの試合も変わりません。すごく強い相手ですが、全力でぶつかっていきます。チャンスがきたら結果を残すことしか考えていません。みんなの期待に応えられるようにしたいので、目の前の試合に全力で、いい準備をしたいと思います。前回(2017年)の対戦では僕も守備の時間がすごく多かったですし、相手のDF選手でもボールを持つと脅威を感じて、攻守に力はあるなと感じましたが、チャンスに決めるかどうかです。どういう相手にもやれるという感覚があります。日本はこれまでブラジルに勝てていないというのはありますが、チャレンジできる舞台です。常に強い相手に対して、チャレンジャーとして100%の力でぶつかることができれば、チャンスはあるかなと感じています。スピードで言えば日本も負けていないと感じたので、スピードを生かしたプレーや、相手が攻撃的になれば隙も出てくると思うので、そこを僕らが突いていければチャンスは作れると思っています。

チッチ ブラジル代表監督
明日は非常に重要な試合だと理解しています。2018年ワールドカップで我々はラウンド16でメキシコに勝ったのですが、その試合後に日本の途中経過を見ると、ベルギーに2-0で勝っていました。あのまま日本が勝っていたら、次のラウンドでは日本とブラジルが対戦することになっていました。つまり、日本とブラジルはワールドカップで対戦するにふさわしいレベルの2チームです。日本については映像分析もしていますし、パラグアイは難しい相手ですが、そのパラグアイとの対戦も見ました。我々は、新しい世代が確実に台頭してきています。カタール大会へいい状態で来ていると感じています。

セザール・サンパイオ ブラジル代表コーチ
ワールドカップ出場を決めた森保監督を祝福します。日本代表はバランスが取れていてDFが強く、吉田選手、長友選手、遠藤選手がいて、特に遠藤選手はとてもポジショニングがいい。攻撃面でも非常にクリエイティブな想像力のある選手が揃っていて、とりわけ、南野選手は高いテクニックがあり、伊東選手は1対1に強くてスピードがあります。明日は互いにテクニックを駆使して勝利を目指す、非常に似た特長の2チームの対戦で、この試合を観た人々はみんな幸せな気分になる、素晴らしい試合になると思います。

2022年6月6日(月) 19:20 キックオフ(予定)vs ブラジル代表
会場:東京都/国立競技場
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