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U-19日本代表候補 フランス遠征に向けて関東大学選抜とトレーニングマッチを実施
2022年04月28日
高円宮記念JFA夢フィールドで活動中のU-19日本代表はキャンプ最終日の27日(水)、この数年何度も対戦している関東大学選抜とのトレーニングマッチを実施しました。先日開催した第36回デンソーカップチャレンジサッカーで活躍した選手、関東大学リーグで主力としてプレーしている選手など2年生主体のチームで、「強度の高い試合をさせてもらいたかった」との冨樫剛一監督の依頼を受けていただき、45分ゲーム3本という形になりました。
1本目は、序盤から互いにインテンシティの高い試合を繰り広げ、勢いを持って前進してくる大学選抜の攻撃を日本代表は正面から受けてしまいます。すると4分、相手DFからテンポ良くボールを繋げられ、スルーパスから1対1を迎え、一度はGK波多野崇史選手が防ぎ、こぼれ球をDF菊地脩太選手が必死にクリアしますが、最後は強烈なシュートを押し込まれ、いきなり先制点を許します。12分には、MF古川陽介選手が個人技で相手DFを振り切りシュートを放ちますがミートできず決めきれません。すると、15分相手の素早いパス交換から前線へボールが収まり、左サイドに流れたボールを、見事な個人技からのロングシュートを叩き込まれ2失点目を許し、日本代表は苦しい展開となります。その後、反撃に出るもなかなかチャンスを掴めず、ゴール前では個人技が目立つ流れとなります。30分には、再び相手に決定機を許しますが、シュートは枠を外れて1本目はそのまま0-2で終了します。
2本目、ハーフタイムで細かな修正と同時に厳しい檄を受けた日本代表は、開始早々から積極的に仕掛けます。49分にはMF藤原健介選手の鋭いスルーパスを受けたFW千葉寛汰選手が相手DFを振り切りシュートを放ちますが、これは相手GKのファインセーブに防がれます。その後は相手に攻め込まれるも耐えてきた日本代表でしたが、67分に右サイドを崩されてヘディングシュートを決められ3失点目を許します。その直後に両チームともに大幅にメンバーを交代して試合は再開。交代しても相手が主導権を握り、75分にはコーナーキックから豪快にヘディングを決められ4失点目を許します。ますます苦しい展開になりますが、2本目終盤の86分、右サイドでDF中野伸哉選手の縦へのパスを受けたMF屋敷優成選手がスピード生かし、ゴール前へクロスを上げると、FW横山歩夢選手がシュートを放ちます。一度はゴールポストに弾かれますが、自ら押し込んで1点を返します。ここから反撃に出たかった日本代表ですが、直後の87分に、一瞬の判断ミスからゴール前に簡単に突破され、5失点目を許して2本目を終えて1-5とリードを広げられました。
3本目、いよいよ反撃に出たい日本代表は試合を優位に進めます。疲れが見え始めた大学選抜を相手に、ゴール前でチャンスを作るもなかなか得点が奪えない時間が続きましたが、121分、中盤でボールを受けたFW鈴木章斗選手のスルーパスに得意のスピードを生かして抜け出した横山選手が再びゴールを奪い1点を返します。最後まで日本代表は必死に攻め込みますが、試合はそのまま2-5で終了しました。
このチームの目標はFIFA U-20ワールドカップインドネシア2023。まずは、9月に開催されるAFC U20アジアカップ予選を突破することが直近の目標になります。冨樫監督は試合後、「現状所属チームで試合に出場できていないのを言い訳にしない。自分自身に矢印を向けて、真摯にサッカーに取り組み、日常を変えて、自分の目標を常に上げて、必ず所属チームでの試合に出場し、活躍してほしい」と選手たちにメッセージを送り、この活動を締めくくりました。
U-19日本代表は、来月フランスで開催される第48回モーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に出場、2年ぶりの海外遠征を実施します。グループステージでアルジェリア、コロンビア、コモロと対戦します。
監督・選手コメント
冨樫剛一 監督
今回は2月、3月に続く3回目のトレーニングキャンプで、次に控えるモーリスレベロトーナメント、そして8月のトレーニングキャンプを経て9月のアジアカップと、活動回数が多くない中で、これまで見たことがない選手を呼べる、最後の機会かなと思って新しい選手を呼びました。トレーニングマッチに関しては、この年代の課題である日常的なプレー時間の短さを考慮して、大学連盟にお願いをして強度の高い45分を3本やらせてもらい、ゲーム体力を含めて確認するキャンプにさせてもらいました。
新しく入った選手が、思っていた以上に「自分はこんな選手なんだ」というパーソナリティを出してくれたこと、それがチームにとってプラスになることをアピールしてくれたことが収穫でした。チームでレギュラーを取って、毎週末結果にこだわった試合を戦っているのは今日2得点の横山くらいで、そこはやはり違うんだなと感じました。試合ではうまくいかない時間帯の方が多い中で、技術や戦術以外に強く出さなければいけないものというのは日々の戦いの部分が現れるんだなと感じています。今日戦った大学生たちは毎週末試合を戦っていて、今日も強度の高い試合をしてくれましたし、試合環境のある高校生年代の選手でもこのグループに入れる力を持った選手はいるので、今すぐには無理でも、先々のU-18のキャンプで見て、チャンスを得る選手、掴む選手もいるかもしれません。
ピッチに立って戦うのは選手で、自分たちは提示してあげる、枠を作ってあげる、その中で思い切ってやっていいよと言っています。選手全員が期待するものを表現できるわけではないと思うので、我々はその中で戦えた選手を選んでいくことが仕事だと思いますし、それだけ厳しい世界だと考えています。試合前からミーティングやトレーニングで提示してきましたが、ゲームである以上は勝つための選択をする、技術・戦術を超えるものを見せてほしいと話して試合に送り出しました。彼らが所属チームで試合に出る機会がない状況の中で、意図的に強度の高い環境で何ができるのか見たかったので、その点では多くのものを見ることができたと思っています。
DF 中野伸哉 選手(サガン鳥栖)
今日はサイドでプレーしましたが、外だけでなく中でもプレーすることで、攻撃のバリエーションをもっともっと増やしていきたいです。このチームの選手は所属チームでまだ試合に出れていない選手が多いので、まずは日々練習を重ねて自チームでスタメンを勝ち取って、そういった選手たちが集まることでこのチームを強くできればと思います。自チームでは主に左サイドでプレーしていて、今回代表チームの活動では右サイドでしたが、自分は両足で蹴れるので、難しさは感じていません。左右どちらでもいい状況を作れるのは武器だと思うので、そこはどんどん伸ばしていきたいです。今日は試合途中からキャプテンマークを巻きました。チームを鼓舞するところやコミュニケーションを取ることは求められるので、その当たりは意識して取り組みました。南米やアフリカの選手は身体能力も違いますし、その中で僕たち日本がどう勝つのか考えた時に、連動性や守備でもアグレッシブさを出して、チームとして戦えたらいいかなと思います。個人的には左右どちらをプレーするかわかりませんが、もっと攻撃的に、クロスやゴールも狙っていきたいです。
MF 古川陽介 選手(ジュビロ磐田)
初めて代表活動に参加しましたが、同世代のトップレベルの選手たちと高い強度でレベルの高い練習ができて楽しかったです。試合ではもっと自分のプレーを出したかったですし、ゴールを取るチャンスもありました。武器を出せたところもありましたが、課題も見つかって満足はしていません。初めての場所は苦手ですが、同じチームの藤原健介選手がいたのでよかったです。今日もすごくコミュニケーションがとれて、もっと代表に食い込んでいってこうした仲間を増やしていきたいです。今回選ばれたからには、次のモーリスレベロトーナメントはまず目指さないといけない目標だと思います。そのためにはまだアピールしきれなかった部分もありました。この活動に参加して、もっと自分のレベルを上げないといけないと痛感させられて、さらに上のレベルに関わるには3段階、4段階、5段階くらい評価を上げないといけないと思いました。
FW 横山歩夢 選手(松本山雅FC)
1点目については、最近はペナルティエリア内に飛び込む意識は強く持っているので、そこに良いボールが来たので合わせるだけでした。最初のシュートはポストを叩いてしまったので、拾って詰められたところが良かったと思います。2点目は、自分の特徴のスピードを生かして相手ディフェンダーの背後をとれて、最後は冷静に流し込むことができました。所属チームを背負ってこの活動に参加しているという感覚もあるので、2ゴールできて良かったです。来月には海外遠征が予定されていますが、海外の選手はリーチの長さが全然違いますし、J3で対戦する外国人選手も身体が強いので、そういう印象があります。相手のディフェンスラインとの駆け引きで背後をとるところや、スピードを生かしたドリブルでは絶対に負けたくないです。