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SAMURAI BLUE メキシコ代表に後半2失点で今季初黒星
2020年11月18日
オーストリア遠征中のSAMURAI BLUE(日本代表)は11月17日(日本時間18日)、グラーツのリーベナウスタジアムにてメキシコ代表と年内最後となる国際親善試合を行い、後半半ばに2失点を許して0-2で敗れ、今季初失点初黒星で3連勝とはなりませんでした。
来年3月のワールドカップ・アジア2次予選再開を前にワールドカップ常連国のメキシコとの対戦へ、日本は13日のパナマ戦の先発から吉田麻也選手と柴崎岳選手以外9人を変更。FW鈴木武蔵選手の1トップに、MF鎌田大地選手をトップ下、左右にMF原口元気選手とMF伊東純也選手を配し、ボランチにMF遠藤航選手とMF柴崎選手を並べ、4バックに戻した最終ラインには吉田選手と冨安健洋選手を中央に、左右を中山雄太選手と酒井宏樹選手で固め、GKにシュミット・ダニエル選手を起用しました。
メキシコは14日の韓国戦の先発から、ベテランのGKギジェルモ・オチョア選手を含めて6人を替え、2018年ワールドカップ経験者と若手を半数ずつ交えた編成で、立ち上がりから主導権を握るべく、激しいプレッシャーをかけてきました。
日本は序盤こそ、相手の圧力に押されたものの、暫くすると素早い切替えから攻めに転じるプレーでゴールへの姿勢を打ち出し、滑らかな連携で相手ゴールに迫るようになります。
10分には左サイドでボールを奪った伊東選手の仕掛けから、鎌田選手が相手の間を抜けてペナルティエリア深くに切れ込み、ゴール前の鈴木選手へパスを送り、触ればゴールという場面に。2分後にはサイドチェンジから原口選手が相手の意表を突くミドルシュートを放ちます。
15分には鈴木選手がGKと1対1の機会に右足を振り、ブロックされたリバウンドに伊東選手が反応してシュートを放ちましたが、これもGKオチョア選手に止められました。
その直後にはオフサイドになったものの、遠藤選手のクロスに鎌田選手が頭で合わせる場面や、28分には中から右への展開から伊東選手が早い折り返しを入れて、鈴木選手、鎌田選手、原口選手がゴール前で相手ゴールに迫る場面を作りました。
前半の終盤はメキシコが徐々に盛り返し、41分にFKからDFエクトル・モレノ選手が頭で合わせましたが、日本はDFが対応。前半を0-0で折り返しました。
ところが次の45分は違った展開になります。
メキシコは後半開始から選手交代でボランチを1枚から2枚に変更すると、ボールを保持して攻め込むようになり、試合の主導権を握ります。
50分には右サイドから攻め、中で落としたボールに前線に顔を出したDFルイス・ロモ選手がシュート。60分には左FKにFWラウル・ヒメネス選手が頭で合わせるなど、立て続けのチャンスメークで攻め込みます。
スタジアムに流れ込む霧が深くなる中、流れを変えたい日本は57分にMF南野拓実選手とMF橋本拳人選手を投入しますが、我慢の時間帯が続きます。
試合が動いたのは63分でした。左サイドの仕掛けから、ボールを受けたヒメネス選手がペナルティエリア深くに切り込み、角度のないところから右足でシュート。均衡を破りました。
メキシコはその直後にヒメネス選手を下げると、代わって入ったFWエンリ・マルティン選手が出場直後の68分に前線へパスをつなぎ、FWイルビング・ロサノ選手が決めて2-0としました。ワールドカップ7大会連続16強入りの強豪は、約5分で2得点を挙げて、勝負強さを発揮しました。
日本は72分にMF久保建英選手、77分にFW浅野拓磨選手を投入しますが、メキシコのマークも厳しく、ボールを奪ってもパスがつながらず、思うような攻撃に転じることができません。
79分にはメキシコにカウンター攻撃から交代出場のFWウリエル・アントゥナ選手に3点目を狙われましたが、GKシュミット選手が阻止しました。
日本は終盤、久保選手のドリブル突破でFKの機会を得ますが、得点にはつながりません。85分にはMF三好康児選手をベンチから送り出しますが、状況を大きく変えることはできず、0-2のまま試合を終了。10月からの年内の活動を2勝1分1敗で終えました。
コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
0-2という結果で勝負強さという点で相手に上回られてしまい、世界で勝っていくためには、攻守のコンセプトをしっかりして、強度の高い中でプレーのクオリティを高めて、決定力という部分で勝負強さを身に着けていかなければいけないと感じました。前半、選手たちは局面で激しく戦い、予測して動いて勇気をもってボールに関わって攻撃を仕掛けたことでチャンスを作ることができました。後半も入りは悪くなかったのですが、相手が強度を上げてきて、何度かプレッシャーを受けて攻撃の部分でミスが出てしまい、ミスや相手のプレッシャーでうまくいかない回数が多く、相手に流れを持っていかれました。
相手が強度を上げてきた中でもかいくぐっていけるよう、予測を持ってポジションを取ることや相手のプレッシャーを外していかなければならないですし、ワンチャンスをものにする決定力は身に付けなくてはいけない部分です。ただ前半は、我々も流れがつかめていないときに流れを引き寄せてチャンスを作ることはできていて、相手と同じような戦い方ができていたと思います。得点を奪えずに勝てなかったですが、選手たちは最後まで足を止めずに戦い続けてくれた。勝って終われるだけのチャンスを作れたので、さらに長い時間、より多くのチャンスを作れるように、選手たちには自信をもって続けてほしいと思います。
DF #22 吉田麻也 選手(サンプドリア)
メキシコは各選手がボール回しで非常に秀でていて、特に後半点を獲られてからはボールを奪えなかったですし、点を獲った後のゲームマネージメントは非常にレベルが高かった。自分たちにも十分チャンスはあったのですが、自分たちの流れの時に確実に決めることは課題です。相手にはワンチャンスをものにされた。あとワンプレーでヒメネスは交代していたと思うので、そこで粘れなかったのは、個人的にもチームとしても悔しいです。全体的に小さなミスも多かった。こういうレベルの対戦相手に、ミスが増えれば試合を難しくするのは当たり前です。ワールドカップでも苦しい時間が長くなる、そこを踏ん張ってショートカウンターや相手をいなすプレーや、かいくぐるプレーは、まさにメキシコが後半僕らにやったことで、僕らがやろうとしていることです。そこの差は正直あると思いましたが、個人的にはチームとしても個人としてももっとできると思っています。
MF #4 中山雄太 選手(PECズヴォレ)
相手は力強くてしっかりボールをつないできて、前線のパワーはすごく感じました。失点のところはチームとして耐えなければいけない時間帯で、そこで耐えきれなかった。もっと力を付けないといけないですし、前半得点機のシーンでこちらが得点できれば違った展開になっていたと思います。クラブで左サイドバックをあまりやっていない中で高いレベルでやれているのはポジティブなところです。代表でも信頼を勝ち取れるように、所属チームでアンカー、代表では左サイドバックという状況にしっかりアジャストしていきたいです。
MF #7 柴崎岳 選手(CDレガネス)
決定的な場面はいくつもあってコンビネーションはいいところもがありましたが、相手のインテンシティが高まった中で、自分たちのビルドアップやコンビネーションが少しずつずれたところがありました。メキシコは技術もしっかりしていて、そこで差が出たかと思います。ミスの少ないビルドアップをしてきて、ミスがあっても切り替えが素早く、守備の強度が高く、日本のコンセプトに近いものを感じました。崩しでは通用したところもありますが、インテンシティを上げてきたときの精度や奪われた時の攻から守への切り替えの強度は、メキシコは徹底していて、見習うべき部分があると感じました。
MF #8 原口元気 選手(ハノーファー96)
したたかさというか修正力という、自分たちが求めているところでやられたと思います。僕らが行けると思ったところで相手は良い修正をして、僕らは上手くいかないところで修正できなかった。2年前のベルギー戦がフラッシュバックして、正直「またか」という感じになりましたが、今日がワールドカップでなくて良かった。この2年を無駄にせず、同じ思いをしないようにしたいと思います。
MF #9 鎌田大地 選手(アイントラハト・フランクフルト)
前半は守備が良くてそれが攻撃につながりましたが、後半は相手がメンバーを変えてボールの回し方ややり方を変えて僕にマンツーマン気味に一人付けてきました。自分たちの守備のやり方も後ろが重くなっていました。そこはもっと早めに変えるべきだったと思います。上位にいるチームとは決定力や守り切るところなど、最後のところでちょっとした差だと思いますが、そこが難しいところです。個々のレベルを上げて自分もクラブに帰って成長したいと思います。
FW #11 鈴木武蔵 選手(KベールスホットAC)
前半の何本かあったチャンスを決めきれないと、こういう相手にはこういうゲームになるので、FWとして責任を感じます。(GKと1対1の場面は)GKが倒れるのが見えたのでファーを狙ったのですが、足をよく残していました。もう少し浮かして打つのがベストでした。考えて打つようにしているが、今日は相手が上でしたし、自分のシュートコースもまだ甘い。ああいうゴールをしっかり決められるようにやっていきたいです。
ヘラルド・マルティノ メキシコ代表監督
前半は明らかに日本が優位に試合を進め、決定的なチャンスを作っていて、前半の20~25分ぐらいは私がこの代表監督になって以来最悪の時間帯でした。前半終盤は少し良くなったものの、プレーの奥行きや深さが足りなかったのですが、後半、日本のプレーに先回りして、やりづらい状況を作りだして優位に運ぶことができました。日本は非常に良い組み立て方をして、攻撃でも規律のあるプレーをしていました。欠けていたのは前半の決定力です。こういう試合で優位に進めていくには、それを結果に反映させることが必要です。
スケジュール
11月9日(月) | PM | トレーニング |
---|---|---|
11月10日(火) | PM | トレーニング |
11月11日(水) | PM | トレーニング |
11月12日(木) | 未定 | 公式会見、公式練習 |
11月13日(金) | 1-0 | 国際親善試合 パナマ代表戦(Stadion Graz Liebenau) |
11月14日(土) | PM | トレーニング |
11月15日(日) | PM | トレーニング |
11月16日(月) | 未定 | 公式会見、トレーニング |
11月17日(火) | 0-2 | 国際親善試合 メキシコ代表戦(Stadion Graz Liebenau) |
※スケジュールを変更する場合があります
国際親善試合
2020年11月13日(金) 15:15 キックオフ(日本時間 23:15)vs パナマ代表
2020年11月17日(火) 21:00 キックオフ(日本時間 翌5:00)vs メキシコ代表
会場:Stadion Graz Liebenau(オーストリア/グラーツ)
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