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【Match Report】SAMURAI BLUE、クロアチアにPK戦で敗れて16強越えならず
2022年12月06日
FIFAワールドカップカタール2022に臨んでいるSAMURAI BLUE(日本代表)は12月5日(月)、アルジャヌーブスタジアムで行われたラウンド16で前回大会準優勝のクロアチア代表と対戦。前田大然選手(セルティック)のゴールで前半1-0とリードを奪いましたが、後半追いつかれ、延長1-1の末にもつれ込んだPK戦で1-3と敗れて敗退となり、初の8強進出は次回2026年大会以降に持ち越しとなりました。
7大会7度目の出場で、これが2大会連続4度目のベスト8入りへの挑戦でしたが、今回も16強の壁を破ることはできませんでした。
強豪のドイツ、スペインに勝利してグループEを1位で突破した日本は1日のスペイン戦に引き続き、この試合もスタートから3バックを採用。累積警告による出場停止の板倉滉選手(ボルシアMG)を含めて、先発メンバー3人を変更して、最終ラインに初スタメンの冨安健洋選手(アーセナル)、ボランチに遠藤航選手(VfBシュツットガルト)、2列目に今大会2得点をしている堂安律選手(SCフライブルク)を起用して、臨みました。
ここまで先発メンバーをあまり動かさずに戦ってグループFを2位で突破したクロアチアは、この試合も変更は2人にとどめ、前線にブルノ・ペトコビッチ選手、左サイドバックにボルナ・バリシッチ選手を初先発で起用します。
日本はボールを保持する時間も長く、試合開始早々のCKでは谷口彰悟選手(川崎フロンターレ)が頭で狙い、10分過ぎには右サイドを攻め上がった伊東純也選手(スタッド・ランス)がゴール前に鋭いクロスを入れて、触れば1点という場面を作ります。
クロアチアは攻守に連動した動きで守備を固めながら日本の最終ラインの背後のスペースを狙う動きを見せ、前半8分にはそこでロングフィードを受けたイバン・ペリシッチ選手が日本DFをかわしてペナルティエリアに切り込んでシュートを打つ場面を作り、前半半ばにはFKの流れからヨシュコ・グバルディオル選手が狙いましたが、枠を外します。
守りを意識しながら攻めの機会をうかがっていた日本は、前半40過ぎに遠藤選手の縦パスを受けた鎌田大地選手(アイントラハト・フランクフルト)がペナルティエリアで右足を振りますが、枠をとらえることができません。
しかしその直後の43分、CKの流れから短くつないで堂安選手の上げたクロスを吉田麻也選手(シャルケ04)が前田選手へパス。前田選手は左足でゴールに流し込み、日本が先制します。
1点リードで折り返した日本でしたが、後半はクロアチアが反撃。攻守にギアを一段上げて積極的に仕掛けるようになり、55分にデヤン・ロブレン選手のクロスにペリシッチ選手が頭で合わせて同点にします。
日本はその直後に遠藤選手がミドルレンジから狙いますが、相手GKに阻まれます。
対するクロアチアは同点で攻勢を強め、ルカ・モドリッチ選手やアンドレイ・クラマリッチ選手、ペリシッチ選手がシュートで日本ゴールを脅かすようになります。日本はGK権田修一選手(清水エスパルス)の好セーブなどでゴールを割らせません。
さらに64分に三笘薫選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)と浅野拓磨選手(VfLボーフム)を投入。75分にはクロアチアの仕掛けが増えていた日本の右サイドに酒井宏樹選手(浦和レッズ)を送り出して対応。87分には南野拓実選手(ASモナコ)を投入して得点機を探ります。
しかし両者ともに均衡を破れずに延長に入ると、前回大会のノックアウトステージで延長やPK戦の連戦を勝ち抜いて決勝に進出したクロアチアがしぶとさを発揮。交代選手を駆使して強度を落とすことなくプレーを続け、途中出場のロブロ・マイエル選手がシュートを放つなど日本ゴールに迫る場面を作ります。
日本も延長前半終了間際に左サイドをドリブルで持ち上がった三笘選手がシュートを狙いましたが、相手GKに阻止されます。両者とも一歩も引かずに120分を終えて、試合は今大会初のPK戦に突入しました。
先攻で臨んだ日本でしたが、1番手の南野選手と2番手の三笘選手が相手GKドミニク・リバコビッチ選手に止められて0-2の展開に。3番手の浅野選手が相手GKの逆ついて1-2とし、相手3人目がポストに当てます。しかし、日本は次に登場した吉田選手もGKに止められてしまいます。クロアチアは4人目が決めて1-3で終了。日本は2010年南アフリカ大会に続き、延長PK戦の激闘の末に涙を呑むことになりました。
クロアチアは準々決勝ではブラジルと対戦です。グループG1位抜けのブラジルは他会場で行われた試合でグループH2位突破の韓国に4-1で勝利。この結果、アルゼンチンに1-2で敗れたオーストラリアに続いて、ノックアウトステージに進出していたアジア勢3チームすべてがこのラウンドで姿を消しました。このほか準々決勝にはオランダ、アルゼンチン、イングランド、フランスが駒を進めています。6日に残り2試合が行われ、今大会の8強が出揃います。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
最後にPK戦になって試合をものにできませんでした。この結果は残念ですが受け止めなければなりません。相手GKが素晴らしいセービングを見せました。日本の選手たちは勇敢に120分間戦ってくれたと思いますし、PKを蹴ってくれた選手たちも勇気を持って自分が蹴ると言ってくれて、プレッシャーがかかるなか、チャレンジすることを選手たちは見せてくれました。選手たちには、世界で戦えると示したことに誇りを持ってほしい。
試合後の円陣では、選手とチームスタッフがこれまで努力を重ねてきてくれたことに感謝して、ベスト16の壁を破れずに新しい景色を見ることはできなかったが、ドイツやスペインというワールドカップ優勝国に勝つという新しい景色は選手たちが見せて、世界で戦い、勝っていけるという新時代になったことを選手たちが見せてくれたこと、そして、この悔しさを次の成長につなげてほしいと伝えました。この素晴らしい舞台に立って戦えたこと、これまで多くの選手が道をつなげてサッカーファミリーや関係者、国民が応援してくれたことに感謝して、顔を挙げて次に向かおうと伝えました。
相手の守備もあってボールロストの場面もありましたが、カウンターやボール保持は良くトライしてくれましたし、それがあったから120分間体力的にも戦えたと思います。ロシア大会の経験で、リードしているなかで保持率が下がると、押し込まれて試合を決められることになり、体力的にも疲弊して戦えないことは反省点として持っていました。今日、守備から攻撃へつなぐ意識を持って良くトライして、今のベストを見せて戦ってくれたと思います。ボールを握りながらゲームを進めることにトライしましたが、まだ高いインテンシティやハイスピードのなかで常にコントロールしてより優位に進めることは課題だと思います。選手たちもサッカーもレベルアップするポイントととらえていきたい。いきなりはできないので、地道に積み上げていくことが大切だと思います。
FP #5 長友佑都 選手(FC東京)
ベスト8には届かなかったですが、新しい景色は後輩たちが見せてくれたと思います。確実に成長した姿、たくましく魂のこもった戦いを見せてくれたので、新しい未来を見たと確信しています。この下手なおじさんを生かしてくれたことにも感謝しかありません。PKを外した南野選手や三笘選手が泣いていましたが、彼らは自分から手を挙げて、勇気を持って蹴ってくれました。そのことを称賛したいですし、その勇気を誇りに思います。自分も少し貢献できたのではないかと思うので、自分のやってきたことにはまったく後悔なく次に進みたいです。
FP #8 堂安律 選手(SCフライブルク/ドイツ)
うまく言葉が見つからないのですが、国民のみなさんには申し訳なく思います。素晴らしい形で得点できたと思いますし、前半はアグレッシブにプレーもできて、攻撃のいい形もできていました。素晴らしい準備のなかでこの試合に臨めたという手ごたえはありましたが、あの失点から、少し疲れもあってギアを上げきれなかったと感じました。自分も何かしようとしていたがチャンスも少なかった。わずかな差があったからこそドイツ、スペインに勝ったという自信はありましたが、16強敗退が4回目となると何かが足りないからだと思います。しっかり切り替えて考えたい。
FP #9 三笘薫 選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)
PKを蹴った責任はあるので、迷惑をかけてしまいました。チームを勝たせたいと思って(キッカーに手を挙げて)、思い切り蹴ったのですが…。ドリブルで仕掛けて、守備では左サイドからやられないようにと思ってプレーしていたのですが、チャンスがあって行ききれなかったところは悔いが残ります。自分のミスも多かったですし、相手が2枚で来ても行き切らないといけないですし、1対1もありました。そこで行けなかったので、そういう実力だということです。流れを変えることができませんでした。
FP #15 鎌田大地 選手(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
すごく悲しいですし、なんという表現がいいのかわかりません。120分間ピッチに居続けてPKも蹴りたかった。クラブでいつも蹴っているので、初めて外で見て、PKを蹴れないと責任も取れない、無力だと感じました。今大会4試合で一番いい試合だったと思いますし、ボールをプレーしようというトライもチームとしてできていたと思います。自分もこの4試合で最低限やれることはやったと思いますが、得点を期待されていて、そういう部分ができなかったことは自分の実力不足だと思う。次のワールドカップまで4年、いいところで成長していければいきたい。
FP #22 吉田麻也 選手(シャルケ04/ドイツ)
2点目がとれなかったのが痛かったですが、それでも後ろは1失点に抑えて120分よく守れていたのではないかと思います。ターンオーバーを使ってプラン通りにグループステージを突破して、余力を残して挑んでプラン通りに来ていましたが、相手の守備は堅かった。PKは僕を含めて3本外せばきついと思いますし、東京オリンピックと同じ4番手で研究されていたかもしれません。ドイツ、スペインとの戦いと違って、支配する時間も長く、決してドンビキで守り切るサッカーをしたわけではない。こういう形を強豪相手にも出していけるというのは、今後へ明るい材料ではないかと思います。ここで終わって悔しいです。明日もみんなで練習したかったし、少しでも長くこのチームでやりたかった。またこの4年、16強の壁をどうやって超えていくかを考える戦いが始まると思う。
FP #25 前田大然 選手(セルティック/スコットランド)
僕一人ではここまで来られなかったので、たくさんの人の助けに感謝したいです。結果は、これが日本の実力だと思うので、また一からやらないとならないと思っています。得点はしましたが、勝たないと意味がありません。あの場面は僕の目の前にきて、押し込むだけでしたが、相手にはクロス一本でやられたので、そこは修正していかないといけないと思います。
FIFAワールドカップカタール2022
大会期間:2022年11月20日(日)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間] vs スペイン代表
ノックアウトステージ
ラウンド16 12月5日(月) 18:00[現地時間] vs クロアチア代表