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チェンジメーカー 第16回 安田量(やすだ・りょう) 常願寺川公園スポーツクラブ理事・JFC常願寺代表
2012年12月18日
Profile
安田 量 / YASUDA Ryou さん
常願寺川公園スポーツクラブ 理事/JFC常願寺 代表
2011年度SMCサテライト講座修了(富山県)
1979年10月、富山県生まれ。
富山県立雄山高校卒業後、北陸大学に進学。卒業後、民間企業に就職し、富山県西部森林組合を経て、現在は、(財)とやま環境財団勤務。本業の傍ら、2004年にJFC常願寺(現在は社会人県リーグに所属)を設立し、代表を務める。
2010年、ホームグラウンドとなる常願寺川公園を使用している馬術クラブと共同で総合型スポーツクラブ、常願寺川公園SCを設立。同クラブ理事。
その1 またサッカーやろうか
坂口:では、お願いします!
安田:お願いします!
坂口:最初に、常願寺川公園スポーツクラブと、JFC常願寺について教えてください。どんなクラブなんですか?
安田:JFC常願寺は、サッカーの社会人チームと、ジュニアユース、ジュニアのチームと、ジュニアスクール、キッズスクールといったカテゴリーをやっています。人数は全部で100人ぐらいです。
坂口:大人から子どもまでで?
安田:はい、大人から幼稚園児まで入れて、そして、スクールも入れて、ですね。
坂口:では、どんな感じで活動されてるんですか?
安田:そうですね。練習は、小学生は週3回、中学生は週2回、社会人は週2回、スクールはだいたい月2回から3回やっています。キッズも同じ感じです。遠くの子どもたちが集まってくるようなクラブではないです。もともと前身がスポ少だったり、社会人の草チームだったりするので、地域の子たちがずっとサッカーをやるために集まっている、という感じです。全国大会に行ったとかそういう成績はないですけども、地元の仲間たちとサッカーをずっと続けたいって子たちが多いのかな。
あとは、公園のスポーツクラブってことで、芝生の環境が整っています。そこの稼働率を上げていきたいっていうことと、まだ実は照明設備がなくて夜の練習はできないですけども、その辺も充実させていきながら、公園のチームとして活動していくことを目標にしています。
坂口:芝生のフルコートのグラウンドがあるんですか?
安田:フルコートのグラウンドが、芝生のサッカー場とラクビー場と、あとは、少年用のピッチが取れる芝生の広場っていうのが2面、そしてキッズスクールができる芝生も1面あって、で、野球場が2面、テニスコートが8面あります。サッカーでは、芝生をうまく使っていきたいなって。
坂口:すごい!
めちゃくちゃ恵まれてますね!
安田:そうですね。ハードは全部、県の施設なんです。ハードは整ってるけども・・・・
もっとそのハードを活用していくソフトとしてスポーツクラブを運営して、より多くの地域の子どもたちや大人が公園に来てプレーする。そういうことが使命なのかなって感じですね。
坂口:(うん、うん)
JFC常願寺と、総合型スポーツクラブの常願寺川公園SCとの関係について教えてもらえますか?
安田:総合型スポーツクラブは、馬術とサッカーの2つの種目をやっています。設立当初から、競技人口が多いサッカーって種目を展開していきたいってことで。そのサッカーチームがJFC常願寺なんです。
坂口:わかりました。では、このJFC常願寺ができた経緯を教えてください。
安田:経緯はですね・・・・
最初はまず、草サッカーチームである社会人チームができて・・・・
それはもう飲み会での話で、地元の先輩とか後輩とかが集まって飲んでいるときに、みんな就職したばっかりで、まだ仕事もいそがしくないし、時間は持て余してるし、じゃあ、チーム作ってまたサッカーやろうかって話で、社会人チームができて。それが最初だったんです。そのときは、僕がいちばん年上でしたね。
坂口:地元ってことはどっちかっていうと高校・大学ではなく、中学の集まりって感じですかね?
安田:はい。中学校サッカー部の同級生や後輩を中心に高校や大学の繋がりも含めてメンバーが増えていきましたね。
当時、僕はそのチームでプレーしながらジュニアの指導もしていたんで、ちょっとクラブらしいことをしてみようかってことで、ジュニアをつくって、ちょうどその年に卒業する6年生にジュニアユースもつくれば、選手を引退した後、指導者もできるし、なんかクラブっぽくなるんじゃないっていう、本当に軽い気持ちでやり始めて、あとから形ができてきたって感じですよね。
で、今は、ジュニアとジュニアユースと社会人と、あとはスクールが活動しています。
その2 ちょっとまじめにやろうかな
坂口:チームのできた経緯はおっしゃるとおりよくある話ですけど、それがいちばん楽しいし、そういうチームがクラブに発展していくっていうのは理想的ですよね。本当の意味でのクラブ。しかも、芝生の環境がある。そこが普通とぜんぜん違う! 笑
安田:もともと、サッカーやるために、ただホントにサッカーを楽しむために、チームを作って、そこにジュニアやジュニアユースとかを絡めたわけですけど、常願寺川公園でのスポーツクラブの話がきて、そこが一つ、大きな転機というか。ちょっとまじめにやろうかなって思いまして。 笑
SMCのサテライト講座受けてみようかって。きっかけは、totoの助成を受けたいってことが大きかったのかなと。
坂口:そうですね。そんなにいい環境を手に入れちゃったら、ちゃんとやんなきゃっ!て感じはしますよね。今、クラブで安田さんがやってらっしゃることは何ですか?
この少年クラブ、JFC常願寺の代表ってことですよね?
安田:大人も含めてですね。
坂口:あ、大人も含めて、サッカー部門全部の代表ってことですね。その他にU-15の監督。あと、スクールも見てらっしゃるんですか?
安田:はい。時間的にはU-15のことに拘束されることが多いです。試合もあるし。
坂口:本業のお仕事しながらですもんね。
安田:そうですね。
坂口:お仕事は、基本、土日がお休みですか?
安田:イベントなんかがあると、土日に出たりするんで、そのときはほかのスタッフにお願いします。そこに予定を入れないように可能な限り調整してますけど。
坂口:そういう調整ができる職場なんですか?
安田:はい。でも、どうしてもできないときは、ほかのスタッフですね。平日は、夜7時半から練習やってるんですけど、それに間に合うように帰るっていう感じです。
その3 農業とか、自然とか
坂口:去年SMCサテライトを受講されましたが、いかがでしたか?
安田:さっきもお話しした通り、なんとなく始まったクラブでなんとなくやってきたので、 笑
SMCの考え方はもちろん、ほかの受講されてる方々・・・、事業として、しっかりビジョンを持ってやろうとしている方とか、実際にいろんな形で実践している方も多かったので、とても刺激を受けました。
坂口:それでご自身のクラブをもっとどうしようって、ありましたか?
安田:公園のスポーツクラブのほうで、totoから来年もう1種目増やせって言われているみたいで。当然サッカーでやりたいこともたくさんあるんですけども、サッカーだけじゃなくて、他のスポーツをどうしようか、とか、あとは、スポーツとぜんぜん関係ない、農業とか、自然とか、スポーツ以外の部分でも楽しんでもらえるような、なんか新しい価値を創出できるようなものを創造していけたらいいなって考えています。
これ、サテライト講座中のビジョンとしてマインドマップにも書いたんですけど。そのことで話題づくりしたいですね。いろいろ特色を出していきたいです。
坂口:サテライト講座のときには、農業のほかにも、林業についても書いてましたよね。
安田:そうですね。林業、それはもともと仕事で林業やってたんで。例えば、プロサッカー選手のセカンドキャリアとして林業ってのを活用できないか、とか、クラブとして林業とか農業とかの分野で利益を出していけないかとか。なにか、そういうことができたら嬉しいなって。
それをやるために周到に準備しているかっていうとそこまでは至ってないんです。 笑
でも、そういうのはありかなって思います。
その4 仲間と楽しむ
坂口:SMCを受けて、なにか役立っていることありますか?
安田:やっぱり、人とのつながりがいちばん大きいですね。まだ、考え方も含めて学んだことを実際に活かすところまで僕は至ってないですが、SMCで出会った方、刺激を受けた方のところにクラブの視察やスタッフ研修も兼ねて遠征でお邪魔させていただいたりしています。施設を見せてもらったり、クラブ運営について、こういう風にしてるっていうのを見せてもらったり。とても勉強になっています。
スッタフといっしょに行って、いろんな話を聞いたり見たりすることで、「あ、ここは真似できるな」とかってことを共有できます。SMCで出会った山梨のフォルトゥナSCさんとか何度もお邪魔させていただきました。
坂口:山梨のフォルトゥナSC!
山梨のクラブでは名門ですもんね。
安田:いいクラブだし、あそこもいろんなことを手作りでやっています。富山にはまだそういうクラブって少ないし、いちばん刺激を受けています。
坂口:なにかこれからやっていきたいことありますか?
安田:これからやっていきたいことは、まず、来年新しい種目を1つ増やさなくちゃいけないってこと。それから、今は馬術とサッカーをやっていますが、馬術では専属スタッフが1人いるんです。サッカーでも専属を1人つけたいな、と。今後、拡大路線で行くならば、専属スタッフは必要かなって思いますね。
あとやりたいことは、さっき話したような林業とか農業とかを絡めてクラブの色を出していきたいですね。そこは半分夢みたいな話ですね、今の段階では。
坂口:専属スタッフをつけるか、つけないか、というのは大きな岐路ですね。クラブとしてのモットーとか、キャッチフレーズみたいなもの、なにかありますか?
安田:クラブ運営としては、スポーツに限らずいろんな価値を出していきたいですね。あとは、子どもたちに対してのアプローチでいちばん大事にしているのが、仲間意識、チームワーク...いちばんは、チームワークかな。みんなでやるスポーツだよ、ってことをサッカーにおいては強調しています。それがサッカーの魅力をいちばん伝えやすいフレーズだと思います。
坂口:そうですね、チームスポーツですからね。
安田:助け合おう、とかね。
坂口:大人の社会人チームも同じですか?
安田:社会人チームはですね、プロではないので、「楽しく」。でも、当然、試合になれば真剣にやります。若い選手は強くなりたい、高いレベルでプレーしたいという向上心もあります。楽しく活動しながら、そういった若い選手の思いにも応えていきたい。
あとはやっぱり社会人なんで、いろんな年代の人とコミュニケーションが取れる。20歳もいれば30代もいます。飲み会も多いですよ、僕は全然行けないんですけどね。
坂口:それも楽しみのひとつですからね。
安田:勝利のあとの飲み会が楽しい。でも、それも子どもたちと一緒で最後はやっぱりチームワークっていうか仲間と楽しむってことが大切。
坂口:楽しむことが大事。
安田:社会人チームに関しては、そこに特化してます。JFLに上がるとか、そういう成績としての目標は特にないです。もちろん目の前の試合に勝つとか、今は県リーグなので、ひとつ上のカテゴリーに上がろう、とかって目標はありますが。
坂口:今後の発展を楽しみにしています。どうもありがとうございました。
安田:ありがとうございました。
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