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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第64回 埴田淳 ブルネイ・ダルサラーム代表アシスタントコーチ・GKコーチ兼代表チーム統括

2022年06月10日

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第64回 埴田淳 ブルネイ・ダルサラーム代表アシスタントコーチ・GKコーチ兼代表チーム統括

ブルネイでの役割

ブルネイ・ダルサラームへ赴任し4年目を迎えました。イスラム教文化、国のシステムへの理解、ブルネイマレー語も単語での会話はできるようになりました。2021年にブルネイ・ダルサラームサッカー協会は名称、ロゴのリブランディングを行い、従来のNational Football Association of Brunei Darussalam (NFABD)からFootball Association of Brunei Darussalam (FABD)として新たにスタートしました。

今年4月までは代表チーム統括として戦略立案、クラブ視察、運営、予算編成管理、物品購入などの管理業務に加えて、ブルネイ・ダルサラーム代表とU-23チームのGKコーチとして活動していました。その他にも監督の要請により代表チームの選手としてクラブとの試合に出場することもありました。昨年は、コロナで中断されていた2020年のNFABD Bライセンスコースのモジュール2が再開したことを受け、アシスタントインストラクターとしてコースにも携わりました。現在はブルネイ・ダルサラーム代表GKコーチをメインとし、U-23/19/16各ユースカテゴリーのトレーニング視察、スーパーバイザーとしてのコーチ陣へのフィードバックと、ピッチ上での活動に専念できるようになりました。その都度、求められることの変化に対する対応力の必要性を感じながら、究極の何でも屋を目指しています。

コロナ禍の活動

2021年3月に、新型コロナウィルスの感染防止対策で禁止されていたサッカー活動の全面再開が政府から宣言されましたが、第2波により8月に再び停止され、全面再開の見込みが立たないことからマレーシア人のDatuk K. Rajagobal監督、シンガポール人のP.N.Sivaji技術委員長との契約解除が発表されました。これに伴い、AFC U23 アジアカップ予選、AFF Suzuki Cupを辞退することとなり、選手、コーチ、国民の落胆は計り知れないものがありました。私もこの2つの大会を目指して準備してきましたので残念でなりませんでした。

AFF U23選手権とブルネイ・ダルサラーム代表の国際親善試合

今年2月にはAFF U23選手権2022カンボジアに出場しました。しかしながら、約2年間のブルネイリーグ、カップ戦の中止により選手のモチベーション、体力低下は想像以上のものでした。また、AFF U23選手権への参加決定も大会1か月前でしたので、そこから準備をして大会に臨みました。ブルネイはいつもぎりぎりになってからしか動きません。これもブルネイ特有の文化ですが、少しでも改善できるように励んでいます。結果はカンボジア、東ティモール、フィリピンに3戦全敗。準備期間が少ない中で1戦1戦課題を修正し、選手とチームの成長が見られたことは収穫になりました。このチームで、ベトナムで開催された第31回SEA Games(東南アジア競技大会)に参加予定でしたが、ブルネイオリンピック委員会の決定により参加辞退となり国際試合の経験を継続して積み重ねられないことは非常に残念です。

ブルネイ・ダルサラーム代表は、3月にラオス、5月末にマレーシアと国際親善試合を行いました。マレーシア戦後にサウジアラビア遠征を行い、今後は国内チームと3試合を行う予定です。このように今年は国際親善試合で経験を重ねる機会を多く得られています。年末のAFF Mitsubishi Electric Cup 本戦出場のための準備を早い段階から行えることに感謝しています。また、AFF U19/16選手権、AFC U20/17アジアカップ予選への参加も決定していますので、ブルネイサッカーの活動がますます活発になります。

代表強化のための土台作り、グラスルーツ、ユース育成、指導者養成のさらなる充実を目指して日々取り組んでいきます。

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