ニュース
JFAインターナショナルコーチングコース 2010
2010年03月06日
概要/目的
「JFAインターナショナルコーチングコース」が2月27日~3月5日の7日間の日程で、福島県のJヴィレッジとJFAハウスで行われた。
5度目の開催となった今回は、中国やサウジアラビアといった強豪国からカンボジア、モルディブ、スリランカなどのサッカー新興国まで、16の国と地域から女性4人を含む28人が参加した。また、オマーン、北マリアナ諸島、スーダンからはコース創設以来、初めての参加となった。参加者の年齢層は、23歳~47歳と幅広く、ユース育成に関わる指導者はもちろん、現役の代表選手やトレーナーもおり、多種多様な参加者の顔ぶれとなった。
本コースは、アジアの指導者のレベル向上を最大の目的としており、JFA公認C級コーチ養成講習会のカリキュラムを通じて指導のレベル向上を図った。
内容
講義12時間、実技11時間、指導実践6時間のカリキュラムが組まれ、テーマごとにナショナルトレセンコーチがインストラクターとして指導にあたった。
参加者との会話はもちろん、すべてのカリキュラムにおいて共通言語に英語が用いられ、ナショナルトレセンコーチの国際化やコミュニケーション力・英語力の向上も目的のひとつとなっている。
実技講習では、英語が不得意なインストラクターが身ぶり手ぶりを交えて懸命に伝えようとする前向きな姿勢が見られた。さらに1つのテーマが終わるたびに、インストラクターと参加者が活発な意見を交わしたり、積極的にコミュニケーションを図るなど、双方にとって有意義な時間となった。
受講者の様子
参加者の声
印象に残ったプログラムについて | |
---|---|
1 | 育成年代の指導において、JFAとして何を最も重要視しているのかを学び、またJFAの代表チームおよびアカデミーについて情報を得られたことが非常に良かった。 |
2 | アカデミーに関する講義が非常に印象に残った。また、JFAインストラクターの皆さんの熱意・情熱がプログラムを通して、とても伝わってきた。 |
3 | U12年代において、技術・テクニックに対する技術的なアプローチの仕方やオープンマインドの姿勢については、勉強になった。 |
4 | 「技術・戦術理論」の講義がとても印象に残っている。 |
5 | GKと審判のレクチャーがとても勉強になった。 |
6 | 女子サッカーに関して、JFAとしての取り組みを知れて非常によかった。 |
7 | 「コーチの役割」・「ナショナルトレセンシステム」について、学ぶことができよかった。 |
ほかに興味のあるテーマについて | |
1 | 育成選手への指導ポイントについて、より具体的に詳しく知ることができればなお良かったと思う。 |
2 | コーディネーション・フィットネストレーニングについて、詳しく知りたい。 |
3 | 女子サッカーやU14年代の指導についても、是非機会があれば学びたい。 |
4 | ボールポゼッションやフィジカルトレーニングについて、もう少し詳しく知りたい。 |
5 | U14年代もしくはそれ以上の年代に関するレクチャーをぜひ聞いてみたい。 |
6 | 「ボールを奪う」・「ゴールを目指す」に関して、より詳しく知りたい。 |
コースを通しての感想 | |
1 | コーススケジュールが多少タイトであった。もう少し時間に余裕があればより良かった。 |
2 | JFAの皆様には、このような素晴らしい機会を与えて頂き、非常に良い経験をさせて頂きました。感謝を申し上げたい。 |
3 | 季節的に少し肌寒く、コースの開催日程を変えてほしい。 |
4 | コースを通して、育成年代のプレーヤーに対しどのように指導すべきなのかを学ぶことができ非常に満足している。今後、他のライセンスとしてコースを開設して頂きたい。 |
5 | 素晴らしいホスピタリティに非常に満足した。この点は、自分自身とても驚いた部分。 |
6 | 実技・実践については、非常によく素晴らしかったと思う。とてもよく理解でき、またドリルも役に立つものばかりだった。 |
7 | いくつかの実技を1日にまとめる等日程を工夫すれば、より理解を深められたと感じる。JFAのインストラクターからは、いつでも協力的でポジティブなアドバイスを頂き、感謝している。 |
Ahmed Almahriさん(UAE)
Q:感想
JFAや各国からの協会関係者の方々と一緒に参加することができ、非常にうれしいしこのコース自体を非常に楽しめている。
Q:受講前と比べて、どういった変化があるか
今まではたった2人のコーチでサッカーをマネジメントしていたが、今回本コースを受講し、複数のコーチが協力してサッカーの練習を行うことがとても良いものであることに気がついた。そのなかで、コーチ同士の協力が重要だと感じた。
指導において、新しいアイデアを得られたことが変化したことで、知識の幅が広がったことで考える物事の多さ、量が増えた。サッカーにおけるタイミングというのがすごく重要だということに気付けた。
Q:アカデミーについて
施設自体が充実しており、すごいと感じた。アカデミーのように、1つの場所でサッカーだけに集中できる環境を作るのはすごく良いこと。アカデミーを見学させてもらったが、何人かのプレーヤーは英語が話すことができず、握手しただけで終わってしまった。
アカデミーのなかで英語をもっと向上させるプログラムを作ればより良いプレーヤーが増えるのではないかと思う。英語を話すことができれば、上手なプレーヤーはより海外に挑戦する機会が増えると思う。
Sarah Jubaraさん(スーダン)
Q:感想
コースの日程がややタイトで、多少疲れる部分はあるが、多方面からの参加者と出会うことができすごく良い機会を得られたと思う。インストラクターの人たちは、すごくハイレベルな知識を持っていて、それを共有してくれている。ここに来るまでは知らなかったアカデミーとかメディカルや医学的な知識などを身に付けることができた。
Q:今後にどう生かしていきたいか
JFAの2005年宣言のような、2020年までに、しっかりとしたプランを組み立て、例えばアフリカの女子サッカーの環境をもっと良くしたり、コーチの数を増やしたりといった協会に携わることを積極的に行っていきたい。
Q:アカデミーについて
とてもすばらしい施設だと感じた。能力の優れたプレーヤーがより増えれば、このアカデミーからJクラブへ活躍の場を移していく機会が増えるのではないかと思う。
Szeto Chun Manさん(香港)
Q:感想
まず始めに、日本以外のアジアの国からこのコースに参加して、JFAの方々と携わりながら様々なことを学ぶ機会を得られたことは、自分にとってとても良いことだと思っている。香港サッカー協会に所属しているが、今後子どもから大人まですべてのカテゴリーにおいて、この日本で得た経験を生かしていきたい。 このコーチングコースで、日本と香港における練習の質の差やメニューの違いを知ることができた。
Q:印象に残っている講義や実技
JFAアカデミーや日本のサッカーの子どもたちの育成に関する講義がとても印象的で、今まで知らなかったことを多く学んだ。実技に関しては、ボールを受け取るときの動き、どの位置でボールを受けるかのテーマに絞った練習は、とてもためになった。
総括
参加者同士にとって、本コースが各国のサッカー事情を共有する貴重な場となっていた。
コース期間中には、雪が舞う日もあったが、その寒さを吹き飛ばすほど熱気ある講習会となった。
今後、それぞれが今回のコースで得た経験や知識を生かして、アジア全体のさらなるレベルアップに貢献してくれることを期待したい。
それがひいては、日本サッカーの発展につながるに違いない。
参加者リスト
協 会 | 氏 名 | 性別 | 役 職 | ライセンス |
---|---|---|---|---|
カンボジア | Dika Rith | 男 | EX National Player | |
Sochetra Hok | 男 | Technical Director of Preah Khan Reach FC | AFC "C" | |
中 国 | Chun Man Li | 男 | CFA Instructor | Pro-Diploma |
Fei Yu Li | 男 | Deputy Director of Technical Department | ||
台 湾 | Yi-Chen Huang | 女 | National "B" | |
Tzu-Hui Kuo | 女 | AFC "C" | ||
グアム | Yu Tanabe | 男 | 2009 Guam Men's National Futsal Team Manager | |
Matthew Cruz | 男 | Guam Men's National Team Player | ||
香 港 | Kwok Pui Shum | 男 | Youth Team Coach | "B" |
Man Chun Szeto | 男 | Assistant Youth and Technical Officer | "B" | |
マカオ | Emmanuel Libano Noruega | 男 | Assitant Coach U-16 | "C" |
Ng Wan Long | 男 | Assistant Coach of U-18 Macau Team | AFC "B"/"C" | |
マレーシア | Noraffendi Bin Taib | 男 | Youth Coach | "B" |
モルディブ | Ismail Mahfooz | 男 | Youth Development Coach Under 11 | AFC "B" |
Ahmed Nashid | 男 | AFC "A" | ||
オマーン | Abdullah Said Saif Al Shakairi | 男 | Grassroots Development Officer | |
フィリピン | John Michael B.Castanos | 男 | National Coach | AFC "C" |
Rommell Fornea | 男 | AFC "C" | ||
シリア | Hussain Esber | 男 | Trainer | AFC "C" |
Hassan Aldallal | 男 | Grassroot Futsal | ||
サウジアラビア | Saleh Salman A Almohammadi | 男 | Football Coach at Al Ahli Club Academy U-12&U-14 Former International Player |
|
Mohammed Abdullah A Alabdali | 男 | "B" | ||
スリランカ | Priyantha Edirisinghe | 男 | Coordinator | AFC "C" |
UAE | Ahmed Almahri | 男 | Trainer | AFC "C" |
Aaref Alshehhi | 男 | AFC "C" | ||
スーダン | Sarah Jubara | 女 | Women Coach | AFC "Diploma" |
北マリアナ諸島 | Patricia Lisa Leatavalavala Coleman | 女 | Executive Committee | "D" |
Steven Mckagan | 男 | Youth Committee | "D" |
ダウンロード
関連情報
最新ニュース
- 女子サッカー 2024/12/23 無料招待チケットのご案内!WEリーグ クラシエカップ決勝 12月29日(日) 国立競技場
- 大会・試合 2024/12/23 鳥栖とG大阪が準決勝進出を決める 高円宮杯 JFA 第36回全日本U-15サッカー選手権大会準々決勝
- 大会・試合 2024/12/23 新潟LとI神戸が1点差の接戦を制して準決勝進出 皇后杯 JFA 第46回全日本女子サッカー選手権大会
- JFA 2024/12/23 臨時評議員会を開催
- 大会・試合 2024/12/23 【ホットピ!~HotTopic~】JFA 第48回全日本U-12サッカー選手権大会アンバサダー 中村俊輔さんインタビュー#2