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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(5月)
2014年05月30日
5月23日(金)~24日(土)で大船渡綾里地区綾里小学校に少年用ゴール設置希望の要望を受け、視察に行き、23日はグラウンド視察後、大船渡サンアルタスのトレーニングを視察、24日は中学校の大船渡中学校サッカー部のトレーニングに参加してきました。
コメント
手倉森浩 JFA復興支援特任コーチ
綾里小学校は震災による津波被害がありました。昨年から綾里小学校のグラウンドを利用できるようになりました。少年用ピッチは取れませんが、ナイター設備があり便利で、視察した大船渡サンアルタス、大船渡中学校以外の大船渡三陸FCの練習場のひとつでもあります。雨天時は小学校体育館も使えるので活動は盛んです。
大船渡から車で15~20分ぐらいの場所にあるため、保護者の送迎が必須です。
現在は河川敷の土のグランドですが、5月末から芝生化の作業開始に伴い、暫く使用禁止となります。
大船渡サンアルタスや大船渡中学校の練習場がなかなか確保できない状況でグラウンド探しに苦労されています。
中学校は木曜日に大船渡小学校グランドを借りられるとのことですが、普段はアスファルトの上でトレーニングをしております。中学校のグラウンドは仮設住宅のため使用できません。以前もご報告しましたが、被災地の中学校は体力測定の基準を下回っていると言われています。日常の運動できる環境がなかなか無い状況が続き、震災の影響は中学生の運動不足や肥満傾向に繋がってきているという話も上がっていました。
田畑周哉 先生(大船渡中学校サッカー部顧問)
全国のみなさまからの支援により、昨年はゴールネット、ボール、ビブス、水はけ等の整備用具を購入することができました。グラウンドが使えないながらも、こうしたご厚意によりサッカーができることに感謝し、毎日の練習を工夫しながら活動に励んでいます。
さわやかな青空の下、生徒たちは真剣な態度で手倉森さんの指導を受けていました。普段は土のグラウンドでの練習ができないため、ひとつひとつの基礎的なプレーの練習も残念ながら不足していましたが、当日はしっかりとコミュニケーションをとることやパスワークを中心とした練習にじっくりと時間をかけて打ち込むことができました。
手倉森さんの丁寧な指導により、短時間の中でも生徒の意識や技術が向上していることを実感しました。この練習は今後とも継続していきたいと考えております。
急に決まったことでしたが、親身になって指導していただいた手倉森さんには大変感謝しているところであります。今回のご指導、誠にありがとうございました。
新沼克寿 コーチ(大船渡中サッカー部)
大船渡湾を見下ろす高台に有る、大船渡中学校。
そのため、津波による被災は免れましたが、学校のグラウンドへ仮設住宅が建ち、大船渡中サッカー部は練習場所を失いました。
震災から3年経過しましたが、大船渡中学校のグラウンド確保に関しては、地理的な問題も有り、公には妥協案すら無く、根本的な解決策は示されておりません。
仮設住宅の撤去等、先行きも見通しがつきません。この辺りが近隣の中学校との一番の違いです。
多くの部員数を抱える、野球部をはじめ、テニス部、サッカー部、陸上部等に所属する生徒は僅かな校舎周辺のアスファルト舗装されたスペースしか練習場所が有りません。そこを限られた時間の中、しかも交代しながら練習するという事を毎日繰り返しています。
この様な状況なので、サッカー部の場合はここ3年、週末は内陸部のチームと連絡を取り合い、積極的に出掛けて大会参加や練習試合に向かいました。
特に八幡平市の大会や水沢市、一関市の大会には復興支援大会の名目も有り、御支援をいただいて、沢山参加させていただきました。
学校の方では、校長先生をはじめサッカー部の顧問の先生方に暖かく活動を応援してもらっています。保護者の皆様の応援もありがたく、サッカー部の部員と一緒に励みにして頑張っています。
希望とするならば、とにかくグラウンドを確保したい!シュート練習したい!毎日、思いっきりボールを蹴らしてあげたい!
サッカー部の去年の3年生は一度も母校のグランドで練習しないまま卒業して行きました。そんな彼等は県の新人戦でベスト8に入った逸材揃いの素晴らしいチームでした。
今の3年生も同様で、一度もグラウンドで練習した事が有りません。
グラウンドで毎日練習出来ていれば、間違いなくもっと上手になれたでしょう。
もうこのような子どもたちを増やしてはいけないと思っています。