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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 視察報告(巡回指導)
2014年08月28日
石巻信用金庫杯が石巻市総合運動公園ふれあい多目的広場で開催され、7月5~6日の両日、大会を視察してきました。
今回、35回目となる石巻信用金庫杯は、石巻地区のスポーツ少年団が一堂に会して行われる歴史ある大会です。しかし残念なことに、今大会は門脇スポーツ少年団が参加を断念しました。普段のトレーニングはできているのですが、選手の人数が揃わなかったため、参加できなかったそうです。
石巻市総合運動公園は震災時、自衛隊や復興支援ボランティアスタッフの待機場として使われていました。今は元に戻り、ピッチの芝も非常に良い状態になっていましたが、周囲には未だ仮設住宅生活を余儀なくされている方々がたくさんいらっしゃいます。
震災から3年4か月が経ち、石巻地区の全てのスポーツ少年団は活動を再開しています。グラウンドが狭かったり、野球部とシェアしたり、体育館でのトレーニングであったり、あるいは、平日の練習はできないなど、満足のいく環境ではありませんが、練習場所は確保されつつあるそうです。
大会に訪れた際、湊FCの佐藤監督から、被災した湊小学校の復旧工事が完了して、平日も練習が出来るようになったとお聞きしたので、同30日に指導で、練習場となっている石巻市湊小学校へ行ってきました。
湊FCは今まで平日のトレーニングはできなかったのですが、ようやく今年、湊小学校と体育館の改修工事が完了したことで、水曜日は確実に体育館でトレーニングができるようになりました。土、日は市の施設や大学のグランドを借りて練習していましたが、雨になると使えない状況にありました。グラウンドも整備されたのですが、このところの豪雨で、3年前の津波で流されてきた細かなガラス片や木片が浮き出てきたため、再度、改修されることになり、その間グラウンドは使用できません。
近隣の渡波小学校も校舎の改修工事が終わり、今年、仮設校舎から本校舎に移ることができました。一方の中学校は、完成が3年後の2017(平成29)年のため、小学6年生の子どもたちはやっと仮設校舎から移れたものの、卒業して中学生になると、再び仮設校舎での生活になります。
4~5年後には石巻総合運動公園付近に天然芝3面のピッチができるという明るい話題もありますが、現実的にそれまでの期間は、中学校の部活動の施設改善が遅々として進まないなど、課題はまだまだあります。
コメント
伊東孝浩 石巻4種ブロック長
震災から3年半が過ぎました。
震災直後は練習場所や用具すべてが被害を受けました。グラウンドの確保が大変な時期は、県内外の関係者の皆さんに子どもたちを招待していただき、ボールを蹴らしてもらいました。また、日本サッカー協会をはじめ、全国のサッカーファミリーからは用具をご提供いただき、本当に助かりました。
石巻ブロックは現在、グラウンドなどのハード面は以前と変わらない状況になってきました。ただボランティアで関わっている指導者や保護者らの仕事環境が変化したため、活動しにくい状況が目立ってきたように思います。
そんな中で、定期的にチームや地域を訪れてくれる手倉森さんの存在は非常にありがたく、我々も、大変な中でも子どもたちのために頑張ろうというモチベーションが上がってきます。被災チームのニーズはフェーズによって変わってきますが、心の支え、悩み相談などは今後ますます必要になってくるのではと感じています。
佐藤一弘 湊サッカースポーツ少年団 監督
私たち、湊サッカースポーツ少年団は、東日本大震災の津波により甚大な被害を受けた宮城県石巻市湊地区で活動する4種の団体です。当団が活動の拠点としている石巻市立湊小学校も津波の被害を受け、2階より上層階が避難所となり、長い期間、被災された方々の生活の場となっていました。
少年団の人数は十数名で、当初はあまりの被害の大きさから、少年団の解散も話題になりました。しかし、避難者が仮設住宅に移った後、被災した校庭や体育館をアメリカ軍兵士や多くのボランティアの方々、団後援会の皆様が仮復旧してくださり、活動を再開することができました。
しかし、校庭には多くのガラス片などが残っていたことから、トレーニングは主に体育館で行うことになりました。震災翌年には、石巻地方の大会や石巻市と山形県酒田市を結ぶ道路沿線チームによる交流大会で優勝するなど、好成績を収めることができました。その後、校舎の本格的な復旧工事が着工、それに伴って施設を利用できなくなったことから、市の施設や石巻専修大学のご厚意によりグラウンドを使用させていただくなど、日々場所を変えながら練習を行ってきました。お陰で、少年団の団員数も徐々に増え、現在は40人を超えるまでになりました。
これまでの間、全国の皆様からのご支援や著名な方々によるサッカー教室の開催をはじめ、子どもたちのメンタルケアにもご尽力いただきました。また、今夏、長野県サッカー協会4種委員会および上松町に招待していただき、大会や町行事に参加して交流を図ってきました。サッカーで新たな刺激を受け、とても有意義な遠征になりました。改めて長野県サッカー協会4種委員長の安江様をはじめ、関係者の皆様、上松町の皆様に深く感謝申し上げます。
活動の場となっている湊小学校の復旧工事も完了し、本年5月から元の場所で活動を再開することができました。また、地域の施設も徐々に復旧しつつあります。しかし、被災した風景を見ながら生活する子どもたちの精神的なケアは、今後も継続していくことが必要で、我々指導スタッフのさらなる努力が求められているところです。
皆様の引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。