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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(2月) 宮城県石巻地区、福島県相馬地区のトレセン指導とともに「東日本大震災復興祈念フレンドカップ」を視察
2015年03月24日
震災から4年、被災地ではいまだに満足のいく練習環境にない状況です。指導者の皆さんは、子どもたちがスポーツと触れ合える場をなくしてはいけないという思いとスポーツで地域を活性化して復興に繋げていきたいという強い思いでトレセンに取り組んでいます。
2月7日、石巻地区で活動するスポーツ少年団の各指導者が集まり、指導者研修会が行われました。この研修会は毎年開催されているもので、今回は私が、『日本スポーツの発展』をテーマに、これまでの日本サッカーの発展と日本の目標であるFIFAワールドカップで優勝するための取り組みについて講演させていただきました。
翌8日は今年の復興支援活動予定に挙げていた岩手県沿岸地区と宮城県北部のトレセン活動のサポートに赴きました。まずは、石巻地区U-12トレセン。最初の60分間、指導者に対してトレセンのシミュレーションを行ってその共通理解を促したあと、子どもたちを指導しました。指導者は各々のグリッドでパス&コントロール(スクエア)からポゼッション(3対2+2・4対4+2S)と、積極的に指導。最後に8対8のゲームを行ったのですが、子どもたちはゲームに集中し、元気なプレーを見せてくれました。
2月23日は、福島県フットボールセンター・相馬市光陽サッカー場で行われた相馬U-18トレセンを訪れました。テーマは「ポゼッション」。パス&コントロールでターンと関わり、ポゼッションで「見る(判断)」を意識してトレーニングを行いました。選手がミスを恐れず取り組んでくれたおかげで、あっという間のセッションでした。
25日はいわき市鹿島小学校のグラウンドで行われたいわきU-11/U-12トレセンに。2014年度最後の活動で、東北ユースダイレクターの山崎茂雄氏とともに指導しました。
まずはシンプルに5人組に分かれてパストレーニングと4対1を行った後、4セッションに分かれて6対6+4ゴール対面、4ゴール十字、対人(1対1~3対3)、ポゼッション4対2など、フェスティバル形式でインテンシティー(プレーの強度)を確保するトレーニングに励みました。2015年度も子どもたちに良い指導、良い刺激を与えられればと思っています。
2月28日~3月1日は宮城県気仙沼市で行われた「東日本大震災復興祈念フレンドカップ」を視察しました。この大会は、同市の鹿折フットボールクラブ(鹿折FC)の「親の会」が主催している大会で、30年の歴史を誇ります。震災のあった年は開催できませんでしたので、回数としては今年が29回目。気仙沼小学校の校庭に2面、新月中学校校庭に1面のピッチを確保し、今年は宮城県と岩手県のチームを招聘し、計18チームが参加して行われました。
1日目に6チームを3ブロックに分けてリーグ戦を行い、2日目には決勝トーナメントで優勝を争いました。
夜の懇親会も盛大に行われ、降雪地域のチームの皆さんは口々に「この時期にグラウンドで試合ができるのはありがたい」とおっしゃっていました。
鹿折FCの菅原洋一代表も、「震災から4年経ちますが、これまで多くの方々よりご支援をいただき、本当に感謝しています。震災の年には開催できませんでしたが、親の会の協力で翌年には開催することができました。復興はまだ時間がかかると思いますが、こうして大会を開催することで復興への一助と感謝の気持ちを持って頑張っていきたいと思います」と、気持ちを新たにしていました。また、チームが大谷中学校の仮設グラウンド(臨時駐車場)でトレーニングしているというFC大谷の米倉伯文監督も「この時期、東北の降雪地域チームにとって貴重な場所になることは間違いない。活気ある復興を期待しています」と話していました。
子どもたちの元気な姿、親の会の頑張りを見ることができた2日間でした。