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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第15回 関口潔 北マリアナ諸島技術委員長兼代表監督
2016年04月07日
アジアの各国で活躍する指導者達の声を伝える「アジアのピッチから」。第15回は、北マリアナ諸島で技術委員長兼代表監督を務める関口潔氏のレポートです。
現在の業務と各種活動
2014年7月より、北マリアナ諸島サッカー協会(サイパン島)で技術委員長と代表監督を務めています。心がけているのは、現地の方々と同じ目線で仕事をすること。日本での経験をそのまま持ち込むのではなく、国民性やサッカーのスタイルを考慮しながらその国や地域に合わせてプランニングし、実行することが大切だと思っています。
代表監督として、昨年はAFC U-19選手権バーレーン2016とAFC U-16選手権インド2016の予選に出場しました。今年は7月に東アジアカップの予選があるため、現在はA代表に特化して週に3回トレーニングを行っています。2005年のサッカー協会設立以来、国際試合で勝利したのは2回だけ。1回目は2011年の東アジアU-15選手権でU-15代表がU-15マカオ代表に2-1、2回目は2014年の東アジアカップ1次予選でA代表が同じくマカオ代表に2-1で勝利しました。私は幸運にも両方の試合で監督を務め、選手たちとともに大きな喜びを味わうことができました。何人かの選手やコーチが号泣するほどの感動に携われた喜びはもちろん、弱小国が強豪国に常に立ち向かう姿勢を選手たちから学ばせてもらったことは一生の宝です。
技術委員長としては、普及やユース育成、指導者養成と多岐に渡るプログラムに関わっており、競技者を増やす普及活動に特に注力しています。全小学校の高学年を対象にNEA(National Elite Academy)という、放課後に各小学校で選抜された選手を定期的にトレーニングする機会を設け、そこから男女のU-14代表チームを編成してAFC U-14選手権に出場する流れを作っています。
また個人技術や運動量の向上を目的に、今年からすべてのU-12年代の公式戦を5対5の少人数制に変更しました。日中は常に30度を超える環境もあり、選手の運動量が少ないという課題を以前より抱えていました。大きなフィールドではボールを持っていない選手はあまり動きません。すでにシーズンインして2か月が経ちますが、フィールドを狭くし選手数を減らしたことで、バスケットボールのように動き回らなければならず、格段に運動量やボールタッチの回数が増えました。
いつか私がこちらを去る日に備えて、次世代のリーダー育成も重要な任務です。協会独自に短期の指導者養成コース(1日のみと4日間の2種類)を開催し、まずは指導することに関心を持ってもらうことから取り組んでいます。
北マリアナ諸島のサッカー事情
現在6つのクラブチームが存在し、各クラブは「U-6/8/10/12/15/18/大人」の年齢別にチームを持ち、それぞれの年代でリーグ戦を行っています。島の人口が5万人、サッカー競技者が1,000人と少なく競技レベルも高くありませんので、プロリーグは存在しません。リーグ戦の会場は、地元の小学校や中学校の校庭、島に唯一の陸上競技場を使用しています。
その陸上競技場は代表チームの練習やリーグ戦、時には他の競技団体も使用する為、ピッチコンディションがよくないのが課題です。怪我のリスクも高く、何より技術面においてボールコントロールに気がとられるあまりスピーディーなサッカーをすることが困難なのです。昨年より北マリアナ諸島サッカー協会のジェリー・タン会長と協議を重ね、今年中に政府より土地の無償利用許可を得て、ロングパイルの人工芝ピッチの建設計画を進めています。これが実現すればワンランク上のサッカーを目指すことが出来るようになるでしょう。
試合相手、募集中!
サイパン島は、成田空港からわずか3時間半で行くことができます。試合相手がいない我々としては日本のチームにぜひ来ていただき、我が代表やクラブチームと試合をしてほしいと思っています。昨年は5チーム、今年は3チームが日本からサイパンに来て、われわれ北マリアナ諸島代表チームと試合をしました。男女や年齢を問わず様々なレベルのチームに合わせて試合を組みますので、ぜひサイパンへお越し下さい!
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