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国際協力機構(JICA) 専門家派遣 スポーツ指導分野初のJICA長期専門家として武田千秋氏をネパールへ派遣
2018年02月15日
現在、公益財団法人日本サッカー協会が行っているアジア貢献事業の一環として2016年2月よりネパールサッカー協会へ技術委員長として赴任している武田千秋氏が、2018年2月16日(金)より独立行政法人国際協力機構(JICA)の技術協力専門家「サッカーアドバイザー」として派遣されることになりました。
これまで青年海外協力隊やシニアボランティア等の派遣による実績はあったものの、長期技術協力専門家の派遣でスポーツ指導を行う協力は、JICA史上初めてのことになります。今回のJICA専門家派遣事業の概要、および武田氏のプロフィールにつきましては下記を参照ください。
尚、武田氏の活動をサポートするため、JFAはJICAを通じてサッカーウェア及びボールをネパールサッカー協会に寄贈します。
国際協力機構(JICA)専門家派遣とは
開発途上国の協力の現場に日本人専門家を派遣し、相手国の行政官や技術者(カウンターパート)に必要な技術や知識を伝えるとともに、彼らと協働して現地の状況に適した技術や制度の開発、啓発や普及などを行います。
「サッカーアドバイザー」派遣の経緯および武田氏の活動予定
様々な民族が多様な文化を持ちながら暮らしているネパールでは、1996年から2006年までつづいた内戦を経て、200年以上続いた王制が廃止され、現在、連邦民主共和制への移行が進められています。そのような移行期にある中、安定的な社会・国づくり、国としての統合と地方分権の両立を円滑に進めていくことが必要となっており、同国で人気の高いスポーツであるサッカーは、国民統合や連帯意識の醸成に重要な役割を果たすことが期待されています。ネパールサッカーのレベルアップとともに、小さい頃からスポーツに親しみ、サッカーを通じて民族を超えた国民統合・連帯意識を育んでいくことを目的として、ネパール政府からJICA専門家の派遣が要請されました。
ネパール赴任後、武田氏は、主に以下のような活動に従事する予定です。
・ネパールサッカー強化のための政策とガイドラインの開発・実施への提言・支援
・ネパールサッカー協会(ANFA)スタッフに対する組織運営・人材育成等の研修
・コーチ指導ができるインストラクター育成のための提言・支援
・ANFAインストラクターの地方巡回指導実施への支援
・ネパール全土の選手を対象とした選手のデータベース化、各年代の代表チームの監督・コーチの選定等
(ANFAが各年代の男女ナショナルチームの強化を担えるようにするため)
・各年代男女代表チーム監督のためのコーチングプランや効果的なプラン実施への提言・支援
・合宿生活でのサッカー指導を通じたユース年代選手の育成強化
武田千秋氏 プロフィール
氏名:
武田千秋(たけだ ちあき)
生年月日:
1954年4月27日生まれ
出生地:
東京都
主な指導歴:
1987年~2008年 東京都中体連サッカー選抜チーム指導
1994年~1999年 九曜FCヘッドコーチ
2011年~2015年 AMIGOフットボールクラブ
2016年~ ネパールサッカー協会 技術委員長
資格:
1986年 JFA 旧C級コーチライセンス取得
1998年 JFA 旧B級コーチライセンス、日本体育協会公認上級コーチ取得
2005年 JFA A級コーチライセンス取得
武田千秋氏 コメント
今回JICA専門家派遣事業としてANFA (ネパールサッカー協会)に派遣されることになりました。スポーツ界初のJICA専門家ということで身の引き締まる思いです。これまでANFA技術委員長として務めてきた2年間を踏まえ、今後はJICA専門家として引き続きJFAと協力しながら指導者養成の制度化等に注力し、ネパールサッカーの更なる発展に努めていく覚悟です。