ニュース
田嶋幸三JFA会長が越前市立武生第五中学校で夢先生 ~JFAこころのプロジェクト~
2018年11月26日
日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長による「夢の教室」が11月22日、越前市立武生第五中学校で行われました。
JFAと越前市は2009年4月に「JFAこころのプロジェクト」等に関わる相互協力協定を締結。同年6月から越前市内の全小学校の5年生を対象に「夢の教室」が始まりました。2010年度からは小学校に加えて中学校(2年生が対象)でも行われるようになり、この9年間で540回を超える授業を行ってきました。
田嶋会長は今年2月7日に武生第三中学校で授業を行う予定でしたが、大雪の影響で中止に。ワールドカップイヤーということもあってその後もなかなか日程が合わずに延期されてきましたが、今回ようやく開催が決まり、田嶋会長は楽しみにこの日を迎えました。
武生第五中での「夢の教室」は1・2年生合同(25人)で行われ、”幸三先生“は前半の「ゲームの時間」で生徒たちと汗を流し、後半の「トークの時間」では、サッカーを続けるために体育教師を目指した高校~大学時代、指導者になる夢を持った大学~社会人時代、そして、ワールドカップ優勝を目標にJFAの会長として働く現在の状況を先のロシア大会の話などを交えて熱く語りました。
幸三先生が最も伝えたかったのは、JFAのスローガンでもある「夢があるから強くなる」ということ。「夢がかなわないこともたくさんあるし、失敗することだってある。その中で僕は、夢を諦めるのではなく夢を変更してきた。夢を追いかけている過程が大事で、そういう努力を経て人は強くなっていく」と訴えました。
担任の先生の話では「比較的おとなしい生徒たち」ということでしたが、夢を発表する場面では多くの生徒が手を挙げ、自らの夢や目標を発表してくれました。
授業を見守った川﨑正人校長は「われわれ教員はどうしても一つのことをやり遂げろと言いがちなのですが、田嶋先生は『夢を変えてもいい』『失敗してもいい』と言ってくれました。この学年(中2)は進路の勉強を始めたところなのでタイミングとしてもよかったですし、僕ら教員にとってもいい勉強になりました」と、満足げに話してくださいました。
越前市によると、夢の教室の事前アンケートと事後アンケートを比較すると、小中学生とも『夢を持ちたい』『夢を持つことは大切』『夢の実現には人の協力が必要』など、いずれの質問項目も事後アンケートの方の割合が大きく上がっているそうです。
また、全国の小学6年生と中学3年生を対象に実施した平成30年度全国学力・学習状況調査(国立教育政策研究所)では、「将来の夢や目標を持っていますか」という問いに対し「そう思う」と答えた越前市の児童・生徒は90%と、全国平均の72%を大きく上回る数値を示したとのこと。越前市の奈良俊幸市長も「ユメセンが子どもたちに非常に良い影響を与えている」と嬉しそうに語っていました。
翌23日には市内のあいぱーく今立で越前市PTA連合会と越前市教育委員会主催の「大人の夢教室」が開催され、田嶋会長が「夢があるから強くなる」をテーマに、JFAの代表強化・指導者養成・ユース育成の三位一体の強化策と日本の特長を生かして戦う「Japan’s Way」の考え方、ロシア大会の振り返りなどについて話し、小中学生を持つ保護者ら約200人が耳を傾けました。
JFAこころのプロジェクト「夢の教室」
日本サッカー協会(JFA)の「JFAこころのプロジェクト」の活動で、各地の小・中学校の正課で実施している授業です。2007年に本格的にスタートし、これまでに13,000回を超える夢の教室を行ってきました。
クラスを受け持つ先生を「夢先生」といい、現役サッカー選手やプロ野球選手、プロテニスプレーヤーをはじめ、各競技のオリンピアン、パラリンピアン、そのOB・OG、さらにはアナウンサーやタレントなど多くの人材が名を連ねています。
授業は「ゲームの時間」と「トークの時間」から成り、ゲームの時間ではさまざまなゲーム(運動)を楽しみながら、ルールを守ることや力を合わせて目標を達成することなどを学びます。「トークの時間」は夢先生がこれまでの半生を振り返るもの。いつ、どんな夢を持ち、それを叶えるためにどういう努力をしてきたか、誰の言葉に勇気づけられたかなど、目標に向かって歩んできたそのプロセスを語ります。