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CSRリレーコラム第4回「『社会貢献活動』を伝えること」~社会貢献委員会 赤羽委員~
2019年10月16日
日本サッカー協会(JFA)は、サッカー競技を統括する唯一の団体としての社会的責任を踏まえ、「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する」という理念を掲げています。社会貢献委員会はこの理念にある「社会の発展への貢献」について考えているJFAの専門委員会の一つで、組織の社会的責任(CSR)の分野等に詳しい5人の有識者によって構成されています。
この社会貢献委員会の活動についてサッカーファミリーの皆さんにお知らせする取り組みの一つとして、委員によるリレーコラムを発信しています。第4回はCSRアジア日本代表の赤羽真紀子委員から、「『社会貢献活動』を伝えること」についてご紹介します。
第4回 社会貢献委員会 赤羽真紀子委員
JFAと「社会貢献活動」
JFAは公益財団法人という法人格をもち、その理念に「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する」ということを掲げています。つまり、JFAによるサッカーを通じた社会貢献活動は、自らの理念と存在意義を具現化する大切なものです。
JFAの社会貢献活動は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に沿って主に3つの柱に沿っています。1つ目は「多様性を大切にする」ということで、サッカーは、年齢・性別・人種・国籍・障がいの有無などに関係なく、だれもが、いつでも、どこでも楽しむことができるという、みんなのスポーツであることを広めるものです。例えば、障がい者サッカーや女子サッカーの普及・啓発や、シニア世代向け競技会の開催などです。2つ目は、「次世代の若者を育てる」ということで、キッズプログラムや選手育成をはじめ、国際交流やアジア貢献などを行っています。3つ目は、「住みやすいまちづくりにつなげる」ということです。例えば、「JFAグリーンプロジェクト」は子ども達の外遊びを促し、コミュニティの中心的な場になるように芝生のグランドを増やそうというものです。また、子どもの貧困を減らそうという働きかけとして、JFAの事務所がある東京都文京区において「子ども宅食プロジェクト」へ協力し、貧困家庭への支援も行っています。
また、サッカーを通じた社会貢献は、国際サッカー連盟(FIFA)やアジアサッカー連盟(AFC)などでも注力しています。多様性を大切にするものや、グラスルーツの支援や普及などが大きな柱となっており、だれでも、どこでも、楽しくサッカーをすることで得られる自己尊重感を多くの人に持ってほしいという信念があります。
JFAは女子サッカーの普及を目的とした「JFAなでしこひろば」をはじめ、様々な社会の発展に貢献する活動を行っている。
「発信する」ことの大切さ
このように、JFAやFIFAではさまざまな社会貢献活動を展開していますが、「実施する」ことと同様に大事なことがあります。それは「発信する」ということです。よく「社会貢献活動は、語らずに粛々とやっていくべきもの」と思われがちですが、そうではありません。あえて活動を発信することで、そこに社会課題があり、それに困っている人々がいる、ということを広く知ってもらう、ということも大きな貢献となります。日本では「隠匿の美」といわれるように、自ら発信することは好しとしない向きもありますが、発信していくことは、さまざまな評価が得られる機会となり、さらなる成長につながる重要なステップとなるものです。
JFAこころのプロジェクト「夢の教室」で授業をするプロフェッショナルレフェリーの佐藤隆治さん。JFAの様々な活動は、参加者、スタッフ、観戦者の声とともにJFA公式ウェブサイトへ掲載し、積極的に情報発信している。
ステークホルダーの意見を大切に
また、ステークホルダー(利害関係者)の意見を聴く、ということも、社会貢献活動にとっては大切なことです。社会貢献活動はいわゆる「善いこと」であるがゆえに自己満足に陥りやすいものでもあります。そうならないために、ステークホルダーの意見を聴くことで、何を求められているのかを把握して、応えていくことが重要です。JFAでも、「グラスルーツ・アンケート調査」などのそれぞれの活動に関わる方々へのアンケートや、JFA公式ウェブサイトにイベントへ参加したサッカーファミリーの声をこまめにご紹介することによって、自らの方向性を確認し、みなさまの声を組織の成長に活かせるように努めています。
第1回グラスルーツカンファレンスには、全国からJFAグラスルーツ推進賛同パートナーの代表者が参加し、グラスルーツ環境改善のための意見交換を行った。
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