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CSRリレーコラム第5回「「誕生日寄付」からみる寄付の醍醐味」~社会貢献委員会 高橋委員~
2019年11月15日
日本サッカー協会(JFA)は、サッカー競技を統括する唯一の団体としての社会的責任を踏まえ、「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する」という理念を掲げています。社会貢献委員会はこの理念にある「社会の発展への貢献」について考えているJFAの専門委員会の一つで、組織の社会的責任(CSR)の分野等に詳しい5人の有識者によって構成されています。
この社会貢献委員会の活動についてサッカーファミリーの皆さんにお知らせする取り組みの一つとして、委員によるリレーコラムを発信しています。第5回は公益社団法人日本フィランソロピー協会理事長の高橋陽子委員から、「「誕生日寄付」からみる寄付の醍醐味」についてご紹介します。
第5回 社会貢献委員会 高橋委員
寄付は、お金に信頼を載せて回す経済活動
公益社団法人日本フィランソロピー協会は、個人の社会参加・社会貢献が健全な民主主義社会の原点である、という考えの下、企業のステークホルダーである従業員や顧客などの個人のボランティアや寄付の推進をしています。
「寄付は、あげて終わり」というように言われがちですが、貧困・自然保護・アートなどを支援する団体等に寄付すれば、彼らは貯め込まないで即刻消費し、経済の循環が生まれます。すると経済は元気になります。寄付は、信頼をお金に乗せて循環させる経済活動なのです。
そこで、一般の人の寄付のプラットフォームを作ろうと、「誕生日寄付」を始めました。
誕生日にお祝いをもらうのではなく寄付をする?
「自分の誕生日に、いのちを与えられたことに感謝して寄付をしよう」「寄付先は、いのちをつなぐ次世代の若者に」という事業です。実は、「誕生日寄付」のヒントをくださったのは、Jリーグ初代チェアマンでJFA相談役の川淵三郎さんです。川淵さんは、25年以上もご自分の誕生日にプレゼントをもらうのではなく、寄付をしておられるのです。寄付先に選んださわやか福祉財団の当時の理事長、現会長の堀田力さんに、「いくらぐらい寄付したらいいでしょう?」と相談したそうです。普通は、「無理のない金額を」と言いそうですが、堀田さんの答えは「ちょっと痛い金額がいいですね」。川淵さんもこの言葉に痺れたそうです。私は、この言葉にかっこいい大人の匂いを感じました。人によっても人生のステージによっても痛い金額は変わります。その時々の「ちょっと痛い金額」を若者の応援に。「これこそ、かっこいい大人だ!」
このお話を伺い、是非、これを拡げていきたいと思い、川淵さんにも賛同人になっていただきました。
寄付は未来への投資、リターンは金銭以上
支援する対象は、今、困難を抱えている若者です。彼らに寄り添い支えることで、彼らの未来に希望の灯をともしたいと思います。そして、次は、彼らが社会や次の世代のために貢献してくれたら、と願っています。寄付は長期投資に似ています。どちらも、未来に夢を託して資金を投入します。寄付のリターンは支援する子どもたちの成長と、それを共有する喜びや感動です。寄付をしてくださった方からの声をご紹介しましょう。
「誕生日寄付に登録した時には、元気だったのですが、その後、病気が発覚し、今、闘病中です。そして、誕生日がやってきました。うーん、それどころじゃないか、と一瞬思ったのですが、どっこい、今、生きているのだから少額でも寄付しよう、と思い直しました。この寄付を長く続けられる自分でありたいという、願いも込めました。」
「今、とてもつらい思いをしているかもしれないあなた、誰かが必ず見ています、手を差し伸べています。あきらめないで。私も応援しています。」
誕生日に新しいつながりをつくろう
先日、ロンドン在住の方に、素敵な「誕生日寄付」の話を聞きました。ロンドンにある、スープキッチン(貧困層の人に無料で食事を提供する施設)でボランティアをしている人の話です。ある日、キッチンに入っていくと、チキンのシチューの仕込み中。料理をしている人が、「××さんが、今日は私の誕生日なので、と言ってチキンを寄付してくださったのよ」。こんな素敵なエピソードが,町のあちこちで生まれることを願い、各地の「かっこいい大人」を紹介しながら、「誕生日寄付」仲間を増やしていきたいと思っています。
いのちを思い、人を想う心を寄付に乗せて
Thanks Birthday ! & Happy Donation !
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