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夢の教室から~木暮賢一郎さん(元フットサル日本代表)が台東区立田原小学校で夢先生~JFAこころのプロジェクト
2019年01月09日
全国各地の子どもたちと「夢を持つことの大切さ、素晴らしさ」について考える、JFAこころのプロジェクト「夢の教室」。東京地下鉄株式会社(東京メトロ)協賛による「夢の教室」が12月20日(木)、台東区立田原小学校で開催され、元フットサル日本代表の木暮賢一郎さんが「夢先生」として授業を行いました。
現在はフットサル日本代表コーチとフットサル日本女子代表監督、U-19フットサル日本代表コーチを務める木暮さんにこの日の授業後、お話を伺いました。
※このインタビューは2018年12月20日に実施しました。
--ご自身が初めて夢先生を務めることになったとき、どのようなことを考えましたか。
初めて夢先生を務めたのは2009年、名古屋オーシャンズの選手の時でした。現役の選手として、子どもたちに直接会うことで、その子たちにとって、少しでも夢について考えるきっかけになればという思いで引き受けました。
--また、夢先生をされる際に常に心がけていることはありますか?
心がけていることはたくさんあるんですけど、伝えようとしたメッセージや自分が発した言葉が一つでもいいので、彼らの心の中に残り、これからの人生の中で、「そういえば、こんなこと言われたことがあるな」「この言葉聞いたことあるな」と将来、思い起こしてもらえるような時間にしたいと思っています。そうなったらうれしいです。
--木暮さんはFリーグだけでなく、海外でもプレーし、フットサル日本代表に選ばれました。また、監督としてFリーグ優勝など数多くの舞台を経験されていますが、アスリート・指導者として競技に臨むときと、夢先生として授業に臨むときに何か違いはありますか?
夢先生は緊張します。競技に臨むときのプレッシャーと違いはありますが、何回夢先生をしても毎回緊張感があります。フットサルやサッカーの現場にはもともとその競技に興味を持っている人が集まります。でも小学校の教室にいる児童は興味や関心が様々。皆がフットサルやサッカーを知っているわけではないですし、スポーツに全く興味がない子もいます。それぞれの子どもの関心やモチベーションが違うので、指導の現場で戦術を伝えるのとは違う難しさや緊張感があります。
--もしご自身が子どもの時に、夢の教室が行われたら、どうだったと思いますか。
授業でも話をしましたが、自分の一番のトピック(挫折)は小学5年生のとき。サッカーの試合に出られず、そこで諦めてしまったことで、自分はそれをすごく後悔しているんですよ。当時、アドバイスをしてくれていた人はいたのかもしれないのですが、気が付かなかったのか、覚えていないものです。もしその時に、こういう授業があって、違う切り口でメッセージを伝えてもらっていたら違ったのかな、と思います。
--今回、「夢の教室」を行ってどのように感じましたか。
今、指導者として若い選手と接していて、最近だとユースオリンピックで高校生年代の選手たちの監督をしましたが、自分が選手だった時以上に若い世代の可能性を感じています。今日も、子どもたち全員が可能性に満ちていると感じました。エネルギーが溢れ、やりたいことやたどり着きたい場所、なんでもチャレンジできるなと実感しました。エネルギーは財産です。自分も夢に向かっている最中なので、そういう意味では逆に子どもたちからエネルギーをもらえました。本当に子どもたちは元気があってすごいですね。
--もし今の夢があるようでしたら、お聞かせください。
トークの時間で、「今の自分の夢はフットサル日本代表監督になり、ワ-ルドカップで優勝すること」と話しました。子どもたちに伝えたからには、自分もやっていかなくてはいけない。夢に向かって、決して諦めず、後悔しないようにやりきる。結果だけでなく、そこに向かう過程の部分も大事にし、夢を叶えるようがんばる。この年でも夢があるということは、ありがたいことだなと思います。
JFAこころのプロジェクトは、2013年から東京メトロの支援を得て沿線の江東区、台東区、千葉県市川市等の小学校で同社協賛の「夢の教室」を行っています。実施した回数は既に200回を超え、多くの子どもたちが夢先生とふれ合ってきました。
「夢の教室」
日本サッカー協会(JFA)の「JFAこころのプロジェクト」の活動で、各地の小・中学校の正課で実施している授業です。2007年に本格的にスタートし、これまでに13,000回を超える夢の教室を行ってきました。
クラスを受け持つ先生を「夢先生」といい、現役サッカー選手やプロ野球選手、プロテニスプレーヤーをはじめ、各競技のオリンピアン、パラリンピアン、そのOB・OG、さらにはアナウンサーやタレントなど多くの人材が名を連ねています。
授業は「ゲームの時間」と「トークの時間」から成り、「ゲームの時間」ではさまざまなゲーム(運動)を楽しみながら、ルールを守ることや力を合わせて目標を達成することなどを学びます。「トークの時間」は夢先生がこれまでの自身の経験を語り、子どもたちに夢について考えてもらう時間です。いつ、どんな夢を持ち、それを叶えるためにどういう努力をしてきたか、誰の言葉に勇気づけられたかなど、目標に向かって歩んできたそのプロセスを語ります。