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年度後半の活動で個・集団を伸ばすために 〜JFAアカデミー堺 スタッフ通信Vol.20
2021年12月14日
JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー堺のレポートを担当するのは武末彩子コーチです。
はじめに
JFAアカデミー堺でコーチをしています、武末彩子です。アカデミー堺に来て二年目になります。
アカデミー堺は、平日は寮生活でトレーニングを行い、週末や長期休暇には所属チームに帰省して活動する週末帰省型のアカデミーです。中学三学年34人の選手が、切磋琢磨しながら日々トレーニングに励んでいます。
JFAアカデミー堺として公式戦に出場することはありませんが、例年1月に行われるJ-Green SAKAI フェスティバルが1年間の集大成の場です。年度後半のグループ編成は、全体を二つに分け、フェスティバルでの戦いを視野に入れながら集団としての成長も目指します。基本的には毎日トレーニングを行いますが、月に一度は近隣の3種チームや高校女子チームとの練習試合を組んで実戦の場を作っています。また、ミーティングを定期的に設け、ピッチ上でよりよい認知と判断ができるよう、原理原則などを整理する時間にしています。今回は私が担当しているチームの、練習試合及びミーティングの様子を紹介します。
練習試合の活用
練習試合は、ユニフォームを着用し、試合前ミーティングを実施するなど、できる限り環境を実際の試合の雰囲気に近づけて行います。そのような普段と違った緊張感もある中で、いかに自分の良いところを出しきるか、そしてチームで取り組んでいることにどれくらい挑戦できるか、という部分にフォーカスします。また、一人ひとりが集団を引っ張る存在になってもらいたいという狙いから、毎回異なる選手にキャプテンを任せて、リーダーシップの発揮を促しています。
今年度の後期に行った2回の練習試合の成果としては、相手陣内で前線から連動して積極的にボールを奪う守備と、自陣のビルドアップに関しては、まだ課題を残しつつも目指す形に近づきつつあります。一方で、自陣に攻め込まれたときの守備対応、奪いきる能力、などに関しては、もう一度トレーニングで繰り返し取り組む必要があります。攻撃では、アタッキングサードに侵入した後の相手との駆け引きや味方との連動、動きながらのテクニックが今後の課題です。
サッカー理解とコミュニケーションを深める
ミーティングは、ピッチ上だけでは行き届かない部分を補う目的で行い、映像やスライドを使ってサッカー理解を深めます。伝えたいことを言語化できず、ピッチ上で仲間と意思疎通がとれないといったことは、中学年代ではよく起こり得ることです。ミーティングは、お互いに落ち着いた状態で冷静に言葉のやり取りができるため、選手間のコミュニケーションも活発になります。
自分達の練習試合の映像では、ピッチ内のどのエリアで、何を判断基準にして、どんな狙いを持ってプレーをするべきかの整理、四局面それぞれで、OnとOffでどんなことが起こっているかの確認を行います。また、国内外のトップ選手・リーグの映像を見てよいイメージを持つこともしています。
ミーティングを行うことで、ピッチ上でコミュニケーションが自然と増え、それが選手間の相互理解の高まりに繋がっています。また、トレーニングでこちらが発信することへの反応は、ミーティング実施前と比較して良くなってきたようにも感じています。
最後に
このように、日頃のトレーニングとは違った角度からのアプローチを加えながら、選手一人ひとりや集団としての課題を見つけ、技術面・戦術面、そして精神面でも成長していけるような工夫に努めています。今後も、選手の様子を観察し、声を聴きながら、欲しているところに着手できるコーチング、関わりを指導者として心掛けていきたいと思います。