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2021年度全国技術委員長会議をオンラインにて開催
2021年02月25日
日本サッカー協会(JFA)は2月21日(日)、2021年度全国技術委員長会議を開催しました。
全国技術委員長会議は毎年、各都道府県・地域サッカー協会(FA)の技術委員長、JFAコーチ(旧JFAナショナルトレセンコーチ)らが一堂に会して2日間の日程で行っていましたが、今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響から、舞台をオンライン上に切り替え、1日のプログラムでの実施となりました。
会議の目的は、JFAの各種施策や活動を報告し、今後の方針や方向性などを各FAと共有すること。そして、JFAと各FAが連携し、さまざまな取り組みを推進していきます。
会議の冒頭、あいさつに立った田嶋幸三JFA会長は、「JFA創立100周年を機に、もう一度、『JFA2005年宣言』の実現に向けて取り組んでいきたい」と力強く宣言しました。JFA2005年宣言では、2050年までにFIFAワールドカップ優勝、そしてサッカーファミリーを1000万人にすることを掲げています。田嶋会長は「われわれは目標に向かって本気で取り組んでいるので、皆さんにもそれをプッシュしていただきたい。日頃のトレセン活動や指導者養成などはつながっている。一緒に頑張っていきましょう」と呼びかけました。
続いて、反町康治JFA技術委員長からは、コロナ禍における活動への感謝、JFAの技術関連の組織体制、JFA技術委員会として力を入れていきたいことなどが伝達されました。
JFA技術委員会が注力する一つとして、反町委員長は「FIFAワールドカップトロフィーを掲げるために、近い将来、育成年代の2つのワールドカップで優勝したいと思っている」と話した上で、「サッカーにおける世界大会はその国の総合力が如実に表れる。日本はもう一歩のところまで来ている。皆さんの力なくして、ワールドカップ優勝はない。代表は遠くにあるものではなく、近くにあるものと考えてもらいたい」と語りました。
そして、「サッカーの世界も地方の時代が来ている。各FAの技術委員長が中心となり、タレント発掘や指導者養成に力を入れていただきたい。強い日本サッカーをオールジャパンでつくっていきたい」と述べました。
今回の全国技術委員長会議は、昨年オープンした高円宮記念JFA夢フィールドから配信されました。そのJFA夢フィールドについて、小野剛JFA副技術委員長が機能や役割、活用例などを紹介しました。
その後、新たに就任した大橋浩司JFA副技術委員長からJFAコーチが紹介され、各事業の担当者による施策や活動の報告へ移っていきました。
JFAは中期計画として、4種(キッズ)年代・女子・シニア領域への重点的アプローチを掲げています。グラスルーツ推進については、普及部会の設置、競技とグラスルーツの融合、キッズ年代のゲーム環境にポイントを絞り、中山雅雄JFA技術委員会普及部会長から説明がありました。
中山部会長は「普及の観点から、選手がサッカーを楽しむ環境をつくっていく、そして指導者がどのように関わっていくかが大事になる」と話し、選手の特性やニーズに応じた指導の考え方を伝達しました。また、U-10年代向けに作成した「ミニサッカーガイドライン」を紹介。各FAでガイドラインを活用した少人数制サッカーの推進を求めました。
女子のトピックとして、今年は東京オリンピック、女子プロリーグ「WEリーグ」の開幕、そして来年には国民体育大会の少年女子の部の創設を控えています。今井純子JFA女子委員長は「2024年までの4年間で取り組むトピックを連動させて、大きな変化を起こしたい」と話します。WEリーグの概要や女子のゲーム環境改革、普及施策、女性指導者の養成・活用などに関するさまざまな情報が伝達されました。
また、「JFA理事会のメンバーの40%を女性にしたい」と田嶋会長も話している通り、女性活躍社会の実現に向けて、各FAに、女性インストラクターや女性指導者を増やすことについて協力を呼びかけました。
昨年より、各FAで技術担当者の専任化が進んでいます。「47FAコーチ」と呼ばれることとなった技術担当専任者について、大橋副委員長がその役割や選定基準、各FAでの設置状況などを説明。すでに設置されているFAの参加者から好事例の共有もありました。
休憩を挟んだ後は、影山雅永JFAユース育成ダイレクターがユース育成について説明しました。今年のFIFA U-17/U-20ワールドカップは中止となりましたが、U-17、U-20日本代表は共に2017年、2019年の年代別ワールドカップに出場しています。二世代がそろって2大会連続でワールドカップに出場したのは初のことでした。
大会を振り返った影山ダイレクターは「もしかして決勝まで行けたのではないかという紙一重の戦いが続いていたのは事実」とし、U-17・U-20年代でワールドカップ優勝を経験することでそれを自信にしてFIFAワールドカップに挑戦したいと伝えました。そのためにも、育成年代でインテンシティ(強度)の高い試合を増やすこと、地域の特性に合わせたトレセン活動を展開すること、個でも戦える選手を育成していくことなどの方針を示しました。
鈴木淳JFA指導者養成ダイレクターは、指導者養成のアクションプランから「指導者の資質向上」をテーマに掲げ、JFA主催大会における指導者ライセンスの義務化について参加者に意見を求めました。「サッカー先進国は義務付けしている国がほとんど。指導者も新しい知識を取り入れなければ質の良い指導は提供できない」「4種ではお父さん、お母さんがコーチをしていることも多く、義務化すると離れてしまうのではという懸念もある」などの意見が上がります。
日本は先進国に比べてライセンス義務化が遅れており、鈴木ダイレクターは「子どもたちが楽しくサッカーを続けられる環境をつくることが大切。指導者の資質が求められる。皆さんの意見を吸い上げながら指導者養成をより良いものにしていきたい」と引き続きの意見を求めました。
続いて、小西鉄平JFAフットサルテクニカルダイレクターが登壇し、フットサル委員会が2016年から推し進めている2つのテーマ「フットボールファミリーの中でフットサルがどう貢献できるか」「フットサル独自の発展」から前者を中心に説明しました。
昨年は、JFA夢フィールドを活用し、新たに「JFAフットサルラボ」を実施。これは育成年代でサッカーとフットサルの双方に取り組むことが、サッカー選手としてもフットサル選手としても良い効果があるだろうという仮説の下に始まった活動です。サッカー先進国ではフットサルからサッカーへと多くの選手が育っており、小西ダイレクターは「サッカーとフットサルの良好な関係という考えを全国各地でも広めていただきたい」と強調しました。
最後に、反町委員長が再び登壇し、参加者への感謝を伝えつつ、「われわれの熱量を感じていただけたかと思う。皆さんの各FAでもこの熱量を引き続き出してもらいたい。オールジャパンでやっていきましょう」と締めくくりました。
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