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WEリーグ・WEクラブ向けウェルフェアオフィサー研修会を開催
2021年04月15日
リスペクト・フェアプレー委員会は、3月30日(火)、WEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)及びWEリーグ所属クラブに向けたウェルフェアオフィサー研修会をオンラインで開催しました。
ウェルフェアオフィサーとは、誰もがリスペクトやフェアプレーの考え方を理解し、サッカーに関わるすべての人が安全に安心してサッカーを楽しむことができる環境を作り出すこと、また、サッカー活動においてリスペクト精神が浸透し、オンザピッチ、オフザピッチでフェアなプレーを確保することを目的に設置される役職です。
今回の研修会には、WEリーグ及びWEクラブから22名が参加し、特に女子チーム、女子選手との関わりの中で想定される、安心安全に関わることやハラスメント等の具体的な事例を用いながら、ウェルフェアに関する学びと関心を深めていただきました。
講師コメント
山岸佐知子 さん(JFAリスペクト・フェアプレー委員会委員長)
WEリーグのビジョンに基づき、リーグとしてウェルフェアの重要性を理解し、所属するチームと共に意識を高めて頂いたことに感謝いたします。日本の女子トップリーグであるWEリーグが先頭をきってこのような取り組みをして頂くことは、日本のサッカー界に対しても良い影響を与えてくれるはずです。参加者の方々の熱心なディスカッションを聞きながら、各チームにおいてしっかりと環境整備が進められていくのではと感じました。今後、クラブウェルフェアオフィサーの活動がクラブ内でしっかりと機能していくことで、WEリーグから日本全体に誰もが安心して安全にサッカーに取り組める環境が広がっていくことをと大いに期待しております。
受講者コメント
小林美由紀 さん(WEリーグ理念推進部部長)
9月から新たに始まるWEリーグのビジョンの一つ「世界一のリーグ価値を」を実現する一環として、所属全クラブにウェルフェアオフィサーを設置することにしました。選手、指導者や関係者がフェアで安全にサッカーができることが、まずは大前提。今回は、「女子選手バージョン」にアレンジしていただき、グループごとのディスカッションも時間が足りなくなるくらい、密度の濃いものとなりました。今後も継続的に行い、実例を使いながら、ウェルフェアに関する意識をリーグ全体で高めていきたいと思います。ありがとうございました。
撰朋恵 さん(サンフレッチェ広島レジーナ)
ウェルフェアオフィサー研修を終えて、チームだけでなくクラブ全体で風通しの良い組織を目指すことの大切さを改めて感じました。
高圧的な態度によって相手が委縮している場面に出会うこと、実際にそのような態度を受けてしまうことは、年齢や性別、立場や場所等に関係なくありえる事象だと思いますし、それらは起こらないようにいくら対策を練っても、根絶やしにすることは難しいことだと私自身は感じています。
教育熱心なあまりの行き過ぎた指導、気持ちが高ぶったことでの攻撃的な言動や行動などがあった時、自分のもとへその情報が正確に伝わってくるのか、または目の当たりにする機会があるのか、自分はその事象をフラットな視点で受け取り、クラブとして解決することが出来るのか、まずはウェルフェアオフィサーが存在するだけにならないようにすることが大切だと思いました。
そのためにもウェルフェアオフィサーの役割についてのクラブ全体への周知はもちろん、実効性のある対策をクラブと共に設けていきたいです。
加藤久美子 さん(AC長野パルセイロレディース)
『リスペクトとフェアプレー』という言葉は、サッカー界でよく耳にしますが、このことについて改めて学びを深めました。
私が最も印象に残っているのが、『フェア(公平公正)と平等は、似て非なる』ということです。多くの人が正しいと思うこと・相手の立場に立つこと、人として求められること…サッカーの場面だけでなく、日常生活でも気にかけていくべきことだという思いを新たにすることができました。
グループディスカッションでは他のクラブの取り組みや考え方を聞く中で、クラブとしての理念が問題発見の基になることや、万が一問題が起きた時の解決に向けたフローを作る必要性があることなど、クラブ運営の観点で学ぶことが多かったです。
クラブウェルフェアオフィサーとして、『リスペクトとフェアプレー』の精神を自クラブ全体に広げることで、よりよいクラブに発展していければと思います。