日本サッカー協会（JFA）は3月8日を「JFA 女子サッカーデー」に定め、サッカーを通して女性が輝ける社会づくりを推進するための働きかけをしていきます。ここでは日本代表チームのオフィシャルサプライヤーであるアディダス ジャパン株式会社の七田佳代さんに、中学生（U-15）年代のチーム創出をサポートする「HER TEAM」プロジェクトについて聞きました。

――アディダス ジャパンは3月8日から女子中学生のチーム創設を支援する「HER TEAM」プロジェクトを始動させました。

七田　アディダスはブランドのパーパス（存在意義）として女性がスポーツを続けていける環境をサポートしていくことを挙げています。世界的に見ても、特に10代の女子のスポーツ継続率が男子に比べて低い状況にあり、我々は2018年からサッカーに限らず、女性にスポーツを続けてもらうための活動を行ってきました。2020年は日本や東京がスポーツで大きな注目を集める年なので、そのタイミングで日本でもプロジェクトをキックオフしました。その第一弾が女子サッカーとなります。

――日本女子サッカー界の課題はどこにあるとお考えでしょうか。

七田　他の競技もいろいろリサーチしたところ、指導者が少ない、男子と比べて場所や報酬を含めた環境に格差があるというのが全体的な課題としてありました。その中で女子サッカーの場合、他のスポーツよりチームが少なく、活動場所がない、中学生年代の受け皿がないというのが数字として顕著に表れています。バレーボールやバスケットボールは部活動が全国にありますし、指導者もいます。女子サッカーの受け皿不足は根深い課題としてあるので、小さな一歩ではありますが、そこに切り込んでいくことが改善につながるのではないかと思っています。

――「HER TEAM」プロジェクトの概要を改めて教えてください。

七田　数字を見ると、中学女子年代に特化したチーム数は201チームと、男子が主体のチーム数と比較すると、たった3パーセントしかないんですよね。ただ、私たちがチームを作って運営するのは難しいので、チームの立ち上げをサポートして、始動しやすくなるようにしたいというのがこの企画の趣旨です。いろいろなニーズを把握し、私たちにできることと照らし合わせて、ユニフォームの初年度の提供、メンバー募集の告知ツール制作、サッカークリニック開催の3つを提供していくものになります。より多くの方にチームを立ち上げていただき、女の子たちがサッカーを続ける理由になってくれて、それが女子サッカーの普及、発展につながればいいな、と思っています。

――この活動をアディダスさんが取り組まれる意義はどうお考えですか？

七田　もちろんブランドを好きになってもらいたい、アディダスの商品を使ってもらいたい、という想いはありますが、グローバルスポーツブランドとしてのパーパスが第一です。この活動をやっていくことによって、1人でも多くの女の子たちがスポーツに出合えてよかったと思えてもらいたいです。アディダスは、「Through Sport, We Have The Power To Change Lives.（私たちにはスポーツを通して人々の人生を変える力があります）」 というのがブランドのコアビリーフ（信念）です。その信念を体現するためのプロジェクトにしていきたい、と思っています。

――3月8日が「JFA 女子サッカーデー」に制定されましたが、それに対する率直な感想をお聞かせください。

七田　国際女性デーという世間の方が分かりやすい日と併せて女子サッカーデーを制定されたことは、ブランドとしても各社と一緒に取り組みができて世の中的に女子サッカーへの注目を集められる日程だと感じています。また、毎年この日に向けて女子サッカーのことを考えられるタイミング、キーデートになる点も喜ばしく感じます。

――日本の女子サッカーにどんなことを期待し、そこにどうかかわっていきたいですか？

七田　なでしこジャパン（日本女子代表）には、トップアスリートとして、女性代表として、もっともっと世の中や女性に元気や勇気、自信を与えてくれる女性アスリートのアイコンになっていってもらいたいと思います。今以上に愛されるチームになっていただき、女子サッカーの普及発展につながっていければと思います。引き続き、アディダスはなでしこジャパンの活躍を応援していきます。

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▼各プロジェクトやイベントの詳細につきましては、「JFA女子サッカーデー」の特設ページをご覧ください。