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令和5年度 卒校式
2024年02月04日
【送辞】 14期生 長縄莉央
13期生のみなさん。ご卒校おめでとうございます。今日をもってJFAアカデミー福島を卒校し、それぞれの進路で大きく羽ばたかれることと思います。そんなみなさんにとって、アカデミー福島で過ごした日々はどのようなものでしたでしょうか。仲間と笑いあい楽しい時間を過ごしたり、時には苦しく悩まされる時間を過ごしたり、この六年間の中で様々な出来事や思い出があったかと思います。このような時間を過ごした隣には、いつも仲間やスタッフの存在があり、また心の支えとなってくれた家族の存在があったと思います。自分一人では得られなかった感動や喜び。時に言い争いをして仲間に抱いた怒り。そんな仲間でも悩んだとき、辛いときは隣で話を聞いてくれたかけがえのない大切な存在だったと思います。13期生の皆さんは、私たち後輩にとってかけがえのない存在です。試合に勝利した時の喜び、負けた時の悔しさも一緒に分かち合えたことは最高に素晴らしい思い出となっています。グラウンドの中では高みを目指す中で、互いに要求しあい衝突することがあっても、グラウンドを出るとたわいもないことで笑いあえる関係性を築き上げることができたのは紛れもなく13期生の皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。また、2023年度に入ってから、新型コロナウイルスによる制限も弱まり、アカデミー男女で交流する機会が増えました。お互いの試合の応援や運営の手伝い、バーベキューや運動会を行うなど、普段と違った楽しみを感じることができました。同じアカデミー福島に所属しているチームメイトとして、今後の皆様のご活躍を期待しています。最後になりますが、これからも怪我やお体に気を付けて、何事にも楽しむ心を忘れず頑張ってください。心から応援しています。以上で送辞とさせていただきます。
【男子 答辞】13期生 長尾ジョシュア文典
6年前、私は「プロサッカー選手になる」という夢を持ってJFAアカデミー福島に入校しました。入校して間もない頃は、親元を離れて寮生活することに不安を抱いていたことが今では懐かしく思い出されます。私たちはこの六年間でさまざまなこと経験をしました。試合に勝った負けたはもちろんですが、新型コロナウイルスの影響により、学校が休校となり、寮生活でさえ常時マスクを着用し、食事の時は黙食を強いられるなど、自由のきかない生活は真っ暗なトンネルを延々と歩いているような気持ちでした。でもだからこそ学べたこともありました。それはサッカーが大好きであるということです。仲間たちとサッカーをしている時間だけはつらいことや不安なことも忘れさせてくれました。私たちにとって、サッカーは生活の一部というだけでなく自分達を支えてくれる大切な存在となっていました。もう一つ学んだことはサッカーというスポーツは元気や感動そして勇気を与えることができるということです。コロナ禍で開催された東京オリンピックやワールドカップで日本代表が躍動し、サッカー大国を次々と破っていく姿を見て、「いつか自分もあんな舞台で」と、心が震えました。しかしいざ自分を見つめ直すと、自分の思っていることさえろくに伝えられず、先輩たちの中に入ると萎縮するといった具合でした。私には勇気がなかったのだと思います。高校二年生の時にスタッフとの面談で厳しい言葉をかけられたことが自分が変わるきっかけとなりました。私は大勢の前で話すことや人とのコミュニケーションが得意ではありません。しかし自分がこれから先成長して行くためには克服して行かなければならない課題でした。まずは大勢の前でなく個人に対して勇気を出して自分の思っていることを伝えるようにトライしました。その結果、相手は要求を理解してくれて少しずつ自分の特徴を出せるようになりました。時には意見が食い違い言い合いになることもありました。たとえ、ピッチの外で仲の良い友達でもピッチの上では要求しなければなりません。ですが最後にはお互いの意見を尊重し合うことが重要だということを感じることができました。
そして迎えた最後のシーズン、私たちはひと学年17人で戦いました。寮の移動は大変でしたが集団で行動する事が増えコミュニケーションは更に活性しました。怪我の時はキャプテンとして先頭に立つだけでなく後ろからチームを支えることを学びました。困難に思える事や苦しい時もチーム全員でポジティブに行動し続けたことで目標であるプリンスリーグ東海優勝を勝ち取ることができました。私たちはまだまだ日本代表のようにプレーする事はできませんが、アカデミーをずっとサポートしてくださった時之栖の方々、福島でアカデミーのことを想い続けてくださっている方々、そして遠方から私たちの応援に足を運んでいただいた方々はじめ多くの人に支えられてここまで来ることができました。今日ここにご出席いただくことはできませんでしたが亡くなられた庄司元会長や阿部先生、またいつも私たちをバスで送迎してくださったセゾンの田中さんにも改めて感謝申し上げます。そういった方々のためにも私たちにはどんな状況になっても勝利を目指しボールを追い続ける責任があったと思います。
私たち13期生は今日JFAアカデミー福島を卒業します。これからの私たちの責任はそれぞれのステージでアカデミーで学んだフィロソフィーや五訓を忘れずに夢に向かって挑戦し続けることです。最後に、これまで私たちに関わってくださったすべての皆様、本当にありがとうございました。
【女子 答辞】13期生 金成瑠那
思い返せば6年前、私は入校生代表として決意表明をここ、時之栖で行いました。今は入校時とは違う感覚の景色に、私自身の成長を感じつつ、あっという間に6年間が過ぎてしまったのだなと、少し寂しさも感じています。この6年間を振り返ると、素晴らしい経験をたくさんさせて頂いたと感じています。ボールパーソンや田植えといったプログラム、サッカーでは中学時代には2度の全国制覇、高校生になってからもなでしこリーグ2部で3年間プレーさせて頂き、高校年代の全国制覇も経験することができました。こんなにも輝かしい成績を残せたことはもちろん大変喜ばしいことですが、この経験の土台にはいつも辛いことがありました。足を止めたくなるような厳しい練習。特に高校生になってから、うまくいかない日々が続きました。周りの迷惑にならないようにとサッカーを楽しめていなかった時期。一人おいて行かれているという焦り。辛かった時には自信が持てず、苦しくて急に涙がこぼれてしまう時もありました。しかし、そんな時に慰めてくれたり、一緒に自主練習を手伝ってくれたり、「大丈夫だよ。これからだよ。」と励ましてくれる先輩がいました。そのため、毎日の練習で手を抜くことはなかったですし、絶対にこのままでは終われないという心を持ちながら、今日まで頑張ってこられました。また、アカデミー生はライバルでもあり、大切な仲間であるということを実感しましたし、一人では超えられない壁も誰かの支えが大きな後押しになるということを認識した瞬間でもありました。アカデミーの6年間の生活で得たものは、地道にコツコツ続けることが一番大切だということです。「どんな時でも自分に負けず、折れそうになっても耐えながら積み重ねていけば、それがいつか自分に良いものとなって返ってくる。」様々な日々を乗り越えて、心の底からサッカーを楽しめている今があるからこそ、このことに気づけました。
これから私はアメリカの大学に進学して、さらに高いレベルでサッカーを楽しみたいと思っています。今は入校当初と同様に、新たな世界に踏み出すことを楽しみにしていますが、もしかしたら今後、言語の壁や打ちひしがれるような日々に直面するかもしれません。しかし、そんな時にはアカデミーでの6年間で得た力と「常にどんな時でも日本でも海外でもポジティブな態度で何事にも臨み、自信に充ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間になる」というフィロソフィーを思い出し、どのようなことでも乗り越えていこうと思います。そして、さらに強くなっていきたいと思っています。
最後になりましたが、富士山の望む素晴らしい環境でサッカーに打ち込むことができたのは、震災後に受け入れてくださった御殿場市、裾野市の皆様のおかげです。この6年間で第2の故郷と思えるほど数多くの思い出を静岡で作れました。静岡県で活動できたことを大変嬉しく思います。この6年間は一瞬一秒たりとも、無駄なものはなかったと思えるほど、ものすごく濃い時間でした。私たちに貴重な経験をさせて頂いた、アカデミースタッフをはじめとした関係者の皆様、プログラムの先生方、教職員の皆様、サポーターの皆様、そしていつもそばで熱心に応援してくれた家族の皆様、誠にありがとうございました。胸を張って卒校いたします。JFAアカデミー福島がこれまで以上に活躍していかれますことを、心からお祈りして、答辞とさせていただきます。
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