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アカデミー福島 12期生の「今」、中学3年生になって 〜JFAアカデミー福島男子 スタッフ通信Vol.19~
2019年08月15日
JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島のレポートを担当するのは吉武博文コーチです。
はじめに(指導するにあたり)
成長著しいこの時期(中学3年生)に、選手それぞれが外的刺激を感じ、内面的に自ら考え行動するという自発性は非常に重要なこととです。そこで「担当者が変わること=環境の変化をチャンスにして欲しい」と伝え、指導の初日に次の5つの掟を12期生(中3)と共に共有し、みんなで取り組むことを誓いました。
掟1.勉強すること:「できる・できない」の差は、学校で行われる6時間の授業に集中できるか否かで決まる。
掟2.2019シーズン今年度(=1年間)で勝負すること:今年行われることは「今年で完結し、ユースやトレセン、代表では別物」。適応力が重要である。
掟3.就寝前10分間で自分の今日一日を振り返ること:明日行うことを3つ以上ノートに書き、昨夜書いた3つについてコメントをする。
掟4.臨機応変・情報の共有・歩み寄ること:集団生活や現代社会では、明確な目的や方向性、目指すイメージが大切である。
掟5.過去は振り返らず・未来は見つめず・今を生きること:私は選手のことは何も知らない、何の先入観もない、スタートラインは今である。
施設紹介
寮には学年に一つ学習部屋(プレハブ)があり、そこで、毎晩1時間勉強しています。ミーティングにも使用し、12期生の独自の話し合いや行事等の準備にも使っています。いつでも使える12期生専用ルームがあるのはとても便利です。
12期生の特長の一つに、洗濯上手であることが挙げられます。寮には15機の洗濯機と乾燥機があります。100人の寮生は必ずしも十分とは言えませんが、それぞれ毎日、空いた〇〇〇〇・・・・・探しで隙を狙って洗濯をしています。
寮は5階建てで1Fには面接部屋やメディカルルーム、2Fにはスタッフルームと事務室、選手の部屋は2Fに5室、3Fに7室、4Fに7室、5Fに7室の計26室で、一部屋2〜4人の定員で生活しています。
トレーニング場所は、車で10分の富士山がいつも見える「うさぎ島グラウンド」(人工芝5面)、車で15分の芝を張り替えたばかりの「裾野グラウンド」(人工芝3面)、寮から徒歩3分の緑に囲まれた「SKグラウンド」(人工芝でフルピッチの反面+16.5mの奥行きあり)、徒歩5分の周りが建物で囲まれていて落ち着いてトレーニングできる「時之栖Aグラウンド」(フルピッチ1面)のどれかで行っています。
使うのは全て人工芝で、12期生が使える大きさはフルピッチの半面ですが、フルピッチサイズの経験値を増やすべく、基本的に毎週水曜日に13期生(中学2年生)とトレーニングマッチを行うようにしています。
今、今年、取り組んでいること
今年新たに始めた活動に瞑想活動とリズムトレーニングがあります。寮の近くにお寺(時之栖の上「ありがとう寺」)で週一回30分間の瞑想を行っています。大まかには感謝を実感する内観法です。スポーツの結果には、メンタルが重要な要素となります。メンタルそのものにメスを入れる目的で実施し、瞑想を通して心を無にして「フローな状態」から「ゾーン」に入れることを願っています。
現代サッカーのキーワードである「レスタイム・レススペース」でも我々がアドバンテージを保つために、一瞬のリズムの変化に適応できるよう、毎日アップ時にリズムトレーニングも行っています。日本人の体内リズムは4拍子と言われていますが、海外の選手に適応するためにも16拍子の動きを身に付けさせたいと思っています。今後、試合で発揮されることを大いに期待しています。
また、生活の部分では、アカデミーの五訓(誇り・夢・責任・自由・創造)と合わせ、5S(5エス)と言って・整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つを目標にアカデミー生は生活しています。12期生では、5Sにちなんで5ACE(5エース)と題し、ゴール前の崩し方を5つに分類した(ソロプレイ系・ミドルシュート系・リバウンド系・サイド攻撃系・中央ラストパス系)、「5ACEトレーニング」があります。選手たちは得点イメージを共有しながら毎日の練習でこれに取り組んでいます。その成果か、得点するときはプロ顔負けの美しいゴールとなることもあります。
終わりに
今年の2月から指導を始めた当初、アカデミー生たちはさぞかしサッカー漬けの生活になっているものと思いましたが、下校時間が遅くなる時もあり、寮でのスケジュールもタイトで時間に追われ、トレーニング時間やミーティング時間が思ったより確保しにくいときもあります。
そんな中、私自身久しぶりの中学生年代の指導で、ついつい力が入り、大変高い要求や時には厳しく、また細かなコーチングも多いこともあります。そんな雰囲気に触れると、思春期真っ只中にいる選手たちはネガティブで暗くなりがちですが、12期生はいつでも「すこぶる」明るく、落ち込むことも少なく、常に前向きに私に接してくれています。
12期生は、大変器の大きな選手たちです。これはひとえに、これまでに携わった関係者の働きかけ・接し方の賜物であると強く感じます。今年度の最終目標としては、次年度に携わる関係者が私のようにストレスを感じず指導できるよう彼らの成長を促し、ユース年代へとリレーしていきたいと考えています。
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