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2023年度2回目のJFAナショナルGKキャンプが終了
2023年06月27日
2023年度2回目のJFAナショナルGKキャンプが6月23日(金)から25日(日)にかけて、大阪府のJ-GREEN堺で開催されました。
このキャンプはU-14/U-13年代におけるポジション別指導・育成というテーマのもと、日本サッカー協会(JFA)が「JFA2005年宣言」で掲げた「2050年までのFIFAワールドカップ優勝」に向けて、将来の日本代表GK、そして世界一のGKの育成を目的に行われています。トレーニングはテクニックの習熟度にあわせて選手3~4名の小グループに対してGKコーチが1名つく形で、GKに求められるテクニックの習得とその質的向上を目的として実施しました。今年度は、第1回がU-14対象、第2回はU-13を対象に各20名で行い、第3回はU-14、U-13 各10名での開催を予定しています。今回はU-13の選手20名を対象としました。
トレーニングは昨年度に引き続き、常にゲームシチュエーションを想定しながら、この年代で身につけておかなければならないゴールプレーヤー(GP)※ のテクニック習得を目的に実施されました。各選手の課題が異なる中、それぞれの選手の個別性に考慮してトレーニングを行うことで、選手に最大限の刺激を与えることを目的としています。トレーニングセッションごとにJFA GKプロジェクト テクニカルアドバイザーであるフランス・フック氏(前オランダ代表 GKコーチ)も含めてコーチングスタッフでディスカッションを行いながら、フランス・フック氏のGP育成のヴィジョンとメソッドを最大限生かして目の前の選手に即したトレーニングを計画し実施しました。
さらに、フランス・フック氏から選手に向けたレクチャーでは、選手たちの夢でもある、世界一のGPになるために、必要な要素とはなにか、ワールドクラスのGPになるために何が必要なのか、この年代で必要な要素とは何なのかについて、具体的かつ明確に提示がありました。実際にワールドクラスのGPをたくさん育成・指導してきたフック氏からの生の言葉は、選手たちにとって非常に刺激的なものになりました。フック氏は、実際のトレーニングの振り返りを踏まえた上で、どうすれば選手たちが目標に近づいていけるのか具体的に指摘し、今後の成長に向けたサポートも行いました。
2日目には、フィジカルフィットネスプロジェクトリーダーの菅野淳氏が、フィジカル測定、ムーブメントプレパレーションを指導。フィジカル面、コンディショニングについて自チームに戻っても取り組めるメニューが提示され、選手は早速取り組み、大きな刺激を得ていました。またアスレティックトレーナーの服部祐介氏から身体の操作性・柔軟性の向上を目的としたストレッチの指導が行われました。
夜には各選手とコーチの1対1での個別ミーティングを行いました。選手自身が自分のトレーニング映像を見ながら課題やストロングポイントを確認し、コーチからさらにフィードバックを受けることで、各自の出来ていることと課題を明確にし、正しいテクニックを習得し、さらに向上するためにはどうしたら良いのか、日常に戻った後にも意識をして取り組んでいけるようにコーチと一緒に再確認しました。
最終日のトレーニング終了後にも、選手個人ごとにコーチングスタッフから今回のキャンプ全体を通してのフィードバックが行われました。自チームの日常の活動で取り組むべき課題の改善や長所を伸ばすための宿題をより明確に意識していきます。
クロージングではフック氏から再び選手たちに向けて激励の言葉が送られ、選手たちがそれぞれの夢を実現するために、今回得た学びを生かし、また継続的に取り組むことで将来に向けて確実にステップを踏み成長してくれることへの期待が述べられました。
選手個別のフィードバックやトレーニング映像は、コーチングスタッフ、テクニカルスタッフが各所属先に送付するなどし、継続的なコミュニケーションを図っています。今回のキャンプが日常での活動に生かされ、SAMURAI BLUEで活躍し、世界No.1のGPになる夢に繋げるべく、活動は続きます。
※ゴールキーパー(GK)の役割はゴールを守るだけでなくゲームの4局面での関わりが増え、攻撃でもチームのビルドアップに多く関わり、さらに重要なポジションに変わってきていることから、GKプロジェクトでは、ゴールプレーヤー(GP)という名称の使用を提案しています。
スタッフコメント
加藤好男 コーチ(JFAコーチ)
今キャンプではGPの基本技術習得に特化した内容で実施しました。初日は基本の姿勢やポジショニング、ハンドリングテクニックやダイビングテクニックといったシュートストップの状況下で発揮されるテクニックにフォーカスして行いました。2日目はフィジカルプロジェクトよりウォーミングアップとスピードやジャンプ力を測定するフィジカルテストを行いました。その後スルーパスや1対1の状況下で発揮されるテクニックの習得にチャレンジしました。2日目の午後はクロスの状況下で発揮されるテクニック、ジャンピングキャッチのフォームづくりやクロスのインターセプトを中心に行いました。3日目はGPの攻撃に関するテクニックの習得がテーマでパスとコントロールやスローイング、そして左右の足を使った各種キックにチャレンジしました。苦手な足のキックにも妥協せず取り組みましたが宿題となる課題の発見にも繋がりました。夜はフランスさんからの個人に対するアクションプラン作成の提案を受けたり、担当コーチからの映像を使ったフィードバックを受けたりとサッカー、GKポジションを考える充実した時間を共に過ごしました。各選手が自分の現在地を知り、仲間を知ってさらなるレベルアップへと繋がる機会となれば幸いです。また、同期間に開催されたリフレッシュ研修会に参加されたコーチの皆様とこの世代の指導方法やプレー分析、GPアクション分析の観点を共有することも出来ました。この機会に選手を送り出していただいたチーム関係者の皆様、選手のご家族の皆様、選手やスタッフを受け入れていただきましたJ-GREEN堺の関係者の皆様に感謝申し上げます。
選手コメント
久留米勝希 選手(ヴィッセル神戸U-15)
僕はこの3日間で色々なことを学びました。例えば、キャッチをした時、音を出さないようにすることや、自分の短所を個別ミーティングでコーチングスタッフから教えてもらったことなど、これから自チームで意識していこうと感じました。オフザピッチの所では、いろんなチームの選手といろんな話ができ、とても楽しかったです。今回学んだことを積み重ねていき、将来は世界一のゴールプレーヤーになりたいです。とても良いコーチに指導していただけたことと、とても良い環境でサッカーをすることが出来て、本当に感謝しています。とても楽しい3日間でした。次回も選ばれるように頑張りたいと思います。
浅野翔多朗 選手(JFAアカデミー福島U-15EAST)
僕はこの3日間という短い期間の中でとても成長することができたと思います。なぜそう思ったのかというと、たくさんのスタッフの皆さんからアドバイスを受けてどうしたら上手くいくのか、なぜ失敗したのかを、毎回自分で考えながら続けていくと成功につながったからです。今回のGPキャンプで教わったことを生かして次回のGPキャンプにも入れるように頑張ります。
瀧寧人 選手(清水エスパルスジュニアユース)
今回のGPキャンプで、自分はクロスボールへの対応がものすごく勉強になりました。クロスボールは3つの点があり、つま先を伸ばすこと、相手をブロックする足を高くすること、腕を使い高く跳ぶこと、この3つのことがものすごく大切だと勉強になりました。この3つの点をクロスの時にしっかりと意識して対応をしたいと思いました。このGPキャンプでは、他にも色々と大切なことを教えてくださいました。僕はここで習ったことを無駄にせずチームで生かしていきたいと思います。とても楽しい3日間でした。
栗田蓮 選手(FC東京U-15深川)
僕は、この3日間で本当に色々なことを学びました。例えば、肩、肘、手首の関節を上手く使って音を出さず、強いシュートでもキャッチ出来るようにするなど、一つ一つのプレーに何個も細かい意識するところがあると知りました。そして、やっぱり重要なのは、一番最初の開始姿勢だと思います。なぜなら、動きやすい開始姿勢が出来ているとプレーもおのずと上手くいくからです。他にも色々なことを学びました。でも、学んだだけで終わらず、しっかりとアウトプットして将来世界一のGPになります。これからも、チームでそのことを意識して頑張ります。
ナショナルGKキャンプは、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施しています。