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【Match Report】SAMURAI BLUE、コスタリカ代表に痛い黒星で突破決定持ち越しに
2022年11月28日
SAMURAI BLUE(日本代表)は11月27日(日)、FIFAワールドカップカタール2022のグループE第2戦でコスタリカ代表と対戦。終盤に失点を喫して0-1で敗れて1勝1敗となりました。2大会連続のノックアウトステージ進出をかけ、12月1日(木)のグループステージ最終戦でスペイン代表と対戦します。
スペインは日本戦の数時間後にドイツと対戦して1-1で引き分け、勝ち点を4に伸ばして首位を維持。日本は勝ち点3でコスタリカと並び、得失点差で上回って2位をキープしています。初勝利を手にしたコスタリカは3位で、ドイツは1分け1敗で4位です。
午後1時のキックオフでドーハ郊外のアハマド・ビン・アリ・スタジアムのピッチには真夏を思わせる強い陽射しが差し込み、41,479人の観客から日本サポーターの声援が響く中で始まった試合は、守備を固めるコスタリカに日本が攻めあぐねる展開となりました。
コスタリカ戦に勝ってスペインとドイツとの結果次第ではグループステージ突破の可能性のある日本は、4日前に逆転勝ちしたドイツ戦から前線を中心に先発メンバー5人を変更。上田綺世選手(セルクル・ブルージュKSV)を最前列に、右にドイツ戦で同点ゴールを決めた堂安律選手(SCフライブルク)、左に相馬勇紀選手(名古屋グランパス)を起用し、ボランチには負傷から戻った守田英正選手(スポルティングCP)を入れて遠藤航選手(VfBシュツットガルト)とコンビを形成。守備陣は右に山根視来選手(川崎フロンターレ)を置きました。
初戦でスペインに0-7と大敗してあとがないコスタリカは、初戦の4バックから5バックに変更。後ろに重心を置いて守りを固めながら、前線への長いボールや左サイドで仕掛けるFWジョエル・キャンベル選手を中心に攻め手を探ります。
日本は試合開始早々に相馬選手の左サイドの突破から相手ゴールに迫る場面を作り、その後もボールを保持して優位に試合を進めますが、前線でボールを収められず、ミスも多く、思うような攻撃を展開できません。前半の終盤には山根選手が高い位置を取るようになりますが、効果的なチャンスメークには結びつきません。
前半を0-0で折り返すと後半から浅野拓磨選手(VfLボーフム)、伊藤洋輝選手(VfBシュツットガルト)を投入して3バックに変更。すると開始早々、守田選手が浅野選手とのワン・ツーで前線に上がって左足を振り、5分後には右CKの流れから遠藤選手がシュートを放ちますが、相手GKとDFに阻まれます。57分、63分には相馬選手が左ペナルティエリアからのシュート、ペナルティアーク付近のFKで狙いましたが、枠をとらえることができません。
ゴールが欲しい日本は62分に三笘薫選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)、67分に伊東純也選手(スタッド・ランス)を次々と送リ出し、サイドから攻撃の糸口を探りますが、人を割いて守りを固める相手に手を焼き、なかなか効果的な形を作れません。
じりじりとした展開が続くなか、試合が動いたのは81分でした。コスタリカは、右サイドでボールを獲得してキャンベル選手が持ち上がり、パスを受けたセルソ・ボルヘス選手が日本の最終ラインの裏へパスを出します。日本の守備陣が対応しますが、クリアボールは短く、相手に拾われてつながれます。このボールを受けたケイシェル・フジェル選手がゴール左上に決めて均衡を破ります。
日本は88分、三笘選手が左サイドからペナルティエリアで切り込んで中央にマイナスのパスを入れると鎌田大地選手(アイントラハト・フランクフルト)が反応。右足を振りましたが、GKケイロル・ナバス選手がこれをセーブ。ゴールを割ることができません。
日本は追いつくことができず、0-1で試合終了。痛い黒星で勝ち星を積み上げることができず、突破をかけて最終戦に臨むことになりました。
最終節で日本はスペインとカリファ・インターナショナル・スタジアムにて、コスタリカとドイツがアルバイトスタジアムにて対戦します。日本は勝てば2大会連続での突破が決まりますが、負ければ敗退。引き分けた場合はコスタリカとドイツの結果次第となります。
その場合、コスタリカが勝てば日本は敗退となり、引き分けた場合は日本とコスタリカが勝ち点で並びますが、得失点差で上回る日本の突破が決定します。
この日のドローで突破の可能性を残しているドイツが勝った場合、日本は勝ち点、得失点差、総得点、直接対決の結果の順で比較。ドイツが2点差以上の勝利であれば日本の敗退、1点差の場合は勝ち点、得失点差での争いとなり、総得点で並んだ場合はドイツに勝っている日本がノックアウトステージへ進出します。
最終節のグループEの2試合はどちらも12月1日(木)22:00(日本時間2日4:00)キックオフの予定です。
コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
相手に点を与えずに我々が攻撃に転じていくという悪くない流れだったと思います。前半はいい形でボールを握れなかったですが、後半はゲームをコントロールしていました。最後に我々が仕留めることができればよかったのですが、残念ながら相手がチャンスをモノにしました。負けという結果はもちろん残念ですが、選手たちはゲームの入りや試合の流れでのシステム変更などにしっかり対応して、勝つ確率を上げられる戦いをしてくれました。ターンオーバーに関して、全く後悔していません。ドイツ、コスタリカ、そしてスペインとも激しく厳しいインテンシティの高い戦いをするなかで、勝つ確率を上げられる、日本が勝つために必要だと考えて選択しました。前半は相手もフレッシュで簡単にこじ開けさせてくれなかったですが、後半はパワーを持たせた選手交代でボールを握れてチャンスも増えました。ある程度狙い通り試合を進められたかと思っていますし、この試合に向けて準備したことは間違いではなかったと思っています。世界の舞台で勝っていくために、前半からコントロールしてクオリティを発揮すること、日本サッカーのレベルをさらに上げていかないといけないと思っています。勝ち点1はしっかり掴みとり、勝ち点3に持っていくゲームプランでしたが、プラン通りにはいきませんでした。
次のスペインは強豪ですが、もともと3戦を通してのグループステージ突破だと思っていました。ドイツにも勝てました。スペインにも難しい戦いになると思いますが、勝つチャンスは十分あると思っています。攻守ともに良い準備をして、自信を持って臨みたいと思います。
FP #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
最低でも引き分けて、勝ち点1は取りたかったというのが正直なところです。試合前から0-0で試合が進むぶんには問題ないという感じで、最低でも後ろは守らなきゃいけないと後ろの選手と話をしていました。守備に関してはそんなに悪いと思っていません。相手にボールを持たれても我慢してしっかり守っていけばやられないという感覚が前半からありました。失点した時間帯は、少しオープンになって、どっちが1点取るというゲーム展開になったと思います。あの時間帯で失点してしまうと相手も最後は固めてきて、自分たちも最後にチャンスがありましたが、相手も身体をはって取り切れなかったです。攻撃の課題はあったと思いますが、ちょっとしたところで失点してしまうのはワールドカップだなと。とにかく切り替えるしかありません。3試合目までしっかりやってグループステージを突破できるかどうかだと、最初からイメージしていました。次も準備してやるだけです。
FP #8 堂安律 選手(SCフライブルク/ドイツ)
相手が5バックに変えてきて停滞したゲームになりました。なかなかサイドでも起点を作れず、どこにポジショニングを取ればいいのか、最後まで考えながら終わってしまった印象です。相手の5バックも僕たちがシステムを変えることも想定内だったので、その意味では前半0-0はプラン的には悪くなかったと思います。勝ち点1でもゲームを運ぼうという中で、選手全員が頭の中に「この相手には勝ち点3を取らなきゃいけない」というのが少しよぎってしまったと思います。早く点を取りたいと焦って仕掛けた部分があったと思います。縦パスが入らなかったですし、入ってもその後に失ってしまうシーンも多かった。ボールを持っていいところで簡単に相手に渡したりロングボールを蹴ったり、少しずつですが一つひとつのミスが相手のペースになったかもしれません。暑かったですが相手も一緒なので、それは言い訳にならないと思います。下を向いている時間はありません。どれだけ歯を食いしばって踏ん張れるかが大事ですし、全選手が覚悟していると思います。すべてを出し切って3戦目に向かいます。
FP #13 守田英正 選手(スポルティングCP/ポルトガル)
前半は人に強く行けなかったことで、回された時間帯も多かったですが、後半になって最初から人に強く行くことができて、開始早々からチャンスを作れたので後半の入りはよかったです。連係ミス一つでああいった厳しい展開になるので、大舞台では気にしなければいけません。あと1メートル寄せれば蹴られなかった。そういう細かいところが前半からいっぱいあるので、次の試合までに修正したいと思います。最後の質のところでフリーの選手に対してしっかりボールを入れられなかったり、シュートを決められなかったりしました。失点場面も反省ですが、それ以上に得点がなかったら勝てません。
FP #14 伊東純也 選手(スタッド・ランス/フランス)
0-0だったので、自分が入ってサイドの奥から仕掛けようとしていましたし、最初はシャドーでボールに近い位置だったので抜け出してゴールを決めたいと思っていましたが、サイドにあまりうまくボールが入っていなかった。前のメンバーがほとんど変わって、コンビネーションの部分が難しかったのかなと見ていて思いました。ドイツに勝ってコスタリカにしっかり勝ち点を取れればというところでしたが、また追い込まれてしまったので、スペイン戦に全てを賭けるしかありません。スペインはドイツと同じで、(ボールを相手に)取られる時間が長くなると思いますが、引き過ぎずに、うまくプレッシングをかけて自分はゴールのところでチームの勝ち点になれればと思っています。
FP #21 上田綺世 選手(セルクル・ブルージュKSV/ベルギー)
クロスからもそうですし、一回壁になって動き直してというのはイメージしていましたが、相手は中を締めていて、そう簡単にはいきませんでした。そこに対して点をとることが自分の仕事ですし、収めるところも求められることなので、自分にもっと求めていきたいと思います。必ずしもいい状況でボールが入るわけではないですが、自分にボールが入ったときにマイボールにして時間を増やすことも仕事だと思います。守備では、相手が距離感をうまく広げたり縮めたりしてきたなかで、ボランチがずっと浮いている状態で囲みに行けなかったというのが前半ありました。後半マイボールの時間が増えて、奪われてもすぐに囲い込めるシーンも多くなりましたが、相手の強度が落ちたことも、日本が前半から改善できたところもあったと思います。緊張感はありましたが、その中で活躍したかったというのがあります。
FP #22 吉田麻也 選手(シャルケ04/ドイツ)
失点場面は(コスタリカは)ドイツ戦で自分たちがやっていたような守備ブロックを敷いてきていて、ショートカウンターとセットプレーに注意しなくてはいけなかったのですが、僕のところも中途半端になってしまい、サイドのプレスも中途半端で、徐々に徐々に良くないところがでてしまったと思います。守田選手につなげると思ったのですが位置が高すぎましたし、時間的にも前(へクリア)でもよかったかと思います。相手も大敗後、国をかけて戦っていて球際もがつがつ来ていました。自分たちはそこに対してもっと強く行かないといけないとハーフタイムにも話しましたし。前半の途中からシステムを多少変えて山根選手に高い位置にとらせて変化を加えることもやりましたが、それでも相手のブロックをなかなか崩すことができませんでした。ドイツ戦の勝利からこの試合が難しくなるのは間違いないと思っていたので、自分自身にもチームにもこの3日間ずっと準備ができているかと問い続けてきましたが、一番起きてはならない展開になってしまいました。これがサッカーの難しさかと改めて感じます。スペイン戦へ切り替えてやっていくのみなので、もう一回いいリカバリーをして、いい分析をして準備をします。まだ何もつかみ取っていませんし、何も失っていません。変わらず、勝ち点をとりにいかなければなりません。
ルイス・フェルナンド・スアレス コスタリカ代表監督
重要なのは、戦術や戦略もありますが、このチームにはこれだけのことをする能力があるということです。我々は限界があっても国のために素晴らしい試合をしようとしています。ドイツと素晴らしい試合をしていた日本に勝つことは簡単なことではありませんし、この勝利は我々には重要なことです。確かに、昨日までは死んでいましたが、今日、こうしてまだ生きています。次の試合はさらに高い緊張感での試合になりますが、まだ生き延びていることで、我々は(突破への)夢を持っています。
田嶋幸三 JFA会長
残念な結果ですが、2試合で勝ち点3は想定内だと思っています。1試合1試合に一喜一憂しません。最後の第3戦に勝つしかないので、非常にわかりやすくなりました。この結果ですし、選手たちも監督も自分たちが思ったサッカーではないと思っていると思います。ものすごくいい試合の後なかなかうまくかないというのは、サッカーではよくあることで、それに近い形だったのかとは思いますが、細かいところはしっかりチームで分析して次の試合に備えてくれると思っています。
FIFAワールドカップカタール2022
大会期間:2022年11月20日(日)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間] vs スペイン代表
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