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【経験者が語るアジア最終予選】今野泰幸選手インタビュー~見ていてわくわくするサッカーで世界を驚かせてほしい~
2022年03月21日
SAMURAI BLUE(日本代表)の一員としてFIFAワールドカップアジア最終予選を戦った選手たちに話を伺う「経験者が語るアジア最終予選」。第6回は、2010年南アフリカ大会、14年ブラジル大会と2度のワールドカップ出場経験を持つ今野泰幸選手に聞いた。
※このインタビューは2022年2月22日にオンラインで実施しました。
――現在、日本はアジア最終予選(Road to Qatar)のグループBで2位につけており、3月のオーストラリア、ベトナムとの2連戦にFIFAワールドカップ出場権獲得が懸かります。
今野 最終予選は何が起こるか分からないので、選手の心理としてはその初戦のオーストラリア戦で決めたいですね。初戦で負けるとチームの雰囲気が悪くなり、2戦目に響きます。選手たちは最終予選初戦のオマーン戦でそれを経験しているので、しっかり準備して臨むと思います。
――今野選手はこれまで何度もオーストラリアと対戦してきました。ベトナムとの対戦は一度だけですが、それぞれのチームの印象を聞かせてください。
今野 オーストラリアは、以前は前線に大柄な選手を配置して、ボールを放り込んでくるスタイルでしたが、アンジェ・ポステコグルー監督(現、セルティック〈スコットランド〉監督)以降のチームはボールをつなぐスタイルになりました。このスタイル変更は難しいと思っていましたが、うまく切り替えられていて、見ていて面白いサッカーをしていますね。ベトナムは以前と変わらず、中盤の選手を中心に全体的に技術が高くて俊敏なイメージがあります。
――今野選手が初めてアジア最終予選に出場したのは2006年ドイツ大会の予選最終戦、イラン戦で、自身3試合目の国際Aマッチでした。
今野 日本代表はどんな試合でもアジアでは絶対に負けてはいけないというプレッシャーがあると、その試合で強く感じました。当時はジーコ監督が率いていて、選手はスターぞろい。決して選手同士の仲が悪いわけではないですが、チームメートだけど絶対に負けたくないというピリピリした雰囲気があって、最初はあまり居心地が良くありませんでした(苦笑)。でも、仲良しこよしでは勝てないですし、ポジション争いをしながらレベルアップしていくのが代表チームなので、そういう意識は絶対に必要です。
――ご自身はドイツ大会でのメンバー入りは成りませんでしたが、その後の南アフリカ大会、ブラジル大会は出場。それぞれのアジア最終予選にも出場しました。ワールドカップ出場権獲得が決まった瞬間の心境はいかがでしたか。
今野 南アフリカ大会のときはウズベキスタン戦で決まりました。完全アウェイで芝生も深くてプレーしづらい。相手も想定以上にレベルが高くて、押し込まれながらも1点を守って勝利しました。僕は控え選手としてベンチにいましたが、本大会出場が決まってほっとしたというのが本音です。本大会出場を逃すと日本サッカーに与える影響は本当に大きいですから。ブラジル大会のときも安堵感が強かったですが、南アフリカ大会と違い主力として最終予選を戦ってきたこともあって、ほっとした気持ちに加えて大きな喜びもありました。
――アジアでの戦いは移動や気候などプレー以外でも難しい部分が多いですが、どのようなことを意識していましたか。
今野 頭の切り替えです。Jリーグの試合が終わって疲労が抜けていない状態での移動ということも多いのですが、すぐに大事な試合があると切り替えて、スイッチを切らないようにしていました。スイッチを切ってしまうと一気に疲れが出てしまうので、切らずにうまくコントロールしていましたね。また、家族やサポーターなど多くの人の支えがあったからこそ戦えたと思います。彼らの後押しが、僕らの力を何倍にもしてくれますから。
――今野選手のように長く代表で活躍するために必要なことは。
今野 運もありますよね。でも、最も重要なのは、監督の要求に応えることだと思います。監督が何を考え、どういうプレーを求めているのかを常に考えること。また、サッカーは時代によってスタイルが変わっていくので、いかに自分をフィットさせていくか。そういうことが大事だと思います。
――最後に、SAMURAI BLUEの選手たちにメッセージをお願いします。
今野 アウェイでの戦いですが、次のオーストラリア戦でワールドカップ出場を決めてほしいと思います。そして、ワールドカップという大きな舞台で見ていてわくわくするようなサッカーを披露して、世界を驚かせてほしい。今の代表チームは本当に素晴らしいメンバーがそろっているので、期待しています。
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