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【SAMURAI BLUEを支えるスタッフ】フォトグラファー 栗山尚久氏&神山陽平氏インタビュー

2022年11月16日

【SAMURAI BLUEを支えるスタッフ】フォトグラファー 栗山尚久氏&神山陽平氏インタビュー

SAMURAI BLUE(日本代表)の勝利に向けて選手をサポートするチームスタッフにスポットライトを当てたシリーズ。第4回はフォトグラファーの栗山尚久氏と神山陽平氏に話を伺いました。

※このインタビューは2022年10月21日にオンラインで実施しました。

選手の生き生きとした姿を皆さんに届ける

――スポーツフォトグラファーを志した経緯を教えてください。

栗山 大学卒業後、プロレスの記者を目指してスポーツ新聞社に入社したのですが、入社4年目に「来月からフォトグラファーになるように」と言われて……。それがきっかけです。

神山 私は大学を選ぶときに、あまり他の人が入らない学部に行こうと思って写真学科を選びました。学生時代はそれほど真面目に取り組んでいたわけではないですが、卒業制作でスポーツ系の写真を撮影して、これならやってみたいと思って始めました。

――日本代表オフィシャルフォトグラファーの仕事内容を教えてください。

神山 基本的にはチームに同行し、試合はもちろん、日々のトレーニングや空港での移動のシーンなど、代表活動のほぼ全てを撮影します。新しい選手が招集された際には顔写真も撮影しますし、商品化用の写真、ウェブサイトで使う写真など、多岐にわたって撮影します。

――試合当日はどのようなスケジュールで動くのでしょうか。

栗山 試合の1週間ぐらい前から撮影計画を練り始めます。当日の試合が19時キックオフだとすると、私たちがスタジアム入りするのは午前中で、誰もいない状態のピッチの撮影から始め、試合前までは会場内部の様子や様々なイベント等を撮っています。その後、試合、試合後の記者会見や取材対応の場面まで撮り続けます。私たちが撮影した写真で皆さんの目に触れるものは、選手のプレーシーンなどが多いですが、スタジアムの設備やスポンサー各社のイベント、スタッフが作業をしている場面など多岐にわたって撮影しています。会場内の写真などは、次に同じ会場で試合をやるときに「前回はこういう設営をしたのか、こうやって運営していたのか」というのが分かりますから、細かいことの一つ一つが大事だと思いながら撮影しています。

――チームに帯同していると選手との距離も近くなりますね。

栗山 私たちにしか撮れないものは何か。例えば、選手が私たちに向かってピースしているカットなどは、近くにいて選手との信頼関係があるからこそ撮れるものだと思います。だからこそ、ウォーミングアップ前に話し掛けて顔を覚えてもらいながら1枚撮影したり、試合に負けて落ち込んでいるときは話し掛けないようにしたり、良い写真を撮るために良い関係性を築く努力をしています。

――オフィシャルフォトグラファーをやっていて大変なこと、逆に良かったと思う瞬間を教えてください。

栗山 フォトグラファーほどSAMURAI BLUE(日本代表)の試合を間近で見られる職業はないと思うので、苦労はあまり感じたことがないんです。良かったなと思うのは、私たちが撮影した写真が日本サッカー協会の公式媒体に掲載されたり、スタジアムの大型ビジョンに映し出されたりして皆さんに見ていただけることですね。それはうれしいですよ。

神山 苦労でいうと、FIFAワールドカップカタール2022はコロナ禍でアジア予選が進行し、一般の新聞社や通信社は海外にフォトグラファーを派遣できず、現地に帯同するのは私たちだけで、撮影した写真を他社に提供するという状況が長く続きました。そのときに、各社がどのようなものを求めているのか、どういう写真を送れば皆さんが満足できるのかというプレッシャーはありました。

――忘れられない1カット、記憶に残っている1カットを教えてください。

神山 いろいろあるんですが、直近だとカタール大会のアジア予選突破を決めたアウェイのオーストラリア戦で、三笘薫選手が得点後に喜んでいる写真ですね。アップで撮るか広角レンズに変えるか一瞬、悩んだのですけど、三笘選手が大声で叫んでいたので、アップで撮影しました。予選で苦しい戦いが続く中、ベテラン選手やコーチングスタッフのこれまで見たことのない苦しい表情を見てきたので、あのゴールが決まって喜んでいる彼の写真はすごく意味があるなと思います。

栗山 2020年11月、コロナ禍のオーストリアで行われた試合。コロナの影響で他にフォトグラファーがいない中での試合だったのですが、途中から霧が出てきて‥途中からは何も見えなくなってしまいました。雪の中での撮影は経験があるのですが、カメラを構えてもファインダーの中が霧ばかりで、ピッチ上で何が行われているのか全く見えないというのは初めての経験で強く印象に残っています。

――カタール大会への意気込みを聞かせてください。

栗山 現地でSAMURAI BLUEの試合を見る人は決して多くはないと思いますし、だからこそ、日本で応援している方々に選手の生の姿、元気にしている姿を届けるのが私たちの役割だと思っています。それをしっかり届けつつ、若い選手が多い今の代表チームがドイツやスペインに立ち向かう姿に期待しています。

神山 始まるとあっという間なんだろうなと思いますし、強豪が相手なので難しい大会になると思いますが、誰よりも私が一番近くで楽しませてもらおうと思っています。

FIFAワールドカップカタール2022

大会期間:2022年11月20日(日)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間]  vs スペイン代表

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