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アジアのピッチから~JFA公認海外派遣指導者通信~第34回 平田礼次 フィリピンサッカー連盟 ユース育成ダイレクター

2018年07月19日

アジアのピッチから~JFA公認海外派遣指導者通信~第34回 平田礼次 フィリピンサッカー連盟 ユース育成ダイレクター

アジアの各国で活躍する指導者達の声を伝える「アジアのピッチから」。第34回は、フィリピンサッカー連盟(PFF)のユース育成ダイレクターを務めている平田礼次氏のレポートです。

フィリピンでの活動が今年2月にスタート

今年の2月からフィリピンでの活動が始まりましたが、実際に現地での生活をスタートさせ赴任前の想像と現地の実情の差に色々と驚かされることが多々ありました。まずは、マニラ首都圏の渋滞の規模です。どこへ移動するにも時間に余裕を持って行動してもいても遅れそうになるほど渋滞がひどいです。この渋滞に象徴されるように、経済発展が著しいマニラ首都圏はとても活気があります。しかしその一方で貧富の差の激しさを感じることも多く、日本での当たり前の感覚がこちらでは適用しないことにも驚きを感じました。サッカー面では、マニラ首都圏以外の地域(ヴィサイヤス諸島やミンダナオ島など)でも予想以上にサッカーが盛んで、多くの子供たちがプレーしている印象を持ちました。

プレースタイルは、試合開始直後から激しくボールを追いかけるも、試合途中にバテてしまい試合内容が大きく変わることが多々見られるなど、「思い切りの良さ/その場しのぎの対応力」がある反面、「見通しの無さ」などがフィリピン人の特徴かと感じています。私自身、もっとフィリピン・フィリピン人選手について多くを学び、フィリピンサッカーの発展に繋げていきたいと思います。

ユース育成ダイレクターとしての活動

赴任後は、フィリピン国内で日本のトレセンシステムのようなものをスタートさせるプロジェクトを立ち上げました。PFFとしての育成に対しての統一した理念、夢、方法、概念、プログラムを作成し、各地域協会(40協会)へ働きかけを行い、それぞれの地域の予算や状況に合わせて順次開始させていく計画です。

協力者からも多くの理解をしてもらえている状況にあるので、さらに各地域の方々と信頼関係を築き、一緒に進めていきたいと思います。予定しているスケジュールが先に伸びたりするのはフィリピンでは日常なので、こちらの方々の速度も理解しながら整備していきたいです。そして、このトレセン制度から各年代フィリピン代表へとつながるような仕組みつくりを進めていきたいと思います。

U-19代表監督、そしてU-16代表監督も臨時で務める

7月の初めにインドネシアで行われたAFF (ASEAN Football Federation) U-19選手権では、大会の約10日前に突然監督を依頼され、U-19フィリピン代表の監督として大会に参加しました。それまでユース育成ダイレクターとして、代表チームの活動に帯同していた時期もあったため、準備期間が短いながらもスムーズに大会に入ることが出来ました。しかし大会ではグループリーグ敗退(1勝4敗/グループ6チーム中5位)という結果で、フィリピンサッカーの現状を痛感させられました。足りないところはフィジカル的な要素が多くを占め、国際経験や国内での試合経験の少なさなどは他のASEAN諸国と大きく差が開いていると感じました。今後の課題としては、代表チームの具体的な夢やビジョンを含め、チームの準備期間をしっかりと設けるなどPFF側が環境を充実させると同時に、国内の指導者養成など10年程かけたプランが必要だと感じています。7月末には同じくインドネシアでAFF U-16選手権にも監督として帯同することが決まったため、こちらも大会までに与えられた準備期間は10日ほどですが、多くの選手が貴重な国際舞台を経験出来る良い期間になるので、笑顔と情熱を忘れずに一つでも多くの勝点獲得を目指します。そして先日のU-19代表、今回のU-16代表監督としての経験をフィリピンサッカーの課題抽出/分析に活かし、今後の育成方針やビジョンの作成に役立てたいです。

最後に

フィリピンでは、日本が好き/日本サッカーは素晴らしいと多くの方々からよく言っていただきます。そして私が赴任する前の日本人指導者の先輩方(今井雅隆氏、神戸清雄氏、阿部圭亜氏)への感謝の言葉もよく耳にします。私も日本人指導者として日本サッカーの伝統と誇りに恥じないようにフィリピンでの活動を続けていきたいと思います。

 

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