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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第63回 三田智輝 北マリアナ諸島代表監督兼技術委員長

2022年05月20日

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第63回 三田智輝 北マリアナ諸島代表監督兼技術委員長

北マリアナ諸島のリーグ

北マリアナ諸島は14の諸島からなる人口5万人弱のアメリカの自治領です。人口が少ないので、どのようにサッカー人口を増やすかがサッカー発展の大きな鍵となりますが、サッカー人口を増やす一つの施策として、クラブ間でのリーグ戦の運営があります。リーグ戦は、U-6からU-16までのユースリーグ、そして、16歳以上の女子リーグと男子リーグがあります。

クラブ文化を支えるユースリーグ

北マリアナ諸島のサッカー環境で一番将来性を感じるのが、ユースリーグの存在だと思います。現在7つのクラブがあり、定期的に試合の環境があり、男女ともに各年齢カテゴリーがあります。U-8からU-13までは結果を出さない形の5対5のリーグで、U-13になると結果を出す形の8対8のリーグがあり、クラブが選べて登録できることから、いろいろなレベルで試合ができる機会を提供しています。リーグ戦は、春シーズン3か月、秋シーズン3か月で毎週土曜日に試合が開催されます。小さなサッカーコミュニティーなので、私が赴任した2017年当初に、U-8からユースリーグに参加した選手が、現在代表チームに加入し、その成長を目の当たりにできるなど小さいながらの醍醐味もあります。

16歳以上の女子リーグと男子リーグ

女子リーグは、この一年で大きな発展を遂げました。サッカーの経験のない女性が初めてリーグに参加して試合が楽しかったという経験ができるように、リーグのカテゴリーを年齢ではなく、経験とスキルレベルで分けました。経験が3年未満や動きやスキルに制限のある選手向けの5対5のビギナーリーグ、3年以上の経験があり多少のスキルがある選手向けの8対8のインターミディエート、それから女子代表経験者や代表選手などがプレーする11対11のプレミアリーグです。カテゴリーを分けたところ、新規の加入が20%も増えました。選手をスキルレベルで分けられるのは、小さな島で互いが知っているからこそできるユニークなアイディアだと思います。

男子リーグは、AディビジョンとBディビジョンに分かれています。リーグ戦へのチーム参加は希望制なので、クラブの意向でどちらのディビジョンでプレーするかが決まります。リーグのコンセプトは、AはCompetitive、BはRecreational とし、Aは45分ハーフでBは35分ハーフで行っています。年代別代表チームに所属する選手はAでプレーしなくてはいけないことや交代制限が設けられている点など、ルール上でディビジョン間のレベルの違いを作っています。しかし、日本では逆だと思いますが、北マリアナ諸島ではBディビジョンの方が人気があり、現在Aディビジョンは5チーム、Bディビジョンは8チームで行われています。Aディビジョンは選手登録数が少ないため、私もプレーしています。

FunからSerious Funへ

現在、マスターズリーグを試験的に短期で行っています。すべての人が様々なレベルで生涯を通じてサッカーを楽しめる環境を作り、競技人口を増やすため、裾野を広げる活動に努めています。Funサッカーの土台は少しずつ普及し始めており、並行してSerious Funの楽しさを創出できるような環境やリーグ制度の見直しに取り組んでいます。

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