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日テレ・ベレーザが2大会ぶり7度目の優勝~2018プレナスなでしこリーグカップ~
2018年07月22日
2018プレナスなでしこリーグカップ1部 決勝
日テレ・ベレーザ 1-0(前半0-0、後半1-0)INAC神戸レオネッサ
2018プレナスなでしこリーグカップ1部は、7月21日(土)、味の素フィールド西が丘(東京都北区)にて決勝が行われ、日テレ・ベレーザが1-0でINAC神戸レオネッサに勝利し、2大会ぶり7度目のリーグカップ優勝を決めました。
19時にキックオフした決勝の先発選手は、なでしこジャパン(日本女子代表)やU-20日本女子代表に選出された選手が多くを占め、各ポジションで火花が散るような闘いが繰り広げられました。
予選リーグAグループで1位の日テレは、巧みなドリブルが持ち味のMF長谷川唯選手(#14)やFW宮澤ひなた選手(#15)を中心に、ボール保持率を高めながらI神戸ゴールに迫ります。一方、予選リーグBグループで1位のI神戸は、FW髙瀬愛実選手(#11)を右サイドバックで起用し、日テレのFW植木理子選手(#19)の突破を防ぎながら、FW岩渕真奈選手(#10)やMF増矢理花選手(#9)のスピードを生かして攻めます。
しかし、リーグ戦で首位を走る日テレと、同2位のI神戸は両チームとも守備も固く、スコアが動かないまま後半に入りました。
後半もボールを保持するのは日テレ。しかし、I神戸もカウンターを中心に攻め込みます。54分には右CKから髙瀬選手がゴールネットを揺らしますが、これはオフサイドの判定。攻守が激しく入れ替わりながら、緊張感のある試合が展開されました。
この試合で最もスタンドが沸いたのは85分でした。右サイドに流れた長谷川選手がゴール前にクロスを送ると、それに合わせたのは日テレのセンターフォワード田中美南選手(#9)。相手選手二人の間にうまく入り込みながら放ったヘディングシュートで、I神戸ゴールを割りました。
ついにリードに成功した日テレは、そこからもDF岩清水梓選手(#22)を中心に、岩渕選手らI神戸の反撃をしっかりブロックして試合終了。I神戸との接戦を制した日テレが、夏の女王に輝きました。
2018プレナスなでしこリーグカップ2部決勝は、リーグカップ1部決勝の前に、同会場で16時にキックオフしました。
前半から試合の主導権を握ったのは、予選リーグBグループを1位通過した伊賀フットボールクラブくノ一でした。攻撃の中心を担うMF杉田亜未選手(#10)を経由しながら、左右からクロスを入れて相手を揺さぶります。
予選リーグAグループで1位のスフィーダ世田谷FCは、DF田中真理子選手(#6)を軸に伊賀FCの攻撃をはね返しますが、セカンドボールを拾い続ける伊賀FCに苦しめられます。その中で先制したのはS世田谷。16分、FW長﨑茜選手(#11)が伊賀FCの一瞬のスキを突いてゴールを決めました。先制を許した伊賀FCは、そこからさらに攻撃の迫力を増し、40分にFW小川志保選手(#11)のゴールで1-1の同点として、後半に入りました。
後半は、同点ゴールを決めて勢いに乗った伊賀FCが得点を重ねます。
47分に元S世田谷のMF森仁美選手(#17)が逆転ゴールを決めると、53分に再び小川選手、76分に杉田選手が次々とゴールを奪い、S世田谷を突き放していきました。攻撃に転じたいS世田谷はチャンスを作り出せるMF菅野永遠選手(#26)などを投入しますが、伊賀FCの守備を崩すには至らず、1-4のまま試合終了。2018プレナスなでしこリーグ2部で首位に立つ伊賀FCが、逆転勝利を収めてリーグカップ2部初優勝を決めました。
9月からは、中断している2018プレナスなでしこリーグ1部・2部が再開します。
リーグ1部の再開は9月8日(土)と9日(日)、リーグ2部の再開は9月1日(土)と2日(日)。リーグカップの優勝チームがさらに勢いをつけるか、準優勝チームが悔しさを力に変えるか。30年目のなでしこリーグの行方にも注目が集まります。
監督・選手コメント
永田雅人 監督(日テレ・ベレーザ)
一つのミスを結果につなげられる選手が相手にたくさんいる中、いかにボールをコントロールして、その強みを相手に出させないようにするのかがポイントでした。相手の守りも強固だったので前半のうちに崩すことはできなかったのですが、それでもボールをしっかり持ちながら相手を見て、ボールを回して我慢をすることができました。チャンスをしっかり待ち、それをしっかりものにして、結果を導き出せたと思います。今後は個人の資質、個人戦術、そこからつながるグループ戦術がチームの戦術につながるようにしていきたいと思っています。また、個人が成長することがよりよいリーグ後期につながると思っています。
FW #9 田中美南 選手(日テレ・ベレーザ)
前半からチャンスは多くありませんでしたが、焦らずに戦っていればチャンスは出てくるはずと待っていました。(長谷川)唯はいつもパワフルなクロスを上げてくれる選手。相手のCBと駆け引きしながら、うまく決めることができました。仲間に感謝したいです。いまの日テレは頼もしい選手ばかりです。今回は優勝できましたが、自分はまだまだ本当のチャンピオンじゃないと思っています。リーグ後期も、チームとして1試合ごとに1歩ずつでも成長していきたいです。
DF #5 三宅史織 選手(INAC神戸レオネッサ)
相手のほうがテクニックの面で上回ることは分かっていました。リーグ戦(第9節)で日テレと対戦したときには、ボールを奪いにいってもはがされてしまっていたので、今日は我慢強い守備をしようとトレーニングを積んできました。今日の試合では、その我慢強い守備を出せていたと思いますし、その中でI神戸のよさであるカウンターを生かすこともできていました。相手のクロスボールに対しても、体を張って守れていたので、無失点で90分を終えたかったのですが、最後に失点してしまいました。でも、リーグ戦で対戦したときと比べると、(日テレとの)実力差は紙一重になってきたと思います。
大嶽直人 監督(伊賀フットボールクラブくノ一)
前半はなかなか自分たちのサッカーができませんでした。なんとか(前半を)1失点で抑え切り、相手のスピードに慣れて、相手が弱まったところから少しずつ支配でき、スペースを奪えて自分たちの形であるカウンターから1点を取れました。それが後半に大きくつながったと思います。(優勝は)率直にうれしいですが、まだこれも通過点です。目標はリーグ1部復帰。この優勝をリーグ後期の土台にするのが一つです。まだまだ足りないところがあるので、その足りないところをレベルアップして、またリーグ1部でいい戦いができるようなチームにしていきたい。今日の試合で選手たちが逆転したというのは自信になるし、こういう中でも戦えるチーム力、組織力があることが分かりました。