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【Match Report】U-17日本女子代表、準々決勝でスペインに1-2で敗れてベスト8で大会を終える

2022年10月23日

【Match Report】U-17日本女子代表、準々決勝でスペインに1-2で敗れてベスト8で大会を終える

インドで行われているFIFA U-17 女子ワールドカップは、決勝トーナメントに突入。グループDを首位で突破したU-17日本女子代表は10月22日(土)、ゴアのネルースタジアムでスペインと対戦しました。

フランス戦から3人を入れ替えた日本は、積極的な立ち上がりを見せました。3試合連続でボランチを組んだ谷川萌々子選手と眞城美春選手を中心にボールを動かし、攻撃の糸口を探ります。しかし、スペインが連動した守備とパスワークで徐々にボール保持率を高め、形勢を逆転。バルセロナでクラブ史上最年少でトップデビューを果たしたヴィッキー・ロペス選手を中心に、巧みなドリブルとパスを織り混ぜ、日本の守備網をかい潜ります。

両サイドの背後のスペースを狙われ、ピンチが続くなか、日本は集中した守備を見せました。23分の相手のシュートは大矢さくら選手が体を投げ出してブロック。33分、中央からスルーパスを通されてC.カマーチョ選手の強烈なシュートを浴びますが、この場面も岩崎有波選手のセーブでゴールを許しません。35分には、裏を取られて岩崎選手が飛び出しますが、ペナルティエリア内でボール受けようとしたカマーチョ選手と交錯してPKを献上。しかし、キックは枠の上に外れて難を逃れました。

セットプレーでも多彩な形を見せるスペインに対し、日本は中谷莉奈選手、古賀塔子選手のセンターバックコンビと岩崎選手を中心に守備陣が体を張ってクロスを跳ね返し、0-0のまま前半を折り返します。

そして後半、「プレスのタイミングのズレを修正し、うまく入ることができた」(狩野監督)との言葉通り、守備のスイッチを入れ直します。46分には辻澤亜唯選手が高い位置で奪って決定機を創出しました。しかし、その後はなかなかボールを奪うことができず、再び劣勢に。49分にL.コラーレス選手、56分にはヴィッキー選手のシュートがゴールを襲いますが、岩崎選手が再三の好セーブでゴールを死守しました。

その粘り強い守備が実ったのは66分。相手のクリアボールを受けた谷川選手が左足を振り抜くと、目の覚めるようなミドルシュートがゴール右隅に決まって日本が先制に成功します。この1点を守りたい日本は、樋渡百花選手が交代で入り、得意のドリブルで前線に活力をもたらしました。

しかし、84分に3枚替えを敢行したスペインは攻勢を強め、87分にはゴール前の混戦からヴィッキー選手に押し込まれて同点に。さらにアディショナルタイムには右サイドを崩され、ヴィッキー選手の勝ち越しゴールを許し、1-2で試合は終了。日本は、ベスト8で大会をさることとなりました。

監督・選手コメント

狩野倫久 監督
厳しい時間帯が続きましたが、選手たちはよくふんばってくれました。マイボールの時間が少ない中で先制することができましたが、その1点を守りきれず、逃げきれなかったことは本当に残念です。なでしこらしさであるひたむきさや明るさ、礼儀正しさや芯の強さを大切にしながら、選手たちは常に笑顔を忘れず前向きにチャレンジして、現地でも多くのサポーターやファンの方が応援してくださったことはとてもありがたかったです。その思いを次に繋げられなかったことが残念でなりません。取り組んできたことは決して間違っていないと思いますし、それを継続して、上のカテゴリーを目指す選手たちには今後、強度が上がった中での技術や判断の部分をさらに磨いていってほしいと思っています。コロナ禍の状況にも関わらず活動をサポートいただき、今回招集できなかった選手も含めて育成年代から盛り上げるためにチームを支えてくださった皆さま、応援していただいたファン、サポーターの皆さまに心から感謝しています。ありがとうございました。

GK #1 岩崎有波 選手(ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
チームのためにと頑張ってきたので、最後まで守りきれなかったことが悔しいです。自分の力のなさや、課題も見えました。ただ、みんなでグループステージを1位で突破してここまで戦えたことは嬉しいですし、この経験をこの先に繋げていきたいなと思います。シュートストップは、自分自身がこの大会ですごく成長できた部分だと感じます。得意ではなかったクロス対応に挑戦する意識も高まり、いろいろなことを学ぶことができた大会でした。今後は日常の練習から試合をイメージして、仲間から信頼されるGKになりたいです。いろいろな国の方達が応援してくれるのはワールドカップのいいところだと思いましたし、声援がすごく嬉しかったです。

DF #16 中谷莉奈 選手(セレッソ大阪堺ガールズ)
「なんとしてもスペインに勝とう」とチームで話して試合に臨みました。前半を0-0で抑えることができて、後半に先制点を取れたところまでは良かったのですが、最後に2失点してしまって、とても悔しいです。試合を重ねるごとにチームが一つになっていって、観客からのジャパンコールも聞こえていました。ただ、世界には通用しないことも多く、自分自身がもっと強くならないと上にいくことはできないと痛感しました。目標としてきた優勝は敵いませんでしたが、私たちはまだまだ上を目指して強くなっていきます。これからも応援よろしくお願いいたします。

DF #17 古賀塔子 選手(JFAアカデミー福島)
失点した後に、「次の失点だけは絶対にしないよう」とチームで話していたのですが、最後に甘さが出てしまい、とても悔しいです。大会を通じて身体能力が高い選手に対して守備の強さは出せたと思いますが、90分間を通して集中して守り切れるような選手になりたいです。攻撃面では何もできず、自分の良さを出すことができなかったので、次のワールドカップの舞台でレベルアップした自分を出せるように練習していきたいです。今まではコロナ禍の中で無観客試合も多かったのですが、これだけの方に応援していただけたことは貴重な経験となり、改めてサッカーのすごさを感じました。

MF #7 今野真帆 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
スペインはパワーもありましたがこれまでの相手とは個々の技術の高さが違い、そこでやられてしまう部分がありました。むやみに奪いにいくとタイミングが合わないことが多く、もっと声をかけ合えれば良かったです。このチームはみんな仲が良くて、ピッチ内外で協力し合えるチームでした。絶対に優勝したかったので、これで終わってしまうことが本当に残念です。大会を通じて、自分の特徴でもある守備の部分は出せたと思いますが、今後はシュートやドリブルなど、ゴールにつながるプレーを磨いていきたいと思っています。今後の目標はトップチームに昇格して活躍することです。その後、なでしこジャパンに入って、今大会で叶えられなかったワールドカップ優勝を目指します。

MF #14 谷川萌々子 選手(JFAアカデミー福島)
全員がこのスペイン戦に向けて準備をしてきて、苦しい中で守りきれた時間帯もあったのですが、最後にやられてしまったところに自分たちの甘さが出たと思います。自分自身、もっとチームを勝たせられるような選手になりたいと強く思いました。スペインに優勝してほしいという気持ちがありますし、彼女たちが勝って喜んでいる姿を目に焼き付けたので、もっと強い選手になって、またワールドカップの舞台に戻ってこられるように頑張りたいです。インテンシティが上がった中でもきちんと決め切るところや、球際で負けないところをさらに追求していきたいと思います。

FIFA U-17女子ワールドカップ インド2022

大会期間:2022年10月11日(火)~10月30日(日)
グループステージ
第1戦 10月12日(水) 20:00[現地時間] vs U-17タンザニア女子代表
第2戦 10月15日(土) 20:00[現地時間] vs U-17カナダ女子代表
第3戦 10月18日(火) 20:00[現地時間] vs U-17フランス女子代表

ノックアウトステージ
準々決勝 10月22日(土) 20:00[現地時間] vs U-17スペイン女子代表

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