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SAMURAI BLUE森保監督、ドイツ戦へ「これまでの積み上げと今のベストを発揮したい」
2022年11月23日
FIFAワールドカップカタール2022に臨んでいるSAMURAI BLUE(日本代表)の森保一監督は11月22日(火)、グループE初戦のドイツ代表戦を翌日に控えてドーハ市内で公式会見に臨み、「非常に楽しみ。これまで積み上げてきたこと、今のベストを発揮したい」と抱負を述べました。チームは夕方から本拠地の練習場で体を動かし、最終調整を行いました。
7大会連続7度目の出場で初のベスト8入りを目指す日本は、中東初開催となった今大会のグループステージでドイツ戦を皮切りに、コスタリカ、スペインと対戦。ドイツは優勝4回、スペインも1回と大会優勝経験のある2チームと同組で戦う日本にとって、初戦は大会の流れを左右しかねない重要な一戦です。
その戦いを前に、森保監督は「選手もスタッフも非常にいい準備をしてくれている。これまで積み上げてきたこと、今のベストを発揮する」と話して、2018年8月から進めてきたチーム作りの集大成を投じる意向です。
監督とともに会見に臨んだキャプテンの吉田麻也選手(シャルケ04)も、「すべてをぶつけたい。ワールドカップを優勝した相手にどこまでできるのか。日本が成長した姿を世界に見せて、大きなサプライズを起こせたら」と意気込みを示しています。
チームには大会前に負傷や体調不良を抱える選手が相次ぎましたが、この日までにメンバー全員が揃って全体練習に取り組めており、森保監督も「全員が戦えるメンバーとして考えられる良い状態」と話しています。
この日の夕方から本拠地アルサッドの練習場で行われたチームの公式練習でも、多くの報道陣が見守る中、選手26人全員が元気にグラウンドで調整しました。
公開された冒頭部分ではフィールドプレーヤーはランニング、ストレッチや大会トレーニングなどで体をほぐし、二組に分かれてボール回しを実施。ランニングでは先頭を走る長友佑都選手(FC東京)が「勝つよ、勝つよ!」と大きな声をかけて盛り上げ、ボール回しでは鎌田大地選手(アイントラハト・フランクフルト)、遠藤航選手(VfBシュツットガルト)、守田英正選手(スポルティングCP)、柴崎岳選手(CDレガネス)らが明るい雰囲気のなかでボールを追っていました。
その後は非公開にして、翌日のドイツ戦へ向けて戦術の確認などを行いました。
初戦で対戦するドイツは2021年8月から指揮を執るハンジ・フリック監督の下、9勝1敗の首位で欧州予選グループJを突破して、18大会連続20回目の出場を決めました。総得点36、総失点4はイングランドに次ぐ予選2位の成績です。
今年9月23日の欧州ネーションズリーグでハンガリー代表に0-1で敗れるまで、8連勝を含む13戦負けなしで、その後は同27日のネーションズリーグでイングランドと引き分け(1-1)、大会前の11月16日にはオマーンに勝利(1-0)してカタールに乗り込んできました。
フリッツ監督は公式会見で、「日本には鎌田や遠藤などドイツで活躍している選手がいるので、明日は我々にもチャレンジになる」としながらも、「この数日間、良い準備をしてきた。タフな組だが、いい見通しを持っている」と自信を見せていました。
FIFAランキングでは日本の24位に対して、ドイツは11位。両者の通算対戦成績は日本の1分1敗で、今回は2006年5月にワールドカップドイツ大会前の親善試合で引き分けて以来の顔合わせです。
当時とは状況も変わり、現在の日本代表はドイツなど欧州リーグでプレーする選手が代表チームの大半を占めています。
森保監督も「普段、世界のトップオブトップのリーグで培ってきているものを明日の試合でも自信を持って発揮してもらえれば」と話しています。
谷口彰悟選手(川崎フロンターレ)は、「森保監督になって築きあげてきたものがある。キックオフの時に爆発できるように、最初に出る11人、ベンチメンバーも自分にできることをやる覚悟を持ってやれている。一つになって同じ方向を向いて戦えるなと思う」とチームの状況に手ごたえを覚えています。
試合はドーハ市内のカリファ・インターナショナル・スタジアムにて11月23日(水)、現地時間16:00(日本時間22:00)キックオフの予定です。
ドイツ戦後、日本は11月27日(日)にコスタリカ、12月1日(木)にスペインと対戦。各グループ上位2位までがノックアウトステージに駒を進めることができます。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
我々の開幕戦を迎えて非常に楽しみな気持ちが大きいですし、選手もスタッフも非常にいい準備をしてくれています。これまで積み上げてきたこと、今のベストを明日の試合で発揮したい。選手たちにはアグレッシブに我慢強くワールドカップに挑むというチャレンジ精神を持って思い切ってプレーしてほしいと思います。日本は長年、クラマーさんをはじめドイツの多くの方々の貢献を受けてきました。ワールドカップでチャンピオンになったことのあるドイツは手本となる存在で、それは今も変わりませんが、日本も力をつけています。ドイツだけでなく、どこが対戦相手でも、いまの我々のベストをぶつけて戦いに挑みたい。勝利を目指して戦う上でベストなメンバーを選びます。鎌田選手をはじめブンデスの1部で7人、2部で1人がプレーしています。彼らが普段世界のトップオブトップのリーグで培ってきているものを、明日の試合でも自信を持って発揮してもらえればと思っています。ドイツは我々が余力を残して戦えるような相手ではないですが、我々にも良い選手が揃っています。26人の総力戦で勝っていきたい。ベスト8以上という目標を持って臨んでいますが、目の前の今が一番大事です。そこに全力を出して次につなげていきたいと思います。
GK #12 権田修一 選手(清水エスパルス)
大会が始まって昨日、一昨日からずっと試合を見ていますが、この場に自分がいられることがすごく幸せです。試合会場での前日練習がないのが少し不思議な感覚ですけど、ついに明日始まるんだなという感じです。カタールは少し引き気味にやろうとして、サウジアラビアはハイラインでアグレッシブにチャレンジして、結果も実際に出たので、僕らにもヒントになるのかなと思います。今大会はロスタイムがすごく長いので、45分だけなく前後半で50分以上あるのがノーマルになってきているので、より集中を切らさないことも大事になります。細かいオフサイドの判定も自信を持ってチャレンジし続けることが大事だと思います。ドイツ戦は相手にボールを握られる時間が長くなる可能性もあります。そうなるとクロスレンジ、シュートレンジと、GKが関わる状況も増えると思うので、集中を切らさず、キックオフから試合終了の最後の一瞬まで仲間に声をかけ続けるのが大事になると思っています。自分の中でできる準備はしてきたという自負はあるので、あとはやるだけです。
FP #3 谷口彰吾 選手(川崎フロンターレ)
みんなの士気も緊張感も上がってきていて、トレーニングも試合を想定してすごくいい準備ができています。あしたの試合で思い切ってそれを出すだけです。いい精神状態かなと思います。立ち上がりはどんな相手でも怖い時間帯だと思っているので、経験のある選手もたくさんいるが、そこは油断してはいけないですし、今までの試合を見ても早い段階で失点するときつくなっています。サウジアラビアはアルゼンチンにしっかり我慢しながらプレーできていて、僕らもどんな展開になるかわかりませんが、とにかく我慢強く戦い続けるというのは非常に大事だと学びましたし、いい勇気をもらいました。ドイツは一瞬の隙を突ける能力の高い相手なので、縦のつながり、横のつながりはこれまで以上に集中力を持ってやらないと簡単には守れない。やれる自信を強く持ってやるだけです。今までやってきたことを全て出したいと思っています。
FP #4 板倉滉 選手(ボルシアMG/ドイツ)
ドイツ戦前日にこうして良い状態に持ってくることができて、すごくいい状態でワールドカップ初戦を迎えられるのは素直に嬉しいです。怪我をしたときからこの一戦目を目標にしてきました。ドイツ戦では守備の時間が長くなると予想される中で奪った後の1本目のパスがすごく大事になります。前の選手にいい状態で繋げると、日本のチャンスも作れると思うので、奪ったボールをどれだけ丁寧にマイボールにできるかです。前の選手の動き出しを逃したくない。ドイツ相手になかなか良いチャンスを作れる回数も少ないと思うので、そのチャンスをできるだけ逃がさないようにクオリティとスピード感を持ったパスで繋げていければと思っています。無失点の状態を続けることで相手も焦れてくると思いますし、そういうときに日本のチャンスも出てくると思うので、なるべくゼロの時間帯を増やしたいと思います。相手には強力なオフェンス陣がいますが、入りから最後の笛まで集中して、しぶとくやり続けるしかないと思っています。
FP #11 久保建英 選手(レアル・ソシエダ/スペイン)
試合まで24時間を切って、ここからは個人でいい準備をして最高の結果を残せるようにしたいです。1対1の勝負では負けたくないですし、そこで自分が一人をかわせれば数的優位を作れると思うので、そういうところはチャンスをもらえたら積極的に仕掛けていきたいと思います。彼らと違って失うものもないですし、彼らに比べたらプレッシャーも少ないと思うので、そういうところもアドバンテージとして持てたらいいと思います。ゼロに守って1点取れば勝てる話なので、しっかりできるだけ長い時間0-0でいきたい。そうすれば相手の方が焦れてくると思うのでそういう展開が好ましいと思います。チャンスは少ないと思うので、まずはそこまで行くことが重要ですが、チャンスがあって右だったら(FKは)僕が蹴りたいなと思います。
FP #13 守田英正 選手(スポルティングCP/ポルトガル)
やるべきことはやってきましたし、ぶつけるだけかなと思います。自分の役割としては、ボールを落ち着かせることだったり守備で戦うことだったり、普段の自分を出せればいいんじゃないかなと思っています。押し込まれることの方が確率的に高いと予想してますし、もしかしたら1試合の中で2、3本しかシュートを打てないかもしれない。できるだけシュートで終わることは意識したいところですが、奪った後に縦に急ぎすぎてもボールを失ってしまうと厳しいので、そこの調整は僕の役割の一つでもあると思っていて、意識したいと思います。相手の中盤は一人ひとりの強度や個人のスキルもありますが、よりよい距離感になったときにいい攻撃を発揮されると思うので、自由にさせないことや目の前の相手に1対1で絶対に勝つなど細かいところが影響するかと思います。
FP #21 上田綺世 選手(セルクル・ブルージュKSV/ベルギー)
ドイツ代表はプレッシャーをかけてくると思いますが、そういう相手はラインも高くくる。逆に背後がチャンスになるので、オフサイドは気をつけたいと思います。(機械でのオフサイドの判定は)意識できる範囲とできない範囲があるのでそこは割り切りも必要だと思います。ボールを保持した方がゲームの流れやリズムはつかみやすいと思いますが、それが必ずできるわけではないですし、格上相手にそれができない試合もあります。自分たちのやってきた戦術や特徴を出して勝てたらいい思います。試合は楽しみではありますし、日本の価値を示すチャンスだと思います。ピッチに入ったら雰囲気とか緊張とかで固くなると思うので、そこで落ち着いて、自分たちがお互いを信じてプレーできたらいいですし、その時その時の状況に応じて、求められていることを自分の力を最大限に表現しないといけないと思っています。
FP #22 吉田麻也 選手(シャルケ04/ドイツ)
いよいよ始まるという気持ちです。全員揃ってトレーニングができて、ここまでいい準備ができています。明日は最後の1秒までいい準備をして初戦のドイツ戦にすべてをぶつけられるように、チーム一丸、日本一丸となって頑張りたい。初戦はどんな大会でも簡単ではないですし、リーグを突破する上でウェイトが大きくなってきます。ドイツはレベルも高く、経験もある国なので簡単な試合にはなりません。一人ひとりがハードワークして、チームとしても団結して戦わないといけないですし、そこが日本の良さだと確信しています。チームとしてどれだけハードワークできるか、団結できるかが鍵になると思うので、そこを開始1秒からいい形で見せていけたらと思っています。まずは自分たちで自信を持って勇気を出して戦うことが大事です。我々は近年、選手が活躍の場を欧州に移していろんな良いものを日本代表に還元してきています。そのなかでワールドカップに優勝した相手にどこまでできるのか、興奮と不安とありますが、個人的にはすごくいい状態です。この対戦で日本が成長した姿を世界に見せたいですし、大きなサプライズを起こせたらと思っています。
ハンジ・フリック ドイツ代表監督
この数日間、いい準備をしてきました。このグループは非常に強い組み合わせですが、いい見通しを持っています。良いスタートを切りたいです。すべての国がタイトルを取りたいと思っていると思いますし、我々もできる限りの成功を収めたい。プレシャーがあるなかでも責任を持って果たさなければなりませんが、それを実行するだけの力を我々は持っています。私は日本サッカーのファンで、彼らは戦略的でよく訓練されていて、クオリティでも、鎌田選手や遠藤選手は素晴らしいMFでドイツでも活躍しています。チャレンジになると思います。サウジアラビアとアルゼンチンの試合のように、なんでも可能です。敵を低くみてはなりません。
FIFAワールドカップカタール2022
大会期間:2022年11月20日(日)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間] vs スペイン代表
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