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SAMURAI BLUE森保監督、突破を懸けたスペイン戦へ「思い切ってプレーしてほしい」
2022年12月01日
FIFAワールドカップカタール2022に臨んでいるSAMURAI BLUE(日本代表)の森保一監督は11月30日(水)、グループステージ突破を懸けたスペイン代表との最終戦を翌日に控えて公式会見に臨み、「普段の力を100%出せれば結果はついてくる。思い切ってプレーしてほしい」と抱負を述べました。
2010年南アフリカ大会で優勝しているスペインは、現在FIFAランキングで7位(日本は24位)。今大会の欧州予選ではスウェーデン、ギリシャなどと同じグループで6勝1分1敗の1位で突破して15大会目の出場権を獲得しました。今大会ではコスタリカに7-0と大勝し、2戦目でドイツに1-1で引き分けています。
スペインのルイス・エンリケ監督は会見で、3大会ぶり2度目の優勝を目指して日本戦にも全力で戦うことを示唆。ラウンド16で対戦する組み合わせを考慮した戦いをするかと問われると、「2位狙いなど考えられない」と一蹴しています。
バルセロナを率いた経験もあるエンリケ監督は、「日本はダイナミックで速さもあり、プレスもかけてくる。苦戦するかもしれず、我々にとってテストになる」と気を緩める様子はありません。
一方、7大会連続7度目の出場で初のベスト8を目標に今大会に臨んでいる森保監督も「スペインはダイナミックさ、テクニック、戦術、すべてを持っている」と警戒しています。
日本代表指揮官は、兼任で率いた東京オリンピック準決勝でスペインに延長の末に0-1で敗れた悔しい経験に触れて、「そこから成長を誓ってここにいる。今度は我々が喜べる結果を目指す」と力強く述べました。
チームはこの日、アルサッドの練習場で公式練習に臨み、冒頭15分以外を非公開にして最終調整を行いました。
公開された部分では、選手24人がグラウンドでランニング、ストレッチや体幹トレーニングで体をほぐし、ボール回しでは負傷から回復した冨安健洋選手(アーセナル)や久保建英選手(レアル・ソシエダ)、三笘薫選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)らが軽快な動きを披露。次第に熱が入ると大歓声が起こるなど、盛り上がりを見せていました。
しかし、膝を痛めている遠藤航選手(VfBシュツットガルト)と足に違和感のある酒井宏樹選手(浦和レッズ)はグラウンドには姿を見せず、別メニューでの調整でした。
森保監督は、「プレッシャーはない。この3日間で良い準備ができている。明日の試合へ向けて、酒井選手以外はできると思っている」と述べています。
練習を終えた冨安選手は、「怪我は問題ない。トーナメント一回戦のつもりでやれればいい。状況がはっきりしているので、僕たちの持っている力をすべて出したい」と話しています。
日本とスペインの過去の対戦は2001年4月にコルドバでの親善試合(日本の0-1)のみです。日本はスペインに勝てば無条件で2大会連続となるノックアウトステージ進出が決まります。スペイン戦に引き分けた場合の突破条件は、勝ち点3で並んでいるコスタリカが勝つと日本は敗退となり、どちらも引き分けた場合には、得失点差で上回る日本が2位で突破です。日本が分けてドイツが勝った場合は、両者が勝ち点4で並ぶため、得点数によって状況が変わります。ドイツが2点差以上で勝利すれば、ドイツが日本を上回って日本が敗退。1点差では総得点での勝負となり、ドイツと同じゴール数以上を決めて引き分ければ、直接対決で勝利している日本に軍配が上がります。
試合は12月1日(木)、カリファ・インターナショナル・スタジアムにて、現地時間22:00(日本時間2日4:00)キックオフの予定です。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
この3日間でスペイン戦へ向けてチームとしていい準備ができています。重要な試合で選手たちにはプレッシャーがかかると思いますが、自分たちの力と仲間を信じて臨んでほしい。普段やっている力を個としてチームとして100%出せれば結果はついてくると思うので、まずは思い切ってプレーしてほしいですし、スタッフの一人としてその環境づくりをします。勝つ確率を高めるためにコンディションを高めて、目の前の一戦に最善の準備をして、勝利を目指して戦いたい。
スペインはルイス・エンリケ監督のもと、ダイナミックさ、テクニック、戦術、すべてを持ち合わせている素晴らしいチームで、育成年代からフル代表まで国として一貫したサッカーをしています。今回のチームにもオリンピック代表メンバーが何人も入っています。東京オリンピックの準決勝でスペインに負けたことは非常に悔しい、残念な思い出ですが、そこから選手も私も成長を誓ってここにいます。今度は我々が喜べる結果を目指したい。プレッシャーはありません。あるとすれば、自分たちの力を後悔するところなく発揮できるかという点ですが、グループステージ突破を目指して戦うことしか考えていません。ワールドカップ優勝国と真剣勝負で戦えることを喜びに感じて戦いたい。
サポーターのみなさんに喜んでもらえる結果を出せるように、チーム一丸となって最後まで戦い抜きます。応援と共闘をお願いしたい。勝負の世界なので、勝てば賞賛され負ければ批判されるのは当たり前で、賞賛も批判も含めて、サッカーに興味をもって議論をしてもらえることがうれしい。日本の代表として、世界の舞台で日本人の魂と誇りを持って日本のために戦いに挑みます。
GK #12 権田修一 選手(清水エスパルス)
2戦目は僕らが望んだ結果ではなくて失望された方も多いと思いますが、この3戦目で「勝てばノックアウトステージ進出」という状況にできたのは、ドイツ戦に勝った成果です。ハードワークしてドイツに勝ったことで自分たちの結果次第で上に行けるチャンスを持てたとポジティブにとらえています。スペインは世界的に強い相手ですが、すべてをぶつけたい。すごく整備されたサッカーをして、攻撃でも守備でもポジショニングの質が高く、一発で相手の裏を取る、相手の嫌なところを突いてくるので注意が必要です。中盤だけでなく、どの選手も必要なときに必要なところにいて、プレッシャーのあるなかでも落ち着いてプレーできます。自分たちはいままでやってきたことを出したい。それが試合につながると思っていますし、僕らの先輩たちがやってきたことを引き継いでやっていきたいと思います。GKなので失点に絡むポジションですが、森保監督には「過去は変えられないが、未来は変えられる」と言われて救われてきました。大事にしている言葉です。
FP #9 三笘薫 選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)
ドイツ戦と同じような、我慢しないといけない展開になると思うので、失点をしないようにしたいです。相手はクオリティが高いですが、自分の特長を出せばチャンスはあると思うので、駆け引きしながら周りと連係して仕掛けることをイメージしていますし、そういうところでゴールにつなげられるプレーをしたいと思っています。プレスの切り替えはドイツより速いのでうまくかわしたいですし、ボールが持てない分、周りにサポートがない状況でカウンターで運ぶしかない状況があると思いますが、そこでキープして、ファウルをもらうことでFKやCKをもらいたい。どんな状況でもボールを失ってはいけないと思うので、しっかり意識してプレーしたいです。ドイツに勝ってコスタリカに負けて、スペインは自分たちの現在地を図る上でも絶好の相手です。素晴らしい相手と真剣勝負ができることを楽しみつつ、勝たないと上に行けないですし、勝つことで日本のサッカーのレベルが上がると思っています。
FP #11 久保建英 選手(レアル・ソシエダ/スペイン)
コンディションはいいと思いますし、落ち着いています。ここからは明日までに良い準備を個人でできればいいと思いますし、チャンスがあればピッチ上で語れるような選手になりたいと思います。相手の高いクオリティをどう止めるかだと思います。日本もクオリティはすごく高いと思いますし、うまい選手がたくさん集まっていて、速い、強いなど、いろんな武器を持っている選手がいると思います。ワールドカップは慣れるものではないですし、1試合1試合に緊張感を持って臨みたい。勝ち点3にフォーカスできない選手は明日の試合に出るべきじゃないと思うので、それが全てだと思います。
FP #16 冨安健洋 選手(アーセナル/イングランド)
スペインは世界的に見ても難しい相手です。クオリティも持っているし、個人的には『サッカーを知っているな』という感じます。小さいときからサッカーの質や構造について知っている選手が多いんだろうなと思います。オリンピックのスペイン戦は出場停止で出られず悔しい部分がありました。チームのみんなも(負けて)悔しかったので、しっかりリベンジを果たしたいと思います。試合中にコミュニケーションをしっかりとって、行く行かないをハッキリして、奪ったボールをいかに僕たちのボールにできるかが大事になります。
FP #18 浅野拓磨 選手(VfLボーフム/ドイツ)
相手がボールを持つ時間が長いと思いますが、そこは想定内です。その時間が長くなってもネガティブにならずに耐えて、やらせてるという感覚でいいと思います。自分たちがしっかりとイメージを共有できれば、焦れることなく、フラストレーションが溜まることなく戦えます。ドイツ戦は結果につながったので一つの成功体験として、より自信を持ってプレーできることは間違いありません。どのみちやらなければならない試合が早めに来ただけで、どの試合も100%でやることに変わりはありません。勝ち上がらないと対戦できない国と試合ができることを喜びに感じて、全力でぶつかっていきます。大きな試合になるほど集中力も気持ちも高まってきます。
FP #19 酒井宏樹 選手(浦和レッズ)
ここまで速い回復は予想していなかったので、メディカルチーム、ドクターに感謝しています。自分としては試合に出る気持ちでここまで調整してきてます。チームはすでに気持ちは一つです。まっすぐ目標に向かっているので、明日何があるか分かりませんが、今は仲間を信じて勝ち上がることを願っています。東京オリンピックとは全然違うチームですし、違う大会です。スペインとやれることに喜びを感じていますし、倒すことにモチベーションが高くなっていると思うので、絶対にやり遂げたいと思います。
FP #22 吉田麻也 選手(シャルケ04/ドイツ)
良い入りをするためには事前の準備がすごく大事になってくると思うので、そこは今日、徹底してやりました。オリンピックのスペイン戦では攻め込んで入られる時がありましたが、強い相手になるほどそういう流れの時に点を取れるかが大事になってきます。チャンスは少なくなるので、そこを生かせるかどうかが大事になります。スペインはボール保持がすごくうまい。長年、形を持ってやっていて、徹底してそれを貫いています。誰が出るか分かりませんが、弱点になりうるポイントもあると思うので、もう一度確認して臨みたい。オリンピックの時のクオリティとは相手もこちらも違うので、そこでどれだけ勇気をもって臨んで、勇気と謙虚さのバランスをどこまでリアリスティックに求められるかが大事です。チームとしてやるべきことを愚直にしっかりと、プランに沿って全員が戦えるかどうかです。
FP #26 伊藤洋輝 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
ドイツ戦の前のように、もう1回チームで一つになって戦おうという雰囲気が出ています。負けられません。戦術でもどう守備をして、どう攻めるかなど、それぞれが意見を出しながら統一して、チームが一つになって向かっていきたい。個人的には物足りないパフォーマンスだったと自覚していますし、このまま終われないというのがあります。チームとしては勝つしかないので、目の前のスペイン戦に向かって一つになれば必ず結果は得られると思っています。ドイツ戦に勝って期待をされている分、ここで結果を出して必ず残りたい。先制点を取られる展開が一番しんどくなりますし、相手はボールを動かすことに長けているので、まずは点を取られないことを意識して入りたいです。ワールドカップの舞台でスペインと本気でやれるのは幸せなこと。全力でぶつかっていきたいです。
ルイス・エンリケ スペイン代表監督
我々はここに、7試合に勝って王者になるために来ています。ですので、ラウンド16に行かなければなりません。次のラウンドでどこと対戦するにしても、日本に勝たなければそこに行けません。2位通過での次の対戦を考えて2位狙いをするなど、考えられません。自分たちはやるべきことをしなければならないですし、ワールドカップで優勝するためには、どのチームにも勝たないとなりません。日本とは東京オリンピックでも対戦しましたが、今回のチームには当時の選手たちもいて、欧州で活躍している選手が多くいます。鎌田、田中、遠藤、久保、南野選手はトッププレーヤーです。日本はダイナミックで速さがありプレッシャーもかけて来るので、明日は苦戦するかもしれません。我々にとってテストになると思います。
FIFAワールドカップカタール2022
大会期間:2022年11月20日(日)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間] vs スペイン代表