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世界的知将リッピ監督を迎え、生まれ変わる中国代表~E-1サッカー選手権プレビュー~
2017年12月04日
SAMURAI BLUE(日本代表)は、12月12日(火)、味の素スタジアムで行われるEAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会の第2戦で、中国代表と対戦する。
リッピ監督の下、試行錯誤が続く
2018年FIFAワールドカップ ロシア大会への出場を逃した中国代表は、マルチェロ・リッピ監督の下、2019年アジアカップカタール大会での優勝を新たな目標に掲げてリスタートを切った。このE-1サッカー選手権は、そのミッションに向けた重要な大会と位置付ける。
中国はアジア最終予選(Road to Russia)の4試合を終えた段階で、最下位に沈んでいた。そこで救世主として招かれたのがリッピ監督だった。広州恒大を2012年5月から2015年2月まで率いて、2013年にはクラブ史上初のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇を達成。中国とアジアの実情を熟知する名将が、昨年10月に代表監督に就任すると、さまざまな改革を断行した。
リッピ監督就任後の中国は同最終予選で、3勝1分1敗。序盤の勝点の取りこぼしが響いて予選突破は叶わなかったが、韓国に1-0で勝利し、最後の2戦はウズベキスタン、カタールに連勝を収めている。
上り調子に思える中国だがここに来て壁にぶつかっている。11月の国際Aマッチデー期間にホームで組んだセルビア戦は0-2、コロンビア戦は0-4と、いずれもゴールを奪えず完敗を喫している。
最新のFIFAランキング(12月1日現在)は日本の55位に対し、中国は60位。第2戦で対戦する日本戦にベストメンバーで挑んでくるだろう。
ACLでは中国勢が優勢
ユベントスを率いて通算5度のセリエA優勝、UEFAチャンピオンズリーグ制覇も果たした実績を持つリッピ監督は、選手たちにパワーとスピードに磨きをかけ、プレーの精度を向上させるように要求する。中国代表にもセリエA時代のようなプレッッシングからのショートカウンターを浸透させようとトレーニングを積んできた。
攻撃陣では肖智(XIAO ZHI)選手が注目の一人。今年代表に抜擢された遅咲きの選手だが、センターフォワードやトップ下として6試合に出場し2得点と結果を残している。32歳とベテランに差し掛かる年齢であるが、一段と評価を高めている。
守備陣は国際経験のある選手を中心にさまざまな組み合わせが試されている。ACLやFIFAクラブワールドカップ、さらに国際Aマッチなど日本で何度もプレーしている右サイドバックの張琳芃(ZHANG LINPENG)選手は、ダイナミックなオーバーラップからチームに勢いを与える。最近は1列前の中盤で起用されることもある攻守のキーマンだ。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「朝鮮民主主義人民共和国(DPR Korea)も、中国もベストメンバーで臨んでくるだろう」と予想。中国スーパーリーグ2017年シーズン覇者の広州恒大、2位の上海上港をはじめ、ACLでも常連の上位陣のクラブから数多くの選手が代表メンバーに選ばれている。
そんな相手に対し、日本は「経験」を生かしたい。今年のACLのグループステージでは川崎フロンターレは広州恒大に2引き分けと、五分に渡り合った。小林悠選手はアウェーの地で、貴重なゴールを決めている。Jリーグ最終節の大宮戦でハットトリックを達成してリーグ初優勝に導き、得点王にも輝いた川崎Fのエースでありキャプテン。今回の代表戦でも不安定な中国DF陣の隙を突き、ゴールを決めたい。体を張って広州恒大のタレントに仕事をさせなかった谷口彰悟選手も、再び白熱の「デュエル」を制して、チームに主導権をもたらせるかは注目ポイントだ。
同じくACLのグループステージで、江蘇蘇寧に2敗を喫したガンバ大阪だが、そこで気を吐いた井手口陽介選手、ポスト直撃弾を放った今野泰幸選手らにも期待したい。ステージや対戦相手は異なるものの、しっかりリベンジを果たし、日本の「強さ」を印象付けたいところだ。
第1戦のDPR Korea戦(9日)から中2日と試合間隔が短い。果たして、初戦で活躍した選手が勢いを買われて起用されるのか。それとも、思い切ったターンオーバーが行なわれるのか。ハリルホジッチ監督の起用法に注目が集まる。
第1戦以上の内容と結果を残せれば、ハリルホジッチ監督が目標に掲げる優勝が視界に入ってくる。しかもポテンシャルの高い中国相手に勝利を収められれば、自信を深めて、16日(土)に行なわれる韓国との最終戦に臨める。中国の高く堅牢な壁を乗り越えたい。
SAMURAI BLUE(日本代表) EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会
12月9日(土) 19:15キックオフ(予定)
SAMURAI BLUE(日本代表) vs 朝鮮民主主義人民共和国代表
12/12(火) 19:15キックオフ(予定)
SAMURAI BLUE(日本代表) vs 中国代表
12/16(土) 19:15キックオフ(予定)
SAMURAI BLUE(日本代表) vs 韓国代表
すべて会場は、東京/味の素スタジアム
EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会
男女ともに、中国、日本、朝鮮民主主義人民共和国、韓国の4チーム総当りによるリーグ戦で東アジアサッカーの頂点を競います。12月8日(金)から16日(土)まで、男子は味の素スタジアム(東京)、女子は千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ/千葉)で行われます。
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