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【Match Report】SAMURAI BLUE、中国代表に7ゴールの圧勝でアジア最終予選白星スタート
2024年09月06日
SAMURAI BLUE(日本代表)は9月5日(木)、埼玉スタジアム2002で行われたFIFAワールドカップ26アジア最終予選(3次予選)のグループC初戦で中国代表と対戦し、ゴールラッシュで7-0と圧勝。8大会連続出場へ好スタートを切りました。
遠藤航選手(リバプールFC)と三笘薫選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)の前半の得点に続いて、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた南野拓実選手(ASモナコ)が後半2得点をマーク。復帰戦となった伊東純也選手(スタッド・ランス)、前田大然(セルティック)、久保建英選手(レアル・ソシエダード)もそれぞれ1得点を挙げました。
現在FIFAランクで18位の日本ですが、過去2大会の最終予選初戦では勝ち点を挙げられずに苦戦した苦い経験がありました。しかし、今回はFIFAランクで87位の中国を、攻守にアグレッシブなプレーで終始圧倒し、勝ち点3を手にしました。
日本は3-6-1の布陣で、GK鈴木彩艶選手(パルマ・カルチョ)に板倉滉選手(ボルシア・メンヘングラートバッハ)、谷口彰悟選手(シントトロイデンVV)、町田浩樹選手(ユニオン・サンジロワーズ)を最終ライン、遠藤選手と守田英正選手(スポルティングCP)をボランチに配し、両翼には堂安律選手(SCフライブルク)と三笘選手を起用。前線には上田綺世選手(フェイエノールト)を中央に1列後ろに久保選手と南野選手を並べる布陣で臨みました。
序盤から左サイドの三笘選手を中心に積極的に攻める日本は前半12分、最初のCKを得点につなげます。久保選手の左CKに遠藤選手がニアサイドに出て頭で合わせ、先制しました。
中国は2002年以来の本大会出場を目指して、前回大会の最終予選初戦でオマーンを率いて日本に土をつけたブランコ・イバンコビッチ監督の下、4-4-2のブロックで守備を固めながらMFシェ・ウェンノン選手やMFシュ・ハオヤン選手がサイドから突破を試みます。しかし、日本は守備への素早い切り替えで対応し、相手に思うようなプレーをさせません。
日本はほとんどの時間で相手を自陣に押し込み、右サイドでは堂安選手と久保選手が息の合った連係で攻撃を組み立ててゴールを狙い、南野選手、久保選手、守田選手らも相手ゴールを脅かす場面を作ります。
2点目は前半終了直前でした。堂安選手の右クロスに、ファーサイドのポスト前へ詰めた三笘選手がヘディングで仕留めて、日本は前半を2-0で折り返しました。
反撃を試みる中国は後半開始からDFラインを3バックにして、中盤に厚みを持たせる形にシステムを変えます。
しかし、この変更で「動きやすくなった」という南野選手をはじめ、後半交代投入の選手が躍動。日本はさらに攻勢を強めます。52分、南野選手は左サイドでの三笘選手とのパス交換からペナルティエリアに切り込むと、間合いを詰める相手DF陣をかわして右足を振って3-0とします。その6分後には町田選手が上田選手へ縦パスを送ると、瞬時に加速。上田選手からパスを受けて2連続ゴールを決めて、中国に追撃の猶予を与えません。
中国も60分過ぎにブラジル出身のFWア・ラン(アラン)選手やFWフェイ・ナンドゥオ(フェルナンジーニョ)選手ら攻撃陣3枚を入れ替えて、フェイ・ナンドゥオ選手に長いボールを入れてゴールに迫ろうとしますが、日本は守備の意識も高く保ち、チャンスを作らせません。
日本はその後、63分に伊東選手と前田選手、さらに71分には田中碧選手(リーズ・ユナイテッドFC)と代表デビューとなった高井幸大選手(川崎フロンターレ)を投入して攻撃を畳みかけます。77分に、久保選手のパスを受けた伊東選手が左足を振ってゴール左へ決めて5-0とすると、52,398人が駆け付けたスタジアムは伊東選手の名前をコールするサポーター声援で包まれました。
伊東選手は87分には右サイドからクロスを送り、ファーポスト前に走り込んだ前田選手のヘディングゴールをアシスト。後半アディショナルタイムには、ペナルティエリア左に切り込んだ伊東選手から久保選手へマイナスのボールを預けると、ここまで4得点に絡んだ久保選手がチーム7得点目を決めて、試合を締めくくりました。
日本のアジア最終予選での7得点の勝利は初めてで、過去の最終予選最多得点は1997年9月に国立競技場で行われた最終予選初戦のウズベキスタン戦(6-3)、2012年6月の国立競技場でのヨルダン戦(6-0)の6得点でした。
このほかのグループCの試合では、日本が次にアウェイで対戦するバーレーンがアウェイでオーストラリアに1-0と勝利を収め、サウジアラビアはホームでインドネシアと1-1で引き分けました。
この結果、初戦を終えて日本はバーレーンと勝ち点3で並びましたが得失点差で上回り、グループCの首位に立ち、以下、サウジアラビアとインドネシアが勝ち点1、勝ち点のないオーストラリアと中国が続いています。
なお、グループAではAFCアジアカップ2023優勝のカタールがホームでUAEに1-3で敗れて最下位で、UAEが首位でのスタート。イランはホームでキルギスに、ウズベキスタンもホームで朝鮮民主主義人民共和国にそれぞれ1-0で勝利しました。グループBではイラクがオマーンに1-0で勝ってグループBの首位に立ち、ヨルダンはクウェートとホームで1-1と引き分け、韓国もホームでパレスチナと0-0で引き分けました。
2026年はカナダ、アメリカ、メキシコで共同開催され、出場チームは32から48に拡大し、アジアも4.5から8.5と増枠。アジア最終予選は来年6月まで行われ、6チームずつ3グループに分かれて戦い、各組2位以内までが無条件で本大会出場権を獲得し、3位、4位はアジアプレーオフまたはFIFAプレーオフトーナメント経由での出場を目指すことになります。
日本の次戦は9月10日(火、日本時間11日、水)、アウェイでバーレーンと対戦します。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
選手たちがアジア最終予選の初戦の大切さと難しさを認識して、最善の準備をしてくれたことがこの結果につながったと思います。スタッフも含めていいスタートを切ろうと、2回の準備期間とトレーニングの中で、自分たちがやらなければいけないことと向き合って真摯に取り組んでくれた結果です。前回の反省すべきところを、今回は同じ轍を踏まないようにと考えて、チームとして攻守にどういう形でどう戦うのか、ミーティングでよりイメージできるようにすることと、ピッチの今回2回の全体練習でより具体的に攻撃と守備にやるべきことを確認できたのが良かったと思っています。
3バックについては、6月からやってきたことを継続して、その中でコンディションなど選手の状態を見ながら起用しました。拮抗した試合になると思っていましたし、実際に点差は開きましたが、先制となったセットプレーの1点で展開が有利になったのは間違いありません。これからもしっかり準備をしたいと思います。
埼玉スタジアムでたくさんのサポーターの皆さんが直接選手を後押ししてくれたことが勝利につながりました。これからさらに厳しい戦いが待っていると思いますが、チーム一丸となって全力で戦い抜き、サポーターの皆さんに勝利をお届けしたい。サポーターの皆さんには応援と共闘をよろしくお願いします。
DF #3 谷口彰悟 選手(シントトロイデンVV/ベルギー)
結果として素晴らしいスタートを切れて、この一戦に臨む我々の姿勢や準備がしっかり結果に結びついたと思います。最近の最終予選では出だしでの失敗があったので、同じことを繰り返してはいけないことは選手みんなわかっていました。良い緊張感を持ちながら準備ができて、集中力高く試合に入れて、自分たちの狙いとする攻撃などを最後まで手を緩めずにできたと思います。どれくらい相手を引き付けて攻撃を開始するかは、今日の僕のタスクの一つでしたが、常に相手を見ながらしっかりやれたと思います。一試合やれたので、この後もみんなとコミュニケーションとりながら向上させたいと思います。
MF/FW #6 遠藤航 選手(リバプールFC/イングランド)
自分たちの力をしっかり出せれば勝てるというのは、試合前から自信を持っていたので、前回大会の時のことはあまり意識し過ぎずに、いつも通りに準備をしていました。リラックスした中で緊張感を持ってやれる準備ができたのは良かったと思います。自分の得点場面はセットプレーで準備した形でした。そこからはしっかりボールを動かしながら追加点を取っていこうというところで、90分を通して集中を切らさずに相手をゼロで押さえて試合を進めることができました。1点取れれば勢いづくことはわかっていました。(前半のうちに)チャンスもあったので追加点を取りたいというのはあって、最後のところで相手が少し前がかりになったところで、うまく後ろのスペース使いながら取れたので、常にチームとして前向きのプレー選択をしていった結果が2点目につながったと思います。
MF/FW #7 三笘薫 選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)
相手が前から来る予想はしていなかったのでボールは繋げるだろうと考えて、攻撃で相手が引いたところでのアイディアは必要だと思っていました。でも、前から来ることも想定しながら、自分たちがゴールキックなどいろんなところを考えてやっていたので、今後の試合に生きてくる準備はできたと思います。(ヘディングでの得点は)選手の質が高いので自分が決めないといけないシチュエーションでした。自分のフィジカルがついてきていることもあると思いますし、意識して、今シーズンは(所属クラブの)監督からも言われているので、そこが今日の試合に出たかなと思っています。いろんな選手がゴールを決められるのが今のチームの強さだと思います。ここから厳しい戦いになるので次もしっかり勝ちたいです。
MF/FW #8 南野拓実 選手(ASモナコ/フランス)
最終予選の初戦で前回大会では負けスタートだったので、それがその後どれほど苦しくなるのか、僕以外の選手とも共有していました。その中で、気を引き締めて立ち上がりから90分間を通していい試合運びができたと思います。自分自身、スムーズに試合に入れましたし、前半からブロックを敷いた相手に対して、僕たちは技術の高い選手がたくさんいるので、動き回ってスペースに飛び込んでいくことと、奪われた後の切り替えを意識していました。前半チャンスになる手応えがあって、それが後半に入って周りの選手のおかげで実りました。全体としても個人的にも今日のパフォーマンスをうれしく思います。中国にはフィジカル的にも技術的にも優れている選手がいるので、それを非常に警戒していましたが、ロングボールや1対1でフィジカルの強さを発揮してきて、僕たちにとって厄介な相手でした。ゴールを重ねるごとに僕たちに優位な展開にすることができましたが、アウェイでの彼らのパフォーマンスは絶対に違うと理解しているので、次も気を引き締めてがんばりたいです。
MF/FW #14 伊東純也 選手(スタッド・ランス/フランス)
ゴールは少し相手に当たったのでラッキーでしたが、取れてよかったです。(観客の拍手やコールを受けて)モチベーションが上がりましたし、嬉しかった。ゴールを取ってやろうと本当に思っていました。得点後は喜ぼうと思ったら、もうみんなが周りにいて、ベンチのメンバーやスタッフさんもみんなで喜んでくれて本当によかった。自分が入る前からいい流れだったので、乗り遅れないようにと考えて、うまく入れました。連係の部分もうまくできたと思いますし、クロスのアシストも狙い通りで、前田選手ならあそこに入ってくれるだろうと。(久保選手へのアシストは)自分で打とうと思ったのですが、相手に当たる確率もあったので久保選手に落として任せてみようと考えました。アシストはラッキーです。ここまで悔しい時間もありましたが、(所属)チームでうまくやって代表チームともうまくコミュニケーションを取っていたので、最終予選からしっかりやるとしていました。そこをしっかりできればと思っています。
ブランコ・イバンコビッチ 中国代表監督
まず日本には勝利おめでとうと言いたいと思います。試合前日会見で言ったように非常にタフな試合になりました。日本はアジアでトップというだけでなく、ワールドクラスのチームです。対戦相手の監督にとっては厳しい夜になりました。我々は守備を固める工夫をして練習もしてきていましたが、ゴールを量産されてしまいました。この試合から何を学べるか、チームで話をして次の試合へ備えたいと思います。
FIFAワールドカップ26アジア最終予選(3次予選)
2024年9月5日(木) 19:35 キックオフ(予定) vs 中国代表
会場:埼玉/埼玉スタジアム2002
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