JFA.jp

JFA.jp

EN
ホーム > 社会貢献活動 > 国際交流・アジア貢献活動 TOP > 最新ニュース一覧 > 【海外派遣指導者インタビュー】「日頃のコミュニケーションが重要」河本菜穂子モンゴルU-15・U-18女子代表監督

ニュース

【海外派遣指導者インタビュー】「日頃のコミュニケーションが重要」河本菜穂子モンゴルU-15・U-18女子代表監督

2020年06月17日

【海外派遣指導者インタビュー】「日頃のコミュニケーションが重要」河本菜穂子モンゴルU-15・U-18女子代表監督

日本サッカー協会(JFA)はサッカー日本女子代表の強化に取り組み、すべてのカテゴリーのFIFA女子ワールドカップで優勝を果たしてきました。また、2023年のFIFA女子ワールドカップの招致や来秋にWEリーグ(女子プロサッカーリーグ)が開幕するなどさらなる発展の時を迎えています。一方で、1992年から多くの指導者を海外に派遣し、チームや選手、審判員の育成・強化に尽力しています。ここでは現在、モンゴルでU-15・U-18女子代表の監督を務める河本菜穂子監督に指導者になったきっかけや今後の目標について聞きました。
※このインタビューは6月2日(火)にウェブ会議システムを利用して行いました。

――指導者を目指したきっかけを教えてください。

河本 現役を引退した後、アメリカに半年ほど語学留学したのですが、留学先でキャリアについて聞かれた時に、サッカーに触れずに私の人生を説明することができず、「サッカーは自分の中で大切なものなんだ」と気づきました。帰国後、最初は幼稚園でサッカーを教え、その後U-12、U-15カテゴリーに移りました。その中で子どもたちに教える楽しさを知り、成長を間近で見ることが喜びになっていきました。

――2014年10月にモルディブ女子代表監督に就任しました。その経緯を教えてください。

河本 同年3月に女性向けのJFAインターナショナルコーチングコースに参加してアジア諸国の女性コーチの方と交流を持ち、その時にお会いしたモルディブの女性コーチから声を掛けていただきました。その後、JFAを通じてモルディブサッカー協会から南アジア女子サッカー選手権という大会に向けて2カ月間の短期契約のお話をいただき、夫も「こんなチャンスは滅多にないのでチャレンジしたほうがいい」と言ってくれたので、とりあえず全力で頑張ってみようと引き受けました。その短期契約を経て、2015年3月から2017年3月まで引き続きモルディブ女子代表監督を務めました。

――モルディブでの日々はどのような経験でしたか?

河本 最初の2カ月間は本当に忙しく、タイ遠征やパキスタンでの大会参加もあって現地にあまり滞在していなかったのですが、2年目からは腰を据えてトレーニングをするようになりました。現地サッカー協会の方たちと接する機会も多くなり、ようやく「中に入って仕事をしているな」と感じられるようになりました。海外の代表監督になったこと自体が初めてでしたし、私自身、日本代表の経験もないので、代表がどんな場所かはっきりと分かっていませんでしたが、モルディブで監督をする中でいろいろ学びました。

――2019年2月からはモンゴルでU-15・U-18女子代表を指導されています。その経緯を教えてください。

河本 JFAの公募があり、私からモンゴルを希望しました。その少し前にEAFF U-15 Girls Tournament 2017テクニカルスタディグループでモンゴルU-15女子代表の大会での様子を見させていただき、女子サッカーの歴史は浅いけどもともとのフィジカル能力は高く、早く成長するのではないかという良い印象を持っていたので、公募を見たときにご縁があるなと、やるならモンゴルがいいなと思っていました。

――海外の環境に適応するために、意識的に行ったことはありますか?

河本 なるべく現地の料理を食べることと、協会の方や選手とコミュニケーションを取るよう心掛けていました。日頃から周囲の人としっかりとコミュニケーションを取っていれば慣れない土地で困ったときに助けてもらえます。そういう意味でもコミュニケーションはすごく大事だと思います。

――くじけそうになった時にどうやってモチベーションを高めていますか。

河本 みんな同じ考えではないし、特に外国の方は価値観が全く違うので。厳しいことを言われても気にしないというか。「そういう考えもあるけど私はこう思っているし、目的は一緒だから、じゃあ自分の意見をどう伝えようか」という感じなので、くじけそうになることはあまりないんですよね。本当につらい時は寝ます(笑)。夜に考えないようにして、翌日には忘れます。

――指導者としての目標や夢はありますか?

河本 これまでと同じようにアジアの国で代表監督や年代別代表の監督をする中で、地元の女性指導者や男性指導者の方と一緒に学び、もっと向上していきたいです。

――FIFA女子ワールドカップの招致や来秋のWEリーグ誕生など、日本女子サッカーも変革の時を迎えています。日本女子サッカーの発展に向けたこれらの動きについてどう感じていますか?

河本 メディアに取り上げられる機会は多くなると思いますし、それで子どもたちがサッカーに興味を持ち、選手に憧れを持ちサッカーを始めるきっかけになればいいなと期待しています。

――海外で仕事をされている立場として、同年代の働く女性の方々にメッセージをお願いします。

河本 女性には結婚、出産、育児と、人生の大きなターニングポイントがたくさんあります。その中で仕事を続けていくのは大変だと思いますが、無理せず、自分のできる範囲で続けていってほしいですね。日頃から家族や周りの人に「自分はこうしたい」という意思を伝えて、サポートしてもらえるようにしておくことも大事だと思います。

アーカイブ
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー