ニュース
なでしこリーグとオンライン乳がん勉強会を実施
2020年10月09日
日本サッカー協会(JFA)と日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)は、乳がんの啓発活動「ピンクリボン運動」に賛同し、10月を「ピンクリボン月間」として取り組んでいます。
その一環として、10月5日(月)及び6日(火)になでしこリーグ所属選手と女子1級審判員向けのオンライン乳がん勉強会をピンクリボンフェスティバル(日本対がん協会ほか主催)の協力のもと開催、計100名の選手及び審判員が参加しました。初回の5日は聖路加国際病院副院長の山内英子先生を講師に迎え、なでしこリーグの選手37名が参加して、オンライン会議システムを通じて勉強会を行いました。
山内先生は、「乳がんの罹患率は欧米諸国が高く、アジア諸国は低いが、近年はアジア諸国の罹患率も上昇傾向にあります。また、年齢別の罹患率を見ると、アジア諸国は40代、50代が高くなっており、日本では近年になって60代での罹患率も急増しています。」と話しました。
「乳がんのなりやすさは初産年齢や生理期間などに加え、食生活からも影響があると考えられており、脂肪分の多い食事はリスクが高くなり、イソフラボンの摂取でリスクが軽減されるという統計が出ています。ホルモン補充療法やお酒の飲みすぎ、たばこの吸いすぎ、夜間勤務の多さなどもリスクを高める原因と考えられています。」
「こうした環境要因に加え、遺伝的な要因もあります。細胞に含まれる遺伝子の損傷を修復する働きを持つ『BRCA1遺伝子』あるいは『BRCA2遺伝子』に生まれつきの変異がある『遺伝性乳がん卵巣がん症候群」と診断され、乳がんや卵巣がんにかかりやすくなります。」
「日本では40歳からの乳がん検診が推奨されています。有効性の確立された正しい検診を、徹底した精度管理の下で正しく行うことで死亡率を減少することができます。」
そして山内先生は最後に、「自分の乳房の状態に日頃から関心を持ち、乳房を意識して生活することが大事です。」と話し、「定期的に自己検診をすることで普段の様子を知り、変化にいち早く気づくことができます。変化を自覚したら、すぐに医療機関に行って相談してください。」と参加者に呼び掛けて勉強会を終えました。
参加選手コメント
岸川奈津希 選手(なでしこリーグ1部 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
乳がん勉強会に参加させていただきありがとうございました。この勉強会で乳がんについて正しく知ることが出来ました。まずは自分でできるセルフチェックを日頃から行いたいと思います。また、このような勉強会を家族や友人など身近にいる人にも受けてもらいたいと思いました。
岸星美 選手(なでしこリーグ2部 スフィーダ世田谷FC)
このような機会を頂き、関係者の皆様有難うございます。今までは「適齢期に受診すればいい」という考えだったのが、本勉強会で乳がんには若くしても発症すること、40歳以下の発症率は低いこと、ただ受診することが正しいだけではなく、受診することのデメリットも存在することを教えていただき、深いところまで乳がんに関して自分自身に落とし込む貴重な時間になりました。正しく知ることで早期発見に繋がります。私たち女性アスリートが選手の立場から発信していきたいと強く思います。
池崎愛 選手(チャレンジリーグ アンジュヴィオレ広島)
乳がん勉強会で色々なことが学べて感じるものがありました。女性には多いとは知っていましたが、どうしたら(乳がんに)なりにくい、あるいはなりやすいなど、色々な研究を行っていることを知って、今は大丈夫だとしても、40代~60代に多いのも結果で出ているので、気にかけないといけないと思いました。家族にも今日学んだ乳がんのことを伝えるべきと思いました。日頃から身体は動かしていますが、食生活にも乳がんになりやすい食べ物があると知り、バランスの良い食事を心がけないといけないなと思いました。
今日の勉強会をこれから活かしていきたいと思います。参加させて頂きありがとうございました。