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ホーム > サッカー競技規則2022/23

第1条 競技のフィールド

1. フィールドの表面

競技のフィールドは、全体が天然、または競技会規定で認められる場合は全体が人工の表面でなければならない。ただし、競技会規定で認められる場合、人工と天然素材を組み合わせたもの(ハイブリッドシステム)を用いることもできる。
人工芝の表面の色は、緑でなければならない。
FIFA加盟サッカー協会の代表チームまたはクラブチームの国際競技会のいずれの試合において、人工芝が用いられる場合、その表面は、「FIFAクオリティプログラム―サッカー芝」の要件を満たさなければならない。ただし、IFABから特別な適用免除を受けた場合を除く。

2. フィールドのマーキング

競技のフィールドは、長方形で、危険でなく、連続したラインでマークしなければならない。危険でなければ、天然のフィールドにおけるマーキングに人工の表面素材を用いることができる。エリアの境界線を示すラインは、そのエリアの一部である。
第1条で指定されるラインのみ競技のフィールドに描くことができる。人工芝が用いられる場合、サッカーのためのラインと異なる色ではっきりと見分けられるならば、その他のラインを描くことができる。
長い方の2本の境界線をタッチライン、短い方の2本の境界線をゴールラインという。
2本のタッチラインの中点を結ぶハーフウェーラインで競技のフィールドを半分に分ける。
ハーフウェーラインの中央にセンターマークをしるす。これを中心に半径 9.15m(10ヤード)のサークルを描く。

・エリアを囲むラインはそのエリアの一部であるので、長さはラインの外側から計測される。
・ペナルティーマークまでの長さは、ゴールラインの外側の端からペナルティーマークの中心までである。

コーナーアークから9.15m(10ヤード)離れた競技のフィールドの外側に、ゴールラインとタッチラインに対して直角のマークをつけることができる。
すべてのラインの幅は、同じで、12㎝(5インチ)を超えてはならない。ゴールラインの幅は、ゴールポストおよびクロスバーの厚さと同じでなければならない。
競技者が競技のフィールドに許可されていないマークをつけた場合、反スポーツ的行為で警告されなければならない。試合中に審判がそれを見つけたならば、次にボールがアウトオブプレーになったとき、反則を行った競技者を警告しなければならない。

3. 大きさ

タッチラインは、ゴールラインより長くなければならない。

  • ・長さ(タッチライン)
     最小 90m (100ヤード)
     最大 120m (130ヤード)
  • ・長さ(ゴールライン)
     最小 45m (50ヤード)
     最大 90m (100ヤード)
競技会は、上記の大きさの範囲内でゴールラインとタッチラインの長さを設定することができる。

4. 国際試合用の大きさ

  • ・長さ(タッチライン)
     最小 100m (110ヤード)
     最大 110m (120ヤード)
  • ・長さ(ゴールライン)
     最小 64m (70ヤード)
     最大 75m (80ヤード)
競技会は、上記の大きさの範囲内でゴールラインとタッチラインの長さを設定することができる。

(公財)日本サッカー協会の決定
・センターマークおよびペナルティーマークは、直径22cmの円で描く。
・コーナーアークから9.15mを示すマークは、ゴールラインまたはタッチラインから5cm離して直角に30cmの長さの線で描く。9.15mの距離は、コーナーアークの外側からこのマークのそれぞれゴール側の端またはハーフウェーライン側の端までとする。
・日本国内での国際試合および国民体育大会等の全国的規模の大会での競技のフィールドの大きさは、105m×68mとする(1985年11月21日理事会決定)。
なお、FIFAは、ワールドカップ、オリンピック等の競技のフィールドの大きさを105m×68mと定めている。
・クロスバーおよびゴールポストの幅と厚さは、共に12cmのものが最も適当とする。

5. ゴールエリア

ゴールポストの内側から、5.5m(6ヤード)のところに、ゴールラインと直角に2本のラインを描く。このラインは、競技のフィールド内に5.5m(6ヤード)まで延ばし、その先端をゴールラインと平行なラインで結ぶ。これらのラインとゴールラインで囲まれたエリアがゴールエリアである。

6. ペナルティーエリア

ゴールポストの内側から、16.5m(18ヤード)のところに、ゴールラインと直角に2本のラインを描く。このラインは、競技のフィールド内に16.5m(18ヤード)まで延ばし、その先端をゴールラインと平行なラインで結ぶ。これらのラインとゴールラインで囲まれたエリアがペナルティーエリアである。
それぞれのペナルティーエリア内に、両ゴールポストの中央から11m(12ヤード)のところにペナルティーマークを描く。
それぞれのペナルティーマークの中央から半径9.15m(10ヤード)のアークをペナルティーエリアの外に描く。

7. コーナーエリア

コーナーエリアは、それぞれのコーナーフラッグポストから、半径1m(1ヤード)の四分円を競技のフィールド内に描いて規定される。

8. フラッグポスト

各コーナーには、旗をつけた先端のとがっていない少なくとも高さ1.5m(5フィート)のフラッグポストを立てる。
ハーフウェーラインの両端に、タッチラインから少なくとも1m(1ヤード)離してフラッグポストを立ててもよい。

9. テクニカルエリア

テクニカルエリアはスタジアムで行われる試合において用いられるもので、次に示されるよう、エリア内には、チーム役員、交代要員および交代して退いた競技者の座席が設置される。
・テクニカルエリアは、特定された座席部分から両横に1m(1ヤード)、前方にタッチラインから1m(1ヤード)までにするべきである。
・テクニカルエリアを明確にするためにマーキングをするべきである。
・テクニカルエリアに入ることのできる人数は、競技会規定によって定められる。
・テクニカルエリアに入ることのできる者は、
 ・競技会規定に従って試合開始前に特定される。
 ・責任ある態度で行動しなければならない。
 ・トレーナーやドクターが競技者の負傷の程度を判断するため主審から競技のフィールドに入る承認を得た場合などの特別な状況を除いて、エリア内にとどまっていなければならない。
・テクニカルエリアからは、その都度ただ1人の役員のみが戦術的指示を伝えることができる。

10. ゴール

ゴールを1基、それぞれのゴールラインの中央に設置する。 ゴールは、コーナーフラッグポストから等距離のところに垂直に立てられた2本のポストと、その頂点を結ぶ水平なクロスバーとからなる。ゴールポストとクロスバーは、承認された材質でできていなければならず、危険なものであってはならない。両ゴールのゴールポストとクロスバーは同じ形状で、正方形、長方形、円形、楕円形またはこれらの組み合わせのいずれかでなければならない。
FIFA、大陸連盟の主催で開催される公式競技会で使用されるすべてのゴールは、「FIFAクオリティプログラム―サッカーゴール」の要件を満たすことが推奨される。
両ポストの間隔(内測)は、7.32m(8ヤード)で、クロスバーの下端からグラウンドまでの距離は、2.44m(8フィート)である。
ゴールラインに対するゴールポストの位置は、図のとおりでなければならない。
ゴールポストとクロスバーは、白色で、同じ幅と同じ厚さで、12cm(5インチ)以下とする。
クロスバーがはずれた、または破損した場合、それが修復されるか元の位置に戻されるまで、プレーは、停止される。プレーは、ドロップボールによって再開される。クロスバーの修復が不可能な場合、試合は、中止されなければならない。クロスバーの代わりに、ロープや曲がりやすい、または危険な素材を用いることは、認められない。
ネットをゴールとその後方のグラウンドに取りつけることができるが、適切に支えられ、ゴールキーパーの邪魔にならないようにする。

安全
ゴール(移動式ゴールを含む)は、グラウンドに確実に固定しなければならない。

11. ゴールラインテクノロジー(GLT)

GLTシステムは、得点があったかどうかを検証し、主審の決定を援助するために用いることができる。
GLTの使用について、各競技会規定に明記されなければならない。

GLTの基本原則
GLTは、ゴールラインにのみ適用され、得点があったかどうかの決定にのみ用いられる。
得点があったかどうかは、GLTシステムによって瞬時になされ、自動的に1秒以内に、(主審の時計の振動および視覚的シグナルにより)審判員にのみ伝えられなければならないが、ビデオオペレーションルーム(VOR)にも送信することができる。

GLTの要件および仕様
競技会の試合でGLTが用いられる場合、競技会主催者は、(ゴールの枠やボール内に埋め込まれた技術への変更が認められる可能性を含め)、システムが「FIFAクオリティプログラム―GLT」の要件を満たしていることを確認しなければならない。
GLTが用いられる場合、主審は、試合前に、テストマニュアルに従って、この技術の機能をテストする義務がある。その技術がテストマニュアルに沿って、機能しない場合、主審はGLTシステムを用いてはならず、この事実を各関係機関に報告しなければならない。

12. 商業的広告

チームが競技のフィールドに入場してからハーフタイムで離れるまで、またはハーフタイム後に再入場してから試合の終了まで、競技のフィールド、グラウンドのゴールネットで囲まれたエリア、テクニカルエリア内もしくはレフェリーレビューエリア(RRA)または境界線の外側1m(1ヤード)以内のグラウンドには、有形、無形にかかわらず、どんな形態であっても、商業的広告は、認められない。ゴール、ネット、フラッグポストやその旗にも、広告は、認められない。また、これらのものに余計な備品(カメラ、マイクロフォンなど)をつけてはならない。
また、立型の広告は、少なくとも、次のように設置しなければならない。
・競技のフィールドのタッチラインから、1m(1ヤード)。
・ゴールライン側については、ゴールのネットの奥行と同じ長さ。
・ゴールネットから、1m(1ヤード)。

13. ロゴおよびエンブレム

有形、無形にかかわらず、プレーイングタイム中に、FIFA、大陸連盟、各国サッカー協会、競技会、クラブ、その他の団体を表すロゴやエンブレムを競技のフィールド、ゴールネットとそれに囲まれたエリアまたはゴールおよびフラッグポストにつけることは、禁止される。フラッグポストの旗につけることは、許可される。

14. ビデオアシスタントレフェリー(VARs)

VARが使用される試合においては、ビデオオペレーションルーム(VOR)と少なくとも1か所のレフェリーレビューエリア(RRA)を設置しなければならない。

ビデオオペレーションルーム(VOR)
VORは、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)、アシスタントVAR(AVAR)およびリプレーオペレーター(RO)が業務を行うところであり、スタジアム内か近接の場所または遠隔の場所に設置することができる。試合中、VORには承認を受けた者のみが入室、またはVAR、AVARおよびROと会話することが認められる。
競技者、交代要員、交代して退いた競技者またはチーム役員がVORに入室した場合、退場が命じられる。

レフェリーレビューエリア(RRA)
VARが使用される試合においては、主審がフィールドでプレーをレビュー(OFR:オンフィールドレビュー)できるよう、少なくとも1か所のRRAを次のように設置しなければならない。
・競技のフィールド外で目に見える場所。
・はっきりとマークがつけられている。
競技者、交代要員、交代して退いた競技者またはチーム役員がRRAに入った場合、警告される。

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第2条 ボール

1. 品質と規格

ボールは、次のものとする。
・球形である。
・適切な材質でできている。
・外周は、68cm(27インチ)以上、70cm(28インチ)以下。
・重さは、試合開始時に 410g(14オンス)以上、450g(16オンス)以下。
・空気圧は、海面の高さの気圧で、0.6~1.1気圧(600~1100g/cm2:8.5~15.6ポンド/平方インチ)。
FIFAや各大陸連盟の主催下で行われる公式競技会の試合で使用されるすべてのボールは、「FIFAクオリティプログラム―サッカーボール」の要件を満たし、そのマークのいずれかをつけていなければならない。
各マークは、ボールが公式にテストされ、第2条に規定される最低限の基準に加え、それぞれのマーク別の技術的要件を満たしており、IFABによって承認されたものであることを示している。
各国サッカー協会の競技会は、これらのマークのいずれかがついたボールの使用を要求することができる。
FIFAの競技会ならびに各大陸連盟および各国サッカー協会の主催下で行われる公式競技会の試合では、ボールに一切の商業広告をつけることは、認められない。ただし、競技会、競技会の主催者のロゴやエンブレムおよびメーカーの承認された商標は、認められる。競技会規定は、これらのマークのサイズと数を制限することができる。

2. 欠陥が生じたボールの交換

ボールに欠陥が生じた場合、
・プレーは、停止される。
・プレーは、ドロップボールで再開される。
キックオフ、ゴールキック、コーナーキック、フリーキック、ペナルティーキックまたはスローインのときに、ボールに欠陥が生じた場合、プレーの再開をやり直す。
ペナルティーキックまたはペナルティーマークからのキックの途中で、ボールが前方に動き、競技者またはクロスバーまたはゴールポストに触れる前に欠陥が生じた場合、ペナルティーキックは、再び行われる。
試合中、ボールは、主審の承認を得ずに交換できない。

3. 追加のボール

第2条の要件を満たしている追加のボールは、競技のフィールドの周囲に配置することができるが、その使用は、主審のコントロール下にある。

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第3条 競技者

1. 競技者の数

試合は、11人以下の競技者からなる2つのチームによって行われる。そのうち1人は、ゴールキーパーである。いずれかのチームが7人未満の場合、試合は、開始も続行もされない。
1人以上の競技者が意図的に競技のフィールドから出たために1チームの競技者が7人未満となった場合、主審は、プレーを停止する必要がなく、アドバンテージを適用することができる。ただし、ボールがアウトオブプレーになった後に1チームの競技者が7人未満である場合、試合を再開してはならない。
競技会規定ですべての競技者と交代要員の氏名をキックオフの前に届けなければならないとしているものの、チームが11人未満の競技者で試合を開始した場合、チームリストに氏名が届けられている競技者と交代要員のみが、到着後試合に参加することができる。

2. 交代の数

公式競技会
公式競技会の試合においては最大5人の交代要員を使うことができ、その数は、FIFA、大陸連盟または各国サッカー協会が決定する。トップディビジョンにおけるクラブのトップチームまたは各国の「A」代表チームが出場する男子および女子の競技会では、競技会規定により、最大5人の交代要員を使えることが認められ、各チームは、
・最大3回の交代回数を使うことができる
・これに追加して、ハーフタイムにも交代を行うことができる
両チームが同時に交代を行った場合、両チームが交代の回数を使ったとカウントする。同一の競技の停止中にチームが複数の交代(および交代の要求)を行った場合、1回の交代回数を使ったとカウントする。

延長戦
・チームが最大の交代要員数または交代回数を使わなかった場合、使われなかった交代要員数および交代回数は、延長戦で使うことができる。
・競技会規定により、延長戦において更にもう1人の交代要員を使うことができるとした場合、各チームに1回、追加の交代回数が与えられる。
・交代は、後半終了と延長戦の間、また、延長戦のハーフタイムにも行うことができる - ここでの交代は、交代回数を用いたとしてカウントしない。
競技会規定には、次について明記しなければならない。
・3人から最大15人までの範囲で、氏名を届けることができる交代要員の数。
・(チームが認められたすべての交代要員を使いきっている、いないにかかわらず)試合が延長戦に入ったとき、さらにもう1人の交代要員が使えるかどうか。

その他の試合
各国の「A」代表チームの試合においては最大15人の交代要員の氏名を届けることができ、そのうち最大6人の交代要員を使うことができる。
その他のすべての試合においては、次の条件を満たせば、より多い数の交代要員を使うことができる。
・関係チームが交代の最大人数について合意する。
・試合前に主審に通知する。
試合前に、主審に通知されない場合、または関係チームが合意しなかった場合、各チーム最大6人まで交代することができる。

再交代(交代して退いた競技者の再出場)
再交代は、各国サッカー協会、大陸連盟またはFIFAの合意の下、ユース、年長者、障がい者およびグラスルーツのサッカーにおいてのみ用いることが認められる。

3. 交代の進め方

交代要員の氏名は、試合開始前に主審に届けられなければならない。それまでに氏名が主審に届けられていない交代要員は、試合に参加できない。

競技者が交代要員と交代する場合、次のことを守らなければならない。
・交代が行われることについて、事前に主審に通知する。
・交代して退く競技者は、
 ・既に競技のフィールド外に出ている場合を除き、主審の承認を得て、境界線の最も近い地点から競技のフィールドを離れなければならない。ただし、競技者がハーフウェーラインのところから直接すみやかに、または(例えば、安全や保安または負傷などのため)他の地点から離れるようにと、主審が示した場合を除く。
 ・すみやかにテクニカルエリアまたはロッカールームへ行かなければならない、また、再交代が認められる場合を除き、その試合に再び参加することはできない。
・交代される競技者が競技のフィールドを離れることを拒んだ場合、競技は、続けられる。
交代要員は、次の条件において競技のフィールドに入ることができる。
・プレーが停止されている。
・ハーフウェーラインのところから。
・交代によって退く競技者が競技のフィールドの外に出た。
・主審の合図を受けたのちに。
交代は、交代要員が競技のフィールドに入ったときに完了し、そのときから退出した競技者は、交代して退いた競技者となる。また、交代要員は、競技者となってプレーの再開に参加できる。
交代して退いた競技者と交代要員は、出場するしないにかかわらず、主審の権限に従い、その管轄下にある。

4. ゴールキーパーの入れ替え

ゴールキーパー以外の競技者は、次の条件でゴールキーパーと入れ替わることができる。
・入れ替わる前に主審に通知する。
・プレーの停止中に入れ替わる。

5. 反則と罰則

主審に通知することなく、氏名が届けられた競技者に代わって氏名が届けられた交代要員が先発出場した場合、
・主審は、氏名が届けられた交代要員が続けて試合に参加することを認める。
・氏名が届けられた交代要員に対して懲戒措置をとらなくてもよい。
・氏名が届けられた競技者は、氏名が届けられた交代要員となる。
・交代の数は、減らされない。
・主審は、関係機関にこの事実について報告する。
ハーフタイムのインターバル中や延長戦に入る前に交代が行われる場合、交代の手続きは、後半や延長戦のキックオフの前に完了させる。主審に通知することなく、氏名が届けられた交代要員がプレーを続けた場合、懲戒処置はとらず、このことについて関係機関に報告する。
主審の承認無く、競技者がゴールキーパーと入れ替わった場合、主審は、
・プレーを続けることを認める。
・次にボールがアウトオブプレーになったとき、両競技者を警告する。しかしながら、ハーフタイム(延長戦を含む)中、試合終了から延長戦の開始まで、またはペナルティーマークからのキックが始まるまでに入れ替わった場合においては、この限りではない。
その他の反則があったならば、
・競技者は、警告される。
・プレーが停止されたときにボールがあった位置から間接フリーキックで、プレーは、再開される。

6. 競技者と交代要員の退場

退場を命じられた競技者は、
・チームリスト提出前に退場を命じられた場合、いかなる資格があってもチームリストに氏名を届けることができない。
・チームリストに氏名が記載された後、キックオフ前に退場を命じられた競技者は、氏名が届けられた交代要員から補充することができるが、その交代要員の補充をすることはできない。また、そのチームの交代の数は、減らされない。
・キックオフ後に退場を命じられた競技者の補充は、できない。
試合開始の前後を問わず、氏名が届けられた交代要員が退場を命じられた場合、その補充は、できない。

7. 競技のフィールドにいる部外者

監督他、チームリストに氏名が記載されている役員(競技者または交代要員を除く)は、チーム役員である。競技者、交代要員またはチーム役員としてチームリストに氏名が記載されていない者は、外的要因とみなされる。
チーム役員、交代要員、交代して退いたもしくは退場となった競技者または外的要因が競技のフィールドに入った場合、主審は、次の行動を取らなければならない。
・それらがプレーを妨害しているなら、プレーを停止する。
・プレーが停止したときに、その者を競技のフィールドから退出させる。
・適切な懲戒処置をとる。
次の者がプレーを妨害しており、プレーが停止された場合、
・チーム役員、交代要員、交代して退いたもしくは退場となった競技者の場合、直接フリーキックまたはペナルティーキックによりプレーを再開する。
・外的要因による場合、ドロップボールによってプレーを再開する。
ボールがゴールに入りそうで、その妨害が、守備側競技者がプレーするのを妨げておらず、(ボールとの接触があっても)ボールがゴールに入った場合、妨害が、攻撃側チームによるものでなければ、得点を認める。

8. 競技のフィールド外の競技者

競技のフィールドに復帰するため主審の承認を必要とする競技者が主審の承認なく復帰した場合、主審は、
・プレーを停止しなければならない(ただし、競技者がプレーや審判員を妨害していない場合やアドバンテージを適用できる場合、ただちに停止する必要はない)。
・主審の承認なく競技のフィールドに入ったことで、競技者を警告しなければならない。
主審がプレーを停止した場合、プレーは、次の方法で再開されなければならない。
・妨害があった位置から直接フリーキックで
・妨害がなかった場合、プレーが停止されたときにボールがあった位置から間接フリーキックで
競技者がプレーの動きの一部として競技のフィールドの境界線を越えた場合、反則を行ったとはみなされない。

9. 得点があったときに競技のフィールドに部外者がいた場合

得点後、プレーが再開される前に、主審が、得点があったときに競技のフィールドに部外者がいたことを分かった場合、
・主審は、部外者が次の場合、得点を認めてはならない。
 ・得点したチームの競技者、交代要員、交代して退いた競技者、退場となった競技者またはチーム役員であった場合、プレーは、部外者がいた位置から直接フリーキックで再開される。
 ・外的要因であり、その者がプレーを妨害し、上記「競技のフィールドにいる部外者」で示すような得点の結果にならなかった場合、プレーは、ドロップボールで再開される。
・主審は、部外者が次の場合、得点を認めなければならない。
 ・得点されたチームの競技者、交代要員、交代して退いた競技者、退場を命じられた競技者またはチーム役員であった場合。
 ・外的要因であったが、プレーを妨害していなかった場合。
いずれの場合でも、主審は、部外者を競技のフィールドから退出させなければならない。
得点後、プレーが再開されたのち、主審が、得点があったときに競技のフィールドに部外者がいたことに気がついた場合、得点を認めなければならない。その部外者が依然競技のフィールドにいた場合、主審は、次のことをしなければならない。
・プレーを停止する。
・部外者を退出させる。
・ドロップボールまたはフリーキックで適切にプレーを再開する。
主審は、関係機関にこの事実について報告しなければならない。

10. チームキャプテン

チームのキャプテンは、なんら特別な地位や特権を与えられているものではないが、そのチームの行動についてある程度の責任を有している。

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第4条 競技者の用具 
(関連通達18.07.26)
(関連通達09.03.26)
(関連通達07.09.13)

1. 安全

競技者は危険な用具、もしくはその他のものを用いる、または身につけてはならない。
すべての装身具(ネックレス、指輪、ブレスレット、イヤリング、皮革でできたバンド、ゴムでできたバンドなど)は禁止されており、外さなければならない。装身具をテープで覆うことは、認められない。
競技者は試合開始前に、交代要員は競技のフィールドに入る前に、検査されなければならない。競技者が、認められていない危険な用具や装身具を身につけている、または用いている場合、主審は、競技者に次のことを命じなければならない。
・認められていないものを外す。
・競技者が外すことができない、またはそれを拒んだ場合、次に競技が停止されたとき、その競技者を競技のフィールドから離れさせる。
競技者が拒む、または再び身につけた場合、競技者は、警告されなければならない。

2. 基本的な用具

競技者が身につけなければならない基本的な用具は、次のものであり、それぞれに個別のものである。
・袖のあるシャツ
・ショーツ
・ソックス – テープもしくはその他の材質のものを貼りつける、または外部に着用する場合、着用する、もしくは覆う部分のソックスの色と同じものでなければならない。
・すね当て – 適切な材質でできていて、それ相応に保護することができ、ソックスで覆われていなければならない。
・靴
ゴールキーパーは、トラックスーツのパンツをはくことができる。

競技者の靴やすね当てが偶発的に脱げてしまった場合、次にボールがアウトオブプレーになる前に、できるだけ速やかに着用させなければならない。着用する前に競技者がボールをプレーする、または得点をした場合、得点を認める。

3. 色

・両チームは、お互いに、また、審判員と区別できる色の服装を着用しなければならない。
・それぞれのゴールキーパーは、他の競技者、審判員と区別できる色の服装を着用しなければならない。
・両チームのゴールキーパーのシャツが同色で、両者が他のシャツと着替えることができない場合、主審は、試合を行うことを認める。
アンダーシャツは、次のものとする。
・シャツの各袖の主たる色と同じ色で、1色とする。
または、
・シャツの各袖とまったく同じ色の柄にする。
アンダーショーツおよびタイツは、ショーツの主たる色、またはショーツの裾の部分と同じ色でなければならない。同一チームの競技者は、同色のものを着用しなければならない。

4. その他の用具

ヘッドギア、フェイスマスク、また、膝や腕のプロテクターなど危険でない保護用具で、柔らかく、パッドが入った軽い材質でできているものは、ゴールキーパーの帽子やスポーツめがねと同様に認められる。

ヘッドカバー
ヘッドカバー(ゴールキーパーの帽子を除く)を着用する場合、次のようでなければならない。
・黒またはシャツの主たる色と同じである(同一チームの競技者が着用する場合、同色のものとする)。
・競技者の用具として、見苦しくない外見である。
・シャツと一体となっていない。
・着用している競技者または他の競技者に危険を及ぼさない(例えば、首周りが開閉する構造となっている)。
・表面から突き出ている部分(突起物)がない。

電子通信
競技者(交代要員および交代して退いた競技者、退場となった競技者を含む)は、どんな形式であっても、電子もしくは通信機器(EPTSが認められる場合を除く)を身につける、または用いることが認められない。チーム役員によるあらゆる形式の電子通信機器の使用は、競技者の安全や安心・快適さに直接関係するのであれば、または戦術的もしくはコーチングの目的であれば用いることが認められる。ただし、小型で、持ち運びでき、手で携帯できる程度のものに限られる(例えば、マイク、ヘッドフォン、イヤフォン、携帯電話またはスマートウォッチ、タブレット、ラップトップPC)。認められていない機器を使用する、または電子もしくは通信機器を用いて不適切な行動を取ったチーム役員は、退場を命じられる。

電子的パフォーマンス・トラッキングシステム(EPTS)
FIFA、大陸連盟または各国サッカー協会の主催下で行われる公式競技会の試合で、電子的パフォーマンス・トラッキングシステム(EPTS)のひとつとしてウェアラブル技術(WT)が用いられる場合、競技会主催者は、競技者が着用する機器が危険でないものであり「FIFAクオリティプログラム―EPTS」のウェアラブルEPTSの要件を満たしたものとしなければならない。
テストを行う検査機関は、FIFAによって承認される必要がある。EPTSが試合や大会の主催者によって提供される場合、試合や大会の主催者は、公式競技会で行われる試合において、試合中、EPTSからの情報およびデータが確実かつ的確にテクニカルエリアに送られるようにしなければならない。
「FIFAクオリティプログラム―EPTS」は、競技会主催者が確実かつ的確に電子的パフォーマンス・トラッキングシステムを承認できることを援助する。

5. スローガン、メッセージ、イメージと広告

用具には、政治的、宗教的もしくは個人的なスローガンやメッセージまたはイメージをつけてはならない。競技者は、政治的、宗教的もしくは個人的なスローガンやメッセージまたはイメージ、製造社ロゴ以外の広告のついているアンダーシャツを見せてはならない。どのような反則であっても、競技者およびチームは、競技会の主催者や各国サッカー協会またはFIFAによって罰せられる。

原 則
・競技規則第4条は、競技者、交代要員および交代で退いた競技者が着用するすべての用具(衣服を含む)に適用される。この原則は、同様にテクニカルエリアにいるすべてのチーム役員にも適用される。
・次のものは、(通常)着用が認められる。
 ・競技者の番号、氏名、チームの紋章やロゴ、サッカーの試合やリスペクト、インテグリティの促進を主唱するスローガンやエンブレム、さらには競技会規定もしくは各国サッカー協会、大陸連盟またはFIFAの規定により認められる商業的広告
 ・試合にかかる事柄:対戦チーム、試合日、大会またはイベント、会場
・表示が認められたスローガン、メッセージまたはイメージは、シャツの前面またはアームバンド上に限られるべきである。
・スローガン、メッセージまたはイメージは、キャプテンのアームバンド上のみに表示されることが認められる場合がある。

競技規則の解釈
スローガン、メッセージまたはイメージが認められるかどうかの解釈をするとき、第12条(ファウルと不正行為)に目を向けるべきである。そこには、競技者が次の不正行為を行った場合、主審は対応する必要があるとしている。
・攻撃的な、侮辱的な、もしくは下品な発言する、または行動をとる。
・挑発するような、嘲笑するような、または相手の感情を刺激するような行動をとる。
これらの部類に入るスローガン、メッセージまたはイメージは、認められない。
「宗教的な」、または「個人的な」ものについては、比較的判断しやすいが、「政治的」なものについてはやや曖昧である。しかし、次のようなスローガン、メッセージまたはイメージは、認められない。
・生存、死去にかかわらず、個人に関するもの(公式競技会名の一部である場合を除く)
・都道府県や市町村、地域または国家レベルの政党、政治的組織、結社等
・都道府県や市町村、地域または国家政府もしくはその部局、事務所もしくは部署
・差別的な組織
・数多くの人々を傷つけようとする目的を持つ、または行動をとる組織
・特定の政治的行動やイベント
国内、国際的な大きな記念イベントを開催するとき、相手チーム(そのサポーターを含む)および一般観客に対して慎重に配慮するべきである。
競技会規定には、具体的に、表示が認められるスローガン、メッセージ、イメージおよび広告の大きさ、数、表示位置に関して、詳細な規制や制限を含めることができる。スローガン、メッセージまたはイメージに関する論議は、試合や大会が始まる前に解決しておくことが勧められる。

6. 反則と罰則

あらゆる反則に対して、プレーは停止される必要はなく、反則を行った競技者は、
・主審に競技のフィールドから離れて用具を正すように指示される。
・用具を正していなければ、プレーが停止したときに離れる。
用具を正す、または取り替えるために競技のフィールドを離れた競技者は、
・審判員に用具を点検されてから、復帰を認められる。
・主審の承認を受けて、はじめて競技のフィールドに復帰できる(承認は、プレーが進行中でも行うことができる)。
競技者が主審の承認を得ずに競技のフィールドに入った場合、競技者は、警告されなければならない。警告をするために主審がプレーを停止した場合、プレーを停止したときにボールがあった位置から行われる間接フリーキックが与えられる。ただし、妨害があって、直接フリーキック(またはペナルティーキック)が妨害の位置から与えられる場合を除く。

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第5条 主審

1. 主審の権限

各試合は、その試合に関して競技規則を施行する一切の権限を持つ主審によってコントロールされる。

2. 主審の決定

決定は、主審が競技規則および「サッカー競技の精神」に従って、その能力の最大を尽くして下し、適切な処置をとるために競技規則の枠組の範囲で与えられた裁量権を有する主審の見解に基づくものである。
プレーに関する事実についての主審の決定は、得点となったかどうか、または試合結果を含め最終である。主審およびその他すべての審判員の決定は、常にリスペクトされなければならない。
主審は、プレーを再開した後、前半または後半(延長戦を含む)終了の合図をして競技のフィールドを離れた後、または試合を中止させた後は、その直前の決定が正しくないことに気づいても、またはその他の審判員の助言を受けたとしても、再開の決定を変えることができない。しかしながら、前後半終了時に主審が競技のフィールドを離れてレフェリーレビューエリア(RRA)へ行く、または競技者に競技のフィールドへ戻るよう指示しても、これは、前後半終了前に起こった事象に対する決定の変更を妨げるものではない。
第12条3項とVAR手順に示される場合を除いて、他の審判員が反則を認識し、プレーが再開される前にその反則を主審に伝えようとした場合のみ、懲戒の罰則は、プレー再開後に行うことができる。その懲戒の罰則に応じた再開方法は、適用しない。
主審が任務の遂行が不能になった場合、プレーは、次にボールがアウトオブプレーになるまで他の審判員の監視下で続けることができる。

3. 職権と任務

主審は、
・競技規則を施行する。
・その他の審判員と協力して試合をコントロールする。
・タイムキーパーを務め、また試合の記録を取り、関係機関に審判報告書を提出する報告書には、試合前、試合中または試合後の懲戒処置やその他の出来事に関する情報が含まれる。
・プレーの再開を管理し合図する。

アドバンテージ
・反則があり、反則を行っていないチームがアドバンテージによって利益を受けそうなときは、プレーを継続させる。しかし、予期したアドバンテージがそのとき、または数秒以内に実現しなかった場合、その反則を罰する。

懲戒処置
・同時に2つ以上の反則が起きたときは、罰則、プレーの再開、負傷のひどさ、戦術的影響の面から、より重いものを罰する。
・警告または退場となる反則を行った競技者に懲戒処置をとる。
・主審は、試合前の競技のフィールド点検のために競技のフィールドに入ったときから試合(ペナルティーマークからのキックを含む)終了後に競技のフィールドを離れるまで、懲戒処置をとる権限をもつ。試合開始時に競技のフィールドに入る前に競技者が退場となる反則を行った場合、主審は、その競技者を試合に参加させないようにする権限を持つ(第3条6項参照)。主審は、その他の不正行為について報告する。
・ハーフタイムのインターバル、延長戦、ペナルティーマークからのキックが行われている間を含め、試合開始時に競技のフィールドに入ってから試合終了後までイエローカードやレッドカードを示す、また、競技会規定で認められているならば、一時的退場を命じる職権を持つ。
・責任ある態度で行動しないチーム役員に対して処置をとり、注意する、もしくはイエローカードで警告する、またはレッドカードで競技のフィールドとその周辺(テクニカルエリアを含む)から退場させる。反則を行った者を特定できない場合、テクニカルエリア内にいるより上位のコーチが罰則を受ける。退場となる反則を行ったチームのメディカルスタッフは、他にそのチームで対応できるメディカルスタッフがおらず、競技者に治療が必要な場合、とどまることができる。
・主審が見ていなかった出来事に対して、他の審判員の助言によって行動する。

負 傷
・競技者の負傷が軽い場合、ボールがアウトオブプレーになるまでプレーを続けさせる。
・競技者が重傷を負った場合、プレーを停止し、確実にその競技者を競技のフィールドから退出させる。負傷した競技者が競技のフィールド内で治療を受けることはできず、プレーが再開された後に復帰する。ボールがインプレー中はタッチラインからのみ復帰することができるが、ボールがアウトオブプレー中であれば、いずれの境界線からであっても復帰できる。競技のフィールドから退出する要件につき、次の場合のみ例外とする。
 ・ゴールキーパーが負傷したとき。
 ・ゴールキーパーとフィールドプレーヤーが衝突し、対応が必要なとき。
 ・同じチームの競技者が衝突し、対応が必要なとき。
 ・重篤な負傷が発生したとき。
 ・相手競技者が警告される、または退場を命じられるような体を用いた反則(例えば、無謀な、または著しく不正なファウルとなるチャレンジ)の結果として競技者が負傷したが、負傷の程度の判断と治療がすばやく完了できるとき。
 ・ペナルティーキックが与えられ、負傷した競技者がキッカーとなったとき。
・出血した競技者を確実に競技のフィールドから離れさせる。その競技者は、止血および用具に血液が付着していないことが十分に確認された後、主審の合図を受けてからのみ復帰できる。
・主審がメディカルスタッフまたは担架搬送者の競技のフィールドへの入場を認めた場合、競技者は、担架に乗って、または歩いて、競技のフィールドから離れなければならない。競技者が拒んだならば、反スポーツ的行為で警告されなければならない。
・主審が負傷した競技者に警告または退場を命じる決定をした後で、その競技者が治療のため競技のフィールドを離れる場合、その競技者が競技のフィールドを離れる前にカードを提示しなければならない。
・その他の理由でプレーが停止されているのではなく、また競技者の負傷が反則に起因していないのであれば、プレーは、ドロップボールにより再開される。

外部からの妨害
・あらゆる反則に対して、または外部からの何らかの妨害があった場合、試合を停止し、一時的に中断し、または中止する。例えば、
 ・照明が不十分である。
 ・観客から投げられたものが審判員もしくは競技者またはチーム役員に当たった場合、主審は、その出来事の重大さに応じ、試合を続けることもできるし、プレーを停止もしくは一時的に中断または試合を中止することもできる。
 ・観客の笛がプレーを妨害した場合、プレーは、停止され、ドロップボールにより再開される。
・試合中、試合球以外のボール、その他の物または動物が競技のフィールドに入った場合、主審は、
 - プレーが妨害された場合に限り、プレーを停止(ドロップボールにより再開)しなければならない。ただし、ボールがゴールに入りそうで、その妨害が、守備側競技者がプレーするのを妨げておらず、(ボールとの接触があっても)ボールがゴールに入った場合、妨害が攻撃側チームによるものでなければ、得点を認める。
 - プレーが妨害されなかった場合、プレーを続けさせ、できるだけ早い機会に排除させなければならない。
・認められていない者を競技のフィールドに入らせない。

4. ビデオアシスタントレフェリー(VAR)

ビデオアシスタントレフェリー(VAR)は、試合や大会の主催者がFIFAのVAR実施支援・承認プログラム(IAAP)文書に示されるIAPPの全要件を満たし、FIFAからの文書による承認を得た場合にのみ使用が認められる。
主審は、次に関する「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」の状況に限り、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)から援助を得ることができる。
・得点か得点でないか。
・ペナルティーキックかペナルティーキックでないか。
・退場(2つ目の警告によるものではない)。
・主審が、反則を行ったチームの別の競技者に警告する、または退場を命じる。

ビデオアシスタントレフェリー(VAR)は、事象のリプレーを用いて援助する。主審は、VARからの情報に基づき、または直接リプレー映像をレビュー(オンフィールドレビュー)することによってのみ最終判定を下す。
「見逃された重大な事象」を除き、主審(および、関連する「フィールドにいる」その他の審判員)は、常に判定を下さなければならない(反則の可能性があったが罰則を与えなかった場合の判断を含む)。判定は、「はっきりとした、明白な間違い」でない限り、変更することができない。

プレーが再開された後のレビュー
プレーが停止後に再開されてしまった場合、主審は、人間違いの場合、もしくは乱暴な行為、つば吐き、かみつき、または非常に攻撃的な、侮辱的な、下品な行動といった退場を命じる可能性のある反則のみをレビューし、適切な懲戒の罰則を与えることができる。

5. 主審の用具

基本的な用具
主審は、以下の用具を携行しなければならない。
・笛
・時計
・レッドカードとイエローカード
・ノート(または試合を記録するためのその他の道具)

その他の用具
主審は、以下のものを用いることが認められる。
・その他の審判員との通信のための用具、例えばブザー、ビープフラッグ、ヘッドセットなど
・電子的パフォーマンス・トラッキングシステム(EPTS)またはその他のフィットネスモニタリング機器
主審およびその他の「フィールドにいる」審判員は、装身具またはカメラを含むその他の電子機器を着用することができない。

6. 主審のシグナル

承認されている主審のシグナルについては、次の図を参照。

7. 審判員の責任

主審または他の審判員は、以下のことに法的な責任を負わない。
・競技者、役員または観客のあらゆる負傷
・すべての財産についてのあらゆる損害
・競技規則による決定もしくは試合の開催、競技、管理に必要な一般的な進め方に基づく決定によって起きた、または起きたであろうと思われる、個人、クラブ、会社、協会もしくはその他の団体に対するその他の損失
これらの決定には、以下が含まれる。
・競技のフィールドやその周辺の状態または天候の状態、試合を開催できるかできないか。
・なんらかの理由による試合を中止するかしないか。
・試合中に用いるフィールドの設備とボールの適合性に関するもの。
・観客の妨害または観客席でのなんらかの問題により、試合を停止するかしないか。
・負傷した競技者を治療のために競技のフィールドから退出させるために、プレーを停止するかしないか。
・負傷した競技者を治療のために競技のフィールドから退出させる必要があるかないか。
・競技者がある種の衣服や用具を着用することを認めるか認めないか。
・主審の権限が及ぶ場所において、いかなる者(チームまたはスタジアムの役員、警備担当者、カメラマン、その他メディア関係者を含む)の競技のフィールド周辺への立ち入りを許可するかしないか。
・競技規則またはその試合が行われるFIFA、大陸連盟、各国サッカー協会および競技会の規約や規定に示される任務に従って下されたその他の決定について。

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第6条 その他の審判員

試合には、その他の審判員(副審2人、第4の審判員、追加副審2人、リザーブ副審、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)、および、少なくとも1人のアシスタントVAR(AVAR))を任命できる。その他の審判員は、競技規則に従って試合をコントロールする主審を援助するが、最終決定は、常に主審によって下される。
主審、副審、第4の審判員、追加副審およびリザーブ副審は、「フィールドにいる」審判員である。
ビデオアシスタントレフェリー(VAR)とアシスタントVAR(AVAR)は、「ビデオ」審判員(VMO)であり、競技規則およびVAR実施手順に基づき、主審を援助する。
その他の審判員は、主審の指示に従って活動する。不法な妨害または不当な行為を行ったとき、主審は、その審判員を解任し、関係機関に報告する。
リザーブ副審を除く「フィールドにいる」審判員は、反則を主審より明らかに事象が見えている場合に主審を援助し、主審に見えなかった著しい不正行為やその他の出来事について、関係機関に報告書を提出しなければならない。作成した報告書については主審とその他の審判員に知らせなければならない。
「フィールドにいる」審判員は、主審が競技のフィールド、ボール、競技者の用具を点検するときに(既に問題が解決されている場合も含む)、また時間、得点、不正行為などの記録をするときに援助する。
競技会規定は、審判員がその職務を開始または続行することができない場合、誰が審判員と交代するのか、またこれに伴う交代について明確にしなければならない。特に、主審がその職務を続行できない場合、第4の審判員、上級の副審または上級の追加副審のうち誰が主審を務めるのかを明確にする必要がある。

1. 副審

副審は、次のときに合図をする。
・ボール全体が競技のフィールドの外に出たときに、どちらのチームがコーナーキック、ゴールキックまたはスローインを行うのか。
・オフサイドポジションにいる競技者が罰せられるとき。
・競技者の交代が要求されているとき。
・ペナルティーキックのとき、ボールがけられる前にゴールキーパーがゴールラインを離れたかどうか、またボールがゴールラインを越えたかどうか。追加副審が任命された場合、副審は、ペナルティーマークの延長線上に位置する。
副審の援助には、交代の進め方の監視も含まれる。
副審は、9.15m(10ヤード)の距離をコントロールする

2. 第4の審判員

第4の審判員の援助には、次のものも含まれる。
・交代の手続きの管理
・競技者と交代要員の用具の点検
・主審のシグナルや承認を受けたあとに、競技者を再入場
・ボール交換の管理
・前半、後半(延長戦を含む)の終了時に主審がプレーに追加しようとする最小限のアディショナルタイムの表示
・テクニカルエリアに入っている者が責任ある行動を取らなかったことについて主審へ伝達

3. 追加副審

追加副審は、次のときに合図できる。
・得点を含め、ボールの全体が、ゴールラインを越えたとき。
・どちらのチームがコーナーキックやゴールキックを行うのか。
・ペナルティーキックのとき、ボールがけられる前にゴールキーパーがゴールラインを離れたかどうか、およびボールがゴールラインを越えたかどうか。

4. リザーブ副審

リザーブ副審の唯一の任務は、職務を続行することができなくなった副審または第4の審判員と交代することである。

5. ビデオ審判員

ビデオアシスタントレフェリー(VAR)は、得点か得点でないか、ペナルティーキックかペナルティーキックでないか、退場(2つ目の警告によるものは含まない)、または主審が警告もしくは退場を命じたときに反則を行ったチームの競技者を間違えた状況に関する「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」に限り、リプレー映像を用いて主審が判定するのを援助する審判員である。
アシスタントVAR(AVAR)は、主として次に関してVARを手助けする審判員である。
・VARが「チェック」や「レビュー」で手がふさがっているとき、テレビ映像を監視する。
・VARが関わった事象、通信や技術的問題発生に関する記録をとる。
・VARと主審との通信を援助する、特にVARがチェックやレビュー時、例えば、主審に「プレーを止める」、「再開を遅らせる」などと伝える。
・「チェック」や「レビュー」でプレーが遅延したときに「空費」された時間を記録する。
・VARが関わった判定に関する情報を関係者に連絡する。

6. 副審のシグナル

承認されている副審のシグナルについては、図を参照。

7. 追加副審のシグナル

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第7条 試合時間 
(関連通達11.07.05)
(関連通達11.04.22)
(関連通達09.11.12)

1. プレー時間

試合は、前半、後半共に45分間行われる。プレーの開始前に主審と両チームが合意した場合に限りプレー時間の長さを短縮することができ、それは、競技会規定に従ったものでなければならない。

2. ハーフタイムのインターバル

競技者には、15分間を超えない範囲でハーフタイムのインターバルを取る権利がある。延長戦のハーフタイムのインターバルでは、短時間(1分間を超えるべきではない)の水分補給時間を取ることが認められる。競技会規定には、ハーフタイムのインターバル時間を規定し、それは主審の承認があった場合にのみ変更できる。

3. 空費された時間の追加

主審は、以下のように前半、後半に空費されたすべてのプレーイングタイムを追加する。
・競技者の交代
・負傷した競技者の負傷の程度の判断や競技のフィールドからの退出
・時間の浪費
・懲戒の罰則
・「飲水」タイム(1分間を超えるべきではない)や「クーリング」ブレーク(90秒間から3分間で)など、競技会規定で認められる医療上の理由による停止
・VARのチェックやレビューに関わる遅延
・プレーの再開を著しく遅らせる行為(例えば、得点の喜び)を含む、その他の理由

第4の審判員は、前半、後半の最後に、主審によって決定された最小限のアディショナルタイムを表示する。主審は、アディショナルタイムを増やすことはできるが、減らすことはできない。
前半に時間計測を間違えたとしても、主審は、後半の時間の長さを変えることによって埋め合わせをしてはならない。

4. ペナルティーキック

ペナルティーキックを行う、または再び行う場合、ペナルティーキックが完了するまで、前半、後半は、延長される。

5. 中止された試合

競技会規定、または主催者が定める場合を除き、中止された試合は、再び行われる。

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第8条 プレーの開始および再開

試合の前半、後半、延長戦の前半、後半の開始、および得点があった後のプレーは、キックオフによって行われる。(直接または間接)フリーキック、ペナルティーキック、スローイン、ゴールキックおよびコーナーキックは、その他の再開方法である(第13~17条参照)。主審がプレーを停止し、この条で定められた上記の再開方法が当てはまらない場合、ドロップボールで再開する。
ボールがインプレーでないときに反則が起きた場合、プレーの再開方法は、変更しない。

1. キックオフ

進め方
・主審がコインをトスし、トスに勝ったチームが、前半にどちらのゴールを攻めるのか、またはキックオフを行うのかを決める。
・この結果により、相手チームがキックオフを行うのか、または前半にどちらのゴールを攻めるのかを決める。
・前半にどちらのゴールを攻めるのかを決めたチームは、後半開始のキックオフを行う。
・試合の後半には、両チームは、エンドを替え、反対のゴールを攻める。
・一方のチームが得点したのち、他方のチームがキックオフを行う。
すべてのキックオフにおいて、
・キックオフを行う競技者を除いて、すべての競技者は、競技のフィールドの自分たちのハーフ内にいなければならない。
・キックオフをするチームの相手競技者は、ボールがインプレーになるまで少なくとも9.15m(10ヤード)ボールから離れなければならない。
・ボールは、センターマーク上に静止していなければならない。
・主審が合図する。
・ボールは、けられて明らかに動いたときインプレーとなる。
・キックオフから相手競技者のゴールに直接得点することができる。ボールがキッカー側のゴールに直接入った場合、相手競技者にコーナーキックが与えられる。

反則と罰則
他の競技者がボールに触れる前にキッカーがボールに再び触れた場合、間接フリーキックが与えられる。ハンドの反則の場合、直接フリーキックが与えられる。
キックオフの進め方に対して、その他の反則があった場合、キックオフを再び行う。

2. ドロップボール

進め方
・次の状況でプレーが停止された場合、ボールは、ペナルティーエリア内で守備側チームのゴールキーパーにドロップされる。
 ・ボールがペナルティーエリア内にあった。または、
 ・ボールが最後に触れられたのがペナルティーエリア内であった。
・その他のすべてのケースにおいて、主審は、ボールが最後に競技者、外的要因または審判員(第9条1項に示される)に触れた位置で、最後にボールに触れたチームの競技者の1人にボールをドロップする。
・(両チームの)他のすべての競技者は、ボールがインプレーになるまで少なくとも4m(4.5ヤード)ボールから離れていなければならない。
ボールがグラウンドに触れたときに、ボールは、インプレーとなる。

反則と罰則
次の場合、ボールを再びドロップする。
・ボールがグラウンドに触れる前に競技者がボールに触れる。
・ボールがグラウンドに触れたのち、競技者に触れることなく競技のフィールドの外に出る。
ドロップされたボールが少なくとも2人の競技者に触れることなくゴールに入った場合、プレーは、次のように再開される。
・ボールが相手競技者のゴールに入った場合は、ゴールキック
・ボールがそのチームのゴールに入った場合は、コーナーキック

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第9条 ボールインプレーおよびボールアウトオブプレー

1. ボールアウトオブプレー

ボールは、次のときにアウトオブプレーとなる。
・グラウンド上または空中で、ボールがゴールラインまたはタッチラインを完全に越えた。
・主審がプレーを停止した。
・ボールが審判員に触れ、競技のフィールド内にあり、次のようになった場合、
 ・チームが大きなチャンスとなる攻撃を始める。または、
 ・ボールが直接ゴールに入る。または、
 ・ボールを保持するチームが替わる。
こうしたすべてのケースでは、プレーは、ドロップボールによって再開される。

2. ボールインプレー

ボールは、審判員に触れる、またはゴールポスト、クロスバー、コーナーフラッグポストからはね返って競技のフィールド内にある場合も常にインプレーである。

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第10条 試合結果の決定

1. 得点

ゴールポストの間とクロスバーの下でボールの全体がゴールラインを越えたとき、ゴールにボールを入れたチームが反則を行っていなければ、1得点となる。
ゴールキーパーが相手のゴールにボールを直接投げ入れた場合、ゴールキックが与えられる。
ボールが完全にゴールラインを越える前に主審がゴールの合図をした場合、プレーは、ドロップボールによって再開される。

2. 勝利チーム

より多く得点したチームを勝ちとする。両チームが無得点または同点の場合、試合は、引き分けである。
試合またはホームアンドアウェーの対戦が終了し、競技会規定として勝者を決定する必要がある場合、次の方法のみが認められる。
・アウェーゴールルール
・それぞれ15分以内で同じ時間の前半と後半からなる延長戦
・ペナルティーマークからのキック
上記の方法を組み合わせることができる。

3. ペナルティーマークからのキック

試合後にペナルティーマークからのキックが行われるときも、他に規定されていない限り、競技規則の関係諸条項が適用される。試合中に退場を命じられた競技者のキックへの参加は認められないが、試合中に示された注意や警告は、キックに繰り越されない。

進め方
ペナルティーマークからのキックの開始前
・主審は、その他に考慮するべきこと(例えば、グラウンド状態、安全など)がない限り、コインをトスしてキックを行うゴールを決定する。そのゴールは、安全上の理由、またはゴールもしくはフィールドの表面が使用できなくなった場合に限り変えることができる。
・主審は、再度コインをトスし、トスに勝ったチームが先にけるか後にけるかを決める。
・プレーを続けられなくなったゴールキーパーに代わる交代要員を除いて、試合終了時に競技のフィールドにいた競技者または一時的に(負傷、用具を正すためなどで)競技のフィールドから離れていた競技者のみにペナルティーマークからのキックを行う資格がある。
・それぞれのチームが参加資格のある競技者からキッカーを選び、キックを行う順番を決める。順番を主審に通知する必要はない。
・試合が終了したとき、ペナルティーマークからのキックを行う前、または進行中に、一方のチームの競技者数が相手チームより多くなった場合、競技者のより多いチームは、相手競技者数と等しくなるように競技者数を減らし、除外するそれぞれの競技者の氏名と番号を主審に通知しなければならない。除外された競技者は、キックに参加する資格がない、ペナルティーマークからのキックの前または進行中にゴールキーパーがプレーを続けられなくなったとき、競技者数を等しくするために除外された競技者とゴールキーパーが入れ替わることができる。また、そのチームが競技会規定に定められた最大数の交代を完了していなければ、氏名が届けられている交代要員と交代できる。退いたゴールキーパーは、それ以降ペナルティーマークからのキックに参加できず、キッカーを務めることもできない。
・ゴールキーパーが既にキックを行っていた場合、入れ替わって参加したゴールキーパーは、次の一巡までキックを行うことができない。
ペナルティーマークからのキックの進行中
・資格のある競技者と審判員のみが競技のフィールドの中にいることができる。
・キッカーと両ゴールキーパー以外、すべての資格のある競技者は、センターサークルの中にいなければならない。
・キッカー側のゴールキーパーは、競技のフィールドの中で、ペナルティーエリアの外で、ゴールラインとペナルティーエリアの境界線との交点のゴールライン上にいなければならない。
・資格のある競技者は、ゴールキーパーと入れ替わることができる。
・キックは、ボールの動きが止まったとき、ボールがアウトオブプレーになったとき、または反則があって主審がプレーを停止したときに完了する。キッカーがボールを再びプレーすることはできない。
・主審は、キックの結果を記録する。
・ゴールキーパーが反則を行い、その結果キックを再び行うことになった場合、1度目の反則であったなら、ゴールキーパーは注意され、その後も反則を行ったならば、警告される。
・主審がキックを行うよう合図した後に行った反則でキッカーが罰せられる場合、そのキックは失敗として記録され、キッカーは警告される。
・ゴールキーパーとキッカーの両方が同時に反則を行った場合、キックは失敗として記録され、キッカーは警告される。
次の条件に従って、両チームが5本ずつのキックを行う
・キックは、両チーム交互に行われる。
・それぞれのキックは、異なる競技者によって行われ、資格あるすべての競技者がキックを行わなければならない。その後は、いずれの競技者でも2本目のキックを行うことができる。
・両チームが5本のキックを行う以前に他方が5本のキックを行ってもあげることができない得点を一方のチームがあげた場合、以後のキックは行われない。
・5本ずつのキックを行ったのち、両チームの得点が同じ場合、同数のキックで一方のチームが他方より多く得点するまで、キックは続けられる。
・上記の基本原則はその後続けて行われるキックにも適用されるが、チームはキッカーの順番を変更することができる。
・ペナルティーマークからのキックは、競技者が競技のフィールドから離れたことで遅らせてはならない。競技者がキックを行うまでに復帰しない場合、その競技者のキックは、無効(無得点)となる。
ペナルティーマークからのキックが進行中の交代および退場
・競技者、交代要員、交代して退いた競技者またはチーム役員は、警告される、または退場を命じられることがある。
・退場になったゴールキーパーは、他の資格のある競技者と入れ替わらなければならない。
・プレーを継続できなくなったゴールキーパー以外の競技者は、他の競技者と入れ替わることができない。
・一方のチームの競技者が7人未満となった場合でも、主審は、試合を中止してはならない。

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第11条 オフサイド 
(関連通達22.08.31)

1. オフサイドポジション

オフサイドポジションにいることは、反則ではない。
競技者は、次の場合、オフサイドポジションにいることになる。
・頭、胴体もしくは足の一部でも、相手競技者のハーフ内にある(ハーフウェーラインを除く)。そして、
・競技者の頭、胴体もしくは足の一部でも、ボールおよび後方から2人目の相手競技者より相手競技者のゴールラインに近い位置にある。
ゴールキーパーを含むすべての競技者の手や腕は、含まれない。オフサイドの反則を判定するにあたり、腕の上限は、脇の下の最も奥の位置までのところとする。
競技者は、次と同じレベルにいる場合、オフサイドポジションにいないことになる。
・後方から2人目の相手競技者、または、
・最後方にいる2人の相手競技者

2. オフサイドの反則

ボールが味方競技者によってプレーされたか触れられた瞬間にオフサイドポジションにいる競技者は、次のいずれかによってそのときのプレーにかかわっている場合にのみ罰せられる。
・味方競技者がパスした、もしくは触れたボールをプレーする、または触れることによってプレーを妨害する。または、
・次のいずれかによって相手競技者を妨害する。
 ・明らかに相手競技者の視線をさえぎることによって、相手競技者がボールをプレーする、もしくは、プレーする可能性を妨げる。または、
 ・ボールに向かう相手競技者にチャレンジする。または、
 ボールを「プレーした」か「触れた」最初のコンタクトポイントを用いるべきである。
 ・自分の近くにあるボールを明らかにプレーしようと試みており、この行動が相手競技者に影響を与える。または、
 ・相手競技者がボールをプレーする可能性に影響を与えるような明らかな行動をとる。
または、
・その位置にいることによって、次の場合に、ボールをプレーして利益を得る、または相手競技者を妨害する。
 ・ボールが、ゴールポスト、クロスバー、審判員もしくは相手競技者からはね返った、またはそれらに当たって方向が変わってきた。
 ・相手競技者によって意図的にセーブされた。
オフサイドポジションにいる競技者は、相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けたとき、意図的なハンドの反則を行った場合も含め、利益を得ているとはみなされない。ただし、意図的なセーブからのボールを除く。
「セーブ」とは、ゴールに入りそうな、またはゴールに近づいたボールを競技者が手や腕(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが触れた場合を除く)以外の体のいずれかの部分を用いて止める、または止めようとすることである。
その他の状況として、
・オフサイドポジションから移動した、またはオフサイドポジションに立っていた競技者が相手競技者の進路上にいて相手競技者がボールに向かう動きを妨げた場合、それにより相手競技者がボールをプレーできるかまたはチャレンジできるかどうかに影響を与えていれば、オフサイドの反則となる。その競技者が相手競技者の進路上にいて(相手競技者をブロックするなど)相手競技者の進行を妨げていた場合、その反則は、第12条に基づいて罰せられるべきである。
・オフサイドポジションにいる競技者がボールをプレーする意図をもってボールの方へ動いたが、ボールをプレーする、プレーしようとする、もしくはボールへ向かう相手競技者にチャレンジする前にファウルされた場合、オフサイドの反則より前に起こったファウルが罰せられる。
・オフサイドポジションにいた競技者が既にボールをプレーした、もしくはプレーしようとした、またはボールへ向かう相手競技者にチャレンジした後に、この競技者に対して反則があったならば、ファウルとなるチャレンジより前に起こっているオフサイドの反則が罰せられる。

3. オフサイドの反則ではないケース

競技者が次のことからボールを直接受けたとき、オフサイドの反則にはならない。
・ゴールキック
・スローイン
・コーナーキック

4. 反則と罰則

オフサイドの反則があった場合、主審は、その競技者のハーフであっても、反則が起きたところから行われる間接フリーキックを与える。
主審の承認なく競技のフィールドを離れた守備側競技者は、オフサイドの判断において、プレーが次に停止されるまで、または守備側チームがボールをハーフウェーラインに向かってプレーし、ボールが自分たちのペナルティーエリアから出るまで、ゴールラインかタッチライン上にいるものとみなされる。その競技者が意図的に競技のフィールドを離れた場合、ボールが次にアウトオブプレーになったとき警告されなければならない。
攻撃側競技者は、そのときのプレーにかかわらないようにするため、競技のフィールドの外に踏み出る、または外にとどまることができる。次にプレーが停止する、または守備側チームがボールをハーフウェーラインに向かってプレーしてペナルティーエリアから出るまでに、その競技者がゴールラインから復帰してプレーにかかわった場合、オフサイドの判断のため、その競技者は、ゴールライン上にいたとみなされる。意図的に競技のフィールドから離れた競技者が主審の承認なしに復帰し、オフサイドで罰せられず利益を得た場合、警告されなければならない。
ボールがゴールに入ったとき攻撃側競技者がゴールポスト間のゴール内で動かずにいた場合、得点は、認められなければならない。ただし、その競技者がオフサイドの反則または第12条の反則を行っていた場合、プレーは、間接または直接フリーキックで再開される。

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第12条 ファウルと不正行為

ボールがインプレー中に反則があった場合にのみ、直接、間接フリーキックまたはペナルティーキックを与えることができる。

1. 直接フリーキック

競技者が次の反則のいずれかを相手競技者に対して不用意に、無謀に、または過剰な力で行ったと主審が判断した場合、直接フリーキックが与えられる。
・チャージする。
・飛びかかる。
・ける、またはけろうとする。
・押す。
・打つ、または打とうとする(頭突きを含む)。
・タックルする、またはチャレンジする。
・つまずかせる、またはつまずかせようとする。
身体的接触を伴う反則が起きたときは、直接フリーキックまたはペナルティーキックで罰せられる。
・不用意とは、競技者が相手にチャレンジするときに注意もしくは配慮が欠けていると判断される、または慎重さを欠いて行動すること。懲戒の罰則は、必要ない。
・無謀とは、競技者が相手競技者にとって危険になる、または結果的にそうなることを無視して行動することで、警告されなければならない。
・過剰な力を用いるとは、競技者が必要以上の力を用いる、または相手競技者の安全を脅かすことで、退場が命じられなければならない。
競技者が次の反則のいずれかを行った場合、直接フリーキックが与えられる。
・ハンドの反則を行う(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが手や腕でボールに触れた場合を除く)。
・相手競技者を押さえる。
・身体的接触によって相手競技者を妨げる。
・チームリストに記載されている者もしくは審判員をかむ、またはこれらに向かってつばを吐く。
・ボール、相手競技者もしくは審判員に向かって物を投げる、または持った物でボールに触れる。
第3条の反則についても参照する。

ボールを手や腕で扱う
ハンドの反則を判定するにあたり、腕の上限は、脇の下の最も奥の位置までのところとする。競技者の手や腕にボールが触れることのすべてが、反則にはならない。
競技者が次のことを行った場合、反則となる。
・例えば手や腕をボールの方向に動かし、意図的に手や腕でボールに触れる。
・手や腕で体を不自然に大きくして、手や腕でボールに触れる。手や腕の位置が、その状況における競技者の体の動きによるものではなく、また、競技者の体の動きから正当ではないと判断された場合、競技者は、不自然に体を大きくしたとみなされる。競技者の手や腕がそのような位置にあったならば、手や腕にボールが当たりハンドの反則で罰せられるリスクがある。
・相手チームのゴールに次のように得点する。
 ・偶発的であっても、ゴールキーパーを含め、自分の手や腕から直接。
 ・偶発的であっても、ボールが自分の手や腕に触れた直後に。
ゴールキーパーは、自分のペナルティーエリア外でボールを手や腕で扱うことについて、他の競技者と同様に制限される。ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、認められていないにもかかわらず手や腕でボールを扱った場合、間接フリーキックが与えられるが、懲戒の罰則は与えられない。しかしながら、プレーが再開された後、他の競技者が触れる前にゴールキーパーが再びボールを触れる反則の場合(手や腕による、よらないにかかわらず)、相手の大きなチャンスとなる攻撃を阻止した、または相手の得点や決定的な得点の機会を阻止したのであれば、懲戒の罰則が与えられる。

2. 間接フリーキック

競技者が次のことを行った場合、間接フリーキックが与えられる。
・危険な方法でプレーする。
・身体的接触を伴わずに、相手競技者の進行を妨げる。
・異議を示す、攻撃的、侮辱的、もしくは下品な発言や行動をとる、または言葉による反則を行う。
・ゴールキーパーがボールを手から放すのを妨げる、または、ゴールキーパーがボールを放す過程でボールをける、またはけろうとする。
・(フリーキックやゴールキックのときも含め)ゴールキーパーが手でボールに触れる触れないにかかわらず、競技規則の裏をかいて、頭、胸、膝などを用いボールがゴールキーパーにパスできるよう、意図的なトリックを企てる。ゴールキーパーが意図的なトリックを企てていたならばゴールキーパーが罰せられる。
・競技者を警告する、または退場させるためにプレーを停止することになる競技規則に規定されていない反則を行う。

ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、次の反則のいずれかを行った場合、間接フリーキックが与えられる。
・ボールを放すまでに、手や腕で6秒を超えてコントロールする。
・ボールを手放した後、他の競技者がボールに触れる前に、手や腕でボールに触れる。
・次のような状況で、ボールを手や腕で触れる。ただし、ゴールキーパーがボールをプレーに戻すため、明らかにボールをける、またはけろうとした場合を除く。
 ・ボールが味方競技者によって意図的にゴールキーパーにキックされる。
 ・味方競技者によってスローインされたボールを直接受ける。
ゴールキーパーがボールを手でコントロールしていると判断されるのは、次のときである。
・ボールがゴールキーパーの両手で持たれているとき、またはボールがゴールキーパーの手と他のもの(例えば、グラウンド、自分の体)との間にあるとき、ボールに手や腕のいずれかの部分で触れているとき。ただし、ボールがゴールキーパーからはね返った、またはゴールキーパーがセーブした場合を除く。
・ゴールキーパーが広げた手のひらでボールを持っているとき。
・ボールを地面にバウンドさせる、または空中に投げ上げたとき。
ゴールキーパーが手でボールをコントロールしているとき、相手競技者は、ゴールキーパーにチャレンジすることができない。

危険な方法でのプレー
危険な方法でプレーすることとは、ボールをプレーしようとするとき、(自分を含む)競技者を負傷させることになるすべての行動であり、近くにいる相手競技者が負傷を恐れてプレーできないようにすることも含む。
シザーズキックまたはバイシクルキックは、相手競技者に危険でない限り、行うことができる。

身体的接触なしで相手競技者の進行を妨げる
相手競技者の進行を妨げるとは、ボールが両競技者のプレーできる距離内にないとき、相手競技者の進路に入り込み、その進行を妨げる、ブロックする、スピードを落とさせる、進行方向の変更を余儀なくさせることである。
すべての競技者は、競技のフィールドにおいてそれぞれ自分のポジションをとることができる。相手競技者の進路上にいることは、相手競技者の進路に入り込むことと同じではない。
競技者が、相手競技者とボールの間に自らを置くことは、ボールがプレーできる距離にあり、相手競技者を手や体で押さえていない限り、反則ではない。ボールがプレーできる距離にある場合、その競技者は、正しい方法で相手競技者にチャージされることがある。

3. 懲戒処置

主審は、試合前の競技のフィールド点検のために競技のフィールドに入ったときから試合(ペナルティーマークからのキックを含む)の終了後に競技のフィールドを離れるまで、懲戒処置をとる権限をもつ。
試合開始のため競技のフィールドに入る前に競技者またはチーム役員が退場となる反則を行った場合、主審は、その競技者またはチーム役員を試合に参加させない権限を持つ(第3条6項を参照)。主審は、その他の不正行為について報告する。
競技のフィールドの内外にかかわらず警告もしくは退場となる反則を行った競技者またはチーム役員は、その反則に従って懲戒される。
イエローカードは警告されたことを知らせるため、レッドカードは退場が命じられたことを知らせるために用いられる。
競技者、交代要員、交代して退いた競技者またはチーム役員のみにレッドカードまたはイエローカードを示すことができる。

競技者、交代要員、交代して退いた競技者

カードを示すためにプレーの再開を遅らせる
主審が警告または退場と判断した場合、懲戒の罰則の処置をし終えるまでプレーを再開させてはならない。ただし、主審が懲戒の罰則の手続きを始めておらず、反則を行っていないチームがすばやくフリーキックを行って、明らかな得点の機会を得た場合を除く。懲戒の罰則の処置は、次にプレーが停止されたときに行われる。なお、反則が相手チームの決定的な得点の機会を阻止したものであった場合、競技者は、警告されることになり、相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止したものであった場合、競技者は、警告されない。

アドバンテージ
警告や退場となるべき反則に対して主審がアドバンテージを適用したとき、この警告や退場処置は、次にボールがアウトオブプレーになったときに行われなければならない。しかしながら、反則が相手チームの決定的得点の機会を阻止するものであった場合、競技者は、反スポーツ的行為で警告され、反則が大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止したものであった場合、警告されない。

明らかな得点の機会を除き、著しく不正なプレー、乱暴な行為または2つ目の警告となる反則を含む状況で、アドバンテージを適用するべきでない。アドバンテージを適用した場合、主審は次にボールがアウトオブプレーになったとき、その競技者に退場を命じなければならないが、競技者がボールをプレーする、もしくは相手競技者にチャレンジする、または妨害した場合、主審は、プレーを停止し、競技者を退場させ、間接フリーキックでプレーを再開する。ただし、その競技者がより重い反則を行った場合を除く。
守備側競技者がペナルティーエリアの外で攻撃側競技者を押さえ、そのままペナルティーエリア内でも押さえていた場合、主審は、ペナルティーキックを与えなければならない。

警告となる反則
競技者は、次の場合、警告される。
・プレーの再開を遅らせる。
・言葉または行動により異議を示す。
・主審の承認を得ず、競技のフィールドに入る、復帰する、または意図的に競技のフィールドから離れる。
・ドロップボール、コーナーキック、フリーキックまたはスローインでプレーが再開されるときに規定の距離を守らない。
・繰り返し反則する(「繰り返し」の定義に明確な回数や反則のパターンは、ない)。
・反スポーツ的行為を行う。
・レフェリーレビューエリア(RRA)に入る。
・(主審がレビューのために用いる)TVシグナルを過度に示す。
交代要員または交代して退いた競技者は、次の場合、警告される。
・プレーの再開を遅らせる。
・言葉または行動による異議を示す。
・主審の承認を得ず、競技のフィールドに入る、または復帰する。
・反スポーツ的行為を行う。
・レフェリーレビューエリア(RRA)に入る。
・(主審がレビューのために用いる)TVシグナルを過度に示す。
別々に2つの警告となる反則が起きたならば(2つが近接している場合であっても)、2つの警告となる反則が行われたとするべきである。例えば、競技者が必要な承認を得ずにフィールドに入り、無謀にタックルをする、またはファウルやハンドの反則などで相手の大きなチャンスとなる攻撃を阻止した場合である。

反スポーツ的行為に対する警告
競技者が反スポーツ的行為で警告されなければならない状況は、様々である。例えば競技者が、
・負傷を装う、またはファウルをされたふりをする(シミュレーション)などで主審を騙そうとする。
・プレー中、または主審の承認を得ずにゴールキーパーと入れ替わる(第3条参照)。
・直接フリーキックとなる反則を無謀に行う。
・相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止するためにボールを手や腕で扱う。
・相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止するためにいかなる反則を行う。ただし、ボールをプレーしようと試みて反則を行い、主審がペナルティーキックを与えた場合を除く。
・ボールをプレーしようと試みて反則を行い相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与える。
・(その試みが成功しようとしまいと)ボールを手や腕で扱って得点をしようと試みる、または得点を阻止しようと試みて失敗する。
・競技のフィールドに認められないマークを描く。
・競技のフィールドから離れる承認を得たのち、競技のフィールドから出る途中でボールをプレーする。
・試合にとってリスペクトに欠ける行為を行う。
・(フリーキックやゴールキックのときも含め)ゴールキーパーが手でボールに触れる触れないにかかわらず、競技規則の裏をかいて、頭、胸、膝などを用いボールがゴールキーパーにパスできるよう意図的なトリックを企てる。ゴールキーパーが意図的なトリックを企てていたならば、ゴールキーパーが罰せられる。
・プレー中、または再開のときに言葉で相手競技者を惑わす。

得点の喜び
競技者は、得点をしたときに喜ぶことはできるが、その表現は、過度になってはならない。
あらかじめ演出されたパフォーマンスは、勧められず、時間をかけ過ぎてはならない。
得点の喜びのために競技のフィールドを離れることは、警告の反則ではない。しかし、競技者は、できるだけ早く競技のフィールドに戻るべきである。
次の場合、競技者は、得点が認められなかったとしても警告されなければならない。
・安全や警備に問題が生じるような方法で、ピッチ外周フェンスによじ登る、または観客に近づく。
・挑発する、嘲笑する、または相手の感情を刺激するように行動する。
・マスクや同様のものを顔や頭に被る。
・シャツを脱ぐ、シャツを頭に被る。

プレーの再開を遅らせる
主審は、次のようにプレーの再開を遅らせる競技者を警告しなければならない。
・スローインを行おうとしたが、急に味方競技者の1人にスローインを任せる。
・交代が行われるとき、競技のフィールドから離れることを遅らせる。
・過度に再開を遅らせる。
・主審がプレーを停止したのち、ボールを遠くへける、もしくはボールを手で持ち去る、または意図的にボールに触れて対立を引き起こす。
・フリーキックをやり直させるようにするため、違った場所からフリーキックを行う。

退場となる反則
競技者、交代要員または交代して退いた競技者は、次の反則のいずれかを行った場合、退場を命じられる。
・ハンドの反則を行い、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止する(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが手や腕でボールに触れた場合を除く)。
・フリーキックで罰せられる反則を行い、全体的にその反則を行った競技者のゴールに向かって動いている相手競技者の得点または決定的な得点の機会を阻止する(以下の「得点または決定的な得点の機会の阻止」に規定される警告の場合を除く)。
・著しく不正なプレーを行う。
・人をかむ、または人につばを吐く。
・乱暴な行為を行う。
・攻撃的な、侮辱的な、もしくは下品な発言をする、または行動をとる。
・同じ試合の中で2つ目の警告を受ける。
・ビデオオペレーションルーム(VOR)に入る。
退場を命じられた競技者、交代要員または交代して退いた競技者は、競技のフィールド周辺およびテクニカルエリアから離れなければならない。

得点または決定的な得点の機会の阻止(DOGSO)
競技者が相手競技者に対して反則を行い、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合、その反則がボールをプレーしようと試みて行われた反則だった場合、反則を行った競技者は、警告される。それ以外のあらゆる状況(押さえる、引っぱる、押す、またはボールをプレーする可能性がないなど)においては、反則を行った競技者は、退場させられなければならない。
競技者が、ハンドの反則により、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止した場合、反則が起きた場所にかかわらず、その競技者は、退場を命じられる(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが手や腕でボールに触れた場合を除く)。
競技者、退場となった競技者、交代要員または交代して退いた競技者が主審から必要な承認を得ることなく競技のフィールドに入り、プレーまたは相手競技者を妨害し、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止した場合、退場の対象となる反則を行ったことになる。
次の状況を考慮に入れなければならない。
・反則とゴールとの距離
・全体的なプレーの方向
・ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
・守備側競技者の位置と数

著しく不正なプレー
相手競技者の安全を脅かすタックルをする、もしくはチャレンジする、または過剰な力を用いる、もしくは粗暴な行為を行った場合、著しく不正なプレーを行ったことで罰せられなければならない。
いかなる競技者もボールにチャレンジするときに、過剰な力や相手競技者の安全を脅かす方法で、相手競技者に対し片足もしくは両足を使って前、横または後ろから突進した場合、著しく不正なプレーを行ったことになる。

乱暴な行為
乱暴な行為とは、身体的接触のあるなしにかかわらず、競技者がボールにチャレンジしていないときに相手競技者に対して、または味方競技者、チーム役員、審判員、観客もしくはその他の者に対して過剰な力を用いる、粗暴な行為を行う、または行おうとすることである。
加えて、競技者がボールにチャレンジしていないとき、意図的に相手競技者やその他の者の頭や顔を手や腕で打つ場合、その力が微小なものでない限り、乱暴な行為を行ったことになる。

チーム役員
反則があり、その反則を行った者を特定できない場合、テクニカルエリア内にいる上位のコーチが罰則を受ける。

注 意
通常、次の反則については注意となるが、繰り返して、または露骨に行った場合は、警告または退場とするべきである。
・リスペクトある、または対立的ではない態度で、競技のフィールドに入る。
・副審や第4の審判員の指示または要求を無視するなど、審判員に協力しない。
・決定に対して軽度の不満を示す(言葉や行動により)。
・他の反則を行うことなく、時折テクニカルエリアから出る。

警 告
警告となる反則は、次のとおりである(ただし、これらに限らない)。
・明らかに、または繰り返して自分のチームのテクニカルエリアから出る。
・自分のチームのプレーの再開を遅らせる。
・意図的に相手チームのテクニカルエリアに入る(対立的ではなく)。
・言葉や行動により異議を示す。例えば、
 ・ドリンクボトルやその他の物を投げる、またはける。
 ・審判員に対するリスペクトを明らかに欠いた行動をとる(皮肉な拍手などで)。
・レフェリーレビューエリア(RRA)に入る。
・過度に、または繰り返し、レッドカードやイエローカードを求める身振りをする。
・VARレビューのために用いるTVシグナルを過度に示す。
・挑発するような、または相手の感情を刺激するような行動をとる。
・容認できない行為を繰り返し行う(注意となる反則を繰り返すことを含む)。
・試合にとってリスペクトに欠ける行為を行う。

退 場
退場となる反則は、次のとおりである(ただし、これらに限らない)。
・ボールを放さない、ボールを遠くへける、競技者の動きをさえぎるなどで、相手チームのプレーの再開を遅らせる。
・意図的にテクニカルエリアを出て、次のことを行う。
 ・審判員に対して異議を示す、または抗議する。
 ・挑発するような、または相手の感情を刺激するような行動をとる。
・攻撃的または対立的な態度で相手チームのテクニカルエリアに入る。
・競技のフィールドに物を意図的に投げ入れる、またはけり込む。
・競技のフィールドに入り、次のことを行う。
 ・審判員と対立する(ハーフタイムと試合終了後を含む)。
 ・プレー、相手競技者または審判員を妨害する。
・ビデオオペレーションルーム(VOR)に入る。
・相手競技者、交代要員、チーム役員、審判員、観客またはその他の人(ボールパーソン、警備員、競技会役員など)に対する身体的または攻撃的な行動をとる(つばを吐く、かみつくなど)。
・同じ試合の中で2つ目の警告を受ける。
・攻撃的な、侮辱的な、もしくは下品な発言をする、または行動をとる。
・認められていない電子機器や通信機器を使用する、または電子機器や通信機器を使用して不適切な行動をとる。
・乱暴な行為を行う。

物(またはボール)を投げる反則
すべての場合において、主審は、懲戒処置を適切にとる。
・無謀な場合 - 反スポーツ的行為として警告する。
・過剰な力を用いた場合 - 乱暴な行為として退場を命じる。

4. ファウルや不正行為の後のプレーの再開

ボールがアウトオブプレーの場合、その前の判定に基づき再開される。ボールがインプレー中、競技者が競技のフィールド内で体を用いた反則を行った場合、
・相手競技者に対する反則の場合 - 間接フリーキック、直接フリーキックまたはペナルティーキック。
・味方競技者、交代要員、交代して退いたもしくは退場となった競技者、チーム役員または審判員に対する反則の場合 - 直接フリーキックまたはペナルティーキック。
言葉による反則は、すべて間接フリーキックとなる。
競技のフィールドの内外にかかわらず競技者が外的要因に対して反則を行い、主審がプレーを停止したならば、主審の承認なく競技のフィールドから離れたことで間接フリーキックが与えられた場合を除き、プレーは、ドロップボールで再開される。間接フリーキックは、競技者が競技のフィールドから出た地点の境界線上から行われる。
ボールがインプレー中、
・競技者が審判員、または相手チームの競技者、交代要員、交代して退いたもしくは退場となった競技者、またはチーム役員に対して競技のフィールド外で反則を行った場合、または、
・交代要員、交代して退いたもしくは退場となった競技者、またはチーム役員が、相手競技者もしくは審判員に対して競技のフィールド外で反則を行った、または妨害した場合、
プレーは、反則または妨害が起きたところから最も近い境界線上から行うフリーキックで再開され、反則を行った競技者のペナルティーエリア内の直接フリーキックの場合、ペナルティーキックが与えられる。
反則が競技のフィールド外で競技者によって、自分のチームの競技者、交代要員、交代して退いた競技者またはチーム役員に対して行ったならば、プレーは、反則が起きたところから最も近い境界線上から行う間接フリーキックで再開される。
競技者が手に持ったもの(サッカーシューズやすね当てなど)でボールに触れた場合、プレーは、直接フリーキック(またはペナルティーキック)で再開される。
競技のフィールド内または外にいる競技者が、相手競技者に対して物(試合球以外)を投げる、もしくはけった場合、または相手チームの交代要員、交代して退いたもしくは退場となった競技者、チーム役員、または審判員もしくは試合球に物(試合球以外のボールを含む)を投げた、またはけった場合、プレーは、その人またはボールに物が当たった、または当たったであろう位置から行われる直接フリーキックで再開される。この位置が競技のフィールド外であれば、フリーキックは、境界線上の最も近い地点で行われる。この位置が反則を行った競技者のペナルティーエリア内(の境界線上)であれば、ペナルティーキックが与えられる。
交代要員、交代して退いたもしくは退場となった競技者、一時的に競技のフィールド外にいた競技者、またはチーム役員が、競技のフィールド内に物を投げつけ、またはけり込んで、それがプレー、相手競技者または審判員を妨害した場合、プレーは、物がプレーを妨害した、または相手競技者、審判員もしくはボールに当たった、またはそれらに当たったであろう場所から行われる直接フリーキック(もしくはペナルティーキック)で再開される。

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第13条 フリーキック

1. フリーキックの種類

直接および間接フリーキックは、競技者、交代要員、交代して退いたもしくは退場となった競技者、またはチーム役員が反則を行ったときに相手チームに与えられる。

間接フリーキックのシグナル
主審は、片腕を頭上に上げて間接フリーキックであることを示す。キックが行われ、他の競技者がボールに触れる、アウトオブプレーになる、または直接得点することができないと明らかにわかるまで、このシグナルを続ける。
フリーキックが間接であることを示すシグナルを主審が怠ったが、ボールがけられて直接ゴールに入った場合、間接フリーキックは、再び行われなければならない。

ボールがゴールに入る
・直接フリーキックが行われ、ボールが相手ゴールに直接入った場合、得点となる。
・間接フリーキックが行われ、ボールが相手ゴールに直接入った場合、ゴールキックが与えられる。
・直接または間接フリーキックが行われ、自分のゴールに直接入った場合、コーナーキックが与えられる。

2. 進め方

すべてのフリーキックは、反則の起きた場所から行う。ただし、次の場合を除く。
・相手チームのゴールエリア内で反則があり、攻撃側チームの間接フリーキックが与えられた場合、反則の起きた地点に最も近いゴールラインに平行なゴールエリアのライン上で行われなければならない。
・守備側チームが自分のゴールエリア内でフリーキックを与えられた場合、そのエリア内の任意の地点から行うことができる。
・競技者が主審の承認なく競技のフィールドに入る、復帰する、または離れたことによる反則に対して与えられるフリーキックは、プレーが停止したときにボールがあった位置から行われる。しかしながら、競技者が競技のフィールドの外で反則を行った場合、プレーは、反則が起きたところから最も近い境界線上から行うフリーキックで再開される。その直接フリーキックの対象となる反則が起こったとき、フリーキックの位置が、反則を行った競技者自身のペナルティーエリアの境界線上であれば、ペナルティーキックが与えられる。
・上記は、他の条にも適用される(第3条、第11条、第12条参照)。
ボールは、
・静止していなければならず、キッカーは、他の競技者がボールに触れるまで、再び触れてはならない。
・けられて明らかに動いたときにインプレーとなる。
ボールがインプレーになるまで、すべての相手競技者は、
・自分のゴールポスト間のゴールラインに立った場合を除いて、少なくとも9.15m(10ヤード)ボールから離れなければならない。
・相手のペナルティーエリア内のフリーキックのときは、ペナルティーエリアの外にいなければならない。
3人以上の守備側チームの競技者が「壁」を作ったとき、すべての攻撃側チームの競技者は、ボールがインプレーになるまで「壁」から少なくとも1m(1ヤード)離れていなければならない。
フリーキックは、片足で、または両足で同時に持ち上げる方法でも行うことができる。
相手競技者を混乱させるためにフェイントを用いてフリーキックを行うことはサッカーの一部であり、認められる。
競技者がフリーキックを正しく行い、不用意でも、無謀でも、または過剰な力を用いることもなく、意図的にボールを相手競技者に当てて、はね返ったボールを再び自分のものとした場合、主審は、プレーを続けさせる。

3. 反則と罰則

フリーキックが行われるとき、相手競技者が規定の距離よりボールの近くにいる場合、アドバンテージが適用できる場合を除いて、キックは、再び行われる。ただし、競技者がフリーキックをすばやく行って、ボールから9.15m(10ヤード)以上離れていない相手競技者がボールをインターセプトした場合、主審は、プレーを続けさせる。しかしながら、相手競技者が意図的にフリーキックを妨害した場合、その競技者は、プレーの再開を遅らせたことで警告されなければならない。
フリーキックが行われるとき、3人以上の守備側チームの競技者が作る「壁」から、攻撃側チームの競技者が1m(1ヤード)以上離れていない場合、間接フリーキックが与えられる。
守備側チームがそのチームのペナルティーエリア内でフリーキックを行うとき、相手競技者がペナルティーエリアから出る時間がなくペナルティーエリアに残っていた場合、主審は、プレーを続けさせることができる。フリーキックが行われるとき、ペナルティーエリア内にいる、またはボールがインプレーになる前にペナルティーエリアに入った相手競技者が、ボールがインプレーになる前のボールに触れる、またはチャレンジした場合、フリーキックは、再び行われる。
ボールがインプレーになって、他の競技者に触れる前に、キッカーが再びボールに触れた場合、間接フリーキックが与えられる。ただし、キッカーがハンドの反則を行った場合、
・直接フリーキックが与えられる。
・反則がキッカーのペナルティーエリア内で起きた場合、ペナルティーキックが与えられる。キッカーがゴールキーパーの場合、間接フリーキックが与えられる。

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第14条 ペナルティーキック

競技者が自分のペナルティーエリア内で、または第12条および第13条に規定されるプレーの一環として競技のフィールド外に出て、直接フリーキックとなる反則を行ったとき、ペナルティーキックが与えられる。
ペナルティーキックから直接得点することができる。

1. 進め方

ボールは、ペナルティーマーク上で静止していなければならず、ゴールポスト、クロスバーおよびゴールネットは、動かされていてはならない。
ペナルティーキックを行う競技者は、明らかに特定されなければならない。
ゴールキーパーは、ボールがけられるまで、ゴールポスト、クロスバーまたはゴールネットに触れず、キッカーに面して、両ゴールポストの間のゴールライン上にいなければならない。
キッカーとゴールキーパー以外の競技者は、次のように位置しなければならない。
・ペナルティーマークから少なくとも9.15m(10ヤード)離れる。
・ペナルティーマークの後方。
・競技のフィールドの中。
・ペナルティーエリアの外。
競技者が本条に規定される位置についたのち、主審は、ペナルティーキックを行うための合図をする。
ペナルティーキックを行う競技者は、ボールを前方にけらなければならない。ボールが前方に動くのであれば、バックヒールも認められる。
ボールがけられるとき、守備側ゴールキーパーは、少なくとも片足の一部をゴールラインに触れさせているか、ゴールラインの上方、または後方に位置させておかなければならない。
ボールは、けられて明らかに動いたときインプレーとなる。
他の競技者がボールに触れるまで、キッカーは、再びボールをプレーしてはならない。
ペナルティーキックは、ボールの動きが止まったとき、アウトオブプレーになったとき、または反則があって主審がプレーを停止したときに完了する。
試合および延長戦の前半、後半の終了時にペナルティーキックを行うために、時間は、追加される。時間が追加される場合、ペナルティーキックを行った後、ボールが動きを止めたとき、アウトオブプレーとなったとき、守備側ゴールキーパー以外の(キッカーを含む)競技者がボールをプレーしたとき、またはキッカーもしくはキッカーのチームが反則を行って主審がプレーを停止したときに、ペナルティーキックは、完了する。守備側チームの競技者(ゴールキーパーを含む)が反則を行い、ペナルティーキックが失敗した、またはセーブされた場合、ペナルティーキックを再び行う。

2. 反則と罰則

主審がペナルティーキックを行う合図をしたならば、キックは行われなければならない。キックが行われなかった場合、主審は、再びキックを行う合図をする前に懲戒処置をとることができる。

ボールがインプレーになる前に、次のいずれかが起きた場合、
・キックを行う競技者またはその味方競技者が反則を行い、
 ・ボールがゴールに入った場合、キックは、再び行われる。
 ・ボールがゴールに入らなかった場合、主審は、プレーを停止し、間接フリーキックで再開する。
 ただし、ボールがゴールに入ったかどうかにかかわらず、次の場合、プレーは、停止され、間接フリーキックで再開される。
 ・ペナルティーキックが後方にけられる。
 ・特定されたキッカーの味方競技者がキックを行う。主審は、キックを行った競技者を警告する。
 ・競技者が一度助走を完了した後、ボールをけるためにフェイントをする(助走中のフェイントは、認められる)。主審は、そのキッカーを警告する。
・ゴールキーパーが反則を行い、
 ・ボールがゴールに入った場合、得点が認められる。
 ・ボールがゴールに入らなかった、またはクロスバーやゴールポストからはね返った場合、ゴールキーパーの反則が明らかにキッカーに影響を与えたときのみ、キックは再び行われる。
 ・ボールがゴールキーパーによりゴールに入るのを阻止された場合、キックは再び行われる。
ゴールキーパーが反則を行った結果キックが再び行われた場合、その試合において最初の反則に対しては注意が与えられ、それ以降の反則には警告が与えられる。
・ゴールキーパーの味方競技者が反則を行い、
 ・ボールがゴールに入った場合、得点が認められる。
 ・ボールがゴールに入らなかった場合、キックは、再び行われる。
・競技者がより重大な反則(例えば不正なフェイント)を行った場合を除き、両チームの競技者が反則をした場合、キックは、再び行われる。
・ゴールキーパーとキッカーが同時に反則を行った場合、キッカーは警告され、守備側チームの間接フリーキックでプレーを再開する。

ペナルティーキックが行われたのちに、
・他の競技者がボールに触れる前に、キッカーがボールに再び触れる。
 ・間接フリーキック(ハンドの反則の場合、直接フリーキック)が与えられる。
・ボールが前方に進行中、外的要因がボールに触れる。
 ・キックは、再び行われる。ただし、ボールがゴールに入りそうで、その妨害がゴールキーパーまたは守備側競技者がプレーするのを妨げておらず、(ボールとの接触があっても)ボールがゴールに入った場合、攻撃側チームによる妨害でなければ、得点を認める。
・ボールがゴールキーパー、クロスバー、ゴールポストから競技のフィールド内にはね返ったのち、外的要因がボールに触れる。
 ・主審は、プレーを停止する。
 ・プレーは、外的要因がボールに触れた場所で、ドロップボールにより再開される。

3. 要約表

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第15条 スローイン

スローインは、グラウンド上もしくは空中でボールの全体がタッチラインを越えたとき、最後にボールに触れた競技者の相手競技者に与えられる。
スローインから直接得点することはできない。
・ボールが相手競技者のゴールに入った場合 - ゴールキックが与えられる。
・ボールがスローワーのゴールに入った場合 - コーナーキックが与えられる。

1. 進め方

ボールを入れるとき、スローワーは、次のようにボールを投げなければならない。
・競技のフィールドに面して立つ。
・それぞれの足の一部が、タッチライン上またはタッチラインの外のグラウンドについている。
・ボールが競技のフィールドを出た地点から、両手でボールを頭の後方から頭上を通す。
すべての相手競技者は、スローインが行われる場所のタッチライン上の地点から少なくとも2m(2ヤード)離れなければならない。
ボールは、競技のフィールドに入ったときにインプレーとなる。ボールが競技のフィールドに入る前にグラウンドに触れた場合、同じ地点から同じチームによるスローインが再び行われる。スローインが正しく行われなかった場合、相手チームがスローインを再び行う。
競技者がスローインを正しく行い、不用意でも、無謀でも、または過剰な力を用いることもなく、意図的にボールを相手競技者に向けて投げて、はね返ったボールを自分のものとした場合、主審は、プレーを続けさせることができる。
スローワーは、他の競技者が触れるまで再びボールに触れてはならない。

2. 反則と罰則

ボールがインプレーになって、他の競技者が触れる前にスローワーがボールに再び触れた場合、間接フリーキックが与えられる。スローワーがハンドの反則を行った場合、
・直接フリーキックが与えられる。
・反則がスローワーのペナルティーエリアの中で起きた場合、ペナルティーキックが与えられる。ただし、(スローワーだった)守備側ゴールキーパーがボールを手や腕で扱った場合、間接フリーキックが与えられる。
スローワーを不正に惑わせる、または妨げる(スローインが行われる地点から2m(2ヤード)以内に近寄ることを含む)相手競技者は、反スポーツ的行為で警告される。スローインが既に行われた場合、間接フリーキックが与えられる。
その他の反則があったならば、相手チームの競技者によってスローインが行われる。

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第16条 ゴールキック

ゴールキックは、グラウンド上または空中にかかわらず、最後に攻撃側競技者が触れたボールの全体がゴールラインを越え、得点とならなかったときに与えられる。
相手チームのゴールに対する限り、ゴールキックから直接得点することができる。キッカーのゴールに直接入った場合、相手競技者にコーナーキックを与える。

1. 進め方

・ボールは、静止していなければならず、ゴールエリア内の任意の地点から守備側チームの競技者によってけられる。
・ボールは、けられて明らかに動いたときにインプレーとなる。
・相手競技者は、ボールがインプレーになるまで、ペナルティーエリアの外にいる。

2. 反則と罰則

ボールがインプレーになって、他の競技者が触れる前にキッカーがボールに再び触れた場合、間接フリーキックが与えられる。キッカーがハンドの反則を行った場合、
・直接フリーキックが与えられる。
・反則がキッカーのペナルティーエリアの中で起きた場合、ペナルティーキックが与えられる。ただし、キッカーがゴールキーパーの場合、間接フリーキックが与えられる。
ゴールキックが行われるとき、相手競技者が出る時間がなくペナルティーエリアに残っていた場合、主審は、プレーを続けさせることができる。ペナルティーエリア内にいる、またはボールがインプレーになる前にペナルティーエリアに入った相手競技者が、ボールがインプレーになる前にボールに触れる、またはチャレンジした場合、ゴールキックは再び行われる。
ボールがインプレーになる前に競技者がペナルティーエリアに入って、ファウルした場合、または相手競技者によりファウルされた場合、ゴールキックが再び行われ、反則を行った競技者は、その反則により警告または退場が命じられることがある。
その他の反則があったならば、ゴールキックは再び行われる。

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第17条 コーナーキック

コーナーキックは、グラウンド上または空中にかかわらず、最後に守備側競技者が触れたボールの全体がゴールラインを越え、得点とならなかったときに与えられる。
相手チームのゴールに限り、コーナーキックから直接得点することができる。ボールがキッカーのゴールに直接入った場合、相手競技者にコーナーキックが与えられる。

1. 進め方

・ボールは、ゴールラインを越えた地点にもっとも近い方のコーナーエリアの中に置かなければならない。
・ボールは、静止していなければならず、攻撃側チームの競技者によってけられる。
・ボールは、けられて明らかに動いたときインプレーとなり、コーナーエリアを出る必要はない。
・コーナーフラッグポストを動かしてはならない。
・相手競技者は、ボールがインプレーになるまで、コーナーアークから少なくとも9.15m(10ヤード)離れていなければならない。

2. 反則と罰則

ボールがインプレーになって、他の競技者が触れる前にキッカーがボールに再び触れた場合、間接フリーキックが与えられる。ただし、キッカーがハンドの反則を行った場合、
・直接フリーキックが与えられる。
・反則がキッカーのペナルティーエリアの中で起きた場合、ペナルティーキックが与えられる。キッカーがゴールキーパーの場合は、間接フリーキックが与えられる。
競技者がコーナーキックを正しく行い、不用意でも、無謀でも、または過剰な力を用いることもなく、意図的にボールを相手に当てて、はね返ったボールを再び自分のものとした場合、主審はプレーを続けさせることができる。
その他の反則があったならば、キックが再び行われる。

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