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【Match Report】なでしこジャパン、スペインに1-2の逆転負け 第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)
2024年07月26日
なでしこジャパン(日本女子代表)は7月25日(木/現地時間)、第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)の初戦で世界ランキング1位のスペイン女子代表と対戦。昨夏のFIFA女子ワールドカップ以来の対戦となりました。ナントのスタッド・ドゥ・ラ・ボージョワールで、試合は午後5時にキックオフとなりました。
日本は山下杏也加選手(INAC神戸レオネッサ)がゴールを守り、最終ラインは右から清水梨紗選手(マンチェスター・シティ/イングランド)、南萌華選手、熊谷紗希選手(ともにASローマ/イタリア)、古賀塔子選手(フェイエノールト/オランダ)が4バックを形成。長谷川唯選手(マンチェスター・シティ/イングランド)と長野風花選手(リバプールFC/イングランド)がボランチに並び、左に清家貴子選手(三菱重工浦和レッズレディース)、右に宮澤ひなた選手(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)。藤野あおば選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)と田中美南選手(ユタ・ロイヤルズ/アメリカ)を2トップに配する陣容でスタートしました。
日本は開始早々から相手陣内で積極的にプレッシャーをかけ、主導権を握ります。2分、相手最終ラインのパスミスを宮澤選手がカット、田中選手がワンタッチで相手の背後にパスを送ると、タイミングよく走り込んだ藤野選手がダイレクトで左足を一閃。このシュートはCOLL Cata選手のセーブに阻まれましたが、縦に速い攻撃で流れをつかみます。
試合が動いたのは13分です。相手のクリアミスから田中選手が競り合って倒され、ペナルティーエリア手前でFKを獲得。キッカーの藤野選手が右足を振り抜くと、壁の外から鋭くカーブした強烈なシュートがGKの手を弾いてゴール右上に突き刺さり、日本が先制に成功。鮮やかな弾道にスタジアムがどよめきました。
しかし、ここからスペインが反撃を開始。22分、日本のゴール前の狭いスペースでワンタッチパスをつなぐと、DEL CASTILLO Athenea選手のパスを受けたBONMATI Aitana選手が冷静に流し込んで試合を振り出しに戻します。その後はスペインがボールを保持する時間帯が続き、日本は中央のスペースを消しながら組織的な守備で対応。こう着した展開となりました。
後半、日本は浜野まいか選手(チェルシー/イングランド)が右サイドハーフで出場し、5-4-1でスペインの攻撃を牽制しながら2点目を狙います。50分、FKの流れからこぼれ球に反応した浜野選手がすかさずシュートに持ち込みましたが、GKの正面に。58分にも右サイドからのクロスボールに藤野選手が飛び込みますが、GKに阻まれました。この後、守備に回る時間が増えた日本は、68分に清水選手が負傷交代を余儀なくされるというアクシデントもあり、途中出場の高橋はな選手(三菱重工浦和レッズレディース)がセンターバックに、古賀選手が右にスライドして対応します。
攻撃の糸口を見つけられない日本に対し、スペインは74分、左サイドのCALDENTEY Mariona選手がBONMATI Aitana選手との連係からカットインし、狭いスペースで右足を振り抜いてゴールネットを揺らします。
池田太監督は、80分に千葉玲海菜選手(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)、90分には守屋都弥選手(INAC神戸レオネッサ)を送り出し、試合終了間際には左サイドを突破した藤野選手がクロスボールからチャンスをつくりますが、ゴールにはつながらず。試合はこのまま終了し、日本は1-2で大会初戦を終えました。
チームはこの後、パリに移動し、中2日で7月28日(日/現地時間)に、パリのパルク・デ・プランスでブラジル女子代表とグループステージ第2節を戦います。
監督・選手コメント
池田太 監督
スペインという世界一のチームと公式戦で戦うにあたって、まず我々はしっかりと中盤の人数を合わせるために4バックで戦って、攻撃のところは少しサイドの数的優位を作ろうとしました。もちろんボールを持たれる時間もありましたが、フリーキックで先制できたところまではしっかりとできていたと思います。ですが相手に力があり、その後はこちらのプレスを剥がされることも多くなって、相手が主導権を握る時間帯が多くなり耐えきれなかったです。第2戦、第3戦で取り返せるようしっかり準備したいと思います。初戦で勝ち点を取れなかったことは残念です。
DF #4 熊谷紗希 選手(ASローマ/イタリア)
最低でも勝ち点1(を狙う必要)がありましたが、もう今はこの結果を受け止めて、次に向かうしかないなと思っています。まだまだ戦いは始まったばかりですぐに次の試合が来るので、そこに向けて準備していきたいなと思っています。前半からなかなか相手のインサイドハーフをつかめない時間帯があって、どうしても中盤が前に出づらかったので、そこをもうちょっとクリアにするために後半は5バックというか3バックにして、しっかりそこを潰せるようにというフォーメーションチェンジをしました。もちろんできたところもあったと思いますし、後半はクリアになって持たれる時間は多くてもさほど嫌な持たれ方をしたとは思っていなかったのですが、決定的なところで相手がチャンスをものにしました。そこは本当にしっかり反省しながら、次に繋げていくしかないかなと思っています。
MF #14 長谷川唯 選手(マンチェスター・シティ/イングランド)
前半の形だと少し難しいということを選手からも伝えて5バックに変えて、センターバックが相手のインサイドに出られるような形を作りたかったのですが、それでもやはり相手が結構自由に動いてくる中でいききれないところもありました。でも後半の最初の20分は、回されてもOKという形でしっかり我慢強く守れていたと思います。その中であの形での失点は、人数が多い場面で中にドリブルされてのゴールだったので、このシステムでの失点の仕方としてはすごくもったいないなと思います。相手に持たれてはいましたが嫌な感覚もなく、これで大丈夫だよねという再確認はできたのですが、その中で少し中を空けてしまいました。後半は2失点目くらいしか、失点しそうな場面がなかったので本当にもったいなかったですが、すぐに次の試合が来るので切り替えたいです。
MF #15 藤野あおば 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
結果を出したというのは自分的にはすごくポジティブです。右サイドからのFKは正直あまり得意にしていませんでしたし、前日練習の感触的にもそんなに良くなかったです。でもボールを置いた感じと、壁の位置を見て話し合って、時間帯が早かったのもあり(直接)蹴ってみてもよいのではと(長谷川選手が)話をしてくれました。蹴りたい気持ちもありましたし、蹴って結局決まってよかったです。守備に関してはできていた部分は多かったと思いますが、相手の先制点に関しては、自分の間の締めが甘かったところから失点に結びついてしまいました。守備の時間帯が長い中でボールを取って起こったトランジションの中で、自分のボールロストが多かったです。中2日で試合が来るというのはポジティブだと思いますし、うまく割り切って切り替えて、(準備の時間が)短い中でもコミュニケーションを密に取ってやっていきたいと思います。
第33回オリンピック競技大会/第17回パラリンピック競技大会(2024/パリ)
サッカー競技日程:2024年7月25日(木)~2024年9月7日(土)
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