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副審プラクティカルトレーニングを実施

2023年09月27日

副審プラクティカルトレーニングを実施

日本サッカー協会は、全6回にわたる副審プラクティカルトレーニングを5月から9月にかけて高円宮記念JFA夢フィールドで実施しました。

それぞれが担当する試合の合間で日程を合わせ、約100人の審判員が分散で参加しました。副審に必要な高度なテクニックを身につけるためのフィールド上のトレーニングに加え、フィジカルフィットネスプロジェクトによるフィジカルトレーニングも行いました。

主催者コメント

宮島一代 Jリーグ審判デベロプメントマネジャー(日本サッカー協会)
VARが導入されても、副審はすべてのオフサイド判定に対して責任をもって判断しなければならず、主審との協力とサポートという点でも副審からの情報は大変重要です。質の高いレフェリングが求められているのは、主審だけではありません。特に、オフサイドの見極めは得点に直結する可能性が高く、副審の任務の大部分を占めていると言ってもいいでしょう。FIFAワールドカップカタール2022での副審のオフサイド判定の精度は非常に高く、正確なポジショニングであることが一つの要因として挙げられます。その分析結果から、「正しいポジション」から的確な判定をすることを今シーズンの目標に掲げました。
トレーニングでは、デモンストレーターが創出するオフサイドの場面を判断し、映像で自分のポジションや判定の正誤の確認をします。そして、トレーニングを繰り返しながら、ポジションや見え方の違いを矯正していきます。デモンストレーターの皆さんには、「すれ違い」「戻りオフサイド」「ゴール前のインパクト」「カウンター攻撃・フリーキック・コーナーキックからのオフサイド判断」という様々なリクエストにも応えていただきました。また、フィジカルフィットネスプロジェクトの皆さんにもご協力いただき、コンディションを保つための効果的なトレーニング方法も学べました。多くの皆さんの協力のおかげで、毎回有意義なトレーニングができ、次の試合に生かすことができたと感じています。
参加された審判員の方々にはぜひ、トレーニング内容を整理し、リーグ終盤に向けて「見せて魅せる」レフェリングを心がけてほしいと思います。最後に、デモンストレーターとしてご協力いただいた、江戸川大学・桃山学院大学のサッカー部の皆さんに心より御礼を申し上げます。

参加審判員コメント

金井清一 1級審判員(埼玉県)
今回のトレーニングでは、今シーズンのここまでの課題を踏まえ、プラクティカル、フィジカルトレーニングを行いました。
はじめのトレーニングでは、正しいポジションで複数のオフサイドポジションにいる選手の見極め、またラインが下がる動きに対し正しいポジションに合わせるトレーニングを行い、実際に試合を決定づける場面につながる状況で、正しい見極めと正しいポジションにつくことの重要性を再確認することができました。
次のトレーニングでは、タッチライン際にボールがあり、オフサイドも際どい状況での見極めが求められる場面を行いました。両方をどのように見るか、両方を見るにはどのような動作が必要なのか質問を受け、自分の考えを深められました。試合の中で起こる回数は少ないかもしれませんが、実際の場面で慌てず、視野を広く持つために貴重なトレーニングでした。
最後のフィジカルトレーニングでは、アジリティ、スプリント、認知を順に行うセッションがあり、試合の状況に近い強度で取り組めました。スプリントの強度を高めるトレーニングでのインターバルの取り方などの説明もいただき、シーズン終盤に向けて、コンディションを維持することに繋げたいと思います。

長谷川雅 1級審判員(東京都)
今シーズン2回目の副審プラクティカルトレーニングに参加させていただきました。今回のトレーニングではオフサイド判定のトレーニングと、フィジカルトレーニングを行いました。
オフサイドの判定においては、錯覚により、しばしば”実際にいた場所より前にいたように見える”ということが起きるため、その誤った視覚情報をどこまで矯正できるかが問われてきます。加えて、試合では相手競技者を妨害したのか、ボールとの距離はどの程度であったのか等、複数のことを同時に判断することが求められます。今回のトレーニングでは、タイトな飛び出しの状況や判断が複雑になる状況を作り出し、考慮事項や注意すべき点を確認し合い、課題を抽出できました。また、一つ一つの判定を都度映像で客観的に振り返ることで自分自身の癖や傾向を把握できました。フィジカルトレーニングにおいては、今シーズンの私たちのターゲットである”正しいポジションで正しい判定”を体現すべく、そこにつながるための瞬発力、アジリティを生み出す補強運動や体づくりのエクササイズを行いました。
各セッションの時間のみならず、前後、合間の時間で先輩や仲間たちと近況や悩みを語り合うことで刺激をもらいました。ただ、年数回のこのような集合研修はあくまでも気づきのきっかけであり、日々のトレーニングを工夫し、限られた時間と環境で自分の能力を高めることがとても大切であると改めて実感しています。シーズンも終盤です。プロリーグ担当の副審として誇りと責任を持ち、また家族や職場への感謝の気持ちを忘れずに自分のすべきことを全うしていく所存です。

向井修也 1級審判員(鹿児島県)
今シーズン2回目の実施となった副審プラクティカルトレーニングに参加しました。前回同様、2つのプラクティカルと1つのフィジカルトレーニングの3セクションに分かれての実施でした。2つのプラクティカルでは、ゴール前のオフェンスとディフェンスの入れ替わり、クロスからのオフサイド・副審近くのオフサイド・試合形式でのインパクトや意図的なプレーの判断を含むオフサイドの見極めを行いました。そして、自身の判断後に、判定の正誤と感覚の差を、映像を用いて確認しました。また、同じグループの審判員からのアドバイスから、正しいポジションで正しい判断を行うために必要なものは何か、副審から見える情報をどう整理し最終的な判断を行うかを考える機会となりました。
フィジカルトレーニングでは副審に求められる動きやステップ、普段のトレーニングにも取り入れられるチューブを使ったトレーニングに取り組みました。最後に高強度の負荷がかかるトレーニングも行い、副審としても高いレベルのフィジカルが求められることを再認識しました。チームとしてトレーニングを行う機会が少ない審判員にとって、このような審判員同士で行うトレーニングは非常に重要であり、有意義な時間だと感じました。
休日にもかかわらずトレーニングにご協力いただきました大学生の皆様、ありがとうございました。今シーズンも終盤戦に入りますが、良いパフォーマンスができるように、今回学んだことを生かしてよい形でシーズンが終えられるようにしたいです。

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