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チェンジメーカー 第12回 木原正人(きはら・まさと) NPO法人隼人錦江スポーツクラブクラブマネジャー

2012年08月31日

チェンジメーカー 第12回  木原正人(きはら・まさと)  NPO法人隼人錦江スポーツクラブクラブマネジャー

Profile

木原 正人 / KIHARA Masato さん
NPO法人隼人錦江スポーツクラブクラブマネジャー
2005年度SMC本講座修了(2期生)

1959年4月、鹿児島県生まれ。
鹿児島県立加治木工業高校卒業後、国立鹿児島工業高等専門学校に就職。現在は同校技術室・副技術長。同校サッカー部コーチ。同校は全国高専大会(サッカー)で21回の優勝を誇る。
2003年に同校の施設や教職員を活かした総合型地域スポーツクラブ、隼人錦江スポーツクラブを立ち上げ、クラブマネジャーに就任。2006年にNPO法人化。

その1 全国初!

坂口:では、よろしくお願いします。

木原:よろしくお願いします。

坂口:まず、木原さんの今のお仕事について教えてください。本業の学校でのお仕事と、NPO法人の話。あと、学校とNPO法人の関わりと、これまでの経緯をお話しくださいますか。

木原:まず、本業といいますか、学校の中では、教員と一緒に土木工学に関する実験や実習、演習などの支援をする技術職員をしています。例えば、こういう実験室で、いろんな土を使う工学実験の補助ですね。

ほかには、情報処理の授業のときに、教員と一緒にパソコンの操作などをサポートしております。技術職員は13名います。

それと、部活である鹿児島高専サッカー部のコーチとして、毎年、全国大会優勝を目指しています。
コーチなので、監督が実際の指導をしますので、それも補助役。
グラウンドの整備をしたりとか、不具合見たりとか。
大会には帯同して、審判したりとか、合宿も行ける範囲でいっしょに行って、学生たちをサポートしてます。部員はいま60名ちょっといますね。

坂口:歴代のタイトルはすごくいっぱいあるんですよね?

木原:そうですね。全国大会44回大会の中で、21回優勝。その大会が、毎年8月下旬に行われますので、それに向けて、今頑張っているところですね。

スポーツクラブですが、平成15年の4月1日に立ち上げました。隼人錦江スポーツクラブとして、総合型地域スポーツクラブを目指そうということで。
ちょっと他のクラブと変わった点があるんです。

平成12年9月のスポーツ振興基本計画。この施策に基づき、各市町村に1つは総合型地域スポーツクラブをつくろうという指針がでましたので、それに乗る形で立ち上げました。
特徴的なのは、国立の高等教育機関と行政が連携して設立したことです。この国立鹿児島高専の学校体育施設、それから我々教職員の人的資源、
それから学生もいっしょに地域貢献できるんじゃないか、ということで、旧隼人町(現・霧島市)とタイアップといいますか、共同で立ち上げました。それが平成15年の4月1日ですね。

坂口:学校と町の協同事業ってことですね。旧隼人町ってことは、今は...?

木原:今は、合併して、霧島市に。霧島市隼人町になりました。

坂口:自治体としては・・・?

木原:霧島市ですね。それで、その当時の町長と本校校長、さらに体育教員(現理事長)が加わって話が具体化し、クラブが設立されました。

坂口:しかも、学校施設は自治体のモノじゃなくて、国立ですもんね。

木原:そうです、国立です。学校は国立です。当時は全国初で、今でも、こういう活動をしている学校は、高専の中ではもちろん例がなく、大学でも少ないんじゃないかと思います。

その2 会費2,000円、保険代込み

木原:クラブの設立当時は、種目は6種目でした。サッカー、ソフトテニス、バトミントン、バスケット、グランドゴルフ、陸上競技、の6種目。年会費2,000円という安さでした。

坂口:年間2,000円、ぽっきり、なんですか?!

木原:ぽっきりです。保険代込みで、です。逆に、会員さんから、こんなのでやって行けるのかってご心配も多々いただきました。設立当時から、自動販売機の事業を始めました。

坂口:天然芝のグラウンドやゴルフの練習施設・・・学内の施設だけでもとても充実しています。クラブの学校施設の利用や、ハードの整備について教えてください。

木原:例えば、ゴルフですとかグランドゴルフ。利用者の利便性も考えて、このクラブ設立と同時に、整備しようということになりました。
ゴルフですと人工芝のグリーン、それから近隣のゴルフ場と同じ砂のバンカー。これらを、会員さんと一緒に整備しました。

あと、学内に(クレーの)サッカー場と多目的グラウンドがあるので、多目的グラウンドのほうを、JFAグリーンプロジェクトを活用して、ポッド苗を植えて芝生化しました。これも本校の学生、教職員と会員さんとでみんなで植えました。平成21年ですかね
なので、全面天然芝グラウンドを1面所有しています。

坂口:素晴らしいグラウンドですよね!

木原:ありがとうございます。サッカー専用グラウンドみたいな感じです。

坂口:使用頻度もそんなに多くなくて贅沢な感じですよね。

木原:そうですね。グランドゴルフは1日3時間ぐらい、月曜から金曜の午前中、通年で使われてます。ほかは、クラブのサッカー、学校のサッカー部が練習と試合とで使ってます。

坂口:さっき会ったグランドゴルフのみなさんもすごく楽しそうでした。本当に大勢の方が使っていましたね。

木原:そうなんです。あと、そのグラウンド以外に、テニスコートも6面あります。こちらは人工芝に。これは、学校関係者の尽力で一昨年に人工芝に改修されています。

クラブの活動で特徴的なのが、ソフトテニスとゴルフで、とても盛んです。設立当初、ソフトテニス会員で、まぁ、不登校みたいになった生徒さんがおられて、学校には行かないけど、うちのクラブには必ず来る。すると、ソフトテニスがどんどん上達してその子は自信を取り戻し、学校にも登校するようになりました。

また、ゴルフでは、一回もクラブを握ったこともなかった女性が、今ではこの町を代表する選手になってらっしゃいます。
クラブはこの町にとても素晴らしい成果をもたらしていると思います。

その3 理事長と目が合った

坂口:木原さんは、2005年の2期生としてSMCを受講されました。受講のきっかけと、あと、受講されていかがでしたか?

木原:えーと、まず、受講のきっかけは、クラブのミーティングのときに、こういう(SMC)講座があるんだけど、誰か行ってみないかと。そのとき、理事長と目が合ったんです。目でお前が行ってみないかと。
そのときは、「即答はできません、家族会議を開きます」、ということにしました。が、もちろん、クラブ運営に多大な影響があることだし、しかもこういう地方は学ぶ機会もないので、受講することにしました。2005年でしたね。

受講した感じはですね・・・
セッション1から3ぐらいまでは、緊張してほとんど覚えていないんですよ。たぶん相当の緊張だったと思います。もちろんサッカーはしてましたし、指導もしてましたけども、まさか自分が日本サッカー協会の建物の中で、こういう講座を受けるとは考えてもみなかったことですし、相当緊張して。地方からのおのぼりさんみたいな感じですね。

でも、同期のいろんな方とお話しする中で、セッション4ぐらいのときに、「これじゃいけない!」と思いまして。受け身や引っ込み思案じゃ、絶対なんにも得られないって感じて、自分を変えて主体的に取り組んだり、積極的にアピールしたりするようにしました。
どっかで、学ぶためのスイッチが入りましたね。それまでは、たぶん、じっとしていたと思いますよ。おとなしかったと思います。

坂口:そんな印象はあんまりないんですけど。ぼくの中では。 笑
木原さんは、個性的な人が多い2期生のなかでもじゅうぶん目立っていましたけどね。 笑

木原:
自分の中ではそういう感じでしたね。クラブも設立したばかりで、いろいろ学んだことをこのクラブでやりたいっていう気持ちがあったんですけど、ギャップもあってですね、すべてがうまくいったわけではありません。
でも、同期の受講生の方々や、先生方、いろんな方々とお会いして、すごくいい勉強になりました。もちろん今でも付き合っている方がたくさんいます。

坂口:2期の方たちは本当にすごく個性的で強烈な人ばかりでしたね。

木原:私以外の方たちですよね?

坂口:木原さんもその一人だったんですけど。 笑
木原:笑
あと、鹿児島と東京の往復が大変でした。

坂口:そうですよね。

木原:いちばん離れてましたし。毎回、早めに飛行機を予約したり。
そうそう、これが修了の時の記念品なんですよ。皆勤賞です。覚えてらっしゃいますか?

坂口:あ、そうですか!
当時はこういうネクタイだったんですね

木原:今日みたいなときに、締めさせてもらってます。
セッションごとに成績が出ましたよね、毎回、毎回。提出物の期限を守るとか、けっこう厳しくて、途中で成績のところは挫折をしてしまいました。もう、自分でできることは皆勤賞しかないなと思って、すべて出席しまして、皆勤賞は、5人ぐらいでしたかね?

坂口:皆勤賞は毎年それぐらいですね。

木原:いい記念になりました。今でも使わせていただいております。それだけが自慢ですかね。 笑

坂口:そんなことないですよ。 笑
これだけのクラブを運営してるじゃないですか!

その4 地域の方々に使っていただく

坂口:受講して、そのあと活かされてることってありますか。

木原:活かされたこと。
先ほどクラブの活動の様子を見ていただきましたけども、年配者の方とのコミュニケーションのとり方とか、コミュニケーションスキルは勉強になりました。地域貢献ってことがクラブの目的のひとつなので。

ほかにも例を挙げればたくさんありますけど、アイスブレイクで、まず和ませるとか、クラブとしての活動のことでいえば、ホームページの開設とか、その活用の仕方とかですね。実際にホームページはSMC受講後に開設しました。

けっこう大変だった会計の知識やスキルが、活かされてるかはよく分かりませんけど、 笑
今後は、もちろんもっと勉強しなきゃいけないところだと思います。地域のために、もっといろんなことができればいいなと考えてますね。

坂口:話は変わりますが、今、来てる会員さんの居住地域はどれぐらいの範囲から来てらっしゃいますか。

木原:この学校の施設にお越しいただいているのは、距離的には半径4~5キロぐらいの、この隼人町内がほとんどですね。
あと、指定管理をしている施設がいくつかありますけど、そこには、車で30~40分かかるところから来る方もいます。

坂口:種目によって、違うんですか?

木原:そうですね。多少ばらつきはあります。ソフトテニスなんかは、霧島市外からもぜひ来たいといわれるんですが、キャパ的な問題でお断りしている状況です。

坂口:施設だけでも、ものすごくいいですよね。なかなかない環境だと思います。

木原:最初の目的のひとつが、この施設を開放して、地域の方々に使っていただくってことでしたから、できる限り使っていただこう、知ってもらおうと思ってやってきました。

指定管理を受けている霧島市民隼人温水プールで
地域の方とコミュニケーションを図る。

坂口:では、最後の質問です。今後、クラブの活動の中で、やって行きたいことを教えてください。

木原:今は、それこそ本業といいますか、学校の仕事をしっかりやなければならない立場でして。そっちを差し置いて、クラブをってわけにはいかないんで。その辺を理事長以下クラブ関係者にはご理解いただいて、クラブ運営の方は、今はあまり無理しなくてもいいよっていってもらっています。
そんな状況ですが、例えば、文科省からの地域スポーツとトップスポーツの好循環プロジェクトって話とか、霧島市内体育施設2か所の指定管理受託とか。いろんな事業を、クラブとして取り組んでいます。

私個人としては、実際にグラウンドに顔を出して地域の方々とお話ししたりとか、いまからご案内します(指定管理している)温泉プールでの事業とかをもっとやりたいですね。指定管理を受けている霧島市民隼人温水プールで地域の方とコミュニケーションを図る。

あとは、今年から始めましたジュニアの部門です。時間的な制約とか、部活との使用場所の問題とかありますが。以前から計画はあったのですが、今年から本格的にJr女子サッカー、Jrゴルフ、それからJrハンドボールを開講しています。
特に小学校年代以下対象のJr女子サッカー。先週の日曜日も芝生のグラウンドで20名ぐらいで開講しました。なでしこが話題になっていますし、当面はこれに力を入れていきます。

坂口:いいですね、どれも。

木原:そのうち小学校6年生1人、5年生1人は、隼人町外から30分以上かけて来てくれています。いつも朝から楽しくやってますよ。

坂口:年会費2,000円、3,000円ですもんね。素晴らしい!

木原:保険代込みですから。 笑
あと、サッカーに関しては、おやじサッカーリーグっていうのを定期的にやります。サッカーなどを中心にして、今後、クラブ運営をさらに展開していきたいと思っています。

坂口:はい、今後が楽しみですね。

木原:あと、SMCを、機会があれば、ぜひもう1回受講したいなって思いますね。もう1回。
こういうクラブに携わっているので、もう1回受けたらもっとたくさんのことが得られるかな、と。 笑

坂口:修了生向けのリフレッシュ講座も開催しますし、本講座の聴講もできます。ぜひ、お越しください。お待ちしてます!

今日はありがとうございました。

木原:ありがとうございました。

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