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チェンジメーカー 第3回 諸江緑(もろえ・みどり) J-GREEN堺指定管理者ジェイズパークグループ営業部・広報部アシスタントマネージャー/セクレタリー

2011年08月25日

チェンジメーカー 第3回 諸江緑(もろえ・みどり) J-GREEN堺指定管理者ジェイズパークグループ営業部・広報部アシスタントマネージャー/セクレタリー

Profile

諸 江緑 / MOROE Midori さん
J-GREEN堺(堺市立サッカーナショナルトレーニングセンター)指定管理者ジェイズパークグループ
営業部・広報部アシスタントマネージャー/セクレタリー
2008年度SMC本講座修了(5期生)

1982年2月大阪生まれ。
短大卒業後、紀伊國屋書店にて4年間勤務。英国留学を決意し退社。その後、大阪府サッカー協会を経て、(株)ジャミング入社。2008年12月よりJ-GREEN堺の指定管理者ジェイズパークグループを構成する(株)ジャパンフットボールマーチャンダイズに異動し、現職。
国内最大のサッカー施設、J-GREEN堺が2009年4月に開業。

その1 まさか、これが形になるとは

坂口:サッカーの仕事に就きたかったけど、短大卒業時は希望叶わず紀伊国屋書店で4年。お金を貯めて留学を決心して退社。そこから先について教えてください。

諸江:スポーツマネジメントの学校に留学しようと決めまして。もう、大学もリバプール大学って決まっていて最終の書類出すところやったんですけど、そんな時、大阪府サッカー協会の藤縄専務理事と出会いまして「留学?お前意味ないぞ」って言われて。えー、ここでダメ?!みたいなことに・・・
「それやったら、僕のとこ手伝って」って言っていただいて大阪府サッカー協会のお手伝いをしに行くことになったんです。

社員として雇われているわけじゃないので、忙しい時に呼ばれる。代表戦の時のチケット管理だとか、イベントがあった時の募集の管理だとか、その当日の運営だとか。技術委員会にも誘っていただき、C級の受付だとかしてました。本当に草の根。草の根と言われるところをほとんどやらしてもらったんです。しかも、ほとんどボランティアで大変でした。

坂口:(うん、うん。)

諸江:結構遠くまで行くのにもちろん車はないし、電車で全部行くのに交通費は出ないし、っていうのがずっと続いていたんで。1年半ぐらいで、貯金が底をついたんですよ。留学用の貯金が。本当にお金がなくなったんです。このままだったら、私ずっとこのままだって思ったんで専務理事に相談をしたんです。何とか社員にして欲しいって話をしたんですけどその時協会内に欠員がなくてスタッフとして雇用してもらえなかった。

その頃たまたま、昔からサッカーの仕事がしたいって話を聞いてもらってた小学校からの先輩から「今何してんねん?」って声かけてもらって。会社手伝ってと誘われたんです。そしたら社員に採用していただいて。JAMMINGという会社に勤めることになったんです。
JAMMINGは、Jリーグや日本代表のユニフォームの背番号やグッズを作っている会社で、入社して一番びっくりしたのが、大阪の淀川の端に日本のサッカー界の商品が一斉に集まって、各クラブチームや日本代表へ届けられるんですよ!
私はそこで事務をさせていただいていました。

そんなある日、急に専務理事から、「お前SMC行かへんか」とお誘いを受けまして。実は(大阪府サッカー)協会時代にSMCに行きたいって言ってたんです。もし行く人がいないんやったら行かしてくださいって。その時、もうこのJ-GREEN堺は立ち上がることが決まってたんですけどね・・・

坂口:そうですよね。タイミング的に。

諸江:そうです。もう建設が始まっている段階だったんです。協会時代は専務理事の手伝いをしていたので、それこそNTC(ナショナルトレーニングセンター、現J-GREEN堺)の資料を作ったりしてたんですよ。

そういう経緯もあって「お前、協会のNTC担当で行ってこい」と言っていただいて。うちの社長にも「勉強して来なさい」と言っていただき、会社から全額補助を受けながらSMCへ行かせていただいたんです。

坂口:NTCを題材に事業計画書を作りましたね。

諸江:はい。でも、その時まだ会社としては今まで通りJリーグや代表の商品を作る仕事をしていたので、私はSMCで学んだことを会社にどう活かそうかと思いながらSMCに行ってたんです。
そうこうしている間に指定管理を申し込む時期がきて、社長からいきなり「NTCの指定管理取りに行くぞ!」、と。「お前手伝え」、と言われまして。(笑)

それまで(計画書を)作るには作ってましたけど、まさかこれが形になるとは思ってなくて。じゃあ、やりましょう、と始めて、いろんな方々からご協力いただき、NTCの指定管理を取ることになりました。
このあたりは、諸々の事情があり省かせていただきますが。(笑)

その2 1万試合!

坂口:J-GREEN堺の指定管理者であるジェイズパークグループの業務内容を教えてください。

諸江:ジェイズパークグループは3社でコンソーシアムを組んでるんですけども、私がいる株式会社ジャパンフットボールマーチャンダイズが施設運営を担当しています。関西ユニベール株式会社が施設内警備を、日本管財株式会社が施設の清掃や、建物管理を担当しています。

坂口:では、J-GREEN堺の話をお願いします。

諸江:はい。J-GREENの話・・・そうですね。
ここJ-GREEN堺は堺市が作った施設で、日本サッカー協会と大阪府にも出資をしていただいています。天然芝が5面、人工芝が9面、フットサル場が8面。全部で22面の、日本最大規模のトレーニング施設です。
最大の魅力は都市型のトレーニング場というところで、立地が良いといわれてるんですけども・・・

坂口:良いといわれてる・・・

諸江:関西国際空港、新大阪、神戸空港から車で、30分ちょっとで来られますよ、って立地が一番の魅力でして。今までトレーニング施設ですとか、スポーツ施設っていうのは基本的に宿舎を兼ねた遠方の合宿所ってイメージで遠いところが多かったんですけれども、都市型のスポーツ施設っていうことで国内最大級です。年間1万試合以上行っております。公式試合数でいうと、サッカー協会から3000試合以上入っております。
それ以外に、堺市の試合ですとか、我々のやってる自主大会ですとか、一般の方が使われる練習試合とかも合わせて全部で1万試合です。

坂口:1万試合!

諸江:前年度は年間61万人の来場がありました。

坂口:すごい。

諸江:土日と夏休みや春休みなどの長期休暇の間にご利用される方が多いです。現状の問題をいうと、ここの利点ではあるんですけども、悪いところは立地。(笑)
公共交通機関がバスしかないということです。こんだけ良いといっといて悪い・・・(笑)

坂口:さっき、良いといったじゃない、みたいな感じですね。(笑)

諸江:というのは、実はここ、初めはバイオ燃料を使った路面電車が通る予定だったんです。まぁ、いろいろ大人の事情で、電車が通らなくなったんですけど。
現在、直通バスを土日と長期休暇期間に出して、路線バスのバス停を近くに作っています。バスが一番の公共交通機関ですね。あとは各自の車で来ていただくか、自転車になります。はい。駅から歩きではちょっとしんどいですね。

坂口:ですよね。
平日の稼動はどんな感じなんですか?

諸江:平日の午前中はほぼ空いています。で、夕方15時ぐらいから5つの高校に部活動で年間使っていただいています。
今年度から、そのうちの1校がサッカー部以外のラグビーと陸上部もグランド使って練習していただくようになりまして。15時以降のサッカー場はほとんど埋まってます。

坂口:平日も15時以降はほぼフル稼働なんですね。

諸江:夜も、23時まで営業しているんですけども、23時まで埋まるようになってきました。
月曜日が一番少ないですね。でも、月曜日は地域トレセンがあるので、17時から21時の間はほとんどトレセンで使われます。

平日午前中が一番のネックで、今、企業や地域のスポーツ団体へ話をしたりいろいろ営業活動してるんですけれども。
宿舎があれば、ってことはよくいわれますね。宿舎があれば、もっといろんなこと平日で利用できるのにって。

坂口:ほう。

諸江:その待望の宿舎が、来年の3月にできることになりまして。それができれば新しく来年度の平日の事業というのが展開できるかなと思っております。

坂口:平日も宿泊型でやっていくんですね?

諸江:そうですね。土日だけでなく。女子のJFAアカデミーが入る予定になっています。

その3 ここに魅力がないと看板は売れない

坂口:ここでの諸江さんのお仕事は?

諸江:昨年までは運営部のアシスタントマネージャーをしていました。あのー、初年度は本当に施設を回すので精一杯で。運営を、それこそ仕組みを一から作るのがホント時間がかかりました。ほぼ運営業務しかしてないです。私が主に担当していたのは、年間の優先利用調整といわれるもので、協会事業ですとか、堺市の事業、うちの事業でグラウンドをどこが使うかの調整を行って、それにプラスで市民枠を確保するといった調整を・・・
いきなり飛んで入ってくる大きな大会とかもあるので。それとどう上手く調整していくかっていうのを、協会と堺市と話しながら、年間で決まったものを、グランドに振り分けてってやってきました。

運営部のスタッフ4人で協力しながら施設運営をずっとやってたんですけど。自分たちもよく分かってない中で、アルバイトも育てなきゃとか。何の業務させたらいいんだっていうところからやってきて。大会やってみて、これあかんって利用者への注意事項にしたりとか。そういったのを繰り返しながらいろいろ作ってきました。

協会のカテゴリーはすべて担当分けして、打合せをして、どうやっていきますか?
どんな備品が必要ですか?
大会はどんな風にしますか?
何人くらい来ますか?
そういった話をわーってして、当日迎えて。困ったことがあったらその場でやり取りしながら当日終えるまでサポートするって仕事なんですけど。
私は去年、日本代表を担当させていただいたりですとか、ホントに、普段経験できないようなことを色々させていただいて とても勉強になりました。

今年度からは、担当が変わりまして、初年度は手を付けることが出来なかった営業と広報を掛け持ちで担当しております。

坂口:営業は何を売ってるんですか?
看板?

諸江:営業は看板ですね。あと大会を誘致してくるとか。大会を企画して、企業にスポンサー付いてもらうように営業するとか。
堺市さんから指定管理者として指名を受けて、堺市の代行としてこの施設の運営・管理を行っていますが、グランドの利用料を回収するだけでなく、ここだからこそ、新たな事業を展開していけると思うんです。土日は、サッカーグランド利用がマックスですし。パンパンなんです。

坂口:これ以上は伸びない?

諸江:そうですね。伸びしろがないですから。まぁ、伸びるとしたらフットサル場ぐらいなんですけど。頑張って他のとこで、どう伸びしろ伸ばしていくかってことを考えながら営業活動をしています。
営業に一番課せられているのは看板営業なんですけど、それこそ、ここに魅力がないと看板は売れないので、魅力を作るところから進めていってます。

坂口:看板、たくさん付いてますよね?

諸江:そうですね。ホントにオープン前から日本代表関係の企業やスポーツ関係の企業などにご協力いただき初年度からたくさんのサポートいただけたんですけども。この一年間でスポンサード頂いたところにお返しできているかというとまだまだだと思うんですね。

坂口:61万人じゃまだ少ないと・・。

諸江:そうです。

坂口:もっとポテンシャルあるでしょ?って評価なのかな。

諸江:もっと。もっともっと看板を出したくなる様なメリット出さないといけないので、そこが一番の課題です。既存スポンサーもなんですけど、新規で取っていくときもそこをどうアピールできるかですね。

坂口:なるほど。
広報はどんなことをやっていますか?

諸江:ここ堺に、こんなに大きなサッカートレーニング場があるってことを知らない人がほとんどだと思うので、J-GREEN堺のやっていることをアピールする、告知するってことを主にやってます。

坂口:事業の?

諸江:はい。
J-GREEN堺で行われたイベントや大会をホームページに掲載したりですとか、イベントチラシやスケジュールポスターを施設内外に掲出して、一般の方へJ-GREEN堺を知っていただける様な活動をしています。

坂口:先ほどの営業の部分ともリンクしてくるわけですね。

その4 自分と向き合う作業

坂口:SMCのことを伺いますけど、SMC、諸江さんが受けたのが・・・

諸江:第5回です。

坂口:5期生なんですね。今年が8期生になるんで、3年前・・・

諸江:もう3年!

坂口:受講している時、どうでした?

諸江:受講している時・・・地獄でした。(笑)
すいません。

坂口:(笑)

諸江:本当に自分を追い込んで、といいますか、自分の中にある、考えていること、思っていることを出すために、自分を守っているシールドを全てはがして自分はどうしたいのか、また、私はこれからどうしていきたいのか、ということを掘り下げる作業が、本当に自分と向き合う作業になるのでとてもとても大変でした。
それができた時にあっ自分がやりたいことはこういうことなんだ、ということを発見できたんじゃないかなぁと思います。

坂口:得られたものは他に何かありますか?

諸江:はい。SMCを受講して一番残ったものは受講生のみんなとの絆を築くことができたことです。年齢も幅広く、日本の各地から多種多様な方々がいらっしゃって、その方々と対等に話ができて、語り合うことができて、議論することができて。助け合って、笑い合って、飲み合って。
半年間という短い間だったんですけど、最後にはその中で本当に深い深い絆をつくることができました。

今も色んな方々に助けを求めたりですとか、電話が掛かってきたりですとか。
普通に生活していたら出会うことがないような方々と今も親交させていただいていられるのは本当に私の財産だな、と思います。

坂口:あの時期、SMCも受講しながらオン・ゴーイングでこのJ-GREEN堺の準備もしてたんですもんね。

諸江:そうですね。途中からですが。
最初のセッション3までは普通やったんです。セッション4か5からなんかちょっとずつ忙しくなって。最後のドラフトなんかはもう頭はどっちに切り替えたらいいんだ、みたいな。
同じことをしていましたから。

坂口:そうですね。

諸江:SMC(の事業計画書)で考えていた、ここの魅力を出すためにどうやったらいいかということを、(仕事では)指定管理取るための事業計画書に書いてたんで・・・

坂口:大変だったと思うけど、やりやすかったかもしれないですね。実際やってることとSMCで書いてる事業計画書が別だったらそれはそれで大変だったと思いますが。
切羽詰ってるとはいえ、同じ題材で書けたのはきっと良かったんだろうなぁと思います。

諸江:良かったです。考えないといけないタイミングでいろんな講義で教えてもらえて。
そういう考え方があるんだ、とか、あぁ、そうやっていけばいいんだとか、いろいろ学べました。

坂口:受講して何か活かされていることってありますか?さっき、ネットワークっていうこともおっしゃってましたけど。

諸江:えぇ、そうですね。ネットワークもそうですし、一番活かされてるのは根性がついたってことですかね・・・(笑)

坂口:(笑)
そういう効用があるんだったら、
ボクらもそこをもっと強調した方がいいのかな?これから。

諸江:もうビシバシいくべきですよ。(笑)
本当に、現場の生の声を学べました。生きてる、というか実際やっていること、実施していること、できることを沢山学びました。教科書に載っているようなセオリーではなく本当に現場で土壇場のときはどうするの?みたいなことですね。

坂口:そういう経験をしてきた人たちがそれなりの人数集まって、情報交換できるってことが一番ためになったんですね。

諸江:はい。
他に自分の力になったことは、考え方を教えていただいたことです。今、J-GREEN堺の中でイベントを企画したり、運営をやっていく中で、どうやっていけばいいのか、ということを考えるときに、スタートから最後の目標、ビジョンまできちっと自分の頭の中を整理しながら目標に向かえる道筋を描くことができて、そのために何をしたらいいのか、ということを学ぶことができました。

それを実施したことで何を得られるのか、ということも一緒に考えられるようになりました。地域住民の方々ですとか利用者の方々、また、サッカーを愛してくださる方、スポーツに興味のある方、ない方まで注意を向けて、どうしていけばいいのか、ということを頭の中で考えることができて。
今、それを形にすることができるのはSMCで学んだおかげじゃないかなぁと思うし、今でも引っ張り出します、あのファイル。

坂口:諸江さんの計画書良かったですものね。

諸江:ありがとうございます。

坂口:今後については。
何か仕事でやっていきたいことってありますか?

諸江:私の目標といいますか、うちのセンター長、社長なんですけど、ここJ-GREEN堺を世界一の施設にするということを目標に掲げていますので私もその力になりたい。なれるように日々の業務を頑張っていけたらなぁと思っております。

坂口:どんな世界一を目指しているんですか?

諸江:地元住民から愛されて。また、サッカーが好きな方、サッカーを見るのが好きな方、スポーツが好きな方から愛されて。そしてサッカーに興味がない方も足を運んでいただけるような。日本中から、J-GREEN堺に行こう、と思ってもらえるような施設。
そして、世界中に日本にJ-GREEN堺があるんだよ、と知ってもらえるような施設を目指しています。

坂口:楽しみですね!

諸江:でかいこと言ってますけど・・・

坂口:けど、今、実際日本で一番の施設じゃないですか。

諸江:まぁ、箱はそうなんですけど・・・
問題も本当に多くて。また立地って話なんですけど、風がすごいだとか、ボールが川に出て海に流されていくとか色々。
・・・カモが多いとか。

坂口:(笑)

諸江:いろんな問題があるんですけども、全て何とかしようと思えるのは、ここを一番にしようと思う気持ちがあるから頑張れるんだなぁと思うんで、ハイ、頑張ろうと思ってます。

坂口:頑張ってください!
長い時間ありがとうございました。

諸江:ありがとうございました。

インタビュー終了後に・・・

ところで何でそんなにサッカー好きになったの?

「小学校のとき、好きな男の子に話しかけたくて。サッカーやってる子だったんで、サッカー雑誌をよく読むようになったんです。そうしたらいつの間にか、サッカーの方にハマってしまって・・・そこからです!」

 

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