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CSRリレーコラム第1回 「JapaFunCupとマッチフラッグ」 ~社会貢献委員会 日比野克彦委員長~

2019年07月16日

CSRリレーコラム第1回 「JapaFunCupとマッチフラッグ」 ~社会貢献委員会 日比野克彦委員長~

JFAは、サッカー競技を統括する唯一の団体としての社会的責任を踏まえ、「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。」という理念を掲げています。社会貢献委員会はこの理念にある、「社会の発展への貢献」について考えているJFAの専門委員会の一つで、組織の社会的責任(CSR)の分野等に詳しい5人の有識者によって構成されています。
この社会貢献委員会の取り組みをサッカーファミリーの皆さんにお知らせする取り組みの一つとして、委員によるリレーコラムを始めます。第1回は東京藝術大学美術学部長を務める日比野克彦委員長から、先月Jヴィレッジで行われたJapaFunCupにおけるマッチフラッグの活動についてご紹介します。

第1回 社会貢献委員会 日比野克彦委員長コメント

マッチフラッグとは試合をする二つのチームを応援するひとつの旗を意味します。互いの国、チームのことを思いながら旗を作る、相手がいるから試合ができる、共にサッカーを愛する人が集まる日のことを想像する。サッカーがあるから出会うことができる。スポーツの試合を文化交流の場として捉えて展開するのがマッチフラッグです。
6月22日に福島県Jヴィレッジにて、国際交流基金アジアセンターとの共催で、東南アジア11カ国から編成された選抜チーム「ASIAN ELEVEN U-18東南アジア選抜」とU-18東北選抜のJapaFunCupの試合が行われ、マッチフラッグがバックスタンドを埋め尽くしました。東京藝術大学や代々木公園で開催されたラオスフェスティバル2019で、学生や一般参加者と共に、11カ国のそれぞれのナショナルフラッグと日の丸の二つを一枚のフラッグにデザインし、縦110センチ幅180センチの旗を40枚制作しました。

当日はマッチフラッグの制作に参加した90名が上野の東京藝大前に集合して、貸切バスでJヴィレッジに集まり、自らが製作したマッチフラッグを持ってスタンドで応援をしました。この日が、サッカー観戦が初めてという人も多く、最初は旗を振るタイミングも応援もまちまちでした。次第に「東北!!アジアン!!東北!!アジアン!!」という掛け声が生まれ、みんなの気持ちが手から旗に伝わり、旗が波打ち、ピッチ上の選手たちへとサポーターの気持ちが伝わっていきました。試合は0-0で90分で決着がつかずPK戦となり、5-4でASIAN ELEVENが制し、JapaFunCupの優勝カップを受け取りました。アジアンの選手たちはセレモニー後にバックスタンドに挨拶しに来てくれて、自分たちの国の旗を見つけては手を振ってくれました。そして、ここから今回のマッチフラッグが、最高に盛り上がるシーンが始まるとは、私も思ってもいませんでした。マッチフラッグ製作者のみなさんが、なんと選手たちにそれを手渡し、プレゼントしたのです。

選手たちも「もらっていいの?」と最初は少し驚いていましたが、自国と日本の旗がデザインされたマッチフラッグを持って、勝者の舞がごとく喜びを爆発させてくれました。整備された緑のピッチ上に様々な肌の色の選手たちが持つ色鮮やかなマッチフラッグは一層美しく、熱く、誇り高く、とても輝いて見えました。その姿をみて思わず目を潤ませるマッチフラッグ製作者もいました。故郷の国を離れて日本でアジアの仲間と会い、チームをつくり、マッチフラッグの声援を受けながら試合をし、勝利し、そして試合後サポーターと声を交わし、自国と日本のマッチフラッグを纏う!全てサッカーがあるからこそ成し得たことです。選手たちは自国に戻り、このマッチフラッグを見たときに、日本のこと福島のことJヴィレッジのこと、サポーターのことを思い出してくれる瞬間がきっとあるでしょう。マッチフラッグは人と人、国と国、あの時と今を繋いでくれる旗なのです。

※次回は黒田かをり委員が担当します。(8月中旬予定)

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