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[特集]サッカーが好きだから生涯現役 ~今からでもうまくなる 一緒にサッカーを楽しみましょう 金田喜稔JFAシニアサッカーアンバサダー インタビュー 前編

2022年03月01日

[特集]サッカーが好きだから生涯現役 ~今からでもうまくなる 一緒にサッカーを楽しみましょう 金田喜稔JFAシニアサッカーアンバサダー インタビュー 前編

日本サッカー協会(JFA)は今年9月、生涯スポーツとしてのシニアサッカーをさらに普及し、発展させていくことを目的に「JFAシニアサッカーアンバサダー」を新設した。初代アンバサダーに就任した金田喜稔氏にシニアサッカーの楽しみ方や今後の展望について話を聞いた。

○オンライン取材日:2021年11月11日
※本記事はJFAnews2021年12月に掲載されたものです

サッカーへの情熱 それが活動の原動力

――金田さんが会長を務める日本サッカー名蹴会(※)は昨年、「名蹴会大人のサッカークリニック」をスタートしました。

金田 新型コロナウイルス感染拡大の影響です。活動が制限される中で、まず、サッカーにつながる体の使い方やボールの扱い方など室内でできる動きの動画を名蹴会のホームページにアップしました。その後、屋外にあるフットサル場を有効活用しようということで、35歳以上であれば年齢、性別を問わないという形でクリニックを始めました。20~30人であればピッチ内でも一定の距離を取ることができます。今では全国10カ所ほどに活動範囲が広がっていますし、オファーも増えています。学生時代にサッカーをやっていたけれど、仕事や家庭などいろいろな事情でプレーが続けられなくなってしまった人がすごく多い。そういった人たちが、最新のウェアやシューズを身に着けて、サッカーへの情熱を取り戻したい、と。そのモチベーションが活動継続の原動力になっています。

※日本サッカー界ならびに日本のさらなる発展への寄与を目的に2010年9月27日に発足。「国際Aマッチ50試合以上出場」「日本サッカーリーグとJリーグ発足前の海外リーグで合計200試合以上出場」「Jリーグ(J1)と海外1部リーグ(FIFAランキング50位以内の国)で合計400試合以上出場」が会員選出の条件。

――サッカー初心者が参加することもありますか。

金田 ありますよ。そういった人たちにもサッカーがうまくなってほしいと思いますが、基本的には体と頭を同時に使うトレーニングに重きを置いています。年齢を重ねると、考えるのと同時に動くということが難しくなりますから。でも、どんな人でも全く運動ができないということはありません。それに、サッカーやスポーツをやっていた人たちは上達する過程を知っていますので、初心者が参加しても周りの参加者がパッとサポートしてくれます。僕が口出しする必要なんてないくらい見事に助けてくれます。これは本当に素晴らしいことです。

――参加者は、年齢、性別はもちろん、競技レベルやフィジカルの状態も異なると思いますが、指導内容もそれぞれ異なるのでしょうか。

金田 トレーニングメニューは同じで、それぞれ自分のペースで取り組んでもらうようにしています。その中で少しだけ指導を変えていく。年配の人や久しぶりに体を動かす人にはスピードは求めず、正確にプレーすることを意識してもらう。できる人には速さを求めたり、もう少し高度な動作や判断を求めたりしますね。ゲームでは、年齢、性別などバランスよくチームを構成します。

――参加者からはどのような感想が寄せられますか。

金田 楽しかった、と。体はもちろん、頭が疲れたという声も多いですよ。楽しかったと感じられるのは、できるようになってきたということだと思います。ですから、1回のイベントとして終わらせるのではなく、3週間に1回くらいのペースで、同じ場所で継続していくことが大事だと思っています。続けることで上達し、少しハードルの上がったトレーニングメニューもできるようになる。自信になりますし、どんどん楽しくなっていきますよね。また、クリニックが3回、4回と続くうちに、食事に行きましょう、となる。実際に緊急事態宣言の発令前や終了後に何度か参加者の皆さんと食事に行きました。そこでは、サッカーの話もしますが、昔話や趣味などいろいろな話題で盛り上がるんです。こういう交流が各地で自然発生的にできてくることなんて、選手時代には考えもしませんでした。

――サッカーを軸にして新たなコミュニティーが広がっている、と。

金田 その通りです。クリニックには、開催するサッカー場やフットサル場の近隣の人たちが集まるので、参加者はまずお互いが近い地域に住んでいると認識します。参加回数を重ねるうちに話をするようになり、連絡先を交換するようになる。日本は自然災害の多い国です。大げさな話かもしれませんが、いざというときに連絡先を交換した人のことを気にかけ、連絡をする。それが助け合いになるかもしれない。もしかしたらサッカーから始まったネットワークが地域に役立つのではないかと、昨年から感じるようになりました。

プロフィール

金田喜稔 JFAシニアアドバイザー
1958年、広島県生まれ。中央大学2年時に日本代表に選出。大学卒業後は、日産自動車株式会社サッカー部(横浜F・マリノスの前身)でプレー。日本代表ではペレ、フランツ・ベッケンバウアー、ディエゴ・マラドーナ、ヨハン・クライフなど世界のスタープレーヤーと対戦した経歴を持つ。国際Aマッチ58試合出場。選手引退後は、サッカー教室を開催したり、解説者を務めるなど、サッカーの指導・普及活動にあたる。

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