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横浜FMがACLグループステージ1位突破、R16で水原三星と対戦へ

2020年12月05日

横浜FMがACLグループステージ1位突破、R16で水原三星と対戦へ

AFCチャンピオンズリーグ2020東地区グループステージ最終節が12月4日(金)にカタールのドーハで行われ、すでにノックアウトステージ進出を決めていた横浜F・マリノスはシドニーFC(オーストラリア)と1-1で引き分けてグループH1位突破が決まりました。マリノスは7日(月)のラウンド16でグループG2位通過の水原三星(韓国)と対戦します。

3日前の全北現代モータース(韓国)戦に勝利して、クラブ初のノックアウトステージ進出を決めて首位をキープしていたマリノスは、最終節のシドニー戦で引き分け以上の成績であれば1位突破を手にすることができます。
対するシドニーは1勝1分3敗でグループ4位。すでに大会敗退が決まっていますが、前節には上海上港(中国)に4-0で快勝して初白星を挙げ、今月始まる国内Aリーグの新シーズンを控えて調子を上げており、モチベーションは低くありません。
その対戦へ、マリノスは前節から先発メンバー全員を入れ替えて、右サイドバックにMF和田拓也選手、ボランチにFW大津祐樹選手を置くなど何人かは通常とは異なるポジションでのプレーとなりましたが、チームは立ち上がりから積極的に仕掛けて、勢いのある攻めで相手を圧倒します。
先制点は前半18分、MF水沼宏太選手の右CKにDF實藤友紀選手が右足を合わせて強烈なボレーを相手ゴールに叩き込みました。
リードを奪った後も、マリノスはMF天野純選手や大津選手、FWオナイウ阿道選手らが鋭いシュートで相手ゴールを脅かす場面を作りますが、ゴールを割ることができません。
すると29分に、シドニーがハーフウェイライン付近からのスルーパスに、FWトレント・ブハジアー選手が抜け出し、今大会初先発となったGK高丘陽平選手との1対1にゴール左隅に流し込みました。
同点にしたシドニーは前半終了間際にもカウンター攻撃からマリノスゴールに迫る場面を作り、ハーフタイム明けにはMFアレクサンダー・バウムヨハン選手に裏をとられてシュートを打たれますが、これはGK高丘選手がセーブしました。
しかしその後は再びマリノスがボールを保持。天野選手や大津選手が相手ゴールを脅かす場面を再三作りますが、枠を捉えることができず、1-1のまま試合を終えました。
マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督は、「いつもと違うポジションの選手もいた中で、チャンスも多く作れて、よく試合を支配した。良いプレーができた」と選手のハードワークを称え、「足りなかったのは前線の3分の1のエリアでの落ち着きで、少し急ぎすぎていた。そこは改善点だが、全体的には満足している」と語りました。
この結果、マリノスは4勝1分1敗の勝点13でH組首位を維持してグループステージを終了。すでに2位で突破を決めていた上海上港は、3位の全北現代に0-2で敗れて3勝3敗の勝点9。2度のACL優勝経験のある全北は、2勝1分1敗勝点7で大会を後にしました。

選手を入れ替えながら結果を得る

昨季のJリーグ優勝で今年のアジアクラブ王者への挑戦に臨んでいるマリノスは、ノックアウトステージ進出は通算4度目で初。今大会ではメンバーを入れ替えながらも結果を出すことができるチーム力を見せています。
今年3シーズン目で来年への続投も決まっているポステコグルー監督は、メンバーが入れ替わっても「一定のレベルを保って戦えているのはポジティブなことだ」と話し、アグレッシブにプレーしてボールを保持し、試合を支配するマリノスのサッカースタイルがチームに浸透している手ごたえを示しました。
そのチーム力を武器に、コロナ禍でドーハでの短期集中開催に変更になった今大会に11月25日から参戦しているマリノスは、再開初戦で上海上港と対戦。フィジカルの強さで当たりも激しく、昨年2度目の8強入りをしている中国強豪に、後半は相手の攻めを受け、80分にペナルティを与えてしまいます。
しかし、元ブラジル代表MFオスカル選手が蹴ったPKを、GKオビ・パウエル・オビンナ選手がブロック。この危機を潜り抜けると、試合終了直前にMF仲川輝人選手のシュートの跳ね返りを天野選手が押し込んで、マリノスが1-0で勝利。天野選手は「オビが止めてくれて流れが変わった」とチームメイトの活躍を称えました。
ところが、引き分け以上で突破が決まるマリノスでしたが、中2日でのリターンレッグで上港が反撃。前半14分でCKの流れから失点します。
前節から先発を大幅に入れ替えて臨んだマリノスは、21分に右サイドでの速い仕掛けからFWオナイウ阿道選手が同点ゴールを決めたものの、後半に入って中盤の構成を変えて攻勢に転じた上港に、55分に再び得点を許してしまい、その後のチャンスを決められずに、この試合を1-2で落としました。
しかし、3位の全北に勝点5差のリードを奪って首位を維持しているマリノスの優位は動きません。引き分け以上で突破がきまる12月1日の全北現代戦で、ポステコグルー監督は再び先発メンバー6人を入れ替えて試合開始から攻撃を畳みかけ、2度のACL優勝経験のある全北を圧倒します。
17分にDFティーラトン選手の鮮やかなミドルシュートで先制すると、51分に仲川選手がドリブル突破からFWマルコス・ジュニオール選手のゴールをお膳立て。3分後に全北にPKで1点差とされますが、マリノスは71分に仲川選手が左クロスに相手DF2人の間に飛び込んで3点目を押し込み、83分にはオナイウ選手が天野選手の左クロスに右足で合わせ、相手GKのOGを誘って4-1で勝利しました。
マリノスの選手たちは異口同音に「クラブの歴史を変えることができた」と初のグループステージ突破を喜びながら、「これで満足しない」(マルコス・ジュニオール選手)、「自分たちが目指しているのは優勝しかない」(仲川選手)と話し、次へ切り替えていました。
ポステコグルー監督は、「チームの成長には一つのことを遂げた翌年が大事になる。今回、クラブ初のグループステージ突破で、我々はまだ何かを達成できるものがある。チームの進歩を示す点で重要なことだ」と語っています。

ラウンド16で水原三星と対戦へ

ノックアウトステージからは一発勝負での対戦方式になりますが、オーストラリア代表監督も務めた指揮官は、「今後も自分の試合へのアプローチは変わらない。毎試合が重要な試合と捉えて、自分たちのアグレッシブに戦いボールを保持して試合をコントロールする姿勢を続ける。大事なことをやれば成功できると信じている」と語りました。
マリノスが12月7日のラウンド16で対戦する水原三星は、4日のグループステージ最終節ではすでに1位突破を決めているヴィッセル神戸に2-0で勝ち、今大会初勝利を挙げて1勝2分1敗としてG組を2位で通過しました。韓国FAカップ優勝で2年ぶり10回目の出場を獲得しました。2011年と2018年には4強入りしています。
マリノスは累積警告でDF伊藤槙人選手とDF實藤友紀選手が出場できませんが、選手を入れ替えながら勝ち進んできたポステコグルー監督は、「次のラウンド16には全員がフレッシュな状態で臨める」と話しています。
水沼選手は、「ここからは内容よりも結果。どんな試合になろうが、結果を求めてみんなで一体感を持って戦うことが大事になる」と語り、気持ちを引き締めていました。

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