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神戸がPK戦で水原三星を制してACL準決勝に進出

2020年12月11日

神戸がPK戦で水原三星を制してACL準決勝に進出

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2020の東地区準々決勝が12月10日(木)にカタールで行われ、ヴィッセル神戸が水原三星(韓国)に延長1-1の末PK戦7-6で競り勝ち、初出場ながらベスト4進出を決めました。神戸は13日(日)の準決勝で蔚山現代(韓国)と対戦します。

水原とはグループステージでも対戦して1勝1敗。今回が3度目となる顔合わせへ、神戸は快勝したラウンド16の上海上港(中国)戦から1人を除いて先発メンバーを維持。3日前の試合で足を傷めたMFアンドレス・イニエスタ選手をベンチに置き、MF安井拓也選手を起用して臨みました。
一方、ラウンド16で横浜F・マリノスに逆転勝ちを収めて8強へ駒を進めてきた水原も、先発の変更は守備陣の1人に留め、7日のマリノス戦で見せた勢いを保って試合を始めます。
昨季の韓国FAカップに優勝して2年ぶり10回目のACL出場を決め、過去に2度の4強進出の経験もある水原は、立ち上がりからボールを保持して試合を始め、前半7分にFWパク・サンヒョク選手が中盤からゴール前に上がって右クロスに合わせて先制点を奪います。
早々にリードを奪うと、水原はその後も素早い攻守の切り替えから積極的に神戸ゴールに迫る場面を作り、優位に試合を進めます。
神戸は水原の固い守備ブロックに、なかなか前線に効果的なボールを入れられずに苦戦しますが、36分に流れが変わります。
今大会、前線で起用されているDF西大伍選手がFWドウグラス選手の相手DFの裏へのパスに反応して飛び出すと、ペナルティエリア付近で相手に倒されて、一時はPKの判定を得ます。
ところが、このラウンドから導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)システムでこれがFKと改められ、倒した相手DFキム・テファン選手が退場に。神戸はこのFKをFW古橋亨梧選手が直接決めてゴールネットを揺らし、同点に追いつきました。
これで流れをつかんだ神戸は、前半終了直前にもドウグラス選手がFKやゴール前に切り込んでのシュートで追加点のチャンスを作り、後半も神戸が攻勢を続けます。
73分にはMF山口蛍選手がMF郷家友太選手の落としに反応してミドルレンジから右足を振り、その1分後にはドウグラス選手が右クロスに頭で合わせて相手ゴールを脅かします。ドウグラス選手は85分にも左クロスにヘディングを狙いますが、これはゴール前に飛び込んだ古橋選手の背中に当たり、ゴールにはなりません。


1人少なくなって守備を固めてカウンターを狙う水原は、後半終了間際に交代出場のFWキム・ガニ選手がペナルティエリアに持ち込んで近い距離からシュートを打ちますが、GK前川薫也選手が好セーブでゴールを守りました。
1-1のまま延長に突入した後も神戸がボールを保持して試合を進め、96分には古橋選手が相手ボールをカットして攻め上がり、相手GKを引き付けてドウグラス選手へパスを出すと、ドウグラス選手は右足でゴールを狙いましたが相手DFに阻止されます。延長後半にも古橋選手がシュートで相手ゴールを脅かしますが、ゴールには至りません。
両者に疲れが見える中、神戸は113分にイニエスタ選手を送り出し、得点機を探ります。
一方、水原は120分終了を目前に攻撃を仕掛け、116分に決定的な場面を作ります。キム選手が左サイドから切り込んでシュートを放ち、GK前川選手のセーブの跳ね返りにMFキム・ミヌ選手が右足を振ります。これは山口選手がゴール前でブロックしますが、リバウンドに反応したFWコ・サンボム選手が右足を振り、ポストを直撃しました。
最後まで両者ともに相手ゴールを割ることができずに延長を終えて、試合はPK戦に入ります。
後攻の神戸はイニエスタ選手が一番手を務め、両者ともに6人までキックを成功させますが、水原の7人目の選手が蹴ったシュートはクロスバーの上へ外れます。そして、神戸の7人目で登場したFW藤本憲明選手がゴール右へ決めて、神戸が激戦を制して準決勝へ進出しました。
日本クラブの初出場でのベスト4入りは、2007年の浦和レッズ、2009年の名古屋に続いて神戸で3クラブ目です。
最後のキッカーを務めた藤本選手は、「普段通りに蹴ることができた」というキックでチームに歓喜をもたらして、「今までチームに貢献できていなかったので、しっかり決めて貢献したいと思っていた。勝ちという結果で終われて良かった」と笑顔を見せていました。


神戸の三浦淳寛監督は試合後の会見冒頭で、「水原は一人少ない中で粘り強い守備を見せ、我々は得点を狙って、お互いに決着をつけるために全力で戦った。両チームにとって非常に良いゲームになったと思う」と話し、対戦相手の水原とレフェリーチームへの感謝を述べました。
延長後半の終盤に投入したイニエスタ選手について訊かれると、指揮官は「彼の存在自体が前向きになれるもの。彼がいることによって水原は守勢に回ることが増えた。(我々の)選手たちも自信を持ってプレーできた」と指摘。「PKも、我々のキャプテンが一番初めに蹴ることで勝利につながった」と語りました。
また、PK戦にまでもつれたことについて、指揮官は「たくさんチャンスはあったが、水原の、特にDFの集中力の高さやハードワークは素晴らしいものがあった」と相手を称え、「相手が一人少ない状況でもなかなか勝負がつかないのはフットボールの難しさ。次の試合以降で、間違いなく結果を出してくれると思う」とFWへの期待を口にしました。
神戸の次の対戦相手は昨季の韓国Kリーグ王者の蔚山現代です。準々決勝では北京国安(中国)にFWネグラン選手の2得点で2-0と勝利しました。
13日(日)の準決勝は、準々決勝と同じアルジャヌーブ・スタジアムにて行われ、日本時間19:00キックオフの予定です。

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