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甲府がACL2勝目で首位浮上、川崎と横浜FMも勝利も浦和は痛い黒星

2023年11月09日

甲府がACL2勝目で首位浮上、川崎と横浜FMも勝利も浦和は痛い黒星

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24東地区グループステージ第4節の試合が11月7日(火)、8日(水)に各地で行われ、ヴァンフォーレ甲府が浙江FC(中国)にホームで4-1の快勝でグループ首位に浮上し、川崎フロンターレは4連勝、横浜F・マリノスは3勝目を挙げましたが、前回王者の浦和レッズはアウェイで浦項スティーラーズ(韓国)に逆転負けで2敗目を喫し、グループステージ突破が厳しい状況になりました。次節は11月28日(火)、29日(水)に行われます。

甲府が4得点の快勝で浙江に雪辱

天皇杯覇者でJ2の甲府が前節0-2で浙江に敗れた苦い経験を生かして8日(水)、今大会ホームの国立競技場でのリターンレグで4-1の快勝を収め、グループH首位に浮上しました。

ノックアウトステージ進出につなげるために勝利が求められる一戦で、アウェイでは相手に使われて苦戦した中盤にMF中村亮太朗選手を起用。激しく競り合い、中盤でボールを獲得するとサイドや前線へ素早く展開してゴール前のチャンスを多く生み出しました。

前半17分、中村選手がハーフウェイライン付近から相手DFライン裏のスペースへフィード。FWピーター・ウタカ選手が抜け出して相手GKと1対1になると、GKの動きを見ながら冷静に右足を振って得点。一度はオフサイドとコールされましたが、VARでゴールが認められて先制しました。

勢いを得た甲府はその後も相手DFの裏のスペースへウタカ選手やFWジェトゥリオ選手を走らせて相手ゴールに迫り、右サイドではFW宮崎純真選手が仕掛けて相手を押し込みます。

前半アディショナルタイムに得た2点目も中村選手から右サイドの宮崎選手への展開からでした。パスを受けた宮崎選手が斬り込んでクロスを入れると、逆サイドからゴール前に飛び込んできたジェトゥリオ選手が右足で合わせる技ありのシュートで2-0としました。

グループ4位で2勝目が欲しい浙江は後半開始からFWニャシャ・ムシェクウィ選手を投入し、前線の構成を変えて反撃に出ます。50分、ムシェクウィ選手のシュートリバウンドに反応したFWレオナルド選手がGKマイケル・ウッド選手に倒されたとして浙江がPKを獲得。これをレオナルド選手が決めて1点を返します。

しかし、甲府はこれに動じず、ジェトゥリオ選手、ウタカ選手らが次々とゴールを脅かします。そして58分には右サイドで宮崎選手、FW飯島陸選手とテンポよくつなぎ、最後はDF関口正大選手がペナルティエリア右に切り込んで右足を振り、3点目で再び相手を引き離しました。

甲府はその後も選手交代を駆使して攻勢を維持。89分にはFW三平和司選手のスルーボールを捉えたMF鳥海芳樹選手が右足で4点目を流し込みました。

甲府は2勝目を手にして勝ち点を7に伸ばし、メルボルン・シティ(オーストラリア)がホームでブリーラム・ユナイテッド(タイ)に0-1と敗れたため、総得点差でメルボルンを上回って首位に立ちました。ブリーラムが勝ち点6で3位、浙江は勝ち点3で4位です。

甲府は次節、29日(水)に再びホームの国立競技場でメルボルンと対戦します。

川崎がBGパトゥムに4得点で4連勝

グループIの川崎は7日(火)、ホームでBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)と対戦。MF脇坂泰斗選手がPKでの2得点とDF山村和也選手の決勝ゴールをアシストするなどで、後半半ばに一人少なくなった相手に4-2と勝ち、4戦全勝でグループ首位をキープしました。

川崎は前半16分に左サイドからペナルティエリアに切り込んだMFマルシーニョ選手が相手DFに倒されてPKを獲得。前半40分にも、相手DFの裏を取ったFWレアンドロ・ダミアン選手がペナルティエリアで倒されて再びPKを獲得し、脇坂選手が左へ蹴り込んだ1本目から2本目はグラウンダーで決めて2度先行します。

ところが、どちらも得点後に今夏まで在籍したタイ代表MFチャナティップ選手にボールを奪われるミスから、33分と41分に得意のミドルレンジのシュートで同点にされました。

後半も気の抜けない展開が続く中、57分にMFフレディー・アルバレス選手が相手へのファウルで退場となり、川崎が数的優位を得ると、68分に山村選手が脇坂選手のCKに頭で合わせて均衡を破り、後半アディショナルタイムには途中出場のFW宮代大聖選手が決めて、2戦連続での4-2勝利で突き放しました。

2位の蔚山現代(韓国)がアウェイでジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)に1-2で敗れたため、蔚山は3位ジョホールと勝ち点6で並び、川崎の勝ち点差は6に開きました。川崎は次節28日(火)のホームでのジョホール戦で引き分け以上であればグループ1位が確定し、2大会ぶりのノックアウトステージ進出が決まります。

横浜FM、マテウス選手の得点でカヤFCに勝利

グループGの横浜FMは7日(火)、カヤFC・イロイロ(フィリピン)とアウェイで対戦し、試合終盤に一人退場者を出した相手に攻撃をたたみかけ、途中出場のFWヤン・マテウス選手の87分の決勝ゴールで2-1と勝利し、3勝目で首位に浮上しました。

人工芝という不慣れなピッチと5バックで守備を固める相手に手を焼きながらも、横浜は前半26分にMF村上悠緋選手がDF榊原彗悟選手のパスを受けて先制ゴールを挙げます。

横浜に押し込まれる展開が続いていたカヤFCは39分、中盤からのスルーボールに反応してGKと1対1になったFW堀越大蔵選手が右足で決めて追いつきます。しかし、カヤFCは途中出場のFWロベール・ロペス・メンディ選手が82分に榊原選手へのファウルで退場となりました。

守備を固める相手に対して、横浜はMF水沼宏太選手らを中心に左サイドから仕掛けてゴールに迫ると、87分にMFナム・テヒ選手のパスを受けたマテウス選手が巧みなボールさばきで相手DFをかわしてゴールネットを揺らしました。

もう1試合では首位の山東泰山(中国)が仁川ユナイテッド(韓国)に3-1で勝利して、横浜FMと3勝1敗の勝ち点9で並びましたが、直接対決で勝利している横浜FMが首位に立ちました。仁川は2勝2敗で3位、カヤFCはまだ勝ち点がありません。

横浜は次節28日(火)に、前回敗れている仁川とアウェイで対戦します。

浦和、退場者を出して浦項に逆転負け

グループJの浦和は前節ホームで敗れた浦項とアウェイで対戦。前半先制ゴールを奪ったものの、後半に入って退場者を出して苦戦。試合終盤に相手に2点目を許して1-2で敗れ、痛恨の2敗目を喫しました。

ノックアウトステージ進出に勝利が必要な一戦で、前半36分にカウンター攻撃からFWホセ・カンテ選手が得点。先制に成功します。

しかし、後半途中から流れが変わります。66分にVAR判定で浦和DFにペナルティエリアでハンドがあったとして相手にPKを与え、これをFWゼカ選手に決められて同点とされます。さらに72分にはDF明本考浩選手が危険なプレーで一発退場となり、数的不利に追い込まれます。

1-1のまま迎えた後半アディショナルタイム、浦項は途中出場のFWキム・インソン選手が決勝ゴールを決めて勝利。浦和は後半アディショナルタイムにマチェイ・スコルジャ監督がレッドカードを受けて退場となり、次戦ベンチで指揮を執ることができなくなりました。

この結果、浦項は4戦全勝で勝ち点を12に伸ばし、1勝1分け2敗で2位の浦和との勝ち点を8差としてグループ1位突破を決めました。浦和は残り2試合での連勝で2位抜けの可能性に絞られ、他グループの結果次第という苦しい状況になりました。

浦和は次節29日(水)にホームで武漢三鎮(中国)と対戦します。武漢はハノイFC(ベトナム)に1-2で敗れて勝ち点4で浦和と並び、得失点差で3位につけています。

なお、日本勢不在のグループFでは首位のバンコク・ユナイテッド(タイ)がホームで傑志SC(ホンコン・チャイナ)と1-1で引き分けたものの、勝ち点10で首位をキープ。2位の全北現代モータース(韓国)はアウェイでライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)に0-2で敗れて2敗目でライオン・シティと勝ち点で並びましたが、直接対戦での得失点差で2位を維持しました。

アルアインが西地区で突破一番手に

西地区ではグループAのアルアイン(UAE)がアウェイのアルファイハ戦に3-2で勝って4戦全勝。2位のパフタコール(ウズベキスタン)がアハルFC(トルクメニスタン)と1-1で引き分けたため、勝点差8で1位突破を確定させて16強進出決定1番乗りとなりました。

グループDではアルヒラル(サウジアラビア)とナブバホール(ウズベキスタン)がそれぞれ勝って勝点を10に伸ばし、3位のナッサジ・マザンダラン(イラン)との勝点差を7としてグループ2位以内が確定。アルヒラルはアウェイでムンバイ・シティ(インド)に2-0、ナブバホールもアウェイでナッサジに3-1で勝利して、ともに3勝1分けとしています。

グループステージ第5節は東地区では11月28日(火)、29日(水)に、西地区は11月27日(月)、28日(火)に行われます。東西地区ともに各グループ1位とそれぞれの地区で2位のなかで上位3チームがノックアウトステージに進出します。

監督・選手コメント

篠田善之 監督(ヴァンフォーレ甲府)
大勢のサポーターに来ていただいて、ヴァンフォーレではないユニフォーム姿も見えました。その声援を力に変えて戦って目標の勝ち点3を取れたことは嬉しく思います。相手のストロングポイントを抑えて、落ち着き出してから我々の狙い通りの展開に持ち込めました。アウェイの試合では中盤を相手に使われたのですが、今日は選手たちが理解してよくやってくれました。前線からウタカ選手や飯島選手がプレスバックや2度追いをやって、相手は窮屈だったのではないかと思います。ベンチも含めてすべての選手で勝ち点3を取れました。ただ、「グループ首位です」と言われてもピンときませんし、突破にはあと2試合残っています。いい位置にいますが、その考えは一端ストップして、まずは次の山形戦です。サポーターの声援に応えないといけないと思っています。

DF 関口正大 選手(ヴァンフォーレ甲府)
グループステージも2巡目に入って、前節の対戦を生かして4点取れたのが良かったと思います。得点場面は、準備の段階から3人目の動きを出そうと言っていました。飯島選手がいいところに出してくれて、苦しい時間が続いて1つ欲しいなと思っていましたし、2-0の後に失点していたので、ゴールにつながってよかったです。

FW ピーター・ウタカ 選手(ヴァンフォーレ甲府)
得点場面はDFラインの裏にボールが来ることを期待していたら、その通りのボールが来て、ボールを持ったあとはGKのポジションを見てシュートを打ちました。VARの確認に時間がかかっていましたが、その間、オンサイドであることを願っていました。監督の下でチーム全員がハードワークして、ベストを出せるように努めてきました。自信を持って試合に臨めましたし、ここまでの頑張りを考えれば、(勝利で首位という)結果にも驚きはありません。次の試合もよりよい結果を出せるように努力したいです。

ジョルディ・ビニャルス 監督(浙江FC)
前半はペナルティボックスで強度の高い場面が多く、難しい展開で2得点を許してしまいました。ハーフタイムには勝利を求めて1点を返そうということでシュートの質を上げていこうと話していて1点を返すことができたのですが、追加点が取れず、相手に3点目を取られてしまいました。甲府はカウンターがとてもよくて対応が難しかった。甲府にはおめでとうと言いたいと思います。

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