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「JFA リスペクトシンポジウム2022 暴力・暴言の根絶 ~セーフガーディングポリシーをクラブの日常へ~」を開催

2022年09月28日

「JFA リスペクトシンポジウム2022 暴力・暴言の根絶 ~セーフガーディングポリシーをクラブの日常へ~」を開催

日本サッカー協会(JFA)は9月24日(土)、「JFA リスペクトシンポジウム2022 暴力・暴言の根絶 ~セーフガーディングポリシーをクラブの日常へ~」をオンラインで開催しました。

JFAでは毎年「JFAリスペクトフェアプレーデイズ」を設置し、リスペクトの大切さや、差別や暴力・暴言のない世界を目指すさまざまな取り組みを行っています。例年は9月上旬の10日間を設定していますが、2022年度は9月1日(木)から30日(金)までの1カ月間に拡大し、より多くのサッカー現場で活動の輪を広げました。

シンポジウムは2部制で行われ、第1部の基調講演ではJFAが取り組んでいる「ウェルフェアオフィサー制度」「セーフガーディングワークショップ」「エモーションプロジェクト」について、それぞれ紹介しました。

ウェルフェアオフィサー制度は2015年にスタートしたもので、サッカーを安全・安心に楽しむことを守る担当者を各都道府県のサッカー協会やリーグ連盟、大会や試合の現場、各クラブに配置し、差別や暴力・暴言の根絶を目指すものです。今井純子JFAリスペクトフェアプレー委員長は「関わる全員が当事者意識を持って、差別や暴力・暴言を『しない・させない・許さない』に取り組むことが大事だということを強く思いながら取り組みを進めています」と説明しました。

セーフガーディングワークショップは安全保護のために行っているワークショップで、子どもたちの安心・安全・幸せが守られる環境を考えながら、安全保護を自分事としてとらえ、行動計画を立てることを目指して実施しています。これまで国内20都道府県のサッカー協会で実施(予定も含む)しており、眞藤邦彦JFAリスペクトフェアプレー委員は実際にワークショップで実施しているカードゲームなどを紹介しつつ「自分にそのつもりが全くなくても、言動がリスクになり得ます。だからこそ、気づき、伝え合える仲間がいることがすごく大切だと思っています」と、ワークワークショップ実施の意義を語りました。

エモーションプロジェクトは、山岸佐知子JFAリスペクトフェアプレー副委員長から小野剛JFA技術委員会副委員長へのインタビューという形で紹介されました。小野副委員長はAFC アジアカップ UAE 2019準決勝のイラン対日本における日本の先制シーンなどを紹介しながら、サッカーの試合中にはさまざまな感情の揺れ動きが発生することを解説。「エモーションがサッカーの美しさをつくります。エモーションに操られる前に、それを操るマスターになっていけば、サッカーの幸せを感じることができるはずです」と呼び掛けました。

第2部では「暴力・暴言の根絶~セーフガーディングポリシーをクラブの日常へ」というテーマでのパネルディスカッションを実施。第1部で紹介した3つの取り組みについて語り合いました。まずは今年8月にコスタリカで開催されたFIFA U-20女子ワールドカップでU-20日本女子代表がフェアプレー賞を受賞したことが映像で紹介され、佐々木則夫JFA女子委員長が「プレーヤーの立ち居振る舞いやピッチでのフェアプレー、サポーターへの対応など、日本女子サッカーの神髄を見せてくれました。ひたむきな姿を応援していただき、フェアプレー賞もいただいた。日本女子サッカーが目指すべき姿であり、世界にも評価していただいたと思います」と称賛の言葉を送りました。

パネリストの1人である徳田康愛知県サッカー協会専務理事/JFAリスペクトフェアプレー委員は差別や暴力・暴言根絶に向けた取り組みについて「相談は少なくありません。良くしていくためには自分事として考える状況をつくっていくべきですし、都道府県のサッカー協会とJFAが一緒になって進めていく体制が必要です」と提言をしつつ「サッカー協会とJFAへの登録者が分断している現状もあるので、サッカー仲間として一緒にやっていこう、みんなで取り組んで成果を出そうという雰囲気をつくることが大事だと思います」と呼びかけました。

また、リスペクトフェアプレー月間における女子委員会の取り組みとして、JFA U-18女子サッカーファイナルズ2022におけるキャプテンミーティングや、試合前のリスペクト宣言ボードの交換、キャプテンによるリスペクト宣言などの事例が紹介されました。今井委員長は「選手が自分たちの頭でリスペクトやフェアプレーについて考え、自分の言葉で表現してくれたのがとても価値のあることだと感じました」と評しました。

登壇者コメント

田嶋幸三 JFA会長
私たちはリスペクトの活動を長きにわたり続けてきました。そしてこのリスペクトプロジェクトが始まる前から、JFAはフェアプレーを合言葉にさまざまな大会でフェアプレー賞を受賞してきました。これは今や日本サッカーの文化になっていると思います。サポーターがスタンドのゴミを拾い、代表チームが試合後のロッカーをきれいにして帰る。これがまさにリスペクトだと思っています。相手選手や指導者、仲間、ルール、道具、ピッチ、さまざまなものへのリスペクトを忘れないことがJFAの大きな財産だと思っています。皆さんもぜひこの気持ちを続けて、我々のリスペクトの精神を大切にしていきましょう。

今井純子 JFAリスペクトフェアプレー委員長
今回のテーマを「暴力・暴言の根絶 ~セーフガーディングポリシーをクラブの日常へ~」とさせていただきましたが、クラブの日常に浸透させていかないと意味がないと思っています。気になったことをフランクに伝え合える関係や前提をサッカーの中で作っていきたいと思っています。みんなで一緒に、みんなの役割に、というところに向けて一歩先に進めたいと思っていますし、スポーツ界やサッカー界の環境、景色、文化をいい方向に変えていきたいと思います。ぜひ一緒にやっていきたいと思っています。

佐々木則夫 JFA女子委員長
日本はスポーツやさまざまな活動に対する姿勢はしっかりしている国ですが、一部でリスペクトに欠く事例も発生します。それが1つあると、今の社会では「サッカー界はダメだ」という風潮につながってしまい、本当に誠実に指導している方、コミュニケーション豊かに、サッカーを将来につなげるために活動している方のイメージまで悪くなってしまいます。暴力・暴言があってはならないという声は、かつての時代以上に高まっています。こういったことを誠実に学び、よい習慣にしていかなければならないと思っています。ぜひ皆さんで学び、それを広げていただきたいと思っています。

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