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なでしこジャパン、DPR Koreaに敗れ3大会ぶりの優勝はならず ~EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会~

2017年12月16日

なでしこジャパン、DPR Koreaに敗れ3大会ぶりの優勝はならず ~EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会~

なでしこジャパンは、12月15日(金)、千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)で行われたEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会の第3戦で、朝鮮民主主義人民共和国(DPR Korea)女子代表と対戦しました。

18時55分にキックオフされたこの試合で、なでしこジャパンは第2戦から5人の先発選手を入れ替えます。宇津木瑠美選手が左サイドバック、高木ひかり選手が右サイドバック、籾木結花選手が左サイドハーフ、櫨まどか選手が右サイドハーフに入り、岩渕真奈選手が田中美南選手と2トップを組みました。

対するDPR Koreaは、第2戦と同じ先発メンバー。先発11人の平均年齢が21.9歳と若いチームです。

両チームは2勝同士でこの試合を迎えましたが、DPR Koreaが得失点差で日本を上回っているため、日本が優勝するには勝利しか許されない状況です。

前半は、日本がボールを保持して試合を進めました。ショートパスを主体にボールを前に運びますが、ここまで無失点のDPR Koreaはプレスが速く、日本はこれまでの2試合以上に狭いスペースでのプレーを余儀なくされました。自陣ではリズムよくパスを回す日本ですが、相手陣内に入るとパスがつながらず、前半でシュートを放つことができたのは1本のみでした。23分、田中選手が阪口夢穂選手のパスを受けて反転、左足で強烈なシュートを放ちましたが、これはゴール右に外れました。

前半は0-0ながら、今大会の女子試合で最多の5,227人が集まったスタジアムからは、熱のこもった一つひとつのプレーに、大きな歓声が挙がりました。

後半になると、DPR Koreaの持ち味である体力と精神力の強さが、日本をより苦しめました。

61分、右コーナーキックからDPR Koreaのキム・ユンミ選手がヘディングシュートを放ちますが、これはGK池田咲紀子選手がキャッチします。しかし、その4分後にゴールネットを揺らしたのは、キム・ユンミ選手でした。ペナルティーエリア手前からキム・ユンミ選手が放った強烈なミドルシュートが日本ゴールに決まり、DPR Koreaが0-1とリードしました。

これにより、優勝には2点以上が必要になった日本は、途中投入していた中島依美選手をセンターポジションに移すなど打開を図りますが、攻撃に集中することができません。

82分には、DPR Koreaに追加点が入ります。左サイドをドリブル突破したキム・ピョンファ選手のクロスボールを、逆サイドのリ・ヒャンシム選手が決めて、0-2とDPR Koreaがリードを広げました。

日本は直後、菅澤優衣香選手、続けて中里優選手を投入。3バックに変更して巻き返そうとします。試合終了間際には、右サイドの中島選手のクロスを菅澤選手がトラップし、相手選手のクリアボールを櫨選手がシュートしましたが、これはゴール上に外れます。後半のアディショナルタイム4分もDPR Koreaの好守によって日本は得点が奪えないまま、0-2で試合終了となりました。

この結果、3戦全勝のDPR Koreaが大会3連覇を達成。2勝1敗の日本は準優勝となりました。

また、この試合の前に行われた、もうひとつの第3戦は、中国女子代表が1-3で韓国女子代表に勝利したため、中国が3位、韓国が4位で終了しました。

試合後に行われた表彰式では、個人表彰が発表され、DPR Koreaのキム・ユンミ選手がMVP(大会最優秀選手)と得点王(4得点)をダブル受賞しました。ベストディフェンダーには、DPR Koreaのキム・ナムフィ選手が、ベストゴールキーパーには、同じくDPR KoreaのGKキム・ミョンスン選手が選出されました。

また、3試合のデュエルポイント(試合スタッツから各選手の総デュエル回数およびデュエル勝利回数を抽出した数値)が最も高い選手やチームに贈られる、auスタッツアワードの受賞者も発表され、個人賞は日本の田中選手、チーム賞は韓国が受賞しました。

監督・選手コメント

高倉麻子 監督(なでしこジャパン)
まず、DPR Korea選手たちやスタッフの皆さんに、優勝おめでとうと伝えたいと思います。今日は日本が引き分けでは優勝できない中で、失点をしないゲーム運びをしながら、もちろん点を狙いに行くという難しいゲームでした。前半は少し(ボールを)持たされている部分もあったと思いますが、これまでの試合に比べるとボールが動きながら、いいリズムがつくれたと思います。しかし(相手にとって)危険なところに入り込むまでは至らなかったなと思います。強い気持ちで優勝を目指して臨んだので、(試合後は)選手も非常に悔しい顔をしていました。来年4月に行われるアジアカップに向かって、悔しい思いを糧にし、本気でアジアで1番になれるように、また頑張っていきたいなと思います。

DF #3 鮫島彩 選手(INAC神戸レオネッサ)
試合前から厳しい戦いになると考えていました。結果的に日本のFWの体力が奪われてしまったので、今日のようにサイドを変えすぎる攻め方ではなく、もう少し同サイドで攻めていくこともできたかなと思います。しかし試合前には、日本がまったくボールを回せないかと思いましたが、試合前のイメージよりはボールを持つ時間がありました。来年4月にはアジアカップがありますが、例えば韓国は、チ・ソヨン選手がいるとまた違ったチームになるように、他の対戦相手も少し違ってくると思います。今大会で課題が出たこともポジティブに捉えて、アジアカップを目指したいです。

DF #22 高木ひかり 選手(ノジマステラ神奈川相模原)
アグレッシブに攻めることができた一方、対人プレーを見直さなければいけないと感じた試合でした。特に2失点目はサイドハーフの櫨選手と間合いを詰めていって、ボールを取れると思ったが、予測が甘く、体を当てにいくことができずに簡単に抜かれてしまいました。守備全体で押し上げることはできていたと思いますが、まだまだ足りないものも感じました。個人的には、守備面で多く課題が出ました。アジアカップまでには、一回りも二回りも成長して臨まないといけないと思います。アジアカップでもスピードが速い選手は多くいるので、次は対応できるようにしていきたいです。

FW #15 籾木結花 選手(日テレ・ベレーザ)
前線からのプレッシャーを90分続けてくるのがDPR Koreaなので、そのプレッシャーをダイレクトなどでうまくテンポをつくり、相手の逆を取ろうとしましたが、中盤くらいまではボールを回せても、前戦にというところでチャンスをつくれず、いいシーンもつくれませんでした。そこが課題かなと思いました。守備に追われる時間が長く、ボールを受けるところで終わってしまって、3人目の動きを意識できませんでした。アジアカップは厳しいグループに入りましたが、オーストラリアには負けているから、必ず借りは返したいです。韓国には今回勝ちましたが、まだ招集されていない選手もいます。韓国に勝ったことは忘れ、また4月までにレベルアップできるよう頑張っていきたいです。

キム・クヮンミン 監督(朝鮮民主主義人民共和国女子代表)
勝利を収めることができ、大変うれしく思います。日本は個人技が非常に優れ、個人の能力が高い非常に素晴らしいチームです。その日本に対抗するために、強いメンタルと強いチームワークで対抗することを試みました。スピードのある攻撃で、相手を崩す試合運びをしました。しかし、選手たちが非常に若く経験が少ないこともあり、私たちが意図した動きをすることができませんでした。そこで後半に入る時に、前半でうまくいかなかったことについて、しっかり注意し、選手がそれを自覚した上で、チームが一丸となって戦うことができました。後半もやはり強いメンタルと強いチームワークを最後まで発揮し、選手たちはよく戦ってくれたと思います。0-2という圧倒的な強さを見せて勝つことができました。また3連覇することができたことを、うれしく思っています。

スケジュール

EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会
12月8日(金) 3-2 第1戦 vs 韓国女子代表
(千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ))
12月9日(土) 11:00 トレーニング(フロンティアサッカーフィールド)【一般公開】
12月10日(日) AM/PM トレーニング【一般非公開】
12月11日(月) 1-0 第2戦 vs 中国女子代表
(千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ))
12月12日(火) 11:00 トレーニング(フロンティアサッカーフィールド)【一般公開】
12月13日(水) AM/PM トレーニング【一般非公開】
12月14日(木) AM/PM トレーニング【一般非公開】
12月15日(金) 0-2 第3戦 vs 朝鮮民主主義人民共和国女子代表
(千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ))

※スケジュールや会場は急遽変更になる場合がございます。

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EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会

男女ともに、中国、日本、朝鮮民主主義人民共和国、韓国の4チーム総当りによるリーグ戦で東アジアサッカーの頂点を競います。12月8日(金)から16日(土)まで、男子は味の素スタジアム(東京)、女子は千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ/千葉)で行われます。

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