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vol.004「見せる試合のために」 日テレ・ベレーザ監督 野田 朱美さん

2012年06月12日

今季のプレナスなでしこリーグは15日に開幕、私が監督を務める日テレ・ベレーザは2連勝というスタートを切れた。

リーグとして昨季との大きな違いは有料試合が大幅に増えることだ。全5試合が有料だった開幕戦前、私はミーティングで選手たちに伝えた。

「自分たちのプレーに一円でも対価を払ってくれる人がいたら、その時からもうプロフェッショナル。そこを意識してほしい」

ベレーザにはプロ的な選手とそうでない選手が混在する。でもお客さんにそんな言い訳は通用しない。お金を払って見に来たのは「ベレーザのサッカー」なのだから全員でお客さんが望むものを見せる義務がある。

「下手でも頑張ってます」ではすまないし、「さすがだな」と思わせないといけない。お小遣いをはたいて見に来る子供がいるとしたら、感謝の気持ちを込めてやらないと顔向けできない。

わざわざそういう話をしたのは大きなチャンスが来ていることを改めて自覚してほしかったからだ。いいプレーを見せ、観客を増やせば、自分たちの手で環境を変えられる。こんな状況はそうはないのだから、ひるんだり、ぼんやりしている場合ではないのだ。

もう一つ、今季はチームとして約束事を設けた。試合の途中でベンチに下がることになった選手は、ケガをして担架で運び出される以外は、交代で入る選手と必ずハイタッチをする。ベンチに戻れば監督、控え選手と握手する。これらを励行するよう求めた。

そんなこと?と笑わないでください。簡単なようで男女問わずできていないと思うのは私だけだろうか。交代を命じられて悔しいのは分かるけど、ぷいっと横を向いてそのまま更衣室に直行とか。客席から見ても見苦しいと思うし、何が嫌といって交代で入る仲間へのリスペクトの念が見えないことだ。

私の中ではオン・ザ・ピッチとオフ・ザ・ピッチの間には1本の線がしっかりと引かれている。ピッチの中では常にスペクタクルなサッカーを求める。技術屋としてイージーなミスは許されないが、ゴール前の大胆なミスは大歓迎。わざと倒れて審判をだますシミュレーションは大嫌いだ。

ピッチの外に出たら仲間への思いやりやファンへの感謝はしっかりと伝えさせたい。スペクタクルとリスペクトにあふれたチームは、また見たいという気持ちにお客さんをさせると思う。

試合の有料化は「する」から「見る、見せる、見られる」スポーツになるということ。それは「自分のため」だけでなく「チームのため」「サポーターのため」「お客さんのため」と目的の輪を外に広げていくということ。そこを意識できるかどうかが自分たちの未来を左右すると思う。(了)

【平成24年4月24日(火)日本経済新聞より抜粋】

 

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